本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『勉強の技法』(千田琢哉)

 お薦めの本の紹介です。
 千田琢哉さんの『一生トップで駆け抜けつづけるために20代で身につけたい勉強の技法』です。

 千田琢哉(せんだ・たくや)さんは作家です。
 大手経営コンサルティングを経て独立、現在は、執筆活動や研修講師など多方面でご活躍中です。

「大人の勉強」には横ジワができる!

 千田さんは、人は普段考えていることや生き様が、そのまま見かけ、特に表情に露呈されていくと指摘します。

 幸せそうな人の表情には、横ジワがたくさん刻まれます。
 逆に、不幸そうな人の表情には、横ジワがたくさん刻まれます。

 学生時代には、苦痛に耐えて勉強した優等生ほど、縦ジワが刻まれます。
 社会人になると、笑いながら勉強し、横ジワの筋トレをしていく人がトップを独走することができます。

 本書は、横ジワ筋を鍛えながら楽しく学び続ける「大人の勉強法」をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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勉強すると、競争に巻き込まれない。

 人間には、「競争する本能」があり、「勝った、負けた」に持ち込む傾向があります。
 受験勉強も、同期の中の出世争いも、国同士の戦争もすべて周りとの競争から起こります。

 千田さんは、そんな他人との競争に巻き込まれないためにも勉強をすべきと強調します。

 大切なことは、他人事ではなく自分事だ。
 ちょっと記憶にはないかもしれないが、あなたも精子だった頃は、気の遠くなるような数のライバルを蹴落としてきた。
 だから今、こうしてこの本を読むことができている。
 ライバルたちはどうなったかといえば、死んでしまった。
 これが厳しい現実だ。
 だから本能に従えばいいのかといえば、そうではない。
 油断すると殺し合いにまで発展しかねない本能をコントロールするために、私たちは勉強するのだ。
 いかに他人を陥れるかを勉強しても、いずれ必ず自分が陥れられる。
 いかに他人を認めるかを勉強すると、いずれ必ず自分が認められる。
 うっかり競争しそうになったら、自分の勉強不足を省みよう。
 他人が気にならない状態が、大人の勉強をしている状態だ。

 『勉強の技法』 CHAPTER:1 より 千田琢哉:著 サンクチュアリ出版:刊

 周りの人に勝つためにする勉強は、勝負がついた時点で終わります。

 自分の実力を周りの人と比べると、その中で一番になった時点で満足してしまいます。
 それ以上のレベルには到達することができませんね。

 突き抜けた実力を身につける人は、周囲に関係なく好きなことに熱中し、全力で努力する人です。

「大切なことは、他人事ではなく、自分事」

 大人の勉強を身につけたいですね。

人生の帳尻は、必ず取れるようになっている。

 千田さんは、これまで出逢った3000人の経営者との対話を思い返してみると、異口同音に唱えていた世の中の仕組みがあったと述べています。

 それは、「人生の帳尻は、必ず取れるようになっている」ということ。

 人によっては「人生トータルで±0になる」など表現は違ったものの、本質は同じだった。
 仏教用語でいう「不増不減」のことだ。
 長い目で見れば、増えることも減ることのないという教えだ。
 身近な例では、自分の人生を振り返っていみるとわかりやすい。
 ずるいことで得した経験もあれば、正直にやったのに損した経験もあるだろう。
 他人を見下した経験もあれば、他人から見下されてしまった経験もあるだろう。
 与えた量と、与えられる量は必ず一致する。
 誰かに100与えれば、時差を経てどこかから100返ってくる。
 誰かから100奪えば、時差を経てどこかから100回収される。
 シンプルだが、それだけのこと。
 安心して、誠実に生きよう。

 『勉強の技法』 CHAPTER:3 より 千田琢哉:著 サンクチュアリ出版:刊

 いいことであれ、悪いことであれ、したことはすべて自分自身に戻ってきます。
 起こってほしいことを増やしたいなら、自分がしてほしいことをすること。

 嫌なことを減らしたいなら、自分がしてほしくないことをしないこと。
 目先の損得でものごとを判断せず「与え続ける人生」を送りたいものです。

年収は、信用の偏差値。

 年収300万円の人と年収3000万円の人との決定的な違い。
 それは、「信用度の差」です。

 どうやら家柄も知能指数も人間性も、決定打にはならないようだ。
 共通点は、年収3000万円集めるだけの信用があるということだ。
 お金は誰でも建前ではなく本音で支払う。
 建前で信じる人ではなく、本音で信じる人に対してだけ支払う。
 サラリーマンは、その人の信用の偏差値が年収として顕在化する。
 年収を決めるのは、労働の過酷さでも労働時間の長さでもない。
 本音で信頼されている人に対して、お金は一極集中するのだ。
 お金儲けのテクニックの前に、まず信頼されることに命をかけよう。

 『勉強の技法』 CHAPTER:6 より 千田琢哉:著 サンクチュアリ出版:刊

 他人との信頼関係は、一朝一夕では獲得することはできません。
 長い時間をかけて、ゆっくりと築き上げていくものです。

 また、一度の過ちで簡単に壊れてしまうほど傷つきやすいものでもあります。
 だからこそ、誰からも信用される人は、それだけでとても貴重な価値を持ちます。

 テクニックで稼げるお金は一時的なもの。
 信頼で稼げるお金は一生もの。

 どんなときも、誰からも信頼される人間を目指したいものです。

自信のあることほど、淡々と伝える。

 説得力のある「大人の話し方」について。

 自分に自信のある話に話題が及ぶと、うっかり大声になってしまうのはお子様の証拠です。
 逆に、落ち着いて淡々と伝える方が説得力が上がります。

「自分はこんなに正しい!」と主張すると、それだけで反感を買って話を聞いてもらえなくなる。
 声の大きさで相手を説得しようとしても不可能だ。
 人間は自分から納得したい生き物だからだ。
 他人に説得されたい人はこの世にはいない。
 たとえそれがどんなに正しかったとしても。
 もし相手に納得してもらいたかったら、落ち着いて伝えることだ。
 自信があることほど、淡々と伝えると相手は敬意を感じる。
「こんなに凄い知識を冷静に伝えるとは、この人の魅力はまだ氷山の一角だな」と、美しく誤解してくれるという特典付きだ。
 信じられない人は、この機会に人生で一度だけ限定で試してみればいい。
 大声で主張するより遥かに快感のはずだ。
 絶対自信がある時こそ落ち着いて伝えることで、放っておいても主導権を握ることができる。

 『勉強の技法』 CHAPTER:7 より 千田琢哉:著 サンクチュアリ出版:刊

 声に気持ちを込めるほど、自分の中で盛り上がって声が大きくなりがちです。

 勝負どころほど、冷静に、淡々と伝えること。
「声」ではなく「言葉」を相手の耳に届ける意識を持っておきたいですね。

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 苦痛に耐えながら自分の興味のないことをひたすら暗記する。
 勉強というと、そんなイメージが残っている人も多いでしょう。

 社会人になってからの勉強は、強制される受け身の勉強ではありません。
 自分の興味のあること、好きなことを、いくらでも学ぶことができます。

 忙しいなか勉強を続けるには、自分のやる気をどれだけ継続できるかどうかがカギです。

 社会人になっても学び続けている人は、そうでない人と顔の輝きが違うのは事実です。
「横ジワ」の筋トレを怠らず、楽しみながら「突き抜けた存在」になりたいですね。

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