本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』(松本同弘)

 お薦めの本の紹介です。
 松本同弘先生の『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』です。

 松本同弘(まつもと・ともひろ)先生は、リメディアルセラピストです。
 これまで3万人以上に施術され、“予約の絶えないセラピスト”として、東京・横浜・スイスを拠点に活動をされています。

「首」と名のつくところに「腸」の状態があらわれる!

 便秘、下痢、胃もたれ、冷え性、不眠症、肩こり、腰痛。
 糖尿病、脳卒中、がん、うつ、神経症などの病気。

 それらの原因は、あるひとつの場所に集約されます。

 その場所とは、「腸」です。

 松本先生は、「腸の硬さ」が、からだに起こる不快な症状の原因だと述べています。

 下腹部がやたら硬かったり、やたらゆるんでいたり、やたら冷たかったり、やたら張っていたり・・・・・。
 そんな人は、例外なくからだのどこかにコリやハリやだるさがあって、肩こりや腰痛、膝痛などの痛みに悩んでいたり、抱えている病気があったり、病気はなくても、日常生活で消化不良や倦怠(けんたい)感などの不調に悩まされていたりします。
 腸の硬さと、からだの不快症状が、実はとてもリンクしている。
 そのことを、私はこれまで3万人以上のからだと向き合ってきた経験から、導き出しました。
「腸が硬いってどういうこと?」
「腸というなら、食べるものを変えるということ?」

 そんな疑問を抱かれた方もいるかもしれませんね。
 腸が硬いからといって、「腸もみ」をするのは危険をともないますし、食べるものを変えることも、ひとつの方法ではありますが、今回私の経験からお伝えするのは、そこではありません。

 この本で私がお伝えしていく、
 とても簡単な方法で、
 腸は本来のやわらかさと機能を
 取り戻すことができます。
 その名も、
「からだじゅうの5つの首をゆるめる方法」。

 からだじゅうの5つの首とは、

  • 手首
  • 足首
  • 乳首
  • くびれ(腰首)

 これら、5つの首です。

 腸を直接触ることなく、からだじゅうにある5つの首で、その本来の姿に戻す。
 これが、今回この本でお伝えする方法です。

 これらの首の詰まりを取りのぞくことで腸の硬さをとって、快活な状態に戻すことができれば、つまり、腸が正常な弾力とやわらかさ、そして正しい位置を取り戻すことができれば、全身がリラックスしてからだの自然治癒力が発揮され、あらゆる不快な症状は消えるでしょう。

『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』 プロローグ より 松本同弘:著 サンマーク出版:刊

 本書は、からだじゅうの「5つの首」をゆるめることで、「腸」をやわらかくする具体的な方法を、わかりやすくまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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腸の硬さと「首」の硬さは比例している!

 松本先生が提唱するのは、腸に直接触れることなく、からだの中でもっとも大切な臓器である腸の過緊張をとり、本来のやわらかさと弾力を取り戻す方法です。

 腸が硬くなると5つの首は硬くなります。これは、すべての内臓や筋肉、腱、骨格が互いにくっつき合って影響しているため、どこか臓器が1か所硬くなると、それは単体の問題では終わらないからです。
 からだは決して、ひとつの筋肉だけ、ひとつの骨だけで動くことはありません。たとえば、ダンベルを持ち上げる場合、腕に負荷がかかれば、体勢のバランスをとるために踏ん張る足の筋肉、腰の筋肉、背中の筋肉、首の筋肉・・・・・とたくさんの筋肉が影響し合っています。
 物を持ち上げるというと腕の筋肉だけしか使わないイメージがありますが、実際は、全身の筋肉が助け合って、物を持ち上げるという動作ができるということなのです。

 いい意味でからだ全体が影響し合うぶんにはいいのですが、問題なのは、悪い意味でも影響し合ってしまうこと。
 腸が硬くなると、そのまわりの筋肉も引っ張られて収縮した形状になって硬くなり、骨格や筋肉の付着部分なども、全部腸のほうに引っ張られていってしまうため、それぞれのからだの首までも硬くなっていってしまうのです。つまり、

 腸が硬くなる → 筋肉が硬くなる → 末端部の首も硬くなる

 というふうに、全身に硬さが波及していくのです。
 そこで、腸をやわらかくするために今度は逆方向からゆるめるのです。

 末端部の首をゆるめる → 筋肉がゆるまって血流がよくなり、弾力性が戻る → 腸もやわらかくなる

 このように、硬くなった末端部(首)からゆるめることで、骨格、筋肉、関節を刺激していくと、そのゆるみがどんどん中心部へと波及して、腸が広がるだけのスペースができあがります。
 すると、これまでぎゅっと縮こまっていた腸が広がる空間を得るので、血流が促され、収縮していた場所に血液が入り込んでリラックスし始めます。
 実際、施術中に腸がグルグル音を立てて鳴り出す人も多く、女性の方は恥ずかしがられたりするのですが、これは腸に血液が流れ込んできた証拠。恥ずかしいどころか、からだが正常な状態に戻ってきているすばらしい兆候です。

『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』 第2章 より 松本同弘:著 サンマーク出版:刊

 腸が硬いからといって、腸だけをマッサージするのは、とても危険です。
 とても素人の私たちが、手を出せる領域ではありません。

 重要なのは、腸の過緊張を起こしている原因そのものを取り除くこと。
 そのためには、末端部の「首」をゆるめてあげる方法が、一番安心で効果があるということですね。

「手首」のゆるめ方

 ゆるめ方の基本は、「圧迫法」です。
 それぞれの「首」をぎゅっと2〜3分間圧迫し続け、その後、圧迫から開放します。

 具体的なやり方を紹介します。
 最初に、「手首のゆるめ方」です。

 手首のゆるめ方

 手首の小指側にあるポコンとでっぱった骨(尺骨茎状突起(しゃっこつけいじょうとっき))のわずかに指先寄りの部分を、一方の手でがっしりとつかみます。イタキモチイイくらいの強さが目安。そのまましばらく(2〜3分間)圧迫します。
 その状態から、肘のほうに押していくように力をかけながら、手首を約1分間、圧迫します。
 反対の手も同じように行います。

 とくにこんな症状のときに

  • 肩こり
  • 肩が上がらない
  • 肩甲骨の動きが悪い
  • 腱鞘炎(けんしょうえん)がつらい

 手首をゆるめる効果
 手首が硬くなっていると感じているときは、手首が緊張しているとき。手首の中には8個の小さな骨がありますが、緊張しているとそれらの骨が窮屈そうにせめぎ合っているため、手首が硬くなってしまうのです。
 そこで、手首を圧迫してゆるめることで、手首に血流を起こし、腱や筋肉、筋などをゆるめて、8個の小さな骨たちに隙間をつくってあげるのです。
 同時に、肘に向かって圧をかけることで、腕全体の筋肉に負荷がかかり血流を起こし、結果、筋肉をゆるめることができます。

『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』 第2章 より 松本同弘:著 サンマーク出版:刊

図1 1 手首のゆるめ方 第2章P83
図1-1.手首のゆるめ方
(『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』 第2章 より抜粋)

図1 2 手首のゆるめ方 第2章P84
図1-2.手首をゆるめることによって、影響を受ける骨や筋肉
(『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』 第2章 より抜粋)

 デスクワークの人でも、仕事の合間に、できそうな方法です。
 ちょっとした空き時間に、ぜひ試してみたいですね。

「足首」のゆるめ方

 次に、「足首」のゆるめ方です。

 足首のゆるめ方
 足首を自分でゆるめようとすると、無理な体勢で別の部位に負担をかけてしまうことがあるので、この場合は、ある道具を使います。
 その道具とは、ペディキュアを塗るときに使う「足指開きパッド」。100円ショップに行けば、どこにでも売っています。
 これを、暇なときに足の指の間にはめて、足の指を開いておくだけ。テレビを見ながら、本を読みながら、ソファに座りながら、足指開きパッドをつけておきましょう。
 できれば、1日20分はつけておくこと。家の中ならスリッパがわりに装着して過ごしていただいても、そのまま寝てしまってもオッケーです。
 足指開きパッドがどうしても見つからない場合は、ティッシュペーパー1枚を4等分に割いて丸め、足の指の間に詰めていただいても同じ効果が得られます。
 余裕があれば、足指開きパッドをはめたまま、ゴルフボール大のスーパーボール(駄菓子屋などで売っています)を床に置いて、踏みつけるように足裏をゴロゴロ刺激すると、さらに効果がアップします。

 とくにこんな症状のときに

  • 冷え性でつらい
  • 便秘
  • 足がむくむ
  • 膝が痛い
  • 股関節が痛い
  • 扁平足(へんぺいそく)
  • O脚
  • 足が疲れやすい
  • 開腹手術後のおなかのしこりが気になるとき

 足首をゆるめる効果
 私たちが立っているとき、足裏全体を床につけているわけではありません。親指のつけ根の骨と、小指のつけ根の骨、そしてかかとの3つの骨を土台としてアーチをつくり、効率よく体重を支えています。
 つまり、このアーチがしっかりしていると、体重を足元でちゃんと支えることができるので、他の部分に余分な負担がかからなくなるのです。
 ことろが、からだの不調を抱えている方の多くは、足指が窮屈そうに寄り集まっていて足裏アーチのバランスが崩れています。
 姿勢や歩き方の偏りで筋肉の動きが偏り、その影響から腸が硬くなり、骨盤や周囲の筋肉などが腸のほうに引っ張られます。すると、股関節の可動域が狭まり、下肢筋肉も硬くなって、足裏アーチが崩れるのです。これは足の疲れの原因となり、足首も硬くなってしまいます。

『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』 第2章 より 松本同弘:著 サンマーク出版:刊

図2 1 足首のゆるめ方 第2章P87
図2-1.足首のゆるめ方
(『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』 第2章 より抜粋)

図2 2 足首のゆるめ方 第2章P88
図2-2.足首をゆるめることによって、影響を受ける骨や筋肉
(『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』 第2章 より抜粋)

 必要なのは、「足指開きパッド」と「ゴルフボール大のスーパーボール」だけ。

 一日の終わりに、疲れた足に感謝を込めて、ゆるめてあげましょう。

せっかちな人が、胃腸の病気になりやすい理由

 松本先生は、腸が硬くなるそのほとんどは、感情が原因だと指摘します。

 マイナスの感情は、内臓の機能に負担を与えます。

 精神的なストレスの大きい状態に長く耐えていると、最終的にからだの中心にある「腸」に影響が及んで、腸が硬くなっていくからです。

 また、気持ちの「ゆとりのなさ」も、腸に異常をきたす、大きな要因となります。

 何でも早くしなければならない、明日できることも今日やらないと気がすまない、というせっかちさんは、ゆっくりしている罪悪感が湧き出してきたりして、ついつい動きすぎてしまってはいませんか?
 きっと、食事のあともゆっくりする時間をとらず、食べたらすぐ次の行動に向かうことも日常茶飯事なのでしょう。

 実は、この状況は危険です。本来、食べたあとは消化に血液が使われるべきなのですが、食べてすぐ仕事、食べてすぐ別の用事をしたりすると、血液が消化に行かず、脳など別のところに回ってしまうからです。
 でも、食べたものは消化しなければならないので、からだは胃酸を無理やり出して消化するようになります。すると、胃酸過多になって粘膜もやられてしまい、胃酸が十二指腸を通って十二指腸潰瘍などにもなってしまいます。
 さらに、胃酸は腸にも入っていくので、腸壁もただれ腸炎が発生。しかも、中途半端に消化された状態のものが腸に入ると、腸はそこから栄養分解して吸収しようとするので、腸壁が汚れてしまうのです。
 血液は腸でつくられていますが、腸壁が汚れていると、血液も汚れたまま体内に回ってしまいます。その汚れた血液を肝臓で蓄え、腎臓でろ過するため、肝臓、腎臓にも負担がかかります。
 腎臓は背中側にあるため、腎臓に負担がかかると、どうしても背中が張ってきます。すると、じっとしていられなくて、背中を曲げたり伸ばしたりして楽な姿勢を見つけようとします。そうするうちに、傾いた姿勢が楽だと思うと、骨盤もずれていくので、筋肉のバランスが崩れていってしまうのです。
 あせって何かをしてしまう、とにかく早くしないと気がすまないという人は、「ゆっくり」を意識してください。まずは、食事のあと、30分はソファーに座ってぼぉ〜っとしたり、家族や気心知れた友人と楽しくおしゃべりしたりして、とにかくリラックスを自分に課すことから始めてみるのもいいでしょう。

『からだじゅうの首をゆるめると内臓が若返る』 第3章 より 松本同弘:著 サンマーク出版:刊

 何かと時間に追われることの多い、現代社会。
 食事くらいは、ゆっくりと味わって、楽しみながらとりたいものです。

 よく噛んで、少しずつ飲み込む。
 食事の後は、すぐに動かず、30分くらい休憩する。

 ぜひ、習慣にしたいですね。

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 首や手首、足首などをゆるめると、「腸」が柔らかくなる。
 一見、何の関係もないように思いますが、実は密接につながっています。

 私たち人間のからだは、単なる臓器の集まりではありません。

 それぞれが有機的なつながりをもち、わずかな感情の違いにも、敏感に反応する。
 まさに「小宇宙」と呼ぶにふさわしいものです。

 からだの不調を根本的に治す、画期的な「からだじゅうの5つの首をゆるめる方法」。
 本書の方法は、誰にも手軽に、どこでもできるものばかりです。

 皆さんも、ぜひ、一度お試しください。

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