本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『一瞬で相手の心を透視できるフェイス・リーディング』(浅野八郎)

 お薦めの本の紹介です。
 浅野八郎さんの『一瞬で相手の心を透視できるフェイス・リーディング』です。

 浅野八郎(あさの・はちろう)さんは、心理学研究家です。
 大学院を卒業後フランスに留学され、人間心理学とパーソナリティーの研究を続けられています。
 現在では、学校や教育委員会、企業での講演活動、テレビやラジオの出演など、活躍の場を広げられています。

「瞬時に相手を見抜くスキル」とは?

 IT(情報技術)が進歩し、メールやブログ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などで意思の疎通をはかることが多くなりました。
 これらの“顔のない”会話の発達により、言葉の裏に隠された本音が見えにくい現状があります。

 このような時代にこそ、「瞬時に相手を見抜くスキル」が欠かせません。
 対面してくる相手がどんな人物で、どのような心理状態にあるのかわかるだけで、人とのコミュニケーションも、ビジネスも、随分とスムーズに運ぶようになります。
 浅野さんは、「人を一瞬で見抜く方法」として、以下の二つの方法を挙げています。

 一つは、「顔」による分析です。
 浅野さんは、きちんと研究された知識に基づいて判断するのなら、顔による分析は非常に理にかなっていると述べています。
 欧米では顔の科学的研究が進み、現在では、社会の様々な場面で活用されています。

 二つ目の分析法は「表情・しぐさ」による判断です。
 無意識に作用する動作の中には、“本当の感情”が隠されています。
 心の動きと体の動きには関連性があり、そこには一定の法則があります。

 こうした顔の表情や体の動きは、「ボディ・ランゲージ」(肉体言語)と呼ばれています。
 ボディ・ランゲージは、欧米を中心に、医学的、心理学的な角度から研究が進められています。

 本書は、浅野さんが長年にわたり研究した「一瞬にして相手を見抜く方法」を解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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表情の乏しい「顔の上部」と表情豊かな「顔の下部」

 浅野さんは、「顔の上部に比べて、下部のほうが表情が表れやすい」と述べています。
 顔の上部には、その人の生まれつきの性格や知性などが表れやすく、顔の下部には喜びや笑い、怒りなどの本能的な感情が表れやすいとのこと。

 ▼顔の上部

  1. 知的活動の中枢である脳が位置する場所である。
  2. 主要な感覚器官である目と耳がある。
  3. 顔の上部の発達は、人間特有のものである。

 ▼顔の下部

  1. 「飲食をする」「呼吸する」という本能に関連する口や鼻がある。
  2. 「声を発する」という、社会的活動をする感覚器官がある。
  3. 表情筋が発達している。

 このようなことから、顔の上部と下部のどちらに注目するかによっても、受ける印象は違ってくるのだ。
 では、顔の下部に注目すれば、人の感情が読みとりやすいのだろうか。実はそうともかぎらない。顔の下部は、上部よりも表情が表れやすいところだが、逆に動きを自らコントロールしやすい部分でもある。そのため、感情とは裏腹の表情を取り繕いやすいところなのである。警察官が犯罪の容疑者を審問するときには、相手の偽りの表情に惑わされないよう、顔の上部に注目する。特に、目に注目して相手のウソを見破るのだ。
 一方で、ソフトな印象を与える必要のあるコマーシャルガールは、口を大きく開き白い歯を見せてしゃべろうとする。よりやさしく親しみやすい表情を作ろうと、顔の下部に注意を払っているのだ。
 私たちが人を判断するときも、注目する部分によって印象が変わってくる。相手がうつむいていて、顔の上部しか見えなかったり、上を向いて顔の下部が目立って見えたりする場合もあるだろう。このような場合に、どちらかだけの印象で「知的そうな人だ」「明るく活発そうだ」などと感じても、その判断は誤っていることも多いのである。

 『一瞬で相手の心を透視できるフェイス・リーディング』 PART 1 より 浅野八郎:著 有楽出版社:刊

 人は、相手のことを第一印象によってかなりの部分を判断しています。
 顔のどの部分に注目して見るかによって、受ける印象は大きく変わってしまいます。
 さまざまな情報を総合して判断したいところです。

小さな目の人は忍耐力あり

「目は口ほどにものを言う」
 そう言われるように、目は人間の心理状況や感情がもっとも表れやすいパーツです。

 目の大きさで人を判断する場合、その基準となるのは「顔の横幅に対する目の横幅の比率」です。
 目の横幅が顔の横幅の四分の一より小さければ小さい目、同じく四分の一より大きければ大きい目、ちょうど四分の一であれば標準です。

■小さな目
 体力はあまりないが精神的な粘り強さを持っているので、それが活かされれば人並み以上の成果を出すことができる。営業などで外へ出て動き回るよりも、オフィスの中で作業をしているほうが向いているだろう。また、直感型なので分析力や緻密さを必要とする仕事よりも、発想力を活かせる仕事のほうが能力を発揮する。職業ではデザイナーや建築家、エンジニアなどに多い。性格はやさしく、思いやりがあるので、周りの人から好かれるだろう。

■大きい目
 頭の回転が速く、ビジネスマンとして高い能力がある。特に理想的なのは、黒目の大きい人(黒目が全体の三分の一より大きい)だ。このタイプの人は、温和で明るく、協調性があるので、誰とでもうまくつき合えるだろう。自然と目立つ存在なので、他者への影響力も強い。実業家や政治家など、指導的な立場になるには欠かせない条件と言える。

■標準型
 このタイプの人は、心身ともにバランスのよい人が多いようだ。ずば抜けた才能や突出した能力を持っているわけではないが、真面目にコツコツと努力を重ね、能力を磨いていくのだろう。結果的に、そこそこ能力がある人よりも、良い成績を残し、成功することも少なくない。また、思わぬ幸運に恵まれることもあるので、才能がなくても努力と運の強さでチャンスをつかみ、のし上がっていける人物である。自分には厳しいが、他人にはやさしい人。

 『一瞬で相手の心を透視できるフェイス・リーディング』 PART 3 より 浅野八郎:著 有楽出版社:刊

 これ以外にも、目の動きや視線、まばたきの度合いなどは、心の動きを読む重要な手がかりです。

 大事な場面では、必ず相手の目を見て話す。
 貴重な重要な情報を見逃さないようにしたいですね。

「基堂の肉づき」がよい人は商売上手

「基堂(きどう)」「ほお骨の張り具合」で、その人がどれほどお金に縁があるかを判断できます。

 基堂とは、ほお骨と小鼻の間で、笑うと肉が盛り上がる部分のことです(下図1を参照)。

ほお骨 と 基堂 P97
図1.「ほお骨」と「基堂」
(『一瞬で相手の心を透視できるフェイス・リーディング』 P97から抜粋)

 ■ほお骨が張っている
 気が強く、チャレンジ精神旺盛で、目標を達成するために努力できる人。判断力と決断力に富んでいるので、動けば動くほど成功に近づける。また、肝が据わっていて、トラブルが起きても慌てることなく対処できる。当然、仕事もデキるので、収入も高い。

 ■ほお骨が目立たない
 気が弱く、何ごとにも消極的。自分から意欲的に仕事を推し進めることはしないので、会社での評価も今ひとつだ。出世などには縁がないので、経済力も乏しい。
 
 ■ほお骨部分の肉づきが悪い
 強引で自分本位な人。仕事能力はあるが、人間関係でトラブルを招いてしまうので、評価が下がり、収入も伸びない。

 ■基堂の肉づきが良い
 金運に恵まれる相と言われている。ビジネスの才能があり、明るく頼りがいもあるので、世間の評判を得ることができるだろう。

 ■基堂の肉づきが悪い
 笑っても基堂の肉がほとんど盛り上がらない人は、お金のやりくりがうまくないうえ、予期せぬトラブルで経済的に苦労することが多い。

 『一瞬で相手の心を透視できるフェイス・リーディング』 PART 5 より 浅野八郎:著 有楽出版社:刊

眉間の「一本じわ」は頑固者のしるし

「眉間のしわ」は、その人の性格や考え方、生活態度を表します(下図2を参照)。

 ■しわが一本ある
 勝ち気で自分に自信を持っているが、そのぶん頑固で人の言うことをあまり聞かない人。リーダーシップ力やビジネスの才能があるので、自ら起業して人を従えたほうが能力を発揮できる。イギリスの元首相、チャーチルはこのタイプであった。
 
 ■しわが二本ある
 理想は高いが、それを現実化させるための行動をとれる人。エリート意識が高く、地位の高い人と仲良くしたがるが、人当たりが良いので周りから好かれるだろう。アメリカのケネディ大統領はこのタイプだった。
 
 ■しわが三本ある
 地位や名誉、お金など物質的な物事よりも、精神的な充実を求める。哲学的な思想を持ち、自分にも他人にもストイックなタイプ。少し近寄りがたいかもしれないが、根はやさしく周りを気遣える人である。

 ■しわがたくさんある
 神経質で非常にデリケートな心の持ち主。些細なことをあれこれと悩み、心配事が絶えないようだ。人に対しても用心深く、あまり本心を明かさないところがあるので、親密になるには時間がかかるだろう。気が変わりやすく、一緒にいると振り回されることも。

 『一瞬で相手の心を透視できるフェイス・リーディング』 PART 6 より 浅野八郎:著 有楽出版社:刊

眉間のしわP123
図2.「眉間のしわ」のタイプ
(『一瞬で相手の心を透視できるフェイス・リーディング』 P123から抜粋)


 顔にあるしわの一つでも、相手を判断する材料になるということですね。

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「顔は、その人の履歴書である」
 そう言う人もいるくらい、顔には、その人が歩んできた人生が刻まれています。
 もって生まれた性質や性格も、顔の中のそれぞれのパーツに反映されています。

「フェイスリーディング」は、多くのデータから導き出された信頼性の高い手法です。
 他の理論同様、100%当たるというわけでは、もちろんありません。
 しかし、対面している相手の人となりを知る上で、貴重な情報を与えてくれます。
 いつでもどこでも使えるように頭にインプットして、普段の生活でも役立てたいですね。

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