【書評】『ユニクロ9割で超速おしゃれ』(大山旬)
お薦めの本の紹介です。
大山旬さんの『ユニクロ9割で超速おしゃれ』です。
大山旬(おおやま・しゅん)さんは、スタイリストです。
アパレル勤務、転職アドバイザーを経て独立、現在はオンラインファッションスクールを展開されるなど、幅広くご活躍中です。
ファッションは「今すぐ」変えられる!
「素敵さ」は、何を基準に決まるのでしょうか。
大山さんは、以下のように解説します。
素敵さというのは、持って生まれた「顔立ちやスタイル」だけでは決まりません。
「人柄・雰囲気」と「ファッション(ヘアスタイル)」という、2つの要素に大きく影響を受けます。
そして、顔立ちやスタイルは簡単に変えられなくても、「ファッション」は今すぐに変えることができます。
さらに、ファッションがある程度整うと自信も高まり、歩き方や立ち居振る舞いまで変わってきます。
そうすると、いつの間にか「人柄・雰囲気」までも変わり始めます。ルックスやスタイルに頼らなくても、後天的な要素だけで、素敵に見せることは十分に可能です。
ここでちょっと思い出してほしいのは、落語家の笑福亭鶴瓶(しょうふくていつるべ)さんです。鶴瓶さんは落語家の中では珍しく、スタイリストを付けています。顔は優しいおじさんという感じですが、いつもおしゃれなので、テレビではとても好印象です。顔立ちがイケメンじゃなくても、「見せ方次第」で素敵な印象は得られるという好例ですね。「素敵に見せたい」というニーズに応(こた)え、たとえば僕は婚活中の男性にファッションの提案をすることがあります。
彼らと実際に話してみると、とても人柄がいいのですが、まったく女性との縁がないと言うのです。人は外見よりも中身が大切なのは言うまでもありませんが、ファッションやヘアスタイルなどの外見で損をしてしまうと、肝心な中身のよさが相手にうまく伝わりません。
そういう人がファッションを変えると、内面の魅力がダイレクトに伝わるようになり、すぐに結婚が決まることも少なくありません。
逆に、どんなにファッションが素敵になっても、店員さんへの態度が横柄(おうへい)だったり、人柄に難があると、やっぱりなかなか結婚には結びつかないこともあります。そう考えると、人の素敵さというのは、さまざまな要素の掛け算で成り立っていることをあらためて感じます。せっかく人柄がいいのであれば、見た目で損をしないようにしたいものです。『ユニクロ9割で超速おしゃれ』 はじめに より 大山旬:著 大和書房:刊
見た目は、「素敵さ」に直結する。
それはわかるけれど、ファッションにお金をかけたくはない。
そう考える男性は、多いことでしょう。
本書は、ユニクロやGUなどの身近なブランドを用いた、お金をかけない「おしゃれファッション」のノウハウをまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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「色」を絞り込む
大山さんは、買うべき服はお店の中の2割だけしかない
と述べています。
真っ先に揃えるべきなのは、ちょっと物足りないくらいに感じるオーソドックスなアイテム
です。
アイテムの絞り込み基準のポイントの一つは、「色」です。
まずは、「色」です。たとえばユニクロに行くと、1つのデザインにも無数のカラーバリエーションが存在します。正直、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
でも、大人の男性ファッションにおける基本的な色というのは、ある程度限られています。それが次の5色です。
- ネイビー
- グレー
- ベージュ
- ブラック
- ホワイト
基本的にこの5つの中から選んでおけば、大きく失敗することはありません。
その一方で、「せっかくだから冒険してみよう」と、赤や黄色といった色を選ぶ人が多いと思いますが、ベース作りにおいて、そういった鮮やかな色は不向きです。
赤や黄色といった発色のいい色は、それなりに投資をして選ばないと、チープな印象になってしまいます。
色で主張をしようとすると、そこそこお金をかけて素材の質感のよさが伴わなければ、品良くまとまらないのです。ですので、お金をかけずにおしゃれになるためには、ネイビーやグレー、ブラックのように深めの色か、もしくはホワイトやベージュのように極端に明るい色であれば、見た目に値段の差が出にくくなります。
なので、選ぶべき色を、「ネイビー」「グレー」「ベージュ」「ブラック」「ホワイト」に固定してしまえば、色での失敗はなくなるわけです。これだけで、全体の服の半分以下に選択肢が絞られるはずです。『ユニクロ9割で超速おしゃれ』 第1章 より 大山旬:著 大和書房:刊
「不用意に柄物を選ばない」ことも、大切なポイント。
大山さんは、まず選ぶべきなのは、とことん「無地」
だと強調します。
ファッションも、「シンプル・イズ・ベスト」。
奇をてらわずに、基本に忠実に選びましょう。
「シャツ」を整える
上半身に位置するアイテムは、目に留まりやすいので重要です。
中でも、優先度が高いのが、「シャツ(襟付き)」です。
大山さんは、大人の男性こそ、オフにも積極的に襟付きのシャツを使いましょう
と述べています。
ただ、シャツというのはビジネスの場面で使われることの多いアイテムです。そのため、カジュアルで用いる際には、「多少の着崩し」が必要です。ボトムス(ズボン)に「イン」するのではなく、外に出して着ることを意識しましょう。適度にカジュアルな雰囲気が漂うようになります。
もう一つ重要なのが、「サイズ感」です。
ここ数年は細身のシャツが定番でしたが、その揺り戻しでゆったりのシルエットのシャツも最近では増えてきています。
ただ、大人の男性が無理をしてまで取り入れるべきトレンドではありません。これまでどおり、体にあったジャストサイズのシャツを選ぶようにしてください。着たときに両脇を軽くつまめるくらいが理想的です。
そして、もっとも見落としがちなのが、「丈の長さ」です。
先ほどお伝えしたように、カジュアル用シャツはボトムスの外に出して着ることが多くなります。そのため、丈が長すぎるシャツはバランスが悪くなるので絶対にNGです。
みなさんが普段着ているビジネス用のシャツは、お尻が隠れるくらいの丈の長さになっていると思います。これはボトムスにインして着ることを想定して作られているため、この長さに設計されています。
一方、外出しで着る際のベストな着丈は、「お尻の中間位置」を目安にしてください。それよりも長い場合は着丈を少し詰めるようにしましょう。
たとえばユニクロでは、「マイユニクロ」というお直しサービスを行っています。ボトムスの裾上げはもちろん、シャツの着丈や袖丈も調整することができます。シャツはシンプルなアイテムなので、着丈のバランスにこだわるようにしましょう。1枚目に揃えるべきなのは、シンプルな「白のボタンダウン(BD)シャツ」です。いつの時代にも流行に左右されない、もっともオーソドックスなシャツです。
2枚目に揃えたいのが「デニムシャツ」です。シャツはビジネスライクなアイテムですが、素材がデニムに変わるだけで、一気にカジュアルな雰囲気が増します。
最後に揃えておきたいのが、夏場に活躍する「リネンシャツ(麻)」です。夏はついTシャツを1枚で着がちなのですが、かなりカジュアルな印象になりすぎてしまいます。適度にきれいさの漂うアイテムを取り入れると、グッと大人っぽく見えます。『ユニクロ9割で超速おしゃれ』 第2章 より 大山旬:著 大和書房:刊
図1.「シャツ」の着崩し方
(『ユニクロ9割で超速おしゃれ』 第2章 より抜粋)
ビジネススーツの中に着るワイシャツは、ズボンに「イン」が基本です。
一方、カジュアルな場で着るシャツは、「イン」しない方がおしゃれです。
清潔感を保ちつつ、余裕のある「大人」の雰囲気をつくり出す。
そのための「多少の着崩し」を意識したいですね。
「ニット」を整える
大山さんは、おしゃれな人ほど、ニットを着こなしに取り入れるのが上手
だと述べています。
数あるニットの中でも、とくにオススメなのは、「丸首のミドルゲージニット」です。
1枚目は、ここ数年で一気に定番化した「丸首のミドルゲージニット」です。先ほど紹介した中肉厚のニットです。シャツと合わせてもいいですし、Tシャツの上に重ねてきても素敵です。まさに重ね着の際に重宝する厚みのニットと言えます。単体で見ると、「普通のセーター」といった感じですが、着こなしの中に取り入れると、コーデネートが上品にまとまります。
(中略)
右の写真のようなミドルゲージニットには、編み方によってバリエーションがいろいろあります(下の図2を参照)。中でもおすすめなのが、「リブクルーネックセーター」です。ざっくりとした凹凸感のある編地のもので、織り方が特徴的なケーブル編みに比べると、縦長効果があり、シャープに見えます。他にも「ワッフルクルーネックセーター」のように、表面に評定のある織りものももカジュアル使いには適しています。
ユニクロのニットはさまざまなカラーバリエーションがありますが、おすすめは「ネイビー、グレー、ホワイト」の3色です。すべて用意してもいいほど使い勝手抜群です。ネイビーは着こなし全体が締まりますし、ホワイトは秋冬の暗い色合いに差し色として使えます。グレーはこの中間ですが、ネイビーを中心とした色合いにとても馴染みがいいので、3枚目としておすすめです。『ユニクロ9割で超速おしゃれ』 第2章 より 大山旬:著 大和書房:刊
図2.着るだけで上品なシンプルニット
(『ユニクロ9割で超速おしゃれ』 第2章 より抜粋)
着るときのポイントは、
ニットの下には丸首の無地Tシャツを合わせて、首元をすっきりと見せることです。
定番ですが、とても重宝する、おしゃれなアイテム。
せひ、着こなしたいですね。
「小物」を整える
大山さんは、もっとも失敗しないおしゃれの方法は、基本となるトップスとボトムスをオーソドックスに合わせ、もの足りなく感じたら小物で調整する
ことだと述べています。
アクセントとして、後乗せする「小物」。
その中でも、重要なもののひとつが「靴」です。
小物として、「靴」の役割は重要です。
男声の中には、「履き心地がよければ何でもいい」と考えている人も多いですが、それは大きな誤解です。足元を見ればその人がおしゃれかどうかの見分けがつくほど、靴は重要なパーツです。服と同様に、靴にも緩やかな流行があるので、定期的な入れ替えを検討してください。5年以上使ったものは思い切って捨てることが大事です。
意識するポイントは、「靴とボトムスの繋(つな)がり」です。ボトムスと近い色で馴染ませるのか、もしくはコントラストを付けてアクセントにするのかを考えます。まず用意したいのが、シンプルな「白のレザースニーカー」です(下の図3を参照)。デザインに何の特徴もない、プレーンなレザースニーカーこそ大人の男性にはよく似合います。スニーカーはカジュアルなアイテムですが、素材がレザーだと大人っぽい清潔感が保てます。ブルージーンズやグレーパンツなどと合わせればコントラストを強く出せます。ただしホワイトジーンズと合わせるのは難易度が高すぎるので避けましょう。
白スニーカーを得意としているのが、ファストファッションブランドの「ZARA」です。前ページのようなシンプルなレザースニーカーを取り扱っています。ユニクロは靴などの小物があまり強くないため、その点を補うのにZARAはとても重宝します。続いて、白スニーカーの対局にある「黒スニーカー」を揃えておきましょう(下の図4を参照)。着こなしを引き締めるために用いるようにします。
これもデザインはとことんシンプルにします。下のようなカジュアル感の強いスリッポン型でも、黒レザーを選べばシャープな印象にまとまります。
ホワイトジーンズに合わせてコントラストを強く出すのもいいですし、ブルージーンズやグレーパンツと合わせて、着こなしに馴染ませると脚長効果も望めます。大人の着こなしには、ラフなスニーカーだけではなく、きれいさの漂う上品な靴も必要です。
そこで用意したいのが「ローファー」です(下の図5を参照)。
革靴の中でも適度なカジュアル感の漂うアイテムなので、ブルージーンズやホワイトジーンズとも意外と相性がいいです。着こなしが全体的にカジュアルすぎる場合は、ぜひローファーを取り入れてみましょう。
シンプルなデザインのローファーは「GU」で手に入れることができます。しかも、価格は3000円以下です。
たしかに、近くでよく見ると質感の違いを感じますが、そこまで靴を熱心にのぞき込む人はいませんよね。なので、GUのもので十分に全体のコーディネートがまとまります。1足揃えておくと便利です。『ユニクロ9割で超速おしゃれ』 第3章 より 大山旬:著 大和書房:刊
図3.白のレザースニーカー
図4.黒スニーカー(スリッポン)
図5.ローファー
(『ユニクロ9割で超速おしゃれ』 第3章 より抜粋)
「靴なんて、履ければいい」
そう考えて、安易に選んだものを履きつぶしている人は多いでしょう。
しかし、「靴には、人柄や性格が顕れる」とも言われます。
高価ではなくても、品質のいいものを、使い分けて楽しみたいですね。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
大山さんは、ファッションを変える際に大切なのは、「変化を楽しむ姿勢」
だと述べています。
今まで慣れ親しんだものを捨て、新しいものを取り入れるのは、勇気がいるものです。
これまで着たことのなかった、ネイビーの丸首ニットを買ってみる。
これまで履いたことのなかった、白いジーンズにチャレンジしてみる。
そんな小さな変化が、「イケてる大人」の第一歩です。
これまでファッションに興味がない人ほど、効果絶大。
コスパ最強の“おしゃれ・ハウツー本”を、ぜひ、お手にとってみてください。
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