【書評】『目は1分でよくなる! 』(今野清志)
お薦めの本の紹介です。
今野清志先生の『目は1分でよくなる! ─あなたの目がよみがえる7つの視力回復法』です。
今野清志(こんの・せいし)先生は、整体師・鍼灸師です。
現在は、自ら設立した整体治療院や美容学院を運営されています。
日本人は世界で一番、目が悪い
近視、老眼、ドライアイ、白内障、緑内障・・・・。
目のトラブルには、様々な症状があります。
ほとんどの人はそれらを歳や遺伝のせいにして、根本的な治療を諦めてしまう人が多いです。
今野先生は、それを明確に否定し、必ず“本当の原因”が存在すると述べています。
患者も医療関係者が、その“本当の原因”に目を向けていないことが問題であり、きちんと原因に働きかける治療施せば、回復が期待
できると強調しています。
本書は、中医学をベースとした人間の自然治癒力に働きかける視力回復のエクササイズをわかりやすくまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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近視、老眼、白内障のカンタンな仕組み
今野先生は、「ものが見える仕組み」について以下のように説明しています。
モノを見る仕組みはカメラに例えるとわかりやすいでしょう。
カメラの構造を単純に説明すると、レンズを通った光が、像としてフィルムに焼き付けられます。
目では瞳孔(どうこう)から入った光が、カメラのレンズに相当する水晶体でピントを合わせ、網膜(もうまく)で像として感じ取ります。
そして水晶体が厚みを変えるのを助けるのが、毛様体(もうようたい)という筋肉です。主に、血流障害などの原因でピント調整能力がうまく働かず、遠くのものが見えづらいのが近視、そして近くのものが見えにくいのが老眼なのです。
また、水晶体を構成しているタンパク質に混濁(こんだく)が生じるのが白内障です。
焦点を合わせづらくなる一番の原因は、水晶体に栄養がいかなくなって硬くなることです。
また、水晶体が栄養不足で新陳代謝が衰えると、濁りが生じます。『目は1分でよくなる!』 第1章 より 今野清志:著 自由国民社:刊
図.ものが見える仕組み(『目は1分でよくなる!』 自由国民社:刊 P35 より抜粋)
「目」は小さいですが、高感度のセンサーが搭載された非常に繊細な器官です。
にもかかわらず、私たちは気にせずに長時間酷使し続けてしまいがちです。
感謝と労りの気持ちをもって、使ってあげたいですね。
目を悪くする一番の原因は「酸素不足」
目の健康のためには、全身の血流を良くし、酸素の供給を増やすことがもっとも大切です。
「呼吸=酸素」は生命活動の基本
で、目にとってもそれは変わりません。
今野先生は、「酸欠」状態になると、目は1番にその機能に大きな影響を受け
ると指摘します。
酸素欠乏が具体的にどういった視力障害につながるのでしょう。
まず、「酸欠」になると、毛様体(もうようたい)の筋力と水晶体の弾力が失われることから、近視や老眼が加速します。
水晶体の新陳代謝が衰えて、濁りが生じると白内障になり、眼球内の老廃物がきちんと排泄(はいせつ)できなくなると、飛蚊症(ひぶんしょう)を招きます。
そして酸素欠乏のために房水(ぼうすい)という、目の組織を満たす体液の排泄が滞(とどこお)ると、眼圧が上昇し緑内障の原因になります。
さらに視神経が栄養不足に陥ることも加わって、視野が損なわれると考えられるのです。
その「酸欠」の原因はもちろん、私たちが酸素を直接受け入れることができる、唯一の方法、呼吸にあります。
十分な酸素が取り込めない、大きな原因は2つあります。
まず、私がこれまで、約十万人の患者さんを診てきて、最も大きい酸欠の原因は、胃腸の硬化です。このことを伝えると、
「息を吸うのは肺でしょう? なぜ胃腸が関係あるの?」
と、必ず問いかけられます。ですが、胃腸が固いとなぜ酸素が取り込めないか、試してみていただくと実感することができます。
お腹まで深く、息を吸い込んでみてください。
何回か深呼吸したら、胃の上に手をあててみてください。
手の重みが肺のふくらみを妨げ、思うように吸い込めませんね。
胃腸が硬化していると、お腹のなかに息を思いっきり吸い込めず、呼吸が浅くなってしまうのです。また、胃腸が硬くなっているということは、消化活動や蠕動(ぜんどう)運動もスムーズに行われていないということです。
『目は1分でよくなる!』 第2章 より 今野清志:著 自由国民社:刊
中医学では、栄養の供給源である胃腸は木の根っこに例えられ、最も大事な臓器とされています。
胃腸の働きが鈍ると、自律神経の乱れから血流障害を引き起こし、全身を酸素不足に陥れます。
視力が悪さだけでなく、慢性的に疲れなども、胃腸の硬化がその原因の可能性もありますね。
「深い呼吸」をするための秘訣とは?
呼吸は直接、酸素を取り入れられるたった1つの方法です。
今野先生は、肺を大きく使って酸素をたっぶりと取り込める、深い呼吸ができるようになる
方法を以下のように説明しています。
呼吸の基本は、鼻から吸って口から吐くこと。
口で吸うと、空気中のホコリや細菌をそのまま取り込んでしまうので、必ず鼻から吸い込みましょう。そして深い呼吸をするときは、今、肺のなかにある空気を、先にすべて吐き出してしまうことがポイントです。
「深呼吸」というと、最初に思いっきり吸い込もうとする人が多くいますが、順番が逆なのです。
いったん吐き切ってしまえば、後は自然に空気を吸い込みますので、まずはしっかりと出し切りましょう。
そしてそのあと、肺が背中や体の脇からもふくらむイメージを持って、思いっきり空気を吸い込みます。吐きだすときに6秒以上かけるのが、深呼吸のポイントです。
なぜなら、筋肉の繊維を構成しているフィラメントの働きは5秒しか持続しません。5秒以上負荷をかけると、フィラメントは本数を増やして耐えようとするので、筋繊維が太くなり、効率的に鍛えられるというわけです。呼吸筋が鍛えられれば、深くしっかりした呼吸ができるようになるので、酸素をたっぷり取り込むことができます。
また、深い呼吸を繰り返すと、副交感神経が活発になりますので、緊張続きの眼筋をゆるめる効果もあります。呼吸がしっかりできることは、これまでにもご説明してきた通り、人間の大切なエネルギーの代謝がきちんとできることを意味します。
健康体でいるためには、酸素の取り入れがもっとも大切なのです。
正しい呼吸法が日常的にできるようになれば、体を巡る酸素の量が増え、タッピングやシェイク、ツボ押しなどの効果も飛躍的に高まります。『目は1分でよくなる!』 第3章 より 今野清志:著 自由国民社:刊
呼吸というと「吸う」方にどうしても意識がいきがちですが、「吐く」方が大事です。
1回6秒以上、しっかり「吐き切ること」を意識して、習慣として取り入れたいですね。
「ジャンプ」で目がよくなる!
胃腸がこわばったり、蠕動運動がきちんと行われないと、自律神経のバランスが崩れます。
自律神経の乱れは、血流障害による目と全身の酸素不足を引き起こします。
胃腸をほぐして機能を高め、自律神経のバランスを整えるための効果的な運動が「ジャンプ」です。
ジャンプをすると胃腸を揺らしますから、蠕動(ぜんどう)運動を促し、硬化した胃腸をほぐします。
また、足の骨に刺激を与え、自律神経を活性化させます。
ジャンプ500回は、ラグビーでの1試合に相当するほどの運動量ですから、当然血流も促されます。さらにジャンプをすると太ももが鍛えられます。
太ももは心臓をしなやかにするセンサーの働きを担っており、太ももを鍛えることで心肺機能が向上。つまり、酸素をうまく体内に取り入れることができるようになるのです。
高くジャンプする必要はありません。
床から足が数センチ浮く程度でいいのです。ジャンプなら、ジムにいかなくても、わざわざ運動する時間を見つけなくても、お昼休みのちょっとした時間でも行うことができます。
目標は1日500回。
50回ずつ10回や、100回ずつ5回など、体調にあわせ、ジャンプしてください。
ただし、ジャンプをすると少なからずひざに負担がかかります。ひざが悪い方の場合、もも上げやスクワットでも構いません。
もも上げやスクワットなら、100回を目標に行いましょう。『目は1分でよくなる!』 第4章 より 今野清志:著 自由国民社:刊
内臓を外側から刺激して活性化する数少ない方法が、「内臓に汗をかく」こと。
ジャンプして内蔵を動かすことは、もっとも効率的に「内臓に汗をかく」を行える方法
です。
ちょっとした時間を見つけて、ジャンプを1日500回。
ぜひ、続けたい習慣ですね。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
私たちは、体に異変が起こると、それを元通りに治そうと治療に励みます。
でも、視力に関しては「仕方がない」と簡単にあきらめてしまいがちです。
「目」も筋肉で動いており、血流が悪くなると凝って動きが悪くなり、さまざまな障害が出てくるのは、他の器官と同様です。
目は、1日に2万回近くまばたきをし、眼筋は10万回以上動きます。
繊細な動きでこれだけの重労働をしている目を、私たち現代人は必要以上に酷使し過ぎているのは間違いありませんね。
目の不調が、血流障害による眼筋の酸素不足である以上、意識次第で回復は可能です。
本書のエクササイズを日々習慣にして、目の本来の機能を取り戻したいですね。
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