【書評】「絆創膏を貼るだけ快眠」(山内義弘)
お薦めの本の紹介です。
山内義弘さんの『自律神経を整えて1日の疲労を根こそぎ落とす 絆創膏を貼るだけ快眠』です。
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山内義弘(やまうち・よしひろ)さんは、理学療法士です。
全国のセラピスト向けセミナーの登壇、講演活動、オンライン配信など、幅広くご活躍中です。
原因不明の不調の正体は「睡眠」かもしれない
寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝から体が重い・・・・・・。
このような慢性的な痛みや不調の正体。
それは「睡眠の崩壊」によって自律神経が狂い、脳が疲弊しきっていること
にあります。
私たちの多くは、睡眠は単なる「休息」だと考えていますが、そうではありません。
山内さんは、睡眠は、あなたの体にとって唯一の「奇跡の自己修復システム」
だと指摘します。
眠っている間に、脳は疲労物質を洗い流し、自律神経は全身の細胞を修復します。この「夜のメンテナンス」が止まっている状態で、いくら外側から刺激を与えても体はよくなりません。
「でも睡眠薬には頼りたくない」
「枕を変えても、サプリを飲んでもダメだった」
「整体やエステでケアしても効果がなかった」そんなあなたにこそ、150万人のフォロワーとともに磨き上げた第二の山内流メソッド(絆創膏を貼るだけ整体の最新テクニック)を捧げます。
今回私が開発したのは、自律神経の働きに直接アプローチし、強制的に「脳の休息モード」へと切り替える【快眠・絆創膏整体】です。
なぜ、指先や足首の「ある場所」に絆創膏を貼るだけで、深い眠りに落ちるのか?
なぜ、1000人の実態調査で判明した、睡眠を妨げる主要因である「いびき」「夜間頻尿」までもが、1枚の絆創膏で変わるのか?
その理論的根拠(ロジック)と、今夜からできる具体的な貼り方を、本書ですべて公開します。
睡眠は、あなたの人生そのものです。
私の夢は、世界中から「不要な薬」や「不要な手術」をなくすことです。
1日7時間以上、人生の3分の1を占める睡眠の質が変われば、翌朝の視界が変わり、仕事の集中力が変わり、大切な人へのやさしさが変わります。
絆創膏1枚で、あなたの人生を「最高の体調」へとアップデートする。
さあ、準備はいいですか?
今夜から、私と一緒に「人生最高の眠り」を手に入れましょう。『絆創膏を貼るだけ快眠』 はじめに より 山内義弘:著 KADOKAWA:刊
山内さんが開発した「絆創膏整体」は、皮膚にやさしく触れるような刺激を入れて、筋肉や関節のセンサーを“目覚めさせる”ことで、体が動き出すきっかけをつく
るメソッドです。
(絆創膏整体について、もっと詳しく知りたい人はこちらをどうぞ→【書評】「絆創膏を貼るだけ整体」(山内義弘))
本書は、「絆創膏整体」メソッドの中でも、睡眠の質向上に特化したアプローチをまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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睡眠の質は「寝つき・深さ・継続」で決まる!
「睡眠の質」は、何で決まるのでしょうか。
ポイントは、「寝つき」「深さ」「継続」の3つです。
山内さんは、この3つがそろうと、睡眠は一気に“回復の時間”
になると指摘します。
ポイント①寝つきーー「すぐに」寝られる
「寝つき」は、眠りに入る導入部分です。ここでつまずくと、その夜の睡眠全体が崩れやすくなります。
まず大切なのは、「部屋の明るさ」。人の体には、朝に目覚め、日が沈むと眠りに向かう体内時計のリズム(サーカディアンリズム)があります。日暮れ以降は照明を少し落として、体内時計に「夜だよ」と認識させていきましょう。
次に重要なのが、「メラトニン」という睡眠に関わるホルモンです。朝、太陽の光を浴びると、脳内でセロトニンがつくられ日中の活動を支えます。そしてこのセロトニンは、時間の経過とともにメラトニンの材料にもなります。つまり、夜の寝つきをよくしたいなら、朝の光を浴びる習慣が土台になります。
ここで「自律神経」のバランスも関わっています。入眠時には、日中に優位だった交感神経から、心身を落ち着かせる副交感神経優位へと切り替わらなければなりません。
さらに、見落とされがちなのが「深部体温」です。入浴などで一度深部体温を上げ、その後に手足の末端から熱が逃げて深部体温が下がっていく流れが、眠りへのスイッチになります。ここが整うと、体は自然に“眠るモード”に入っていきます。ポイント②深さーー「ぐっすり」寝られる
「深さ」は、睡眠の“回復力”そのものです。
睡眠には、脳と体をしっかり休ませる「ノンレム睡眠」と、脳は活動しつつ体がゆるむ「レム睡眠」があり、この2つが交互に繰り返されます。眠りの深さと時間の図をご覧ください(下の図1を参照)。ノンレム睡眠は深さによって段階があり、眠り始めが最も深くなります。眠り始めの一番深い眠りは、体の修復や脳のメンテナンスが進みやすい“回復のゴールデンタイム”です。つまり、1回目の睡眠サイクルでどれだけ深く眠るかが、その夜の睡眠の質を大きく左右します。その後は少しずつ眠りが浅くなり、目覚めに向かう流れになります。
深い眠りをつくるには、日中に適度な負荷が必要です。起きている間、脳内にはアデノシンという物質がたまり、これが増えるほど眠気が強くなります。これを「睡眠圧」と言います。アデノシンがしっかりとたまった状態で眠ると、1回目の睡眠サイクルに深さが出やすくなります。睡眠圧を上げるには、日中に筋肉を使って体を動かすこと。ウォーキングなら「少し疲れたな」と感じる程度が目安です。
ところが現代人は、筋肉を使わずに“骨で歩く”ような動きになり、筋肉が働かないまま関節だけに負担がかかって痛めてしまう人も少なくありません。そこで、絆創膏を貼って筋肉が働きやすい状態をつくり、日中の歩行で睡眠圧を高めてほしいのです。
嗜好品(しこうひん)にも注意が必要です。
カフェインはタイミングによっては、寝つきや深さを崩します。またアルコールは「寝つける」感じがしても、後半の眠りが浅くなり途中で目が覚めやすくなることが知られています。
そして私自身もサウナが好きですが、寝る直前のサウナや熱い湯での入浴は、寝つきは良くても眠りが浅くなりやすいことがあります。深部体温が下がりきらないまま眠ると、睡眠が安定しづらいのです。冬にこたつで寝てしまうと眠りが浅いのも、体温調整がうまくいかない一例です。理想は、眠る1〜2時間前に湯船につかって深部体温をいったん上げ、下がってくるタイミングで布団に入ること。
また、眠り悩みで多い「いびき」や、睡眠中に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群など、呼吸の乱れが原因で深く眠れていない人も多いでしょう。ポイント③継続ーー「長く」寝られる
「継続」とは、眠りの長さです。目安として、ひと晩しっかり眠れる時間が確保できると、回復力は上がります。
けれど現実には、夜間にトイレで起きたり、2〜3時間で目が覚めてしまったり・・・・・・という人も多いですよね。
都会や現代の暮らしは、睡眠を邪魔するものがたくさんあります。ネオンの光、生活音、スマホの通知。私も東京暮らしのときは、夜中に目が覚めやすかったです。そして意外かもしれませんが、眠りを継続させるうえで見落とされがちなのが「体のエネルギー状態」です。睡眠中も体はエネルギーを使っています。血糖値が大きく乱れると、体はそれを戻そうとして交感神経が働きやすくなり、結果として目が覚めやすくなることがあります。
さらに、体がゆるんだまま眠りをキープするには、筋肉がリラックスできる状態も大切です。
ミネラル不足や疲労の蓄積などで筋肉がこわばると、寝返りが減ったり、同じ姿勢がつらくなって途中で目が覚めたりすることがあります。夜中に足がつって起きてしまう人もいますが、こうした症状には複数の原因が関わります。
また、夜間頻尿も睡眠の継続を止めてしまいますし、いびき・無呼吸など呼吸の乱れも「6〜8時間まとめて眠る」ことの妨げになります。つまりーー「寝つき・深さ・継続」の3つがそろってこそ、翌朝に「ぐっすり眠れた。疲れが取れた」と感じられる快眠になるのです。
『絆創膏を貼るだけ快眠』 第1章 より 山内義弘:著 KADOKAWA:刊

質の高い睡眠をとるためには、眠っていない時間の過ごし方、それに筋肉のメンテナンスが重要です。
私たちも、「寝つき・深さ・継続」を意識しながら、快眠習慣を手に入れたいですね。
「呼吸が浅い」に対するアプローチは?
ひと口に「睡眠不足」といっても、世代や性別、生活習慣によって、“どんなふうに眠れないか”が変わります。
山内さんは、不眠をいくつかのタイプに分けて、それぞれについて絆創膏の貼り方(狙う場所)を解説しています。
最初に紹介するのは、「自律神経の乱れタイプ」です。
自律神経が乱れると、昼間に優位な交感神経から、眠りに必要な副交感神経へ切り替わりにくい状態
になり、呼吸が浅く、呼吸数も多く
なりがちです。
そこで、まず重要になるのが「呼吸を深くする」アプローチです。
呼吸が浅い①
呼吸が浅い人は「首呼吸」をしてしまう
自律神経を整えるうえで呼吸はとても大切です。でも実は、横隔膜などを使った深い呼吸ができていないことに、本人が気づいていないケースが本当に多いんです。
多くの人は、首の胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)や斜角筋(しゃかくきん)を使った浅い「首呼吸」になり、その結果、首の筋肉がガチガチにこり固まりやすい。さらにスマホやパソコンの姿勢が続くと、首のカーブが崩れてストレートネック傾向が強くなります。
首が硬い→呼吸が浅い→眠りに入りにくいという流れになりやすいです。胸鎖乳突筋にアプローチ
ガチガチ首をゆるめて胸郭で呼吸しよう
耳の後ろから鎖骨の内側へ伸びる胸鎖乳突筋(下図参照)は、頭を支えて首を回す「呼吸の補助筋」です。首呼吸でここが固まると、胸郭が広がりにくくなって呼吸が浅くなりがち。絆創膏を使い、胸郭で息が吸える体に戻していきましょう。絆創膏の貼り方 絆創膏を2枚、V字に貼ろう
胸鎖乳突筋の終点となる、左右の鎖骨の内側の端から、おへそへと向けて絆創膏を2枚、V字になるように貼ります。胸鎖乳突筋がゆるみ、胸郭が広がって自律神経が安定します(下の図2を参照)。+αPOINT
不安が強いと胸鎖乳突筋がガチガチになりやすいメンタルが落ちているときって、無意識に肩が上がって、首が固まっていませんか? 不安や緊張が強いと呼吸が浅くなり、首まわりの筋肉はさらにこわばります。首が硬いままだと、呼吸の「ゆっくりスイッチ」が入りにくい。だからこそ、首からゆるめる。ここが山内流の入り口です。
呼吸が浅い②
浅い呼吸の原因は硬くなった首絞め筋!
首呼吸をする代表的な筋肉が、胸鎖乳突筋と斜角筋。私はこの2つを「首絞め筋」と呼んでいます。
斜角筋は首の前外側から肋骨(ろっこつ)につながる呼吸補助筋です。本来よく働いてほしい横隔膜や肋間筋がサボると、斜角筋が無理やり肋骨を引き上げて呼吸を助けます。その結果、首が硬くなり、姿勢も崩れやすく、ストレートネック傾向が進む人も。首まわりの緊張が強い人の中には腕のだるさ・しびれ、手先の冷えを感じる人もいます。斜角筋にアプローチ
ガチガチの斜角筋をゆるめる
斜角筋は、頸椎(けいつい)から第1・第2肋骨につながる筋肉。絆創膏で斜角筋をゆるめて、胸郭が正しく使われる呼吸をサポートしていきましょう。絆創膏の貼り方 絆創膏を貼ったら呼吸もやろう
鎖骨中央から斜め下外向き45度に絆創膏を貼ります。左右貼ったら、5秒息を吸い続ける呼吸を3回しましょう。斜角筋がゆるんで胸郭全体で呼吸しやすくなります(下の図3を参照)。+αPOINT
リフトアップにつながり美容にも効果的斜角筋がゆるみ、呼吸が深くなると、肩がストンと落ちて姿勢が整いやすくなります。姿勢が整うと、顔や首の印象までスッと変わる人が多いです。「眠りのために貼ったのに、顔が自然とリフトアップして表情も明るい」、そんな変化も、ぜひ楽しみにしてください。
呼吸が浅い③
働き不足の肩甲骨を刺激し、吸う・吐く息の量をアップ
自律神経は呼吸数に左右されています。しっかりと呼吸をするには、肩甲骨(けんこうこつ)を正しく働かせることが必要です。
息を吸うと胸郭が広がり、吐くと縮みますが、吸うときの僧帽筋(そうぼうきん)の働きが悪いと、肩甲骨が働き不足になり、胸郭の伸び縮みの動きが制限されて呼吸が浅くなります。吐くときは、肩甲骨と肋骨をつなぐ前鋸筋(ぜんきょきん)が肩甲骨の回転をサポートして、空気のたまった胸郭を縮めていきます。
普段は働き不足の肩甲骨を刺激して深い呼吸につなげましょう。前鋸筋・僧帽筋にアプローチ
肩甲骨の働き不足を解消し深い呼吸へ
首から背中に広がる僧帽筋(下図参照)の下部繊維は、肩甲骨の位置を安定させる役割がありますが、働き不足で呼吸が乱れている人が多いです。僧帽筋と、肩甲骨の動きを助ける前鋸筋(下図参照)。2つの筋を刺激して、肩甲骨と胸郭を伸び縮みさせていきましょう。
絆創膏の貼り方吐く息は前鋸筋へアプローチ
前鋸筋は、肋骨の外から肩甲骨の内側縁に沿って、形状が鋸(のこぎり)の歯のように見えます。この肋骨の前鋸筋に沿って、肩甲骨の外側下を起点に斜め下内向きに貼ります(下の図4上を参照)。僧帽筋の働きをサポート
背中側の僧帽筋のラインのいちばん下にあたり、胸椎(きょうつい)の12番目を起点にして、斜め外下向き30度に貼ります。左右に貼ることで僧帽筋の働きが改善されます(下の図4下を参照)。『絆創膏を貼るだけ快眠』 第2章 より 山内義弘:著 KADOKAWA:刊



呼吸は、誰もが欠かさず、毎瞬毎瞬行っている行為です。
だからこそ、浅くなってしまっても、自分で気づくことが難しいです。
体の不調を感じている人は、呼吸が浅くなっていないかを疑ってみましょう。
気持ちの安定を決める「自律神経」とは?
自律神経とは、心拍・血圧・呼吸・消化・体温など、「生命を維持する“自動運転”」を担う仕組み
のことです。
自律神経は、大きく「交感神経」と「副交感神経」の2つに分かれています。
交感神経は、日中の活動時やストレスを感じたときに働き、心と体を“戦闘モード”に
します。
副交感神経は、休息時や睡眠時に働き、心と体を“休息モード”へ
導きます。
快眠のためには、昼は交感神経、夜は副交感神経へーーこの自然なシフトが不可欠
です。



ストレス社会を生きる現代人は、夜型の生活や情報過多の影響もあり、交感神経が優位のまま“下がりにくい”ケースが増えています。その結果、睡眠負債がたまり、眠りが浅い・疲れが取れない人が圧倒的に多いのです。
ストレスを抱え、交感神経優位が続くと、肩こり、腰痛、腹痛、頭痛、関節痛などの痛み、だるさ、便秘、めまいなど、体からのサインが出やすくなります。また性機能も自律神経の影響を受けます。性反応は交感神経と副交感神経が連携して起きるため、緊張が強く交感神経が高ぶり続けると、うまく働きにくくなることがあります。整形外科や内科に行っても原因がはっきりせず、「不定愁訴」と言われることもあるでしょう。そんなときは、痛い場所だけを見るのではなく、自律神経の乱れという土台を疑ってみてください(上の図5を参照)。脳と内臓機能をつなぐ自律神経。特にリラックスや睡眠に関わる副交感神経には、関係の深い「脳神経」がいくつかあります。
私たちの神経は、脳・脊髄で情報をまとめる中枢神経と、全身の運動や感覚を伝える末梢神経に分かれます。そして脳神経は、脳から出て顔・喉・内臓などへつながる12対(12ペア)の神経です(上の図6を参照)。たとえば以下が挙げられます。
・第Ⅲ脳神経の動眼神経は、眼球運動や瞳孔の調節に関わります。
・第Ⅳ脳神経の顔面神経は、表情筋の運動や味覚(舌の前2/3)に関わります。
・第Ⅸ脳神経の舌咽神経は、嚥下(えんげ)や味覚(舌の後1/3)に関わります。
・第Ⅹ脳神経の迷走神経は、心臓・肺・胃腸など、内臓の働きに深く関わる“副交感神経の主役”です。自律神経の乱れは、人によって出方が違います。そこでここでは、山内流にわかりやすく4つのフェーズに整理します。「自分は今どこにいるのか」がわかると、整え方が見えてきます(上の図7を参照)。
・フェーズ1:バランス良好
交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズで、心身ともに安定。眠りも回復も取りやすい状態で。
・フェーズ2:交感神経が優位(緊張が抜けない)
ストレスが多く、体が“戦闘モード”から下がりにくい状態。肩こり、頭痛、しびれ感、寝つきの悪さなどが出やすく、睡眠負債が日常化している人も多いでしょう。
・フェーズ3:副交感神経が優位(動けない・回復しない)
日中に必要な交感神経が立ち上がりにくく、やる気が出ない、だるい、疲労感が強い。眠りが浅く、常に眠気があるなど、回復のスイッチがうまく入らない状態です。
・フェーズ4:交感神経も副交感神経も低下(枯れている)
踏ん張る力も、回復する力も落ちている状態。ここまできていると感じたら、セルフケアに加えて、医療機関など専門家の力を借りることも選択肢に入れてください。自分の自律神経の状態は確認できましたか?
自律神経は基本的に、意識だけで直接コントロールすることはできません。ただし、日常の中で「刺激して整える」ことはできます。・交感神経を上げたいとき
適度な運動、人と会話、朝日を浴びながらの散歩など。
・副交感神経を働かせたいとき
入浴、腸を整える、ゆっくりした呼吸、安心できる時間をつくるなど。笑顔も大切です。笑う(表情筋を動かす)ことは、顔面神経を使います。つくり笑いでも、表情がゆるむと気持ちがほどけやすい。ここは侮れません。
そして、私がいちばん大事にしているのが、呼吸です。自律神経に“こちら側から介入できる入り口”として、呼吸は非常に現実的です。特に意識したいのは、呼吸の深さよりも呼吸のテンポ(呼吸数)。安静時の呼吸数は、成人でおおむね1分間に12〜16回が目安です。イライラしたり焦ったりして交感神経優位になると、呼吸は浅く速くなり、20回を超える人もいます。逆に、呼吸をゆっくりに戻せると、心身は落ち着く方向に動きやすい。ゆっくり呼吸をしているのに、焦り続けるのは難しいんです。
ここで1つ、注意です。無理に腹式呼吸や「深呼吸」を頑張らないでください。呼吸が浅い人ほど、横隔膜や胸郭が硬く、頑張るほど首や肩の力み(首呼吸)になりやすい。目指すのは、頑張る呼吸ではなく、「ラクに続く、ゆっくり呼吸」です。ゆえに私は、自律神経=呼吸機能だと思っています。
自律神経が乱れていると、「リラックスできない自分が悪い」と自分を責めがちです。でも多くの場合、単純に「呼吸が浅く速くなっている」だけ。責めるのはやめましょう。ここから整えれば、睡眠もちゃんと戻ってきます。自律神経セルフチェック
①最大呼吸時(吐く)の周径を測る
息を完全に吐ききった状態と吸いきった状態の周径差を計測。みぞおちの高さでメジャーを巻き、まずは息を吐ききった状態で周径を計測します(上図参照)。②最大吸息時(吸う)の周径を測る
次に、息を吸いきった状態(肋骨が拡がった状態)で同じく周径を測ります。この周径から、先ほどの吐ききった状態の周径を引きます。目安は下の表を確認してください。POINT
呼吸のときの横隔膜に着目する息を吸うと横隔膜の働きで肋骨が上外方に拡がります。普段、意識せずに呼吸しているのは、横隔膜の働きで自然と息が吸えるからです。拡張差により「どれくらい息が吸えているか」がわかります。
呼吸機能を高める
安静時の呼吸は胸郭から。
絆創膏で呼吸を助けよう。自律神経は、呼吸から整えられます。
ただし、寝る前に「吸って吸って!」と頑張る深呼吸はおすすめしません。人によっては過呼吸気味になったり、肩や首が緊張して逆に落ち着きにくくなることがあるからです。
快眠に必要なのは、安静時にできる“静かな、ゆっくり呼吸”。
ゆっくりした呼吸は、副交感神経(迷走神経)に働きかけ、心身の鎮静に役立つことが報告されています。胸郭にアプローチ
胸郭まわりのセンサーの働きをよくしよう
まず、関節のつなぎ目である胸郭まわりのセンサーが働きやすい状態をつくるために絆創膏を貼ります。
次に、安静時の呼吸で動く肋間筋にも絆創膏を貼り、胸郭がふわっと広がる感覚を出していきます。私たちはストレスを感じたとき、自然と胸に軽く手を当てることがありますよね。この「軽い圧」だけでも呼吸が落ち着きやすくなるんです(下の図8を参照)。絆創膏の貼り方
肋骨と肋間筋の働きアップ
胸骨の最上部に横向きに4指を置き、その小指付近を起点として上向きに絆創膏を貼ります。なお、111〜112ページ「視力回復」で紹介している絆創膏の貼り方も併せて試してみてください。+αPOINT
フェーズ3の人はこの呼吸も試そう上記を参考に胸骨の前に絆創膏を貼ってから、口から素早く「フッ、フッ」と、息を吐き続けます。10回素早く息を吐き続けて休憩。これを3回繰り返します。自動的に呼吸が速くなり交感神経が優位になります。その後、副交感神経優位に戻るので、夜、眠りやすくなります。
『絆創膏を貼るだけ快眠』 第3章 より 山内義弘:著 KADOKAWA:刊

自律神経は、基本的には自分でコントロールすることができません。
唯一、呼吸だけが、自律神経に直接働きかけることができます。
心の落ち着きは、ラクでゆっくりした呼吸から。
ぜひ、試してみたいですね。
「山内流快眠生活」とは?
以前は、睡眠障害に悩まされていた山内さん。
そんな状態を変えたくて、自然豊かな富士山の麓(ふもと)に拠点を移し、自分なりの暮らしのリズムを整えていった
とのこと。
すると、体内時計が整い、夜は自然に副交感神経へシフト
し、夜中に目が覚める回数がグッと減って、朝の目覚めが別物
になったそうです。
そんな「山内流快眠生活」を1日の流れで紹介します。
朝は、まだ静かな夜明け前の5時頃に自然と目が覚めます。窓を開けて新鮮な空気を取り入れ、季節によっては昇る朝日を全身に浴びる。たったこれだけで、体が「朝だ」と切り替わっていくのがわかります。
1日のはじめに、私はにがりを入れたコップ1杯の水で水分補給をします。寝ている間に私たちは汗をかくので、朝は思った以上に水分やミネラルが抜けています。朝イチの1杯は、それだけで体が目を覚ますスイッチになります。
にがりは、豆腐づくりにも使われるミネラル(特にマグネシウム)を含むもの。私はこの“ゆるく補う感覚”が好きで、朝の習慣にしています。夜中に足がつって目が覚める人もいますが、そういうときは疲労や冷え、筋肉のこわばりに加えて、ミネラルの不足が関わっているケースもあります。
入れ方は簡単。にがりを水に数滴。私の場合は、豆腐屋さんで売っているにがりを目安として10滴ほど入れて飲んでいます。ただし、にがりは製品によって濃さが違うので、まずは商品表示の目安量を優先してください。タンパク質ファーストで血糖値スパイクを防ぐ
モーニングコーヒーを味わう朝のひとときも、私の大事なルーティンです。
ただし私のコーヒーは、きな粉入り!
大豆由来のタンパク質に加えて、鉄やカルシウムなどのミネラルも含まれていて、朝に嬉しい相棒です。
コーヒーにスプーン1杯のきな粉を入れると、いわゆる「タンパク質ファースト」になります。食事の入り口でタンパク質を先に入れておくと、その後の血糖の上がり方がゆるやかになりやすい。これが、快眠づくりに地味に効いてきます。睡眠と血糖は、実は深い関係があります。
眠りが浅かったり睡眠不足が続いたりすると、血糖のコントロールにも影響が出やすくなる。だから私は、朝の時点で“血糖を落ち着かせる流れ”をつくっておきたいんです。そして、きな粉入りコーヒーを持って、私は富士山に昇る朝日を見に出かけます。赤富士を眺めて、その美しさを心の栄養に。
「今日もいい1日にするか」と、自然とスイッチが入るんです。昔ながらの和朝食が、快眠に最適
霊峰富士と朝日を拝んで帰宅して、7時頃から朝ご飯です。
私の定番は、卵、味噌汁、魚、ご飯。和食メニューです。「お米は控えてます」という人も多いのですが、ご飯はエネルギー源。体と脳を動かす燃料になります。味噌汁や魚、卵でタンパク質も入る。昔ながらの和食って、やっぱりバランスがいいんです。
私は味噌汁に卵を落とすこともよくあります。すでにきな粉入りコーヒーでタンパク質を入れているので、この後ご飯を食べても、血糖の上がり方が穏やかになりやすい。
朝日を浴び、朝食をとり、「朝のスイッチ」入れておく。夜の快眠に向けた準備は、もう朝から始まっています。自然と共に生きる暮らしで人生が変わった
私は山梨と東京の2拠点生活をしています。東京での暮らしは仕事がメインなので交感神経優位になりがち。でも山梨に戻るとき、高速道路でトンネルを抜けた瞬間に、ふっと副交感神経に切り替わる感覚があるんです。体って正直ですよね。朝日をたっぷり浴びて、新鮮な空気を吸いながら、富士山に昇る朝日の写真を撮るのが趣味になりました。私の場合ですが、加齢とともに視力が0.3まで下がっていました。しかし富士山の写真を撮るために、遠くの景色を見る時間が増えてから、「目がラクになったな」と感じるようになりました(現在は0.9まで回復)。視力って落ちたら戻らないと言われがちですが、暮らしが変わると体感って変わるんだな、と。夜もぐっすり眠れるようになり、山梨へ越してから、本当に人生が変わりました。
もちろん快眠には、昼間に体を適度に使うことも大切です。私は夕方のウォーキングを欠かさず、月に一度はゴルフで体を動かしています。それと「薪割り」も大事な作業の1つ。下半身をしっかり使うので、体が整う感じがあるんですよ。YouTubeでも「薪割りスクワット」を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。照明の明かりで身体に夜だと認識させる
夕方になり日が暮れると、部屋の照明も落とします。外の明るさに合わせて少し暗くして、色はオレンジ系の明かりに。イメージはホテルの薄暗い照明や、ろうそくの火が灯(とも)るイメージです。
日の出・日の入りに合わせて光を変えると、体内時計が整いやすくなって、交感神経から副交感神経へ自然にシフトしやすくなります。暗くなると、あくびが出たり、急に眠気がきたりする瞬間がありますよね。あれは体が「夜の流れ」に乗れているサイン。
一方で昼間は、朝日をイメージした白色系の明かりで、体を起こして交感神経へシフトさせています。光を”つける・消す”だけでなく、“色と時間”も整える。この工夫をすれば自律神経が整い、快眠へと導いていけるのです。「食後すぐの熱い湯の入浴」は、できれば避けたい
1日の疲れを取るのに、湯船につかった入浴は大切です。よく「寝る2時間前がいい」と言われますが、私は夕食前に入ります。理由はシンプルで、夜の体に“余計な刺激”を入れたくないから。
食後すぐの入浴、特に熱めのお湯は、体にとって負担になることがあります。血圧が変動しやすいだけでなく、食後の血糖値が急上昇するときに入浴することで、さらに血糖値を爆上げし、ふらついたり、ぼーっとしたりする人もいます。「湯船で眠くなる」という人がいますが、眠気が強いときほど要注意。ウトウトした瞬間に体勢が崩れると危険です。
睡眠不足が続いている人ほど無理をせず、睡眠の質を上げるための「安全に、気持ちよく、体が落ち着く入り方」にしていきましょう。「眠るのにも燃料がいる」これが快眠のコツ
お風呂の後、18時頃からゆっくり夕食をとります。
「ダイエット中だから」「糖質制限中だから」と夜にお米を抜く人もいますが、眠るのにもエネルギーは必要です。睡眠中も、呼吸、体温維持、細胞の修復、内臓の働きなどでエネルギーを使っています。だから、夜中にエネルギー切れを起こしやすい人は、夕食の設計を見直すだけで眠りが変わることがあるんです。目安としては、お茶碗半分〜軽く1杯程度。ここは体格や活動量で調整してください。
さらに私は、腸内環境に嬉しい食材も意識します。ごぼうや人参などの根菜類、海藻の食物繊維。味噌、漬物、キムチ、納豆などの発酵食品。“夜の腸”が落ち着くと、”夜の自律神経”も落ち着きやすくなります。眠る3時間前の足上げで夜間頻尿対策
寝ている間トイレに行きたくなり、1回以上起きてしまう夜間頻尿。日中に脚にたまった水分が、横になることで心臓に戻り、夜に尿として出やすくなるタイプの人がいます。
そこで、眠る3時間前には、ふくらはぎにたまった水分を“先に戻しておく”のがコツ。ふくらはぎのヒラメ筋に絆創膏を貼り(65ページ参照)、寝転がって壁に向けて両足を上げます。ポイントは、ふくらはぎが心臓より高くなること。これで脚にたまったものが戻りやすくなります。
ちなみに私は、湯船につかりながら両足を高く上げて、夜間頻尿対策をしています。「夜中に起きるのが当たり前」になっている人ほど、ここは1回試してみてください。夜のおやつ、実は”あり”です
私が寝る前に楽しみにしているおやつ、それが山内流快眠パフェです(笑)。これを取り入れてから、「自分,こんなに睡眠不足だったのか・・・・・・」と気づくくらい眠りの質が変わりました。
材料は、ヨーグルト、はちみつ、黒ごま・きな粉・アーモンドの粉末、そして冷凍ブルーベリー。
ヨーグルトは、無糖のギリシャヨーグルト(水切りタイプ)がおすすめ。カップにヨーグルトを小さじ1杯入れます。
次に、はちみつを小さじ1杯。はちみつも糖なので“入れすぎ注意”ですが、少量なら睡眠中のエネルギー切れが気になる人のお守りになることがあります。夜中に目が覚める人は、まず少量から試してみてください。
そして黒ごま・きな粉・アーモンドの粉末を大さじ1杯。香りもよくて、満足感も出ます。
最後に冷凍ブルーベリーを10粒のせて完成。甘さと香ばしさで、気持ちがふっとゆるむんです。夜に「眠らなきゃ!」と力んでいる人ほど、こういう“安心のスイッチ”が効きます。
眠気を感じたら、山内流快眠パフェを楽しんで、幸せ気分で眠りについてください。寝始めの30分は「聞き慣れた音」で脳を落ち着かせる
寝つきが悪いとき、クラシックやリラクゼーション音楽、瞑想(めいそう)用の音楽を使っている人も多いと思います。
ただ、睡眠が浅い人ほど「音の選び方」が大事です。ポイントは、”初めて聞く音”より“聞き慣れた音”。
眠りに入る前って、脳が意外と敏感です。知らない音だと「何の音だ?」と無意識にチェックが入り、落ち着きにくいことがあります。だから、好きで何度も聴いている曲、安心できる音源を“入眠用”に決めておくのが快眠の鉄則です。
せせらぎの音も睡眠導入にいいと言われまずが、私はそれで大洪水の夢を見てから、聴けなくなりました。
そこで、いつも私はお笑い芸人ナイツさんの漫才でした。毎回同じネタを繰り返し聴いていると、「ここでボケて、ここで突っ込んで」と脳がわかっているので、だんだん落ち着きに変わっていくんです。
韓流好きの方なら、好きな作品の同じ場面、同じサントラを繰り返し聴くのもいいですね。ただし、リピート再生でひと晩中流しっぱなしはおすすめしません。
音は寝始めの30分だけ、と決めておく。ここも大事なコツです。夜中に目が覚めてしまった人にも、馴染みのある音は“2回目の睡眠導入”に使いやすいですよ。
あなたにとって心地よく何度も繰り返して聴いている好きな曲で深い眠りへ入ってください。『絆創膏を貼るだけ快眠』 第4章 より 山内義弘:著 KADOKAWA:刊
睡眠に悩みを抱えている人は、ぜひ、「山内流快眠法」を参考にしてください。
取り入れられるものから、少しずつ試してみるのもいいかもしれませんね。
「横隔膜」にアプローチして、胃腸の働きを活性化!
自律神経を整えるためには、内臓、とくに「胃腸の働き」を高めることが重要です。
腸の働きに大きく影響するのが、上でも紹介した「横隔膜」です。
腸の働きを活性化
横隔膜で胃腸の不調を確認
絆創膏で腸活をサポート風邪や疲労でストレスがたまると、胃や“第二の脳”とも言われる腸の働きが低下します。
肋骨の下の横隔膜の広がりに沿って、指が入りにくくなっていませんか? 体調を崩したときは、ここが硬く感じる人も多いです。横隔膜まわりに絆創膏でアプローチして、呼吸とお腹の動きの“きっかけ”をつくっていきます。
また腸活で発酵食品を食べた後にもお腹の膨張感が強いなら、今はその食品が合っていない、量が多いなどの可能性もあります。まず胃腸を動かすことを優先しましょう。横隔膜にアプローチ
肋骨まわりの横隔膜をゆるめて動きを出す
呼吸で横隔膜(下図参照)が動くと肋骨も広がります。肋骨に絆創膏を貼って胸郭の動きを引き出し、横隔膜が働きやすい状態をサポートします。
絆創膏の貼り方肋骨から斜め45度外上向きに貼る
肋骨の胸骨側から外側までの真半分のところを起点にして、絆創膏を斜め45度外上向きに伸長させて貼ります。反対側も同じように貼りましょう(下の図9を参照)。+αPOINT
足三里のツボも腸の改善につながる足三里は、便秘だけでなく健腸のツボとしても有名です。胃もたれなと胃腸の不調が気になるときも、足三里を刺激して消化のリズムを助けていきましょう。胃腸が疲れていると感じたら、113ページを参考にして、八角形の山内流絆創膏も試してみてください(下の図10を参照)。
『絆創膏を貼るだけ快眠』 第5章 より 山内義弘:著 KADOKAWA:刊


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絆創膏1枚で、これまで長い間悩んでいた不調が、嘘のように改善する。
そんな“魔法”のような「絆創膏整体」を生み出した原動力は山内さんの「愛」でした。
山内さんは、愛があるから、観察が深くなり、仮説が鋭くなり、最後の一手が見つか
るとし、絆創膏整体は、その愛を土台にした積み重ねの結晶
だとおっしゃっています。
どうしたら患者の皆さんの不調を改善し、笑顔を見ることができるか。
そんな思いを胸に、日夜、研鑽に研鑽を重ねてこられた山内さん。
本書は、山内さんの愛情がたっぷり詰まった、まさに“愛の結晶”のような一冊。
ぜひ、皆さんもお手にとって、その驚くべき効果を実感してみてください。
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【書評】「私が間違っているかもしれない」(ビョルン・ナッティコ・リンデブラッド) 【書評】「存在革命」(竹腰紗智)







