本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『チャンスがやってくる15の習慣』(レス・ギブリン)

 お薦めの本の紹介です。
 レス・ギブリンさんの『チャンスがやってくる15の習慣―Skill With People』です。

 レス・ギブリンさんは、米国のセールスマンであり、セールス・コンサルタントです。
 1965年の米国セールスマン・オブ・ジ・イヤーを獲得され、多くの優良企業をクライアントとして抱えられるなどご活躍されています。

実践することですべてが変わる「15の習慣」

 チャンスが回ってくる確率は、すべての人に平等ではないのが現実です。
 しかし、チャンスを引き寄せる人には、必ずそれなりの理由があります。

 本人が意識している、意識していないにかかわらず、「チャンスがやってくる習慣」が身につき、それを日々実行しているからです。

 本書は、全米一のトップセールスマンまで上り詰めたギブリンさんの「チャンスがやってくる習慣」を15の項目に分けて解説した一冊です。

 ギブリンさんは、この15の習慣を実践するかしないかで、あなたのビジネス、家庭、そして社会生活全般のクォリティが、まったくちがった結果になると述べています。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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人は自分にしか興味がない、と知っておく

 よい人間関係を築くための第一歩。
 それは、人間とは何か、人間の本性とは何かを、きちんと理解することです。

 人間とは、
 もともと自分のことしか考えない生き物です。
 関心があるのは自分自身であって、
 そもそも他人に興味はありません。
 これが人間の本性です。

 別の言い方をすれば、
 相手はその人自身のことを考える1万分の1も、
 あなたのことを考えてはいないものです。
 この場合、逆も真なりです。
 あなたも、世の中の誰よりも
 あなた自身のことに、
 はるかに関心を持っているはずです。

 人はこのような本性を持っているわけですから、その行動もその人自身の考え方や利害に左右されます。
 
 たとえば、寄付する場合を考えてみましょう。人が寄付するときにいちばん考えているのは、その寄付がどれほど役立つかではありません。それは二の次で、ほとんどの人の頭にあるのは、寄付することによって自分が役に立ててうれしいという満足感なのです。人間は自分中心に行動する、このことをしっかり頭に入れておきましょう。

 『チャンスがやってくる15の習慣』 習慣1 より レス・ギブリン:著 渋井真帆:訳 ダイヤモンド社:刊

「人間とは、もともと自分のことしか考えない生き物」
「人間は自分中心に行動する」

 身も蓋(ふた)もない言い方ですが、否定できない事実です。

 ギブリンさんは、この基本を踏まえてこそ、よい人間関係を築く上でのパワーとスキルを身につけることができると述べています。

相手の求めているものを見つける

 自分にやってほしいことを相手にしてもらう。
 そのためには、どうしたらいいのでしょうか。

 ギブリンさんは、まず相手が求めているものは何か、それを見つけ出しましょうと述べています。

 相手が何を求めているかがわかれば、
 相手が聞きたいと思う内容を話せます。
 それによって、
 相手をその気にさせるというわけです。
 こちらがやってほしいことをすれば、
 求めているものが手に入ると、
 相手に示せばいいのです。

 これが人を動かす秘訣です。当然、あなたが相手の望みをよく知っていて、話す内容が的はずれでないことが肝要です。

 どういうことか、例を取ってみましょう。
 あなたの会社が、ある優秀なエンジニアを雇おうとしている場合を考えます。このエンジニアには、他にも数社から引き合いが来ているとしましょう。
『相手が求めているものは何かを見つける』のですから、そのエンジニアがどんな環境で働きたいのか、どんな地位につきたいのか、何にいちばん魅力を感じるのかを見極める必要があります。
 そのエンジニアが、昇進の機会が多い会社を希望しているとわかったら、あなたの会社には、どのくらい昇進の機会があるかを示せばよいのです。もし相手が雇用の安定を望んでいるのなら、それについて話せばいいし、より高度な教育や経験を望んでいるのなら、それについて話せばいいのです。つまり、求めているものを手に入れるためには、あなたのがやってほしいこと(この場合はあなたの会社で働く)をすればいいのだと相手に示すのがポイントです。

 『チャンスがやってくる15の習慣』 習慣6 より レス・ギブリン:著 渋井真帆:訳 ダイヤモンド社:刊

 ただ自分やってほしいことを要求するだけでは、相手は思い通りに動いてくれません。

「自分の要求を伝える前に、相手が求めているものは何かを探すこと」

 頭に刻み込んでおきたいですね。

会った瞬間に笑顔を向ける

 10人中9人までが会った瞬間にあなたを好きになってしまう。
 私たちには、そんな“魔法の力”が備わっています。

 それは、「笑顔」です。

 ギブリンさんは、会った瞬間に、挨拶よりも何よりも、まず目を合わせ、心からの笑顔を向けましょうと述べています。

 人が人と関わるとき、そこには必ず雰囲気が生まれます。この雰囲気は、あなたでも、どちらでも作ることができます。どうせなら、あなたの有利になるように、あなたが雰囲気を作りましょう。

 では、どのように雰囲作りをすればよいのでしょう?
 相手は、あなたの態度を見て、それと同じように行動します。
 あなたが太陽のようにあたたかく接すれば、相手も日光を返してきます。けれども、北風を送れば、北風を返してくるのです。
 こちらと同様の態度が相手から返ってくることを念頭に置いて、行動しましょう。
 ところで、この雰囲気作りは、タイミングが肝心です。会ったら、何かを言う前に、まず笑顔を向けるのがコツです。それであたたかい友好的な雰囲気が生まれます。
 また、声や表情はあなたの内心の情をあらわにしますから、声の調子や顔の表情も重要です。
 人と会うときは、プロのモデルにならって、晴れやかな笑顔から始めることを常に忘れないでください。そのためには、心の中でひとこと、呪文をつぶやけばいいのです。

「はい、チーズ」

 これは効果抜群ですよ。

 『チャンスがやってくる15の習慣』 習慣9 より レス・ギブリン:著 渋井真帆:訳 ダイヤモンド社:刊

 周囲の人は皆、自分の「鏡」です。

 こちらがあたたかく接すれば、相手もあたたかく接してきます。
 逆に、厳しく接すれば、相手も厳しく接してきます。

 人と接するとき、自分から友好的な雰囲気を作ること。
 それが、人間関係をよくするためには重要です。

「はい、チーズ」と心の中で唱えて、晴れやかな笑顔。
 人と会うときには、忘れないようにしたい習慣ですね。

「ありがとう」と、声に出す

 ギブリンさんは、相手のしてくれたことがうれしかったり、ありがたいという気持ちになったりしたときは、心の中にしまっておかず、それをきちんと伝えましょうと述べています。

 人というものは、感謝されると幸せな気分になって、感謝してくれた人を好きになるものです。
 しかも、その感謝の気持ちにまた応えたくなるのが人情というものではないでしょうか。いっそう誠意を尽くすこともあるでしょう。
 しかし、心の中では感謝していても、その気持ちが行動で伝えなかったらどうでしょう?
 次回はそれまでのようにきちんとやってもらえないかもしれませんし、悪くすると、何もしてもらえないかもしれません。
 けれども、感謝の気持ちを行動で表したら、たいていの人は、次回はもっとがんばってくれます。
「ありがとう」は、口に出すことが重要です。

 『チャンスがやってくる15の習慣』 習慣12 より レス・ギブリン:著 渋井真帆:訳 ダイヤモンド社:刊

 人に感謝を伝えたいときには、「ありがとう」と言葉に出して言うこと。
 当たり前のことなのですが、なかなか実行できないのも事実です。

「ありがとう」と言われて、いやな気持ちになる人はいません。

 少しでも感謝の気持ちがあるのなら、迷わずに「ありがとう」と言う。
 普段から心掛けたいですね。

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 ギブリンさんは、15番目の習慣に「この習慣を実践する」を置いています。

 人生の価値は、あなたが何を知っているかということではなく、あなたが何をしたかという行動で決まるとおっしゃり、「実践すること」の重要さを強調しています。

 本書は、全部で120ページ強、文字数も少なく、平易で分かりやすい文章で書かれています。
 誰でも1〜2時間で読みきれてしまうほどの薄い本。
 その中に、人間関係をよりよくするための秘訣がギュッと凝縮されています。

 ギブリンさんもおっしゃるように、知識は使うことで、はじめて価値が生まれます。
 何度も読み返して「15の習慣」が自分の身に沁み込むまで実践したいですね。

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