本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

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【書評】『大事なことに集中する』(カル・ニューポート)

 お薦めの本の紹介です。
 カル・ニューポートさんの『大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法』です。

 カル・ニューポート(Cal Newport)さんは、コンピュータ・サイエンスがご専門の工学博士です。
 現在、ジョージタウン大学の准教授を務められるかたわら、生産性を上げて充実した人生を送るためのアドバイスもおこなっておられます。

抜きん出た業績を残すために必要な「ディープ・ワーク」

 ある分野において、抜きん出た業績を残す。
 そのために必要なのが、「ディープ・ワーク」です。

 ディープ・ワークとは、認知能力を限界まで高める、注意散漫のない集中した状態でなされる職業上の活動のことです。

 一方、それと対照をなし、現代人が陥りやすいのが、「シャロー・ワーク」です。

 シャロー・ワークとは、あまり知的思考を必要としない、補助的な仕事で、あまり新しい価値を生み出さず、誰にでも容易に再現することができる活動のことです。

 例えば、メールやツイッター・フェイスブックに時間を費やすなどの行為のこと。

 誰もがインターネットでつながるネットワーク社会において、知的労働者はディープ・ワークをどんどんシャロー・ワークに変えています。

 ニューポートさんは、シャロー・ワークに没頭して多くの時間を費やせば、ディープ・ワークをおこなう能力は“永遠に”に低減しつづけると述べています。

 集中を途切らせる要因に事欠かず、“シャロー・ワークの罠”がいたるところにある、現代社会。
 だからこそ、ディープ・ワークを優先することの潜在力に気づいている少数者にとっては、大きな経済的・個人的なチャンスです。

 それには二つの理由がある。第一は、習得と関係がある。いまは急速に変化する複雑なシステムに左右される情報経済の時代である。例えば、ベンが学んだコンピュータ言語は10年前には存在していなかったし、10年後には時代遅れになっているだろう。1990年代にマーケティングで成功した人は、いまデジタル分析が必要になるとは考えもしなかっただろう。つまり、情報経済の現在、価値ある人間でいるには、複雑なことを素早く身につけるすべを習得しなければならない。それにはディープ・ワークが必要だ。それができなければ、テクノロジーの進歩に遅れを取るだろう。
 ディープ・ワークが大切な第二の理由は、デジタル・ネットワーク革命の影響によって二つの道が拓かれるからだ。もしあなたが有用なものをつくり出すことができたら、アクセスが可能な消費者(例えば、雇用主や顧客)は基本的に際限がない――それによってあなたの報酬は増大する。他方、あなたがつくるものがありふれていたら、不利になる。消費者はもっといいものをオンラインで簡単に見つけることができるのだから。
 ディープ・ワークの必要性はこれまでになく高まっている。産業経済の時代には、ディープ・ワークが不可欠な、優れた技能を持つ労働者も知的専門職の人々も少数であったが、大半の人が気を散らさず集中する能力を養ったりしなくとも、立派に仕事をすることができた。彼らは小型機器を動かすことで報酬を得た――そして、何十年も仕事内容はほとんど変わらなかった。
 しかし、情報経済の時代になると、知的労働者はどんどん増え、ディープ・ワークは一種の基軸通貨になってきている――大半がいまだこの現実に気づいていないとしても。ディープ・ワークはきわめて重要で、ビジネス・ライターのエリック・ベイカーの言葉を借りれば、「21世紀のスーパーパワー」と言えそうだ。

『大事なことに集中する』 序章 より カル・ニューポート:著 門田美鈴:訳 ダイヤモンド社:刊

 本書は、「ディープ・ワーク」の魅力を説明し、それを得るための実践的なノウハウをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「マルチタスク」は生産性を落とす

 仕事の生産性を高めるための秘訣。
 それは難しいが重要な知的作業をまとめて、長期間、中断することなく続けることです。

 ニューポートさんは、「生産性の法則」を以下の式で表しています。

 成果を最大限にする働き方 = 費やした時間 × 集中度

 つまり、集中度を最大にすることが、生産性を最大にすることにつながります。

 集中度を阻害するひとつの大きな原因に、「注意残余(attention residue)」の影響があります。

 タスクAからタスクBへ移るとき、人の注意力は、すぐにはついていきません。
 ニューポートさんは、注意の“残余”は最初のタスクについて考え続けると述べています。

 タスクAのしごとに限りがなく、集中度が低いほど、この“残余”の密度は濃くなる。しかし、タスクBへ移る前にタスクAを終えたとしても、注意力はしばらく分裂したままだ。
 ルロワは、タスクの変更による“注意残余”の成績への影響を実験によって調べた。例えば、実験の一つは、言葉のパズルに取り組むというものだった。その取り組みの一つでは、パズルを途中で中断させ、新たな難しいタスク、この場合は履歴書を読んで採用の決定をおこなうという仕事に移るよう指示した。
 別の試みでは、次のタスクを与える前にパズルを解かせた。パズルを解くことと採用の決定との間に、スクリーンに文字列を次々に映し出して判断させるゲームをはさみ、最初のタスクのあとに残された“注意残余”を測定した。
 他の同様の実験も含め、結果ははっきりしていた。「タスクの変更後、“注意残余”を体験した人々は、次のタスクで成績不振が見られる傾向があり」、“残余”が強ければ、それだけ成績は悪くなる。
 このことから集中度の公式が正しいことも、グラントの生産性が高い理由もわかる。たとえグラントほど徹底的に引きこもらなくても、少々気を散らすような普通の習慣でも、仕事の出来が損なわれる可能性がある。
 例えば、10分ごとにメールの受信トレイをちらっと見るくらいは問題ないと思うかもしれない。でも、ちょっとチェックするだけでも注意はそれる。もっと悪いことに、すぐに対処できないメッセージを目にした場合、未処理の仕事をかかえて主業務に戻ることになる。切り替わらないままの“注意残余”のせいで、仕事の生産性は低下する。
 あなたが最高の生産性を発揮するには、長期間、気を散らすことなく、一つの仕事に全面的に集中する必要がある。言い換えれば、成果を最大にする働き方こそ、ディープ・ワークなのだ。あなたの才能とスキルがライバルたちより決定的に勝っているでなければ、ディープ・ワークを実践する人が生産性であなたを凌ぐだろう。

『大事なことに集中する』 第1章 より カル・ニューポート:著 門田美鈴:訳 ダイヤモンド社:刊

 生産性を高めたいのなら、タスクの切替回数を、できるだけ減らすこと。
 1回のタスクの時間を、集中の続く範囲で、極力長くすること。

 いくつもの作業を同時に行う「マルチタスク」は、結局は、効率が良くない。
 その大きな理由のひとつが「注意残余」の影響です。

「ディープ・ワーク」の利点

 ディープ・ワークには、多くの利点があります。
 ニューポートさんが、そのひとつとして挙げるのが「神経学的利点」です。

 科学ライターのウィニフレッド・ギャラガーは、自身のガンの治療を通じて、心の「壮大な統一理論」を構築します。

 その理論とは、私たちの頭脳は、“注意を向けるもの”に基づいて世界観を組み立てるというものです。

月を指し示す指のように、人類学から教育まで、行動経済学から家庭相談まで、その他のさまざまな学科が同じように、意識の上手な管理はよい生活の必須条件であり、事実上、経験のあらゆる面の向上のカギであることを示唆している。

 この考え方は、大半の人の個人的な経験についての考え方を覆す。わたしたちは“環境”に重きを置きがちで、自分に起こったことが感じ方を決めると思っている。この観点からすると、あなたの一日の細部はそれほど重要ではない。重要なのは、昇進したとか立派な家に引っ越したというような大きな出来事だ。ギャラガーによれば、何十年もの調査はこれを否定していた。
 私たちの頭脳は、“注意を向けるもの”に基づいて世界観を組み立てる。ガンという診断に意識を集中すれば、あなたもあなたの生活も不幸で暗いものになるが、夕方のマティーニに集中すればもっと楽しいものになる――どちらのシナリオでも状況は変わらないとしても。ギャラガーは言う。「あなたは誰か、何を考え、感じ、おこなっているか、何を愛しているか、それがあなたが集中するポイントだ」
 著書『歓喜』で、ギャラガーはこの心についての理解を裏づける研究をおこなっている。この中で言及しているのが、ノースカロライナ大学の心理学者、バーバラ・フレドリクソン。感情の認知的評価についての研究者である。人生で何か悪いことや混乱させるようなことが起きても、フレドリクソンによれば、あなたが何に意識を集中させるかによって、前進する大きな力が生まれる。こんな単純な選択があなたの気持ちに「リセットボタン」を与えてくれるのだ。
 例えば、家事の分担が不公平だとして争っている夫婦がいるとする。「相手の身勝手さや怠惰をあげつらうより、少なくとも対立点が明らかになったという事実に注意を向ければ、それが問題解決と、気持ちを取りなおす第一歩となる」。これは明るい面を見ようという安易な勧めのように思えるが、こうした感情の「レバレッジ・ポイント」を上手に利用すれば、より前向きな結果を生み出すことができる。
 科学者は、神経レベルの活動に至るまでこの効果があることを認めている。スタンフォード大学の心理学者、ローラ・カーステンセンは、fMRI(機能的磁気共鳴画像)を使って、ポジティブなイメージとネガティブなイメージを示すものについて脳活動を調べた。若年者では、両方のイメージに扁桃体(へんとうたい)が興奮した。年配者では、扁桃体が興奮したのはポジティブなイメージに対してだけだった。
 このことから、年配の被験者は大脳皮質が訓練されて、ネガティブな刺激の下で扁桃体が抑制されるようになっていると推測される。年配被験者の生活環境が若年被験者よりもよいからより幸せなのではない。脳がネガティブなものを無視し、ポジティブなものを満喫するようになっているから幸せなのだ。意識をうまく管理することで、現実は何も変わっていないのに自分の世界を改善したのである。

『大事なことに集中する』 第3章 より カル・ニューポート:著 門田美鈴:訳 ダイヤモンド社:刊

 ディープ・ワークは、自分が最も大切だと思える行動に、100%の力を注ぎ込むこと。
 不満や恐れ、不安などが入り込む余地は、ありません。

 虫めがねを通した太陽光が簡単に紙を燃やすように、意識のポイントを1点に絞ること。

 どんな状況でも、ポジティブな視点を忘れないよう、意識をコントロールしたいですね。

ディープ・ワークに入る「自分に合った儀式」を考える

 私たちは、自分なりのディープ・ワークのやり方を見つける必要があります。
 気をつけるべきは、自分自身の環境に合った方法をとることです。

 ニューポートさんは、そのための方法のひとつとして、「儀式化」を挙げています。

 頭を使って価値あるものをつくり出す人々について、見逃されがちなのは、無計画に仕事の習慣を設けてはないということだ。ピューリツァー賞受賞の伝記作家、ロバート・カーロを考えてみよう。2009年の記事が明かしているように、「[カーロの]ニューヨークのオフィスは、隅々まで厳密に整理されている」。彼の著書を置く場所、ノートの重ね方、壁にかけるもの、オフィスで身につけるものまで。すべてが定位置にあり、カーロの長いキャリアを通じてほとんど変わっていない。
 彼は言う。「物事をきちんとするように自分をしつけてきた」
 チャールズ・ダーウィンも『種の起源』を書いているとき、厳密なスケジュールをもとに生活をしていた。息子のフランシスがのちに言っているが、7時きっかりに起き、短い散歩をした。それから一人で朝食を摂ると、8時から9時半まで研究に勤しんだ。そのあと1時間、前日の手紙に目を通し、10時半から正午までまた仕事をつづけた。その後、温室から地所をめぐる、ふだん使われていない道を歩きながら、興味をそそる難題に考えをめぐらせた。気がすむまで熟考すると、一日の仕事の終了を断じた。
(中略)
 この戦略が示しているのは、次のようなことだ。ディープ・ワーク時間を最大にするには、カーロやダーウィンと同じくらい厳密で特異な儀式をつくりあげねばならない。それには十分な理由がある。二人が変わっているからではない。彼らの成功はディープ・ワークに努めることにかかっていたからだ。頭脳を限界まで働かせなければ、ピューリツァー賞を獲得することも壮大な理論を生み出すこともできないのだ。
 儀式によって、ディープ・ワークへの抵抗が最小限になり、たやすくディープ・ワークに移り、その状態を保つことができたのだ。
 ディープ・ワークの“正しい”儀式は一つではない。その人と仕事の性質による。いかに考慮すべき点を挙げる。

  • どこで、どのくらいの時間働くのか
     儀式には、ディープ・ワークのための場所が定まっていなければならない。その場所は、普通のオフィスと同じように簡素で、ドアが閉められ、デスクが片づいていればいい。ディープ・ワークのため“だけに”使える場所――会議室や静かな図書館――があれば、より大きなプラスの効果がある。また、期限が決まっていない仕事ではなく、個別の課題のために、一定の時間枠を設けること。
  • ひとたび働きはじめたら、どのように働くか
     儀式は、仕事をきちんと進めるためのルールと方法を備えていなければならない。例えば、インターネットの使用を禁止する、あるいは20分間に書く字数のような基準を決めるなどして、集中力を鍛える。こうしたシステムがなければ、何をすべきで何をすべきでないかに迷い、十分熱心に取り組んでいるか常に見きわめなければならない。これは不必要な意志力の浪費である。
  • ディープ・ワークをどのように支援するか
     儀式は、あなたの頭脳がディープ・ワークを高水準に保つために、必要なサポートを得られるものでなければならない。例えば、美味しいコーヒーで始める、エネルギーを保つための食べ物が十分に入手できる。頭脳を明晰(めいせき)に保つために散歩のような軽い運動を組み込むなど。
     また、エネルギーを浪費させる抵抗を最小限にするため、仕事の資料を整理するといった、環境要素も含まれるかもしれない。最大限の成功を収めるには、あなたの取り組みをサポートして深める必要がある。同時に、このサポートも系統立てたものにして、そのときどきに必要なことを見つける精神的エネルギーを浪費しないようにしなければならない。

『大事なことに集中する』 第4章 より カル・ニューポート:著 門田美鈴:訳 ダイヤモンド社:刊

 ディープ・ワーク以外の作業、つまりシャロー・ワークを最小化する。
 それが、本来の仕事に打ち込むための秘訣です。

 儀式、つまり、日常生活を簡略化して、ルーチン化する。
 決まりきった生活のなかに、ディープ・ワークを組み込む。

 そうすることで、最大限のエネルギーを注ぎ込むことができるのですね。

「場所」をイメージしながら記憶する

 記憶力の高めることでも、ディープ・ワーク力を得ることができます。

 ニューポートさんは、記憶力の訓練の副次効果として、注意を集中する能力全般の向上があると指摘します。
 ここでは、トランプのカードを暗記する方法が紹介されています。

 私たちの脳は具体的ではない情報を取り込むようにはできていない。しかし、具体的な出来事を覚えるのは得意だ。最近の印象的な出来事を思い出してほしい。イベントの開会式に出席したとか、しばらく会っていなかった友人と飲みにいったとか。できるだけはっきり場面を描こう。ほとんどの人が驚くほど鮮明に思い出すことができる。細部を順序立てて教えてみると、その総数は意外なほど多いだろう。
 つまり、あなたの心は数多くの情報をすばやく留めることができるのだ――正しい方法で保存するならば。ロン・ホワイトのカード記憶術は、この洞察に基づいたものだ。
 このように大量のものを記憶する準備として、ホワイトが勧めるのは、まず、自宅の5つの部屋を通り抜けることを心に描くという方法だ。たぶんあなたはドアを開け、玄関を通り抜け、階下の浴室へ向かい、そこを出て寝室に入り、台所に歩み入り、その階を通って地階へ向かう。
 よく知っている場所をこのように通り抜けることを思い描くことができたら、部屋ごとに、10個の品物を記憶する。ホワイトは、デスクのような大きな物のほうが覚えやすいという。次に、各部屋で、これらの物を見る順番を定める。例えば、玄関では、玄関マット、それからマットのそばの靴、それから靴の上方のベンチというぐあいだ。合計で50個なので、たぶん裏庭の物を2個加えて、あとでトランプ1組のカードと結びつけるときに必要な数、52個にする。
 この頭の体操は、見慣れた場所と品物の視覚映像がもとになっているので、まる暗記よりずっとたやすいだろう。
 トランプ1組を暗記する準備として、第二段階は、覚えやすい人物や品物と52枚のカードの各々を結びつけることだ。これを容易にするには、カードとそれに対応するイメージが道理にかなったつながりを持つようにすることだ。ホワイトが例として挙げるのは、ドナルド・トランプとダイヤのキングで、ダイヤは富を表すからだ。トランプ1組からランダムに一枚を引き、すぐさまそれに結びついたイメージを思い浮かべることができるようになるまで練習する。
 以上の二段階は、“事前”の段階だ――一度やり方を覚えれば、カードの暗記に繰り返し活用できる。この二段階を終えれば、メインイベントへと進むことができる。
 つまり、新たに切り直したトランプ、52枚の順番をできるだけ速く覚えることだ方法は簡単だ。心の中であなたの家の中を歩いていく。そこで品物に出会うたびに、次のカードを見、それに対応する人や物が近くで何か覚えやすいことをしているところをイメージする。例えば、最初の物と場所が玄関のマットで、最初のカードがダイヤのキングなら、ドナルド・トランプが玄関のマットで効果なローファーの泥を拭っている姿を思い描くというふうに。
 注意深く部屋を進み、ぴったりのイメージと物を正しい順番で結びつけていく。一部屋が終わると、何回か同じことをしてイメージを叩き込んでもいい。やり終えると、トランプを友人に渡し、それをちらとも見ないで順番どおりすらすら言って、相手を驚かせる態勢が整う。もちろん、そのためには、もう一度心の中で部屋を歩き、それぞれの人や物とそれに対応するカードを結びつける必要がある。

『大事なことに集中する』 第5章 より カル・ニューポート:著 門田美鈴:訳 ダイヤモンド社:刊

 必要なのは、少しの下準備と、トランプ一式だけ。
 手軽にできる頭の体操です。

 記憶力とディープ・ワーク力の両方を高められて、一石二鳥ですね。
 ぜひ、試してみたい方法です。

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 ニューポートさんは、注意を集中する能力は、“価値あることをなしとげる”スキルであると強調されています。

 パソコンに、スマートフォン。
 テレビに、インターネット。
 ラインに、フェイスブックに、ツイッター。

 外部の情報を得るのに、これ以上恵まれた環境は、いまだかつてありません。

 IT(情報技術)の発展で多くの恩恵を受ける一方、失ったものも、少なからずあります。
 その一つが、「集中して物事を考えられる」環境です。

 情報化社会の便利さを享受しつつ、大事なことに集中して、生産性を上げるか。
 今の時代特有のジレンマを解決するカギが、本書には、ぎっしりと詰まっています。

 集中できない時代。
 だからこそ、「大事なことに集中する」能力は、希少性があります。

「ディープ・ワーク」は、これからますます、世間の注目を集めることになるでしょう。

 ムダを極力なくし、本当に必要なことに全力を注いで、余裕のある人生を送りたい。
 そう望むすべての人に、読んで頂きたい一冊です。

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2 thoughts on “【書評】『大事なことに集中する』(カル・ニューポート)

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