【書評】『引き寄せの法則』(マイケル・J・ロオジエ)
お薦めの本の紹介です。
マイケル・J・ロオジエ先生の『引き寄せの法則』です。
マイケル・J・ロオジエ先生は、カナダ出身のNLP(神経言語プログラミング)の公認プラクティショナー、LOA(Law of Attraction)のトレーナーです。
〈引き寄せの法則〉は人生のすべてに働く自然の法則
〈引き寄せの法則〉について、ロオジエ先生は以下のように説明しています。
「自分が注意と意識とエネルギーを向けるものは、良いものも悪いものもすべて、自分の人生に引き寄せられる」
「棚ぼたのラッキー」や「偶然の一致」。
それどころか私たちが宿命とか運命だとか思っていたもの。
それらはすべて、〈引き寄せの法則〉によって『自分自身が引き寄せたもの』だということです。
すべての物質は原子からできています。
各々の原子には核(陽子と中性子よりなる)があり、その周囲を電子が回っています。
核や電子も突きつめれば、「エネルギー」です。
エネルギーは、形は変えても、壊れることは決してありません。
電子はエネルギーを加えられることで「より高い」軌道を回ることもあれば、エネルギーを奪われて「より低い」軌道に落ちる可能性があります。
原子は「波動」を加えることによって「整列」し、動力を生み出します。
〈引き寄せの法則〉とは、あなたが知っていようといまいと、あなたの存在を構成するすべての原子が常に反応している、自然の法則
で成り立つもので、すべての人の例外なく働いている法則です。
ロオジエ先生は、「〈引き寄せの法則〉を味方につければ、人生が変わる」と強調します。
やるべきこと、知る必要のあること、生きる上でもっていなくてはならないもの。
そのすべては、自分自身の手で引き寄せられます。
本書は、〈引き寄せの法則〉の原理を解説し、〈引き寄せの法則〉を意識して活用する方法を説明する一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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「望まないもの」を引き寄せる言葉がある
あらゆる気分や感情は、プラスかマイナスの波動を発しています。
私たちが、今この瞬間、経験している気分や感情。
それがもととなって、プラスかマイナスの波動を発しています。
発する波動をコントロールする。
そのためには、自分の口から発する「言葉」に注意を払う必要があります。
「思考」は言葉で成り立っているからです。
プラスの波動を持つ言葉も、マイナスの波動を持つ言葉も、口にした途端に、その対象を「引き寄せ」ます。
例えば、「ニューヨークの自由の女神像のことを考えないでください」と言われたとき。
頭の中には、自由の女神像が浮かんでしまいますね。
無意識と意識は自然に、「するな」「しない」「ない」という否定形の言葉を取り除きます。
つまり、無意識と意識は、肯定するものであっても、肯定しないものであっても、インプットしたもすべてを「引き寄せ」ようと
します。
「するな」「しない」「ない」という言葉を使う。
それが自分が望んでいないものにエネルギーを向ける表現となる危険性があります。
〈引き寄せの法則〉は、あなたが望んでいないことを聞きつけるのです!
「するな」「しない」「ない」という言葉を含む表現をするというのは、実際には、望んでいないことに注意と意識とエネルギーを向けているのと同じ。
「するな」「しない」「ない」という言葉を避け、最終的には使わなくなるための、簡単かつ効果的なツールがあります。
「するな」「しない」「ない」が含まれている言葉を使っていると気づいたら、そのたびに「それなら何が望みなの?」と自問してください。
望んでいないことについて話すたびに、その瞬間、あなたはそのことに注意と意識とエネルギーを向けています。だったら、自分が望んでいることを自問すれば、その答えは新しい言葉を使った新しい表現を生むことになります。
言葉が変われば、波動が変わります。
何よりありがたいのは、一度に送り出せる波動はひとつだけということです。『引き寄せの法則』 P43 より マイケル・J・ロオジエ:著 石井裕之:監修 講談社:刊
「するな」「しない」「ない」を使っていることに気づいたら、「それなら何が望みなの?」と自問すること。
例えば、「あわてないで」を「落ち着いて」に、「忘れないで」を「するのを覚えておいて」というように、ですね。
私たちは、無意識のうちに否定形で考え、言葉にするクセがついています。
意識して、ものごとを「肯定形」で表現する習慣を身につけたいですね。
〈受け入れる〉パワーを知る
〈意識的な引き寄せ〉は以下の3ステップによって成り立っています。
- ステップ1 自分の願望をはっきりさせる
- ステップ2 自分の願望に注意を向ける
- ステップ3 受け入れる
3つめのステップである〈受け入れる〉とは、「端的に言えばマイナスの波動がないこと」です。
〈受け入れる〉は、〈意識的な引き寄せ〉プロセスの最も重要なステップ
です。
ロオジエ先生は、以下のような簡単な子供のゲームを例に説明しています。
図.『〈願望〉と〈疑う心〉の関係』(『引き寄せの法則』 P114から抜粋)
上の図のように、透明な円筒に、棒が縦横に交差して突き刺さっています。
その棒の上に、たくさんのビー玉が載っています。棒は抵抗〈疑う心〉を、ビー玉は〈願望〉を、そして落ちているビー玉は実現〈受け入れる〉をそれぞれ表しています。
ゲームが進行していくと棒が取り除かれて、いくつかのビー玉が円筒の底に落ちます。図を見ればわかるように、ビー玉が落ちるのは、棒が取り除かれた場合だけです。
同じように、強い願望を持つだけではだめなのです。
抵抗が取り除かれてはじめて、願望は実現します。
抵抗つまり〈疑い〉が取り除かれるスピードが速ければ速いほど、短期間で願いがかないます。
つまり〈引き寄せの法則〉が願望を実現するスピードは、あなたがどれだけ〈受け入れる〉かに正比例するのです。『引き寄せの法則』 P113〜114 より マイケル・J・ロオジエ:著 石井裕之:監修 講談社:刊
「望むものが手に入らない」
それは、心の中の「望むものが手に入らない」という〈疑う心〉が邪魔しているからです。
ただ、「望むものが手に入らない」という状況は自ら作り上げているもの。
〈引き寄せの法則〉は、誰にも例外なく機能しているということです。
「決めた」という表現を使う
〈受け入れる〉ためにプラスの波動を発するための手段のひとつ。
それが、『〈決めた〉というキーワードを使うこと』です。
「私は・・・・に決めた」
こう言うとき、たいてい強い前向きな気持ちになることに気づいていますか?
「これを手に入れることに決めた!」
「それをやると決めた!」
ほとんどの人は「決める」という言葉をあまり使いませんが、自分にかけているものに向けられた意識を、自分の願望に向け直すには、とても良い方法です。
- 私はもっとお金を稼ぐことに決めた
- 私は週に三日働くことに決めた
- 私は幸せで健全な恋愛をすると決めた
- 私は自分で事業を始めることに決めた
- 私は理想の仕事を引き寄せると決めた
人生のどん底を経験したのちに、成功する人がいます。
自分の〈対極〉を味わいつくしたから、彼らは「もうたくさんだ! これからはこうすることに決めたぞ」と大声で宣言したのです。「決める」とは決定を下すこと。その決定によって人は、引き寄せたいものの波動を送り出します。
どん底を知っているからこそ、強い決意が宣言され、そこから生じた波動が、本当の願望を引き寄せたのです。もっと頻繁に決めましょう。
決めるたびに生まれる前向きな感情によって、気分が良くなるでしょう。『引き寄せの法則』 P153〜154 より マイケル・J・ロオジエ:著 石井裕之:監修 講談社:刊
一度どん底を味わった人が、のちに偉業を達成する。
そんな例が多いのは、このような理由からなのですね。
どんなことでも、〈決めた〉と言葉ではっきり意思表示すること。
それが、自分自身の意識や無意識に働きかけるうえでも重要です。
決めて、決めて、プラスの波動をどんどん出しましょう。
ネガティブな人から身を守る
〈引き寄せの法則〉は、もちろん「人間関係」にも当てはまります。
自分が高いポジティブな波動を発し続ける。
そうすれば、おのずと自分と同じポジティブな波動の人間関係を引き寄せ始めます。
ただ、私たちの周りには低い波動を発し続ける人(ロオジエ先生は「ネガティブ・ネリー」と呼んでいます)も多いです。
その人たちとの関わりを無視することは難しいです。
波動の低い人と話しているとき、自分の波動を高く保つ。
そのためにはどうすればいいのでしょうか。
ロオジエ先生は、カーラジオで局を選ぶように、人生にネガティブ・ネリーがいても、高い波動をそのまま維持することができる
と指摘します。
ネガティブ・ネリーが話題を「望まないこと」から「望むこと」に移せば、言葉が変わります。言葉が変われば波動も変わりますから、新たにもっと高い波動が生じます。その波動が高まるにつれて相手の波動はあなたの波動に近くなります。波動が近くなればなるほど、二人の関係も調和がとれてきます。
先に述べたとおり、誰かに出会って意気投合し、「この人とはウマが合う。とても相性がいい」と思うとは、波動が調和しているということ。誰かに出会って名前も知らないうちに「げえ、この人の雰囲気は好きじゃない。私のタイプじゃない」と感じるとき、それは波動が調和していないしるしです。
自分の波動に注意し、人間関係をつねに元気が出る明るい方向に導くのは、あなた自身の責任です。
「それなら何が望みなの?」とやさしく問いかけることを忘れないでください。
相手がもっと前向きになり、波動を高められるように。『引き寄せの法則』 P181 より マイケル・J・ロオジエ:著 石井裕之:監修 講談社:刊
波動の低い人と話して、イヤな気分を味わいたくなかったら、自分の波動を相手に合わせないこと。
相手がイライラしていたり、挑発していても、相手にしないことが大事です。
逆に、自分の波動を高く保って、相手の波動も引き上げるつもりで接しましょう。
波動を高く保てば、波動の高い人を引きつけます。
逆に、波動の低い人は近寄らなくなります。
周囲の雑音に惑わされず、自分自身の波動をもっと高くする。
そのためにポジティブな習慣や言葉を使うことに専心したいですね。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
望むものが手に入らない。
望まないことに出くわしてしまう。
それらのことも、すべては〈引き寄せの法則〉によって自分が引き寄せた結果です。
ある意味、恐ろしいことですね。
監修者の石井さんは、巻頭で「読み始める前に、本書を読むことで、あなたは何を得ようと思っているのかを明確にしてほしい」とおっしゃっています。
「そんなことは信じられない」
「こんなの当たり前だ」
などと突っ込みどころを探しながら読むと、「否定」や「疑い」を抱きながら読んでいることになります。
そのため、本書から「否定」や「疑い」しか汲み出せません。
逆に、
「これは理解できる」
「この部分は自分にもできそうだ」
と胸躍らせながら読むと、「肯定」や「信頼」をもって読んでいることになります。
すると、それと同じものが引き寄せられます。
「この世界には、まだまだ自分の理解できないことがいくらでもある」
そんな謙虚でフラットな気持ちで、先入観を持たずに読んでもらいたい一冊です。
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