本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『心に響くことだけをやりなさい!』(ジャネット・アットウッド)

 お薦めの本の紹介です。
 ジャネット・アットウッドさんとクリス・アットウッドさんの『心に響くことだけをやりなさい!』です。


 ジャネット・アットウッドさんは、情熱に関するエキスパートで、世界的な指導者や成功者と数多くの協業経験をお持ちです。

 クリス・アットウッドさんは、自己啓発分野のエキスパートで、世界中のトップクラスの成功者と協業経験をお持ちです。

「パッション(情熱)」が人生を成功に導く

 人は、自分の人生には意味がある、目的がある、と実感して生きることを望んでいます。
 毎日をワクワクして過ごしたいし、社会に何らかの貢献をしたいと願うのは当然のことですね。
 そんなエネルギーに満ちた人生を送るカギは、私たちの心の中に眠る「パッション(情熱)」です。

 アットウッドさんは、「人は誰でも特別な才能、特別な役割を持って生まれてきた」と強調します。
自分の才能を生かすことができる、自分にしかできない役割に気づいたとき、あなたは人生の目的を生きているとのこと。
 人生の目的を生きているとき、毎日はワクワクし、楽しく、充実したものとなります。

 アットウッドさんは、自らが提唱する「パッションテスト」を行なうことによって、自分のパッションが明確になり、自分らしく人生を生きることができるようになると述べています。

 本書は、「パッション」を明確にし、よりよい人生を歩むための方法を解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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なぜ「やりたいこと」を行うことが重要なのか?

 人生を劇的に変えるために肝心なのは、「どうやるか」ではなく、「何をやるか」です。
 アットウッドさんは、「自分が心から楽しめることを行うことの大切さ」を以下のように説明しています。

 人生の目的とは「楽しむこと」。楽しんでいないときは、人生の流れからも、自分の目的からも外れているのです。
 では、自分の行いを楽しむことが、どうしてそんなに大切なのでしょうか?
 過去・現在の偉人たちについて考えてみてください。その誰もが例外なく、自分の行いを愛しています。だからといって、人生が楽勝だったということではなく、困難に直面しながらも、自分の行いを愛しているのです。
 では、あなたの知っている人の中で本当に幸せだという人を思い浮かべてみてください。その人たちは、人生でやっていることを愛していませんか?
 おそらく人生のいくつかの面では困難があるかもしれませんが、それでも人生を、日々の生活を、共に人生を歩んでいる人たちを愛しているのではないでしょうか?
 私たちにとっては、その点は明らかです。どんな場面でも、ゆるぎない成功を遂げるために、最も大切な前提条件は、自分の行いに対するパッションを持つことなのです。

 『心に響くことだけをやりなさい!』 第2章 より ジャネット・アットウッド、クリス・アットウッド:著 鶴田豊和、ユール洋子:訳 フォレスト出版:刊

 嫌いなこと、やりたくないことは、どんなに頑張っても、長続きしないものです。
 逆に、好きなこと、やりたいことは、周りから「やめろ!」と言われてもなかなかやめられず、つい、時間が経つのも忘れてしまうものです。
 すること自体が「幸せ」である。
 そう感じられることを探し出すことが、人生で成功するための大きなカギになります。

「パッションテスト」の2つのステップ

 アットウッドさんは、ゆるぎない成功を遂げるために、最も大切な前提条件は、自分の行いに対するパッションを持つことだと強調しています。
 パッションとは、「自身の内なる炎」のこと。
 アットウッドさんは、自分の根底にあるパッションにつながると、目的意識が生じその目的意識と、「自分の行いに対する愛情」が組み合わさることによって、自分を前進させてくれると述べています。
「パッションテスト」により、心底やりたいこと、あなたにとって最も大切なことが明確になります。

 パッションテストの具体的な方法は、2つのステップがあります。
 1つ目ステップは、「自分のパッションをとにかくたくさん書き出すこと」

 まず、最低でも10個以上のパッションを書き出しましょう。15個、それ以上多くても構いません。
 その際、
「理想の人生を生きているとき、私は(         )。」
 の「私は」以降の空欄を埋めるように一文ずつ書いてください。

 空欄部分には、理想の人生を生きているときに、自分が「なっていること」「していること」「持っているもの」を書いていきます。
(中略)
 
 あなたが本当にやりたいことは何でしょうか?
 どんな環境を望みますか?
 どのような人たちと一緒に過ごしたいですか?
 あなたの心に火をつけ、やる気にさせるものは何ですか?
 
 こうした質問に対する答えが手がかりになるはずです。
 また、

 あなたが得意なことは何ですか?
 よく人からほめられることは何ですか?
 他の人たちよりも、うまくできることは何ですか?
 あなたのユニークなスキルや才能は何ですか?

 人は得意なことをするときは楽しんでいる傾向がありますので、自分が好きなことや得意なことについて考えるのも、パッションを見つける手がかりになるでしょう。

 『心に響くことだけをやりなさい!』 第3章 より ジャネット・アットウッド、クリス・アットウッド:著 鶴田豊和、ユール洋子:訳 フォレスト出版:刊

 このパッションの書き出しの注意点は、誰とも相談せずに、静かな場所で、20〜30分程度で一気に書き上げるようにすることです。

 2つ目のステップは、「書き出したパッションを重要なものから順に並び替えていくこと」
 1つ目のステップで書き出したリストを、自分にとって大切なものから並び替えていく作業です。

 並び替えには、以下の3つの手順があります。

(1)1番上と2番目のパッションを比較
 まず、リストの1番上のパッションと、上から2番目のパッションを比較します。その際、自分自身に対して次の質問をしてください。
「どちらのパッションのほうが自分にとって大切か」
「どちらかしか選べないとしたら、どちらのほうを選ぶか」

 もちろん、実際の人生では両方のパッションを選ぶことができます。しかし、片方しか選べないという設定にすることで、自分にとってより大切なものに気づきやすくなります。

(2)上から順にパッションを比較
 この調子でリストの上から順番にパッションを比較していきます。
 例えば、リストの1番上のパッション(①)と上から2番目のパッション(②)を比較して、②を選んだ場合、今度は②と上から3番目のパッション(③)を比較します。このときまた②を選んだ場合は、今度は②と上から4番目のパッション(④)を比較します。
 このように、自分が選んだパッションと、リストの次のパッションを常に比較していきます。
 リストの最後までいったら、自分が最終的に選んだパッションに「1番」と記してください。これが現時点でのあなたにとって1番大切なパッションです。
 ここで気を付けていただきたいことが1つあります。もし、①と②を比較して①を選び、次に①と③を比較して③を選んだ場合、③と②を比較する必要はありません。なぜなら、すでに①は②よりも大切であり、③は①よりも大切ですから、論理的に考えて、③は②よりも大切である、ということは比較しなくてもわかりますね。

(3)1番を除外して比較
 次は、2番目に大切なパッションを明確にするために、またリストの1番上から順番に比較していきますが、今度は、先ほど「1番」と記したパッションは除外して、比較してください。リストの最後までいったら、最終的に選んだパッションに「2番」と記し、また最初から最後まで比較するということを繰り返し、同様にして、「3番」「4番」「5番」まで進めてください。 
 そうすると、自分にとって最も大切な5つのパッションが明確になっているはずです。

 『心に響くことだけをやりなさい!』 第3章 より ジャネット・アットウッド、クリス・アットウッド:著 鶴田豊和、ユール洋子:訳 フォレスト出版:刊

 実現性を抜きにして、想像できるあらゆる可能性から、パッションを書き出すこと。
 その一つひとつを比較して、より強いパッションは何かを導き出すこと。

 それらの作業を通じて、自分にとって最も大切なパッションに集中して取り組めるようになります。

夢の達成をジャマするもの

 アットウッドさんは、夢の達成までにかかる時間には、あなたの信念が直接的に影響すると指摘しています。
 情熱的な人生を妨げるものは、以下の3つだけです。

  • 誤ったアイデア
  • 誤ったコンセプト
  • 誤った思い込み

 アットウッドさんは、「今までの固定観念から離れること」の重要性を以下のように説明しています。

 何かに対して心から情熱を感じるとき、人は人生の中でいつでもそれを創造する能力を持っています。
 考えてみてください。「パッションを生きることでお金は稼げない」というのは真実でしょうか?
「腰掛けて人とおしゃべりする」というパッションではお金が稼げないと、あなたは信じていますか?
 それなら好視聴率で全米だけでなく世界中の人が知っている番組の司会者オプラ・ウィンフリーはどうですか? 彼女は相当うまくやっているのではないでしょうか。
 スキルがありませんか?
 歌唱力があるとは思えないような有名なミュージシャンを知りませんか?
 会社の雑用をしていた人が執行役員まで昇り詰めたという出世話を聞いたことはありませんか?
 アルバート・アインシュタインは学校のほとんどの科目で落第していたことは知っていましたか?
 では、エイブラハム・リンカーンは? 彼はお母さんを亡くし、選挙では何度も落選し、財産を失い、ビジネスに失敗しました。
 もし、あなたがうまくいかなかったことだけを見ていたとしたら、リンカーンは大統領になるまでの人生のほとんどを負け犬として過ごしていたことになります。
 歳をとりすぎていますか?
 ほとんどの億万長者は55歳を過ぎてから億万長者になったと知っていますか?
 カーネル・サンダースは62歳でケンタッキー・フライドチキンを始めるまで、何年も何年も鶏肉を揚げていました。本章冒頭のオットー(75歳)の話は覚えているでしょうか。

 自分の可能性を制限するような、どんな信念を持っているとしても、世界にはそれに反する証拠があります。他の人が不可能だと思ったことをやって成功した人たちの話はたくさんあります。
 あなたは、自分が思う以上にパワフルな存在です。すでにお伝えしたように、自分の人生を創造してきたのはあなたなのですから、今の人生が気に入らないのならばあなたが変えればいいのです。

 『心に響くことだけをやりなさい!』 第11章 より ジャネット・アットウッド、クリス・アットウッド:著 鶴田豊和、ユール洋子:訳 フォレスト出版:刊

 よく「人は、自分の思っている通りの人間になる」といわれます。
 自分の可能性を狭め、夢の達成を遅らせているのは、実は自分自身の思い込みが原因です。

 パッションは、そのような誤った信念を乗り越えるためのエネルギーを与えてくれます。

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 人は、自分の幸せを外部のものに求める傾向があります。
 それらは地位や名誉、お金やパートナーなど様々です。

 ただ、実際にそれらを得られても、ワクワクするような充実感を得られない人も多いのも事実です。
 自分の欲しいものがわかっているつもりでも、実際には明確ではないことに起因します。

 アットウッドさんは、「自分の幸せは、自分の心が一番よく知っている」と強調されています。
 最も自分の心に響くこと、最も「パッション」を感じるものを突き詰めること。
 それが、幸せな人生を歩む最大の秘訣であるということです。

 幸せのカギは、自分の外側ではなく内側にある。
「パッション」が人生の羅針盤である。

『本当の自分を知る』ことの意義と重要性を改めて教えてくれる一冊です。

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