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【書評】『年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?』(水野俊哉)

 お薦めの本の紹介です。
 水野俊哉さんの『年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?』です。

 水野俊哉(みずの・としや)さんは、作家・出版プロデューサー・経営コンサルタント・富裕層専門コンサルタントです。

「年収1億円」を稼ぐ人の考え方とは?

 水野さんは、お金を稼げる人と稼げない人の差は、「能力」ではなく「考え方」にあると指摘します。

「年収300万円/1000万円グループ」と「年収1億円グループ」。

 両者の間には、高い壁が存在します。

 その壁とは、ずばりいってしまうと「サラリーマンであるか否か」ということになります。
 サラリーマン業だけをやっていて、年収1億円を稼げる人はほとんどいません。相当の大企業のトップでもない限り、手の届かない数字でしょう。
 一方、個人経営者、起業家、投資家となれば、年収1億円はそれほど珍しいことではありません。

 なぜなら、彼らには「時給が発生しない時間」は存在しないからです。

 サラリーマンの場合、いくら時給の高い仕事をしていても、職場に行ってカードを押さない限り時給は発生しません。土日や休日などのオフの日は、基本的に無給です。
 一方、個人経営者や起業家、投資家なら、どの瞬間にでもお金を生み出すことができます。このことが、彼らのメンタリティに大きな影響を及ぼしています。
 つまり、時間の使い方が全部変わってくるわけです。ムダな時間をなくせば、その分もっと稼げるわけですから、過剰なまでに効率にこだわりますし、漫然と余暇を楽しんでいても1円の得にもならないので、旅行などのレジャーでの過ごし方まで変わってきます。

 このようにして培われていくのが「お金持ちならではの思考」ということになります。

 本書は皆さんに、会社をやめて年収1億円を目指すことをお勧めするものではありません。

 ただ、「今の自分の年収に納得していない」「自分には今よりもっとできることがあるのではないか」――そんなふうに感じている皆さんに、これまでにない考え方に触れるきっかけになれば幸いです。

『年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?』 はじめに より 水野俊哉:著 サンライズパブリッシング:刊

 年収300万円の人が、今のままの考え方で頑張っても、年収1000万円には届くかもしれません。
 しかし、年収1億円は不可能でしょう。

 考え方や習慣を、根本から変える必要があります。

 本書は、「年収1億円」以上稼ぐ人に共通した考え方、思考法をわかりやすく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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年収1億円の人の服は「ビジネス上の投資」

 ファッションや時計やカバンなどの、普段身につけるもの。

 お金持ちは、それらに対しても、独特な視点を持っています。

 年収1億円の人は、必ずしも「おしゃれ」に気をつかっているわけではありません。少なくとも「異性にモテる」とか「同性にセンスがいいと褒められる」というような意味合いでの「おしゃれ」ではありません。

 彼らが大切にするのは、パッと見のセンスのよさではなく「トータルの仕上がり具合」です。それによって、お金持ちはひと目見てわかる、一種のオーラのようなものを放っています。
 ピッタリとサイズのあったスーツや、上質な革靴などを身につけていることはもちろん、肌がいい感じに日焼けしていたり、歯が真っ白だったりといった要素も含まれるでしょう。プチ整形をしたり、ライザップに通って体を絞ったり、イメージコンサルトをつけている人も少なくありません。

 年収1000万円の人も、そこそこ外見にお金をかけてはいます。しかし、どちらかといえば「自分の好きなものを身につける」という側面が強いように思います。
 一点豪華主義のように、いい服やカバンを持ってはいますが、全体での仕上がり具合では、到底年収1億円にはかないません。

 なぜそこまで「仕上がり具合」にこだわるかといえば、多くのお金持ちにとって、ファッションとは「ビジネス上の投資」だからです。

 考えてみれば当然の話で、コンサルタントをしている人が、ヨレヨレの背広を着ているわけにはいきませんし、セミナーで登壇する人が浪人生のようにカジュアルな格好をしているわけにもいきません。
 ファッションとは、ビジネス上の「衣装」のようなものであって、税務調査でも堂々と領収書を提出できる類のものです。
 お金持ちが、何百万円もする時計をつけたり、1000万円以上する高級車に乗ったりするのは、「そのくらい稼げている男」というシグナリングでもあります。
 彼らにとってファッションとは、どこでも「お金や信用を生む道具」なのです。

『年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?』 第1章 より 水野俊哉:著 サンライズパブリッシング:刊

「ファッションとは、ビジネス上の『衣装』のようなもの」

 私たち一般人の感覚では、なかなか出てこない発想ですね。

 ムダを嫌い、効率性を何よりも重視する。
 そんなお金持ちの哲学が反映された考え方です。

お金持ちは、相手の「やる気」を評価する

 お金持ちは、人を見るとき、相手のどこに注目するでしょうか。

 水野さんは、お金持ちが最も高く評価するのは、とにかく前向きな人、やる気のある人だと述べています。

 私の知人のビジネス作家にも、お金持ちコミュニティから非常に愛されている人がいます。彼とご飯を食べに行って、肉とかかが出てきたりすると、「ええ〜!! こんな肉が食べられるなんて!! 水野さん、本当にもう今日感激してます!!」といった具合に、高校生よりもテンション高く喜んでくれます。いつも全力でそんな調子なので、白々しさがないのです。

 しかも、原稿はもちろんのこと、頼んだことはすべて締切より前に提出してくれるのです。誰に対しても分け隔てなくそのテンションで接しているので、周りはつい応援したくなってしまうというわけです。
 その姿勢が方々に伝わり、あっという間に10冊もの本を出すことになったという逸話の持ち主。彼自身の属性としてはいわゆる普通のサラリーマンで、ものすごく特殊なスキルやエピソードの持ち主というわけでもないのに、出版の依頼が引きも切らないのです。
 それほどまでに、前向きなテンションは人を動かすというわけです。

 逆に、頭のよさや優秀さをヘタにアピールしても、お金持ちには響きません。
 すでに実績が出ているのであれば、調べればすぐにわかることです。なので、彼らはむしろ「会ったときの感じ」を大事にします。
 人となりだけは、実際に会ってみないことにはわかりません。
 お金持ち自身、ネットではあることないこと書かれている人が多いのですが、実際に会ってみると、皆さん魅力的な人ばかりです。

 私自身、ネットの評判もある程度、判断材料になるとは思いますが、直接会ったときに「この人と仲よくなりたいな」と思ったのであれば、その感覚を信じます。
 結局のところ、人付き合いも「快」「不快」のどちらかに分類されるもの。
 実績や能力にかかわらず、付き合って楽しい相手との付き合いを最優先するのがお金持ちなのです。

『年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?』 第2章 より 水野俊哉:著 サンライズパブリッシング:刊

 お金持ち自身も、前向きでやる気のある人が多いです。
 自分と似たようなメンタリティを持った人を好むのも、理解できます。

 学歴や肩書を重視せず、直接会ったときの印象を大事にする。
 人を見る目に長けた、お金持ち的な思考といえます。

お金持ちは、「電話に出ない」

 水野さんは、「電話に出ない」のもお金持ちの特徴だと指摘します。

 電話には「いつかかってくるかわからない」という見えないプレッシャーがつきもの。ずっと待ち受け状態のようなものです。
 こした無駄なプレッシャーをお金持ちはたいへん嫌うので、「だったらいっそ、出ないでおこう」となるわけです。

 例えばお金持ちがよくやりとりをする相手に「銀行」と「弁護士」がいますが、彼らオールドエコノミーの人達は、電話がたいへん長い傾向があります。
 懇切丁寧に、いろいろ説明してくれるのはいいのですが、外出する直前にうっかり電話に出てしまったりすれば、家を出るタイミングを逸してしまいかねません。

 そこでお金持ちは、電話には出ずに、自分の都合のいい時間帯にかけ直します。
 それはいつか。ずばり「移動中」です。
 私自身、車を運転しながら会計士と決算について話していたら、東京から小田原に着いていたことがありましたが、移動中であれば長話になっても距離は進みます。
 これは精神衛生上、実にすばらしいことです(注 車がスマホとブルートゥースで同期している車種です)。

 ちなみに、私の会社で採用を行うときは、応募者には必ず携帯に連絡してもらい、留守電にメッセージを残してもらうようにしています。
 なかには「何度もかけているのに、どうして連絡がつかないんですか!」みたいな怒りのメッセージを入れてくる人もいますが、そういう方はクライアントとのコミュニケーションでも空気が読めない可能性が高いので、返事はしません。留守電の声や内容を聞けば、大体の人となりはわかるものです。
 つまり、留守電自体がひとつの選別法になっているわけです。
 電話に対しては、これくらいドライな対応でまったく問題ありません。

 1時間おきに留守電をチェックしたり、登録していない番号からかかってきた電話にいちいち折り返したりするのは「無駄なマメさ」です。
 年収300万円の人は、こうした作業をすることで「なんだか仕事をしたような気分」になりがちですが、ただの自己満足です。

 無駄な電話対応は、あなたの大切な時間を奪う行為でしかありません。

『年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?』 第3章 より 水野俊哉:著 サンライズパブリッシング:刊

 たしかに、電話は相手の時間を強制的に奪う行為です。

 お金持ちは、時間の使い方に、とことんこだわります。
 だから、電話を積極的にかけることもないし、出ることもありません。

 電話は、相手とその場でやりとりできる、便利な道具。
 ただ、それは、あくまで「自分にとって」です。

 なんでもかんでも「電話」ではなく、緊急の要件以外は、メールする。
 そんな気遣いも大切です。

 相手の立場に立って判断することも、お金持ちになるための条件ですね。

お金持ちは、キャバクラに「リクルート」しに行く

 お金持ちというと、毎日のように、派手に豪遊しているようなイメージがあります。
 しかし、実際にはそうではありません。

 お金持ちは、遊びでも、費用対効果を重視します。
 あれこれ考えながらお金を使うため、限りなく「投資」に近くなります。

 年収1億円の人なら、キャバクラに行くとしても、ただ遊ぶのではなく「リクルート」をしに行くでしょう。
 銀座や六本木の売れっ子キャバ嬢ともなれば、頭がよく、対人能力も異常に高い人材がたくさんいるはずです。そんな女の子たちに声をかけて、昼間のアルバイトに来てもらうのです。

 例えばですが、新規の開拓をしている部署があったら、その部署の人間と一緒に営業に行ってもらって、ハンコを押してもらえたら契約料の10%を払う・・・・・など。それで300万円分の契約が取れたとしたら、キャバクラで10万円以上飲んでいたとしても、むしろ得した気分になるでしょう。
 同じお金を使うのであれば、その場であぶく銭のように消えるような使い方をするのではなく、使った以上の何かが戻ってくるような方法を考えたいと思うのが、お金持ちのマインドなのです。

 人間の心理は、「実際に手に入ったもの」と「これから手に入るもの」の区別がつきにくいという傾向があります。
 女性の場合は現実的型が多く、これから1億円儲かるという話よりも、目の前の100万円のほうが大事という感覚があるのですが、男性の場合は、まだ手に入ってない1億円に目がくらんで、そのまま話がどんどん進んでしまい、いつの間にか詐欺に巻き込まれていたりします。
 そういうトラブルを防ぐには、日ごろからお金に対する感覚を研ぎ澄ませておくしかありません。

「1億円持っているんだから、3000万円ムダ遣いしたって大丈夫」というようなどんぶり勘定的な考え方をしていたのでは、1年後には公園でカップラーメンをすすることになりかねない、というわけです。

『年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?』 第4章 より 水野俊哉:著 サンライズパブリッシング:刊

 宝くじで大金を当てたけれど、逆に、借金を抱えて破産してしまった。

 よく、そんな話を耳にしますね。

 それは、収入にメンタルがついていかなかった、いい例です。

 どんな小さな出費に対しても、リターンとリスクを考えて決断する。
 そんな投資家的思考を身につけることが、お金持ちになる近道だということですね。

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 年収1億円を稼いで、お金持ちになる最大のメリット。
 それは、「お金がないからやれない(できない)」という不自由から解放され、あらゆる選択肢を手にできることです。

 水野さんは、お金持ちほど、のんびりと人生を謳歌しているとおっしゃっています。

 体に鞭打って、休みなく働いても、お金持ちにはなれます。
 ただ、それで病気になったり、余暇を楽しめないのでは、本当の意味で「幸せ」と言えるのか、疑問ですね。

 “現在”の延長線上では、絶対にたどり着けない、「幸せなお金持ち」の世界。
 本書は、そこに通じる“秘密の扉”を開くカギとなりうる、注目の一冊です。

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