【書評】『「考える腸」が脳を動かす』(菊池志乃)
お薦めの本の紹介です。
菊池志乃さんの『「考える腸」が脳を動かす』です。
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菊池志乃(きくち・しの)さんは、過敏性腸症候群と認知行動療法がご専門の医学博士です。
現在(2026年1月)、名古屋市立大学大学院医学研究科共同研究教育センター助教を務められています。
「腸脳相関」を知ると、食欲や病気が改善する!
私たちの人体において重要な器官である「脳」と「腸」は双方向に影響して働いて
おり、この関係を「脳腸相関」と呼びます。
この研究は日本では2000年ごろからめまぐるしく進み、脳と腸は実際にどのようなしくみでつながっているのか、どんな不調や病気をもたらすのか、それをどう改善するのか、治療法や薬はあるのか、といったことが具体的に判明してきたのです。
また、腸内細菌や腸内細菌叢(そう)(腸内フローラ)の存在を耳にしたことがある人も多いでしょう。最近では、腸内細菌や腸内細菌叢と、それらが産生する短鎖脂肪酸などの代謝物が、腸を通じて脳の神経と密接につながる作用が注目されています。この関係を「脳ー腸ー腸内細菌軸」とする考えかたも広まりつつあります。
さらに、消化・吸収を助ける消化管ホルモンが脳と腸の連絡役を担うことがわかり、脳腸ホルモンと呼ばれます。これは食欲に関係し、脳にも腸にも作用する、また脳と腸の情報の伝達を仲介するホルモンとして、その存在と働きに社会的な関心が集まっています。
とくにストレスや不安といった脳(こころ)の状態が腸内細菌叢や消化管ホルモンに影響し、腸の働きを悪化させることがわかってきました。
これらの成果から、「脳腸相関と病気」の関係も解明されつつあります。
具体的には、検査では異常がないのに胃腸の不調が続く病気を「機能性消化管疾患」と総称し、腸では「過敏性腸症候群」や「慢性便秘症」、胃では「機能性ディスペプシア(FD:Non-Erosive Reflux Disease)」(胃食道逆流症の一種で逆流性食道炎に似た症状を起こすが、食道に炎症や傷が見られないタイプ)などの病気があります。また、脳腸相関と「うつ病」「肥満症」「アレルギー疾患」「アルツハイマー病」との関係もそれぞれにわかってきています。これらの病気はどれも、近年、患者さんの数が増加しています。
脳腸相関から、「腸の不調は脳が原因」、もしくは、「脳(こころ)の不調は腸が原因」といえるのです。『「考える腸」が脳を動かす』 はじめに より 菊池志乃:著 集英社:刊
本書は、いま猛スピードで解明されつつある脳と腸の関係について、また、世間で根拠不明のまま広まっている腸活と呼ばれる方法の誤解も含め、医療における「最新の情報」をふまえて
わかりやすくまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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「腸の自律性」が、脳腸相関を理解するポイント!
菊池さんは、「腸の自律性」こそが、脳腸相関を理解するポイント
だと指摘します。
腸の自律性とは、腸管神経系によって、腸は脳の指令がなくても、食べものの消化のための消化液の分泌や内容物を送り出すためのぜん動運動、ホルモンなどの分泌、血液の調整、免疫反応、体全体を守るバリア機能の管理を行う
ということです。
消化管と腸管神経系のつくり
まず、腸管神経系とはどうなっているのか、そのつくりをのぞいてみましょう。
腸管神経系とは、主に食道から直腸(大腸の一部で肛門の直前にある)までつながる消化管の壁の内側に、網目状に張りめぐらされた神経ネットワークの総称です。
これは、「筋層間神経叢」と「粘膜下神経叢」と呼ぶ2つの神経叢からできています。漢字が込み入っていますが、よく読むと文字通り、「叢」は腸内細菌叢の蕞と同じで、草が群がって生えているところを意味し、神経叢とは神経が網目状につながった構造を指しています。
それぞれの神経叢を理解するために、ここで消化管のつくりについて触れておきます。
図1と図2を見てください(下図を参照)。消化管は筒状の臓器で、食道から直腸の壁はバウムクーヘンのように何層にも重なった構造をしています。その構造は臓器によって少しずつ違いますが、多くは筒の内側から外側に向かって、「粘膜」「粘膜下層」「筋層(内側の輪状筋、外側の縦走筋)」「しょう膜」の順に重なっています。
このもっとも外側のしょう膜は、おなかの内側を覆う膜と連続していて、その一部は「腸間膜」と呼ばれます。腸間膜があることで、腸はおなかの中である程度自由に動くことができます。
腸の働きにとって重要なぜん動運動は、筋層の輪状筋と縦走筋が交互に伸び縮みすることで生じています。
そして、腸管神経系のつくりですが、まず、2つの筋層の間に存在しているのが筋層間神経叢で、発見者の名前にちなんで「アウエルバッハ神経叢」とも呼ばれます。その働きは、「ぜん動運動をコントロールすること」であり、食道から肛門までの消化管全体に存在します。
もうひとつの粘膜下神経叢は、粘膜下層の組織に存在し、同様に「マイスナー(マイスネル)神経叢」とも呼ばれています。その働きは、「粘膜の血流や消化液の分泌、栄養の吸収をコントロールすること」で、主に大腸に存在します。前述のとおり、腸管神経系は主にこの2つの神経叢で成り立っています。
実はこの2つの神経叢の発見も1800年代後半です。脳腸相関を考えるうえで腸管神経系は、それほど昔から知られてきた知識といえるでしょう。
「腸は第2の脳」という言葉を提案したとされるコロンビア大学の神経生物学者のマイケル・D・ガーションは、著書『セカンド・ブレイン』で「腸にも脳がある」と述べています。たしかに、腸管神経系の働きやつくりから、腸の中にも一種の脳があるとイメージすると、脳腸相関のしくみが理解しやすい、とわたしは考えています。脳と腸は自律神経でつながっている
それでは、腸管神経系は、脳とどのようにつながっているのでしょうか。もしかしたら、「脳と腸をつなぐ回線」とでもいうべきものがあるのでしょうか。
結論から述べると、先述の腸管神経系の2つの神経叢の「筋層間神経叢」と「粘膜下神経叢」は、それぞれ自律神経系の交感神経や副交感神経(迷走神経。後述)によって、脳やせき髄とつながっています。脳とせき髄は「中枢神経」と呼ばれ、すべての神経を統合してコントロールする中心的役割を果たしています。
先ほど、脳を企業でいう本社、腸やほかの臓器を支社にたとえました。すると、「自律神経系は本社(脳)と支社(腸)をつなぐ外線」「腸管神経系は支社(腸)内で通じる内線」のイメージになります。
わたしはこれらの回線をまとめて、「脳腸回線」と呼んでいます。次に、外線のつくりと役割、そして、内線と外線がどのようにつながっているのかを掘り下げていきます。
そのイメージを図3にまとめました。自律神経系は、「本社である脳」と「各支社の臓器」にある固定電話をつなぐ外線のようなものです。もし、この回線に異常が起きると、各支社(臓器)は本社(脳)と連絡が取れなくなり、混乱をまねくことになります。
たとえば連絡が取れなくなった支社(腸)は、働きが滞って便秘や下痢、おなかの痛みや張りといった症状が現れる可能性があるのです。
ここで、自律神経について簡潔に触れておきます。自律神経は心臓や血管,肺のほか、胃腸や膀胱(ぼうこう)などの全身の臓器を、脳・せき髄とつないでいます。
自律神経の役割はよく知られているように、血液の循環、心拍、血圧、呼吸、食べものの消化、瞳孔の開き具合、排便、排尿、発汗、など基本的な生命活動を維持することです。これらの活動の多くは自分の意思とは関係なく自動的にコントロールされているため、「自律神経」と呼ばれています。
自律神経には大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。これらは脳やせき髄からの指令で、「アクセル」と「ブレーキ」のように働き、脳と体のバランスを調整しています。車を運転するときにアクセルとブレーキを使い分けるように、体の各臓器でこの2つの神経を強調して働いているのです。
たとえば、緊張や興奮したときは交感神経が働いて、心臓の拍動が速くなります。しかしそのままでは体に負担がかかるので、リラックスすると副交感神経が働いて、心拍数を正常な状態に戻します。血圧や体温も、この2つの神経が同じように作用し、健康な状態を保つように調整しています。
体の機能の多くは、交感神経がメインで働いているときに活発になり、副交感神経がメインのときに抑制されます。
ただし、消化や排便、排尿はその逆で、副交感神経がメインで働いているときに活発になります。つまり、緊張や興奮で交感神経が活発なときは消化、排便、排尿の機能は鈍くなり、休息時やリラックス時に副交感神経が優位になると働くようになっているのです。
仕事や何らかの作業に集中しているときや、急いでいるとき、興奮しているときはあまりトイレに行きたくならないでしょう。「便秘を予防するために、朝はゆっくりトイレタイムを設けましょう」「食事中と食後はゆったり気分で」などと言われるのは、副交感神経を活発にして、消化、排便、排尿を促そう、ということなのです。「脳腸回線」の軸は迷走神経
このように脳腸回線では、休息時やリラックス時に働いて、消化、排便、排尿を促す副交感神経の働きが重要です。そこで、副交感神経について踏み込んで考えましょう。
脳やせき髄から出る副交感神経系には、迷走神経、顔面神経、舌咽(ぜついん)神経、動眼(どうがん)神経、骨盤内臓神経などがあります。
中でも迷走神経は、首、胸、おなかの多くの内臓や器官に、あたかも迷走するように広く複雑に分布しているのでその名称で呼ばれます。機能は、声帯、心臓、呼吸、胃、腸、肝臓、膵臓などの運動、消化液、ホルモンなどの分泌をコントロールすることです。
脳と腸をつなぐのは、主にこの迷走神経です。つまり、「脳腸回線の軸は迷走神経(副交感神経)」なのです。
迷走神経の分布からわかるように、本社である脳は複数の支社である臓器を管理しています。もし自分が本社の社長なら、「心臓や肺」と「胃や腸」の双方に指令を出さなければならない場合、どちらを優先するでしょうか。
もちろんどちらも重要な臓器ですが、数秒の遅れが命に関わる「心臓や肺」に比べれば、「胃や腸」への指示はあと回しにするのではないでしょうか。
脳から指示が届かなければ、腸の業務は滞ります。しかし先述のとおり、腸は体の中でも大きな支社であり、その業務は多岐にわたります。腸は脳からの指示を受け取る外線に加えて、現場で自律的に動くための独自の内線である「腸管神経系」を備えているのです。腸は、脳の指令にただ従うだけの存在ではないわけです。
では逆に考えて、腸は支社内線(腸管神経系)で業務ができているのに、なぜ本社との外線も持ち続ける必要があるのでしょうか。
実のところ、内線だけではほかの支社(臓器)と足並みをそろえて稼働することができないからです。生命維持だけならともかく、ヒトが複雑な環境で健康に生きるためには、腸管神経系だけでは完結できないことがしばしば起こります。
このため、腸は内線と外線の両方の電話回線を巧みに使い分けながら、ほかの臓器と綿密に連携しているのです。排便時に「脳腸回線」が絶妙に働く
脳腸回線が全身の健康にどれほど重要かを、排便のしくみから考えてみましょう。
食べ物は消化され、便となって腸管神経系の働きであるぜん動運動によって、大腸の一部で肛門のすぐ上の「直腸」まで運ばれます。ただし、運ばれてくるたびに少量ずつ排便するのは効率が悪いので、一定の量に達してからまとめて排出するようになっています。
このとき、便が勝手に出て行かないように、肛門には2つの筋肉の「内肛門括約筋(ないこうもんかつやくきん)」と「外(がい)肛門括約筋」が備わっていて、排便を調整しています。名称のとおり肛門の内側と外側の筋肉ですが、指示を出す神経がそれぞれ異なることで、うまく排便を調整しています。
図4を参照してください(下図を参照)。直腸に便がたまると直腸の壁が引き延ばされ、その刺激が副交感神経を通してせき髄の「排便中枢」に伝わります。ここでの副交感神経とは迷走神経ではなく、「骨盤内臓神経」という別の神経です。
排便中枢は、刺激が伝わると、即座に排便を促す指示を直腸に出すと同時に、せき髄から脳の視床下部(ししょうかぶ)、大脳皮質の順で脳に「出してもいいか?」とお伺いを立てます。
直腸の刺激に対して排便中枢から出された指示は、再び骨盤内臓神経を通じて直腸および内肛門括約筋に伝わり、直腸の壁を縮めて弁を絞り出すとともに、内肛門括約筋をゆるめます。これで排便の準備が自動的に整います。
自動的に、とは、排便中枢はほぼマニュアルどおりに指示をするので、そこがトイレであろうと、電車の中であろうと、人混みであろうと気にしません。排便中枢の指示のみに従うと、ヒトはいつでもどこでも排便する生活になるでしょう。
そうした状況を判断するのが脳です。
排便中枢からのお伺いが「便意」として届くと、脳は「今排便するかどうか」を決定します。排便の指示が脳から出ると、外肛門括約筋をゆるめる指示も同時に出ます。この外肛門括約筋は、「陰部神経」という別の神経が支配しているため、自動的にゆるむ内肛門括約筋と異なり、意識的に排便を調節することができるのです。
脳からの排便の指示は同時にほかの臓器にもおよび、横隔膜(おうかくまく)や腹筋が縮んだり、いきんだりして便の排出を助けます。
このように排便というアクションでは、腸管神経系と脳とせき髄、そしてそれをつなぐ脳腸回線が非常にうまく連携し、絶妙な働きをしています。今度の排便時に、こうしたことをイメージしてみてください。『「考える腸」が脳を動かす』 第一章 より 菊池志乃:著 集英社:刊




脳と腸は、本社と支店の関係。
つねに脳から指令が出ているわけではなく、普段は支店間(腸内)のネットワークが働いて、日常の作業をこなしています。
排便を含めた、腸の働きを良くする。
そのためには、腸内の支社内線である腸管神経系を活性化させることが重要だということですね。
「ホルモンによるネットワーク」が脳と腸をつなぐ
脳と腸をつなぐのは、神経ネットワークだけではなく、他にもあります。
その一つが「ホルモンによるネットワーク」です。
ホルモンとは、内分泌(内分泌代謝)で働く生理活性物質
のことです。
菊池さんは、内分泌におけるホルモンは電子メールのようなもの
で、情報を伝えるとき、神経は原則1対1であるのに対し、ホルモンは伝達する相手の器官や細胞が「受容体(receptor)」さえ持っていれば、相手が10でも100でも同時に情報を伝えることが可能
だと指摘します。
ホルモンを分泌する器官が「内分泌腺」です。
体内の分泌のしくみは、「内分泌」と「外分泌」の2つに大別されます。内分泌とは、ホルモンが内分泌腺などから血液「内」に直接「分泌(放出)」されることです。分泌されたホルモンは、血液にのって特定の受容体を持つ細胞に運ばれ、その活動に影響を与えます。
ただし現在では、一部のホルモンは血液を介さずに近くの細胞に直接作用(パラクリン作用)し、ホルモンをつくった分泌細胞(腺細胞)自身に働きかける(オートクリン作用)こともわかっています。
一方、外分泌とは、汗や唾液、涙などの分泌物を外分泌腺の「導管」を通じて体の「外」に分泌(放出)することをいいます。
胃や膵臓は内分泌腺と外分泌腺の両方を持っていますが、消化液や膵液は導管を通じて腸管の内腔(ないくう)に分泌されるので、外分泌になります。それというのも、腸管の内腔は口から肛門までひと続きの管になって外部とつながっているため、体内ではなく「体外」という扱いになるからです。ホルモンは特定の器官や細胞にのみ作用する
ホルモンという言葉は、ギリシャ語の「刺激する」を意味する「hormao」が由来です。余談ながら、料理の「ホルモン焼き」とはまったく別物だということはよく知られています。
最初に発見されたホルモンはセクレチンという十二指腸から分泌されるホルモンです。1902年にイギリスの生理学者であるベイリスとスターリングによって報告されました。この発見は、ロシアのパブロフ博士に代表される神経生理学が主流の時代に、神経以外のネットワークの存在を証明した点でも意義深いものです。
もうおわかりのように、ホルモンは第一章で述べた神経伝達物質と同じく、体内で情報の伝達を担う物質です。その主な特徴は次のとおりです。〈ホルモンの特徴〉
①内分泌腺でつくられて、血液中に分泌(放出)される。
②ホルモンをキャッチする受容体を持つ、特定の器官(標的器官)や細胞(標的細胞)のみに作用する。また、同じ受容体を持つ複数の器官や細胞には、同時に作用する。
③ごく微量で効果を発揮する。
④神経伝達物質に比べると伝達速度は遅いが、長く作用する。ストレスがあると脳から「あるホルモン」が分泌される
では、内分泌系のネットワークはどこでどのように管理されているのでしょうか。
ここで重要な役割を持つのが「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH:Corticotropin-Releasing Hormone)」です。長い名称ですが、「〈副腎皮質刺激ホルモン〉の放出を促す」という役割そのもので呼ばれています。医療関係の試験によく出題され、その働きとともに様々なゴロ合わせ暗記法もある物質です(以降も頻出するので、このホルモンのみ、読みやすくするために「」をつけておきます)。
このホルモンは、ストレスに反応して、脳の視床下部(図4・図6)から分泌されます(下図を参照)。視床下部とは自律神経系や内分泌系をコントロールする部位で、同ホルモンの分泌量は朝に多く、夜には少なくなります。
そして、視床下部のすぐ下にある脳下垂体(図6)に働きかけ、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH:Adrenocorticotropic Hormone)の分泌を促します。
その副腎皮質刺激ホルモンが副腎(腎臓の上に位置する臓器)の外側部分の副腎皮質(図7)に到達すると、そこからコルチゾールというホルモンが分泌されます(下図を参照)。
コルチゾールは体にとって重要なホルモンであり、脳腸相関を理解するうえでカギとなる存在です。肝臓での糖の生成、筋肉でのタンパク質の代謝、脂肪の分解などを促進し、炎症を抑え、免疫を抑制します。ストレスに反応して分泌されるため、俗に「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
また、視床下部や脳下垂体からは、先述の成長ホルモンやオキシトシンなど、生命維持に必要なホルモンが分泌されています。それに、前述の副腎皮質からのコルチゾールや、副腎皮質からのコルチゾールや、副腎髄質からのアドレナリンなどの分泌もそこでコントロールしています。このように内分泌ネットワークの中心は脳であり、中でも視床下部と脳下垂体が中枢を担っています。「視床下部ー脳下垂体ー副腎皮質」の「軸」に着目
以上のように、ストレスを感じると、「視床下部ー脳下垂体ー副腎皮質(HPA:Hypothalamic-Pituitary-adrenal Axis)」のHPA軸と呼ばれる伝達経路を通じて、「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン」や副腎皮質刺激ホルモン、そして副腎皮質ホルモン(コルチゾールなど)が分泌されます。
なぜこれらが分泌されるのかというと、体を健康に保つためにほかなりません。
HPA軸は、あたかも会社の組織のように働きます。ストレスなどの問題が発生すると、本社(脳)の社長にあたる視床下部が、部長にあたる脳下垂体に次の指示を出します。
脳下垂体は副腎皮質刺激ホルモンを分泌して支社のある副腎に指示を伝え、副腎皮質がコルチゾールを分泌して問題に対処します。視床下部が副腎に直接指示を出さない理由は、支社(副腎)にメールを送るシステムがないからです。つまり、副腎が視床下部から分泌される「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン」の受容体を持たないため、その機能を持つ脳下垂体と役割分担をしているのです。
また、現場である副腎からすれば、問題にすでに対処しているのに、上層部(視床下部や脳下垂体)から「対処するように」とのメールがくり返し届くのは困ります。このため、支社(副腎)はある程度対処できたら、上層部に「こちらで対処できています」とメールを返信し、連絡をストップしてもらいます。
このしくみを、フィードバック機能といいます。ビジネス用語としてよく用いられているようです。医学では、ホルモンの分泌量の情報が、分泌元の内分泌腺や分泌細胞に戻って働きかけ、分泌量を調整する作用を意味します。
HPA軸ではコルチゾールの分泌が増えると、副腎皮質刺激ホルモンや「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン」の分泌が減少し、結果的にコルチゾールの分泌が減ります。これをネガティブフィードバック(負のフィードバック)と呼びます。このネガティブは、“悪い方向”や“否定的”という意味ではありません。むしろ「作用の行き過ぎを防ぐ安全装置」のように、正常で重要な働きを表します。
こうして体内のホルモンの量が一定に調整されることで、恒常性(ホメオスタシス。環境にかかわらず生体の生理機能が安定して保たれること)が維持されているのです。
このフィードバック機能がうまく働かず、たとえば、ストレスが続いてコルチゾールの分泌が慢性的に増えると、うつ病や生活習慣病などのストレス関連の病気につながります。『「考える腸」が脳を動かす』 第二章 より 菊池志乃:著 集英社:刊




ホルモンは、一度放出されると、対応する受容体すべてに作用します。
それだけ、影響力が大きいということですね。
脳と腸の連絡を活発にするのは「腸内細菌」
脳と腸のつながりにおいて、欠かすことができない存在が「腸内細菌」です。
腸内細菌は、神経系、内分泌(ホルモン)系、免疫系の脳と腸をつなぐネットワークのさまざまな場面で重要な役割を担って
います。
このため、最近では、「腸内細菌ー脳ー腸相関」という考えかたも広がっているとのこと。
ただし、腸内細菌が脳へ直接働きかけているわけではありません。代謝産物の一部は腸管から吸収されて血液中に入り、全身の活動に影響します。つまり、内分泌系のホルモン(第二章)と似た作用を持つと考えられます。
細菌そのものが血液中に入ると敗血症(はいけつしょう)、脳やせき髄に入れば脳炎や髄膜炎(ずいまくえん)といった、命に関わる感染症を引き起こしかねません。
そこで、腸内細菌は代謝産物によって、神経系、内分泌系、免疫系を通じて脳や腸に働きかけています。この点も人体の巧妙な仕組みのひとつでしょう。
腸内細菌と自律神経について説明するにあたり、患者さんからの質問が多い「セロトニン」について触れておきます。第二章で述べたとおり、セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれますが、実態はホルモンではなく、神経に作用する神経伝達物質のひとつです。科学的には「幸せ物質」と呼ぶほうが適切でしょう。
セロトニンは、食事からとるトリプトファンという必須アミノ酸を材料にしてつくられます。この過程で必要な短鎖脂肪酸やビタミンを腸内細胞が供給しているのです。
セロトニンは意欲や睡眠、感情の安定などに働く物質です。うつ病などの治療薬の「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI:Selective Serotonin Reuptake Inhibitor)」にも活用されています。脳で働くセロトニンは全身の約2%といわれ、それらは脳の細胞でつくられています。
一方、ほかの90%以上のセロトニンは主に小腸の内分泌細胞(EC細胞)でつくられ、そのうちの約90%が腸管に、約8〜10%が血液中の血小板に取り込まれ、止血などに働くとされます。
腸管ではこれほどに大量のセロトニンが産生されています。それなら、「トリプトファンや短鎖脂肪酸、ビタミン類の材料となる食物繊維をたくさんとれば、脳のセロトニンも増えて気分が安定しそう」と考えたくなるかもしれません。
しかし、実際は腸内のセロトニンが増えたとしても、脳に直接影響するわけではありません。小腸で産生されたセロトニンは、脳の毛細血管の細胞の働きで血液中の物質がむやみに脳に入ることを防ぐ血液脳関門(BBB:Blood-Brain Barrier)というしくみによって、脳に届かないからです。
脳のセロトニンも多いほどいいわけではありません。体内のセロトニンが過剰になると、イライラや不安、興奮などの「精神症状」、手足が勝手に動く・逆に体がこわばる「神経・筋症状(運動症状)」、発汗や発熱、頻脈、下痢といった「自律神経症状」が起こる「セロトニン症候群」が引き起こされる場合があるからです。このため、腸でつくられた大量のセロトニンが脳に流れ込まないように血液脳関門がブロックしているのです。
なお、セロトニン症候群は、前述の抗うつ薬のSSRIなどの薬物や、腸や膵臓などにできたセロトニンを分泌する腫瘍が原因で起こることがあります。神経系・・・腸内細菌は自律神経系、腸管神経系に影響する
脳は、セロトニン量のコントロールのため、その材料となるトリプトファンを加工した物質やビタミン類などを取り込んで、セロトニンの自家生産・自家消費に徹しています。
つまり、「腸内細菌は、代謝産物の短鎖脂肪酸やビタミン類を産生し、それらを通じて脳や腸でのセロトニンの産生を間接的に調節する。このしくみが、脳や運動神経系、自律神経系にも影響を与えている」といえます。とりわけ小腸のEC細胞は、セロトニンをメッセンジャーとして腸の状態を腸管神経系に伝え、ぜん動運動の調整などを担っています。
このことを裏付けるように、腸内細菌がいない無菌マウスの腸ではセロトニンの量が減少し、ぜん動運動が低下するために便秘のマウスが多いという研究結果があります。
また、セロトニンが腸の受容体のひとつ(5-HT3受容体)に働くと、下痢、腹痛、嘔吐(おうと)など消化管の症状を起こすことがわかっています。
このため、脳のセロトニンの利用率を高める先述の抗うつ薬:SSRIとは対照的に、腸のセロトニンの過剰な影響を抑える5-HT3受容体拮抗薬(きっこうやく)が、抗がん剤などに対する吐き気止めや、過剰成長症候群による下痢や腹痛などの治療薬として使用されています。内分泌系・・・やせホルモンに短鎖脂肪酸が作用する
ストレスがあると、脳の視床下部や下垂体といった内分泌系の司令塔からホルモンが分泌されます。中でも、視床下部から放出される「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン」(第二章)は、腸に影響する代表的なホルモンで、胃のぜん動運動を低下させる一方、腸のぜん動運動を活発にし、腸の感覚を過敏にします。
それに、腸管にもホルモンを分泌する内分泌細胞が何種類も存在し、そこから分泌されたホルモンをまとめて消化管ホルモンと呼びます。各ホルモンは自律神経を通じて脳に空腹を伝え、腸からの指令を受けて胃酸や腸液、膵液、胆汁などの分泌を調整しています。
腸内細菌も代謝産物を通じて、内分泌系におけるホルモンの産生やぜん動運動などの消化活動に影響を与えています。
例として、「やせホルモン」とも呼ばれるGLP-1(Glucagon-Like Peptide-1 グルカゴン様ペプチド-1)と、腸のぜん動運動と栄養の吸収に関係するペプチドYY(PYY)の2つを紹介します。いずれも、小腸や大腸の内分泌細胞(L細胞)でつくられています。
この2つのホルモンは、「腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が、主にL細胞にある受容体を活性化させることで分泌」されます。
GLP-1の働きは、栄養の消化・吸収に非常に重要です。膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの分泌を促すからです。
インスリンは糖尿病に関する情報で知られる存在です。血液中のブドウ糖を肝臓や筋肉などの細胞に取り込むことを促進させるホルモンであり、体内では唯一、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)を直接低下させるように働きスマ。食事をして血糖値が上昇すると、GLP-1が膵臓にインスリンを分泌するよう指令を出し、血糖値が低下します。
このインスリンの分泌量が少ない、あるいは働きが悪くて血糖値が高くなると、糖尿病の原因になります。
インスリンも含めさまざまな糖尿病治療薬かありますが、GLP-1やGIP(第二章)の働きを模したGLP-1受容体作動薬・GIP/GLP-1受容体作動薬も糖尿病の治療薬として使用されています。
中でも、2023年4月に日本で公的医療保険の適用が開始された2型糖尿病治療の新薬「チルゼバチド(商品名:マンジャロ)」は肥満症の治療薬して、欧米では爆発的に売れています。日本でも「やせ薬」と呼ばれ、肥満症ではなくてもダイエット目的に自由診療で販売されて品薄状態が続き、肝心の医療機関では入手困難に陥ったことがニュースになりました。
また、2024年2月には、2型糖尿病治療薬に使われている「セマグルチド(商品名:ウゴービ)」が、肥満症治療薬として新たに公的医療保険適用となり、同様の状況になっています。いずれも、適切な使用をお願いしたいところです。
「話題のやせ薬って何のこと?」と聞かれたら、「小腸から分泌されて、インスリンの分泌を促す消化管ホルモン・GLP-1やGIPの働きを模倣した、GLP-1受容体作動薬・GIP/GLP-1の働きは多様で、満腹になると迷走神経を刺激して、脳に満腹感を伝えて食欲を抑える働きもあります。つまり脳腸相関というよりも、「腸脳相関」として働くホルモンだといえるでしょう。
一方、ペプチドYYは、ぜん動運動を抑制し、食べものを腸管に長くとどめて栄養の吸収を助けるように働きます。
腸内細菌はこれらのホルモンの分泌を促し、その働きによって食べ物からエネルギーを獲得する活動を支えています。『「考える腸」が脳を動かす』 第四章 より 菊池志乃:著 集英社:刊
腸内細菌は、腸内で食べかすなどをエサにしています。
そして、取り込んだ食物繊維などを代謝して(消化、吸収して活動に必要なエネルギーや物質に変化させる)、さまざまな物質を産み出して
います。
それらを「代謝産物」と呼びます。
腸内細菌がつくる代謝産物には、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、葉酸)や、酪酸、酢酸(さくさん)、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸
あります。
腸内細菌の種類によって、代謝産物は大きく変わってきます。
腸内環境を整えることが,脳にとってどれだけ重要かがわかりますね。
過敏性腸症候群を防ぐ「低FODMAP食」とは?
下痢を繰り返す、便秘が続く、みぞおちやおなかが痛い。
そんな、明らかな症状があるにもかかわらず、検査では異常が見つからない病気
のことを「機能性消化管疾患」と呼びます。
機能性消化管疾患の主な原因となるのが、「過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)」です。
「下痢型」「便秘型」「分類不能型」がある
過敏性腸症候群と診断するにはまず、似たような症状を起こすほかの病気がないことを確認します。ウイルスや細菌に感染したときに発症する「急性胃腸炎」(下痢、胃痛、嘔吐、発熱など)などの症状を過敏性調整症候群と勘違いする患者さんもいるからです。そのうえで、過敏性腸症候群と診断されるのは、次のRomeⅣ基準を満たす場合です。
「診断の6ヶ月以上前からくり返す腰痛が、細菌3ヶ月の間で平均して少なくとも週1日あり、①排便に関連する、②排便頻度の変化を伴う、③便の形の変化を伴う、の2つ以上を満たす」。
こうした排便の異常は、下痢(軟便・水様便)もしくは便秘(硬い便)のどちらか、もしくは両方がある状態のことです。過敏性腸症候群は下痢や便秘の頻度によって「下痢型(下痢が全体の25%以上を占める)」「便秘型(便秘が25%以上)」「混合型(下痢および便秘がそれぞれ25%以上)」「分類不能型(いずれの型にもあてはまらない)」の4つの型に分類されます。
なお、機能性消化管疾患と診断されたうえで、RomeⅣ基準を満たさない場合は、機能性便秘症や、機能性下痢症など、症状に応じた診断名がつけられます。
過敏性腸症候群の「過敏」とは、「知覚過敏」を指しています。通常なら便意などを感じない程度の便やガスでも、強い便意やおなかの張り感、痛みとして感じる状態です。排便や排ガスの直後でも腸管に便やガスが残っていることが多いのですが、過敏性腸症候群ではない場合は、便意や痛みをとして知覚しないのです。
一方、知覚過敏があると、排便しても残便感を覚えやすくなり、すっきり出し切るために長時間トイレにこもったり、浣腸(かんちょう)をしたりする人もいます。さらに、腸管の運動異常も起こります。すると、過剰なぜん動運動による下痢や、ぜん動運動の低下による便秘になり、便通異常や、腰痛が悪化するといった悪循環になります。過敏性腸症候群の食事療法「低フォドマップ食」に注目
ここでは、消化内科外来であまり実践されていない食事指導について説明します。診療ガイドラインで最初に推奨されているのに、実践されていない理由はいくつかありますが、食事指導は個別性が大きく一般外来では時間的にも難しいこと、栄養指導として公的医療保険の適用がないことなどが考えられます。
過敏性腸症候群の症状を誘発しやすい食品として、脂質、カフェイン類、乳製品、香辛料などが知られています。中でも注目されているのは、「FODMAP(フォドマップ)」と称される、腸で吸収されにくく発酵しやすい糖類のグループです。
食事指導を体系化したオーストラリアのモナッシュ大学の研究では、「低FODMAP食」と呼ぶ食事によって過敏性腸症候群の症状が改善したという報告があります。
この名称は、次のように、頭文字を組み合わせたものです。F(Fermentable 発酵性)
O(Oligosaccharides オリゴ糖:フルクタン、ガラクトオリゴ糖)
小麦、ライ麦、玉ねぎ、ニンニク、豆類など
D(Disaccharides 二糖類:ラクトース)
牛乳、カッテージチーズ、クリームチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルトなど
M(Monosaccharides 単糖類:フルクトース)
果物、ハチミツなど
And
P(Polyols ポリオール類:ソルビトール、マンニトール、イソマルト、キシリトール、グリセロール)
マッシュルーム、プルーン、キシリトールを含むガムや飴(あめ)など過敏性腸症候群でなくても、これらの食品を食べておなかが緩くなった経験がある人もいるでしょう。
FODMAPに属する糖類は、腸管にとどまることで水分を引き寄せ、腸管内の水分量を増やして下痢や軟便を引き起こします。また、腸内細菌によって急速に発酵され、メタンや水素といったガスの発生にも関係するとされます。
身近な例では、チューインガムに含まれるキシリトールはFODMAPに該当します。このため、包装紙などには小さく、食べ過ぎるとおなかがゆるくなる、という注意書きがあります。
「低FODMAP食」とは、これらのFODMAPを多く含む食品を一時的に控え、症状の変化を見ながら、原因となる食品を見極めていく食事療法です。
イギリスのロンドン大学キングス・カレッジのグループによる2011年の報告でも、低FODMAP食が過敏性腸症候群の症状改善に有効であるとされました。
ただし、便秘型の過敏性腸症候群の症状改善には低FODMAP食はあまり効果がなかったようです。これは、FODMAPを含む食品がすべての過敏性腸症候群の人の症状悪化につながるとは限らないということでもあります。
前述のオーストラリアの研究では栄養士の指導のもと、食品一覧が掲載されたパンフレットなどを併用し、FODMAPを多く含む食品を2〜6週間控え、症状が改善するかどうかが確認されました。もし改善すればFODMAPが関係していると考えられますし、変化がなければ関係が薄いと判断します。
明らかに改善を認めた場合は、8〜12週間かけて今度は中止した高FODMAP食を1種類ずつ、3日程度は様子を見ながら再開してみて、症状の変化を観察します。
食べ始めても症状の悪化がなければ、その食品は「その人にとって」は問題がないもの、になります。この作業をくり返し、その人にとって「大丈夫」、もしくは「大丈夫ではない」食品を見つけ、日常生活に反映する。これが低FODMAP食の概要です。
つまり、過敏性腸症候群だから低FODMAP食にしたらいいというものではなく、FODMAPを含む食品の中でも、自分の症状に関係する食品を見つけて、摂取を減らすことが目標となります。
この研究を発表したモナッシュ大学のウェブサイトには情報が豊富で、ブラウザの翻訳機能による日本語表示でも閲覧ができます。低FODMAP食のアプリをダウンロードすることも可能です。「Monash FODMAP」などのキーワードで検索してみてください。『「考える腸」が脳を動かす』 第六章 より 菊池志乃:著 集英社:刊

過敏性腸症候群における食事の影響は、個人差が大きく、また、同じ人でもそのときの体調や、生活・仕事などの環境によって変化
します。
そのため、菊池さんは、日記やスマホのメモなどを使って、自分に合う食品を客観的に記録し、自分にとってもっとも合う食事を見つけていくことが重要
だと指摘します。
低FODMAP食を意識しつつ、自分の体質に合った食習慣を身につけたいですね。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
近年、「腸活」という言葉をよく聞くようになりました。
腸内環境を良い状態に保つことが、健康にどれだけ重要なのか、認知されてきた結果でしょう。
もちろん、そこには医学的な裏付け(エビデンス)があるのは言うまでもありません。
菊池さんは、それをさらに進めてこれからは「脳腸活」の時代
だと提案されています。
もともと、腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、心や精神の状態と結びついていることが知られています。
ただ、本書のテーマの「脳腸相関」は、私たちが考えている以上に、脳と腸が密接にコミュニケーションを取り合っていることを示しています。
腸を整えると、脳が整う。
脳が整うと、メンタルが整う。
メンタルが整うと、生活が整う。
「脳腸活」は、これからの時代の健康の新常識。
皆さんも、本書を片手に頭の中を最新情報にアップデートしましょう。
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