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【書評】『「言い訳」をやめるといいことがたくさん起こる!』(ウエイン・W・ダイアー)

 お薦めの本の紹介です。
 ウエイン・W・ダイアー博士の『「言い訳」をやめるといいことがたくさん起こる!: 「思い」と「言葉」が人生をつくる 』です。

 ウエイン・W・ダイアー博士は、世界的に有名な米国の心理学博士です。

「言い訳」は、自分に限界をつくる“最悪の敵”

 ダイアー博士は、中国の思想家・老子の教えなどをヒントに、「人生に劇的な変化おもたらす、夢のような方法」を発見しました。
 その方法とは、『「言い訳」をやめること』です。

 言い訳は、自分に逃げ道を与えてくれる「便利な道具」であり、自分で自分に限界をつくる「最悪の敵」
 ダイアー博士は、言い訳する自分に甘んじていれば、人生を幸せに生きる道は閉ざされてしまうと指摘します。

 本書は、「言い訳」をやめて習慣を変えることで、人生を劇的にリニューアルする具体的な方法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「現実」は今、この瞬間から変えられる!

 心理学には、「ミーム」という言葉があります。

 ミームとは、「人の心から心へと伝わる、精神的な考え、信念、態度」
 つまり、「文化的遺伝子」のことです。

 文化的遺伝子は、人が「これこそ自分だ」と思うもの。
 なかなか振り払うことは困難です。

 ダイアー博士は、それらの多くは、まだ幼い頃に両親からしっかりと植えつけられ、心に定着してしまった「現実」となり、多くの場合、一生そのままとなってしまうと指摘します。

 自分はいつだって貧乏だ、ツイてない、太りすぎ、あるいはやせすぎだ、ずっと何かの依存症だった、一度もソウルメイトに出会ったことがない、音楽や芸術の才能、あるいは運動神経がまるでない、自分の臆病な性格は変えられない・・・・。
 このような考えは、すべて「言い訳」だ。そして、言い訳だと気づけたなら、自分の力で変えていくことができる。
 反対に、「これは自分個性であり、考え方の習慣だから、変えられない」と思うなら、「人生が思うようにならない」といい続け、いじけてベソをかいているしかない。

 あなたの行動を支えているのは、、信念、そして思考パターンにほかならない。つまり、思考が人生を左右するということだ。

  『「言い訳」をやめるといいことがたくさん起こる』  第1章 より ウエイン・W・ダイアー:著 山川紘矢・山川亜希子:訳  三笠書房:刊

「私たちは『何を考えてきたのか』という結果である。何を考えるかによって『土台』が築かれ、自分という存在がつくられる」

 ダイアー博士は、原始仏教の経典『ダンマパダ』から、上の一節を引用して、自分自身を支える信念や思考を変えることの重要性を重ねて強調します。

「今」に集中し、小さな一歩を踏み出すこと

 私たちは忙しいと、つい「そんな時間はない」と考えたり、口にしたりします。

 ダイアー博士は、これは着手しないためのための言い訳だとし、いまこの瞬間を全力で生きていると確信している場合は、時間は何の問題にもならないと述べています。

 あなたには「今」しかない。頭に浮かぶすべての考えは今、起こっている。そして変化が起こるのも、何か、あるいは誰かが気づきを与えてくれる「今、この瞬間」である。
 心理学者のマレー・バンクス博士は、ある女性との間で交わした短いやりとりを紹介している。彼女は、卒業時には年をとりすぎているという理由で、大学へ行く夢をあきらめようとしていた。
「今からはじめて、その学位をとるのに五年かかったとしたら、あなたはいくつになりますか」
「四十九歳です」
「では、大学へ行かなかったとしたら、五年後にあなたはいくつになるのですか」
「四十九歳です」
 女性は戸惑いながら答えた・・・・・自分の言い訳に自分で気づいたようだ。
 何かをするのに、長い時間がかかるという証拠はどこにもない。「長い時間」というのは幻想であり、ただ、「今」という瞬間があるだけである。

  『「言い訳」をやめるといいことがたくさん起こる』 第2章 より ウエイン・W・ダイアー:著 山川紘矢・山川亜希子:訳  三笠書房:刊

 やりたいことが見つかったとき。
 私たちは、つい、将来のことにまで考えを及ぼし、躊躇(ちゅうちょ)しがちです。

 やってもやらなくても、同じだけ年をとるということは、厳然たる事実。

「後悔は先に立たず」

 今、という瞬間を大事にしていきたいですね。

「人生で創造したいこと」だけに心を集中させる

 ダイアー博士は、「宇宙は、自分が心に思い描くものを与えてくれる」と述べています。

「何かが欠けている」と不平をいえば、それと一致する体験が与えられます。
 まさに、「言葉が現実化する」わけですね。

 創造したいと思うものに心を集中させれば、すべては与えられると信じること。
 私は、自分には宇宙からの無限の恩恵を受ける価値があると信じることで、「豊かさ」を引き寄せる続けている。

 創造したいと思うものに心を集中させれば、すべては与えられると信じること。
 私は、自分には宇宙からの無限の恩恵を受ける価値があると信じることで、「豊かさ」を引き寄せ続けている。
 その一方で、執着しない、つまりより多くを望まないことで、容易に手放すこともできる。多くの人にとって「謎」であることが、私にとってごく単純な「真実」にほかならない。

  『「言い訳」をやめるといいことがたくさん起こる』 第3章 より  ウエイン・W・ダイアー:著 山川紘矢・山川亜希子:訳  三笠書房:刊

 ダイアー博士は、あらゆる疑念を頭の中から追放し、愛、繁栄、健康など、望むものすべて感じ続け、その感覚が体中を流れるようにすべきだと述べています。

「できない」のは、できない言い訳を考えているから。
「手に入れられない」のは、手に入れられない理由を考えているから。

「できている自分」や「手に入れている自分」を思い描くことが大事です。
 望むと望まざるとにかかわらず、「思考は現実化する」ことは、頭に刻んでおきたいですね。

「プラスの想像力」を全開にする

 ダイアー博士は、言い訳のない世界を想像すれば、「自滅的な行動」から、「自分を高める行動」へと間違いなく変化できると強調します。

「疲れている」という言い訳をやめること。
 ダイアー博士は、自らの経験も踏まえて、以下のように説明しています。

 この言い訳は便利だが、やる気を奪われてしまう。なぜなら、自分がどれほど疲れているかを考えたり話したりすることで、実際よりもさらに疲れ果ててしまうからだ。「疲れている」と口にすればするほど、肉体的に疲労する理由がないときでさえ、エネルギーが奪われていく。

 ある日一人の友人が「自分はもうヘトヘトなので、予定していた週末のワークショップをキャンセルしたい」というのを聞いたとき、私は金輪際(こんりんざい)、この言い訳を使わないと決心した。
 人に(あるいは自分自身にも)二度と「疲れた」といわないと心に誓ったのだ。そして、自分には無限のエネルギーが備わっている、と想像するようにした。
 睡眠習慣も変えず、エネルギー源になるサプリメントも飲まず、生活スタイルも変えなかったが、ただ、「自分は高いエネルギーをもった人間だ」と思うようにした。
 自分を「疲労とは無縁の人間」と見るようになったのだ。すべては、私の中に出現した新しい考え方からはじまった。
 それから約四十年がたつが、私は今日に至るまで、「疲れた」と考えることさえ断固として拒否している。

  『「言い訳」をやめるといいことがたくさん起こる』 第5章 より ウエイン・W・ダイアー:著 山川紘矢・山川亜希子:訳  三笠書房:刊

 ネガティブな口癖は、恐ろしいものです。
 自分でも無意識のうちに、口に出してしまいます。

 相手がいる場合でも、独りの場合でも、自分の耳にはしっかりインプットされています。

 ダイアー博士は、想像力を活発に働かせて、

「こうした言い訳が使えなかったら、私の人生はどんなものになるのだろう?」

 と、前向きに検討することを勧めます。

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「自分は変えられない」
 そのような考えは単なる思い込みに過ぎません。

「変えられない」という言い訳。
 それは、変える努力をしないための都合のいい理由。

「変えられない」と信じている限り、変わることがない。
 それは、まぎれもない真実です。

 つまり、自分を変えることを拒んでいるのは、自分自身。
 自分の可能性を制限しているのは、「言い訳」です。

 本書の「問いかけ」に耳を傾けて、自分自身を振り返る。
 言い訳だらけの自分に決別し、新たなスタートを切りたいですね。

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