本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『あなたの1日を3時間増やす「超整理術」』(高嶋美里)

 お薦めの本の紹介です。
 高嶋美里さんの『あなたの1日を3時間増やす「超整理術」』です。

 高嶋美里さん(@maitan18)は、インターネット関連の起業家、実業家です。
 育児をしながら在宅でできる仕事としてインターネットビジネスと出会い、隙間時間を利用したビジネスを始められました。

1日を3時間増やす「超整理術」とは?

 世の中には、時間に追われあくせく生きている人が多いです。
 一方、スマートに仕事をこなし、プライベートも充実している人もいます。

 この両者の差は、生れつきの能力の差ではありません。
「整理が行き届いているかどうか」の差にあります。

整理ができていると様々なことが効率化され、結果多くの余剰時間を生み出すことができます。
 つまり、仕事のできる人は、人よりも時間を生み出すことができるために、余裕を持って仕事に取り組むことができ、仕事を丁寧かつ確実にこなすことができるということ。

 本書は、整理の苦手な人でも、劇的に「整理する力」を身に付けるノウハウを解説した一冊です。

 順を追って進んでいくうちに、14日後にはあらゆる整理が得意になり、その結果自由な時間を生み出すことが可能です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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Googleの無料ツールを使い倒す!

 高嶋さんは、最初に、「決められたツール、アイテムを必ず使うようにすること」を強調します。

 本書では、Googleが提供している無料のサービスを使い倒していきます。 メールはGmail、クラウドサーバはGoogleドライブ、カレンダーはGoogleカレンダーというように、使うべきツールをGoogleに固定しています。
 他にも同じようなサービスがあるので、どれを選んでもいいですよ、というスタンスだと、徹底して2週間で頭を整理することが難しくなるからです。
 紙の手帳を使っている方も、数多くいらっしゃると思いますが、この2週間は、スケジュールは紙の手帳ではなく、すべてGoogleカレンダーに書き込んでいく方法をとりましょう。
 会社で指定されたクラウドサーバもあるかもしれませんが、この本の中の2週間レッスンでは、Googleドライブを使ってください。今まで使ったことがない方は抵抗があるかもしれませんが、この前提をそろえておかないと、成果に大きな差が出てしまいます。必ず、事前にGoogleのアカウントを取得しておいてください。
 整理するためには、あれもこれもと複数のアイテム、ツールを使わず、1か所にまとめることが重要です。それがしやすいのが、Googleが提供しているサービスだからです。
 Googleには、マイクロソフトの提供するワードやエクセルと同じような機能を持つ、Googleドキュメント、スプレッドシートというものがあります。
 本書での整理には、ワードもエクセルも一切使わずに、Googleだけで仕事を完結させる方法も述べています。これによってかなりの時間短縮が見込めますので、使い慣れたワードやエクセルを手放すことも、念頭に置いてください。
 カレンダーと言ったらGoogleカレンダー、クラウドサーバと言ったらGoogleドライブ、メールと言ったら自分のメールアドレスをGmailに転送して受信します。

 『あなたの1日を3時間増やす「超整理術」』 整理を始める前に より 高嶋美里:著 角川フォレスタ:刊

 Googleの無料ツールは、ひとつのアカウントで様々な機能を使うことができる優れものです。
 インターネット環境さえあれば、端末を選ばずにどこからでもアクセスできるのも便利ですね。

 情報の一元化やデータ化は、時間の効率化の大きなカギになります。
 これを機会に、ぜひ使い倒せるようにしたいですね。

必要なものは20種だけ!

 整理の“最初の一歩”は、オフィスの机から。
 まずは自分の机、引き出しの中のものをリストアップして、日常的によく使うものだけを選びます。
 同じようなもの、例えば、ペンが何本かあるなら「ペン」という種類でまとめます。

 次に、毎日使うもの、数日に一度使うもの、週に一度使うものなど、使用頻度の順位をつけます。
 一度も使っていないものなどはその場で処分、同じものが複数ある場合は、ひとつだけ残します。
 この作業を通して、机の中に入れておくアイテムを「20種類」だけに絞り込んでいきます。

 えっ、20種類のものだけ・・・・。それだけで仕事ができるの??

 不安になるかもしれませんね。でも、よく考えてみてください。
 20種類にまで絞り込むためには、使用頻度の低いものから手放さなくてはならないでしょう。ただ、月に一度しか使わないものまで、自分のデスクに必要でしょうか。
 例えば、資料を綴(と)じる穴あけパンチを使う仕事が、月に一度の集計作業のときだけだったら? 穴あけパンチは共有スペースに戻しておき、そこから使う際に取り出せばいいのではないでしょうか。

 私が予備校で生徒たちに整理方法を教えたとき、よく使う必要なものだけを挙げさせると、ほぼすべての生徒が20個前後に収まりました。
 予備校生の話なので社会人と違って、勉強だけに専念すればいいし、あまりものを持っていないのでは? とあなたは思うかもしれません。
 でも、目的が勉強でも、仕事でも、趣味でも、本当に必要なものを見極めれば、20個に収まるものです。身の回りに20種類以上のものがある状態は、人間が把握できる限界を超えているからです。

 自分が把握できる以上にものを持っていると、ぱっと見渡してすぐに取り出せる状態にはなりません。
 よく使うものはデスクに自分が座った際に、すぐに取り出せるように配置すべきですが、自分が把握できていなければ、それを探す動作が生まれてきます。物理的にもそれ以上ものがあれば、すぐ取り出せる位置にものの場所を確保できません。
 こういったことから、厳しいようですが、本当に使う20種類に限定して、今デスク周りにある不要なものを整理してみてください。これをするだけで1ヶ月後、予備校生の偏差値は平均で3も上がりました。あなたの仕事における評価も、よく使うものを20種類に絞るだけで、必ず上がるはずです。

 『あなたの1日を3時間増やす「超整理術」』 1日目 デスクの整理 より 高嶋美里:著 角川フォレスタ:刊

 道具を効率よく使うためには、それらが保管されている場所をしっかり把握することが重要です。
 道具が「20個」を超えると、それができなくなります。

「これは使うかも・・・」
「あると便利」

 そう思って机の引き出しに入れたけれど、結局使わずじまいのものも多いですね。
 それらはこの際、一気に処分して、机の中も、頭の中もスッキリしましょう。

ファイル名には「検索ワード」をすべて盛り込む

 パソコンの中のデータの整理についても、机周りと同様、きちんと整理する必要があります。
 高島さんは、「パソコンの中のデータはすべて整理してクラウド化すべき」と強調します。

 具体的には、『ワードとエクセル、テキストファイルは、すべて、Googleドキュメントかスプレッドシートに転記して、捨ててしまう』というやり方です。
 フォルダ名やファイル名は、あとで検索しやすいように、自分の中でのルールを決めてつけることが重要になります。

 フォルダー名は一目で中に入っているものが判断できるような種類の名前をつけますが、ファイル名は具体的に検索で引っかかるワード自体をつけておくのが便利です。
 では、どんなワードが検索で引っかかるのか? というと、案外その時々で変わるものです。
 よく日付で並べるというのが知られていますが、日付が思い出せなければ検索できなくなってしまいます。案件名や議事録、見積書など目的のワードも当然必要ですが、それだけでは似たようなものが見分けられなかったりします。
 一方で、取引先名やイベントの場所など、社名、人名、場所などが意外に手がかりになることもありますね。

 結局、どれをつけておけばわかりやすいんだろう・・・・といちいち悩まなくても大丈夫です。
 ファイル名には、どこからでも探せるように、手がかりとなりそうなワードを全部つけておけばいいんです。
 例えば先の例で言うと、何かの会議で課長が言っていた言葉を思い出したい場合、会議の日や場所、課長の名前など、何かしら記憶に残っている可能性があることを、議事録のファイル名につけておけば、課長の名前で検索しても、会議した場所で検索しても、議事録が探し出せるわけです。
 私の場合は、この本の打ち合わせのメモを、Googleドライブの議事録フォルダに、Googleドキュメントを使って保存しています。「20131207角川出版書籍内容MTG有明」のように、日付と目的、社名、場所をつけておきます。更に、ドキュメントの一番上にも、日時、場所、参加した人の名前、会議の議題を書いておきます。
 すると、ミーティングをした日にちがわかれば日付で検索すれば出てきますし、日にちが思い出せなくても出版関係の打ち合わせをしたときのファイル・・・・と考えて「出版」で検索すれば出てきます。何も思い出せなければ、Googleカレンダーを見れば少なくとも日時と参加者は書いてあるので、検索できるという状態にしておきましょう。
 同じ項目でなくてもかまいませんが、自分が思いつくワードを日付以外にも複数入れておけば、そのどれかは覚えているものです。自分なりの一定のルールを決めて、その順番に検索に役立つ項目をつなげたファイル名をつけておきましょう。
 ただ、順番に並ぶことを考えて、最初は日付にするのがいいでしょう。

 『あなたの1日を3時間増やす「超整理術」』 5日目 データの整理 より 高嶋美里:著 角川フォレスタ:刊

 パソコンの中のデータファイルは、物理的の大きさも重さもありません。
 適当な名前をつけて、適当なフォルダの中にしまうと、後で探すときに苦労するハメになります。

 カテゴリー分けをして、フォルダ名やファイル名に規則性を持たせて作ることは、少々骨の折れる作業です。
 ただ、埋もれたファイルを探し出す手間を考えれば、大した労力ではありません。
 習慣化してしまいたいですね。

ネタのストックは必要な部分だけにする

 仕事で使うものは、「道具となるもの」「ネタになるもの」の2種類に大きく分けられます。
「道具となるもの」をいくら整理しても、時間の節約にはなりますが、売上には直結しません。
「ネタになるもの」こそが会社の新商品や新規サービスを生み出す企画の元であり、最終的に売り上げを上げる源泉となります。

 高嶋さんは、本当に仕事ができる人というのは、道具となるデータやツール類を整理していつでも使えるように準備した上で、その分時間や手間を効率化し、浮いた時間でさらにネタとなるものを日々ストックしながら、コンテンツ化しているものだ述べています。

 アイデアの源泉となるネタは、道具となるものと同じように、いつでもすぐ使えるように整理されている必要があります。
 それには、最終的にすべてデータ化するのが一番とのこと。

 ネタとなるもので代表的なのは、雑誌や本など紙に記されたものですが、これらは3日目でレッスンしたようにスキャン、画像、スプレッドシートへの入力のどれかでデータにしていきます。
 特に本は場所をとりますから、あとで何かに役立てようと感じた部分だけを記録する読書用のスプレッドシートを作っておき、読みながら即その箇所を記録するようにするといいでしょう。
 そうすれば、本自体は持っている必要がなくなるので、すぐに人にあげたり、古本屋に持っていくなどして処分できます。
 記録し続けていくと、やがてこのスプレッドシートに情報がたまっていき、新しい企画アイデアが生まれたり、会議や営業のときの提案資料として使えるようになるだけでなく、オリジナルコンテンツを生み出す準備が整います。

 ネタとなるものは必要な部分だけをデータ化してストックする、というのが基本です。自分がこれから役立つと感じたその部分だけを切り取り、それ以外はデータ化する必要はありません。
 例えば、何か商品を比較するために資料を集めたり、見積もりなどを取り寄せたら、価格やサイズ、機能などをスプレッドシートに記載して、集めた書類は捨ててしまいます。必要なことが数字やスペックだけだったら、画像やPDFにせずテキストデータにした方が、検索もできるのでずっと有益なのです。
 雑誌でも、1ページそのままスキャンして取っておいても、そのページの中の何が必要だったのかわからなくなることがあります。自分がどの部分に注目し、何のためにその情報を取っておきたいと思ったのか、それがわかるようにしておくことがネタをデータ化するときに大切なのです。

 『あなたの1日を3時間増やす「超整理術」』 8日目 ネタとなるデータを保存する より 高嶋美里:著 角川フォレスタ:刊

 気になる情報を見つけたら、その場ですぐにデータ化することが大切です。

 スキャンする、写真を撮る。
 スプレッドシートに記入する。

 これらの作業は、スマートフォンひとつあれば、すべてできてしまいます。

「ネタとなりそうなものは必要な部分だけをデータ化してストックする」
 普段から意識したいですね。

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 高嶋さんが本書に書かれているノウハウは、パソコンやインターネットを普通に使える人ならば誰にでもできる簡単なものばかりです。

 ひとつひとつは数分単位の些細(ささい)な時間です。
 しかし、その小さな節約が積み重ねが、大きな時間の節約につながります。

 時間が経つほど、ストックされた情報が多くなるほど、より力を発揮するのが「整理術」。
 まさに、「塵(ちり)も積もれば山となる」ですね。

 一度身に付けてしまえば、毎日「3時間」が手に入る超整理術。
 まさに、時間を生み出す“魔法の杖”といえます。
 皆さんも、これを機会にぜひ、試してみてください。

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