本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『君の眠れる才能を呼び覚ます50の習慣』(千田琢哉)

 お薦めの本の紹介です。
 千田琢哉さんの『君の眠れる才能を呼び覚ます50の習慣』です。

 千田琢哉(せんだ・たくや)さんは、文筆家です。
 大学卒業後大手損保会社に入社し、その後大手経営コンサルティングを経て独立しています。
 “タブーへの挑戦で、次代を創る”を自らのミッションとして執筆活動を続け、多くの著書を世に送り出されています。

「才能」は誰にでもある!

 千田さんは、人生ではしなければならないことはたった二つしかないと述べています。

  • 自分の才能を発揮すること
  • 発掘した才能を磨き続けること

 誰でも一流のスポーツ選手、一流の音楽家、一流の芸術家になれるわけではありません。
 その理由は「努力量」の問題ではなく、「才能」の問題です。

 千田さんは、才能がなければ、いくら努力しても無駄なのだと言い切ります。

 ここで大切なのは、
 もしあなたが一流のスポーツ選手や芸術家になれなかったとしても、人生が無駄だというわけではないということだ。

 世の中には3万種類の職業があり、
 それぞれの土俵でプロが活躍している。

 そして職業は今日も新しく生み出されている。

 あなたは膨大な数の職業の中から
 自分の才能を発揮できる土俵を見つけ出せばいい。

 もし見つからなくても自分で新しく創ってしまえばいい。 

 『君の眠れる才能を呼び覚ます50の習慣』 プロローグ より 千田琢哉:著 角川学芸出版:刊

 本書は、自分の才能を発掘し、磨き続けるための方法についてまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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義務教育で落ちこぼれた分野には、二度と関わらない

 義務教育は、なぜ必要なのか。
 一般的には、「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培うため」とされています。

 しかし、それは建前だけの“表メニュー”にすぎません。

 では裏メニューとは何か。

同世代の生徒と机を並べて一緒に生活する
ことによって、自分が
関わってはいけない分野を痛感するため

だ。これは、才能を発揮した成功者たちが決して口にしないが、みんな知っている事実なのだ。
 勉強でクラスのトップをずっとキープできた生徒は、勉強時間が一番長かったわけではなく、生まれ持っての知能指数が高かったのだ。
 クラスで50m走が一番速い生徒は、50m走の練習を一番していたわけではなく、生まれ持っての運動能力が高かったのだ
 反対にどれだけ努力しても人並み以下だった生徒は、努力が不足していたわけではなく、生まれ持っての才能が不足していただけなのだ。
 学校の先生はこの事実に全員気づいているが、本当のことは絶対に言わない。
「実は君の知能指数は生まれつき低いんだよね」
「どんなにがんばってもノロマはノロマのままだよ」
 などとうっかり口を滑らそうものなら、モンスターペアレントたちから激しいバッシングを受けて一躍大問題に発展しかねないからだ。
 だが才能を発掘するために欠かせないのは、まず自分が何に向いていないのかを知っておくことだ。
 努力しても報われなかったことに手を出さなければ、膨大な時間を捻出(ねんしゅつ)できる。
 才能を発揮して磨くためには、とにかく時間が必要なのだ。
 
 そのためには世間の常識に騙(だま)されて、
 苦手分野を克服している場合ではない。

 『君の眠れる才能を呼び覚ます50の習慣』 第1章 より 千田琢哉:著 角川学芸出版:刊

 人には生まれもった資質や性格があり、誰にでも好き嫌い・向き不向きは起こります。
 それは、努力や練習でどうにかできるものではありません。

 自分の長所や短所、得意分野や苦手分野は何かを見極める。
 それが才能を磨く第一歩です。

憧れの人より、自分と似たタイプで成功した人から学ぶ

 才能を育てる際に、「成功者の真似をすること」はとても効率的で効果のある方法です。

 千田さんは、ただ真似をする相手を間違えると、自分の才能がちゃんと育たないということを知っておいてもらいたいとクギを差します。

 真似をする相手を選ぶ時、多くの人は憧れの人を選んでしまう。
 憧れの人とあなたが瓜二つの特性を持っている場合には、それで抜群の効果を発揮するだろう。
 ぜひそのまま真似をし続けて、いずれ成功してもらいたい。
 ところが憧れの人とあなたの特性がまったく違う場合には、空回りばかりするのが目に見えている。
 同じ分野の才能でも、才能の種類は違うからだ。
 たとえばテレビで大活躍しているお笑い芸人の世界を思い出してもらいたい。
 見るからに愛されやすい容姿の芸人もいる。
 強面だが性格がいじられキャラで愛されている芸人もいる。
 頭脳明晰のマシンガントークで周囲を圧倒させる芸人もいる。
 お笑い芸人という才能があっても、その中で才能の種類はまさに千差万別だ。
 おバカキャラで愛される才能を秘めた芸人が、今すぐ頭脳派で尊敬されたいと利口ぶっても上手くいかないだろう。
 その場合、まず同じくおバカキャラで愛されている成功者を見つけることだ。
 そしてそのおバカキャラを徹底研究し、
 
 盗める部分はすべて盗み、自分のほうが
 秀でている部分を付加して応用していくのだ。

 これが才能を育て上げる最短コースである。
 もちろん次は自分が同様に誰かに盗まれて、そして超えられる日がやってくる。
 この世の中はすべてが生成発展しているから、それが自然の摂理に則(のっと)っている。
 もしあなたの才能の寿命を延ばしたければ、誰にも盗めない技を磨くしかない。
 以上は私自身の体験談でもあり、日々目指していることでもある。

 『君の眠れる才能を呼び覚ます50の習慣』 第2章 より 千田琢哉:著 角川学芸出版:刊

 自分の特長や魅力はどこにあるのか、自分自身で把握する。
 そのうえで真似をするターゲットを絞り込み、自分の色をつけながら個性を発揮していく。

 才能磨きにも、戦略が重要だということです。

その気になれば、すべての仕事で才能をちりばめられる

 自分の才能が本物かどうかを簡単に判別する方法があります。
 それは、仮に刑務所に入ってもその才能を発揮できるか否かです。

 吉田松陰は恵まれた環境だったから教育者になれたわけではない。
 獄中でも彼はやっぱり教育者だった。
 囚人たちを集めてそれぞれの才能を見抜き、全員を先生に仕立て上げた。
 囚人たちは自分に誇りを持ち、学ぶことの楽しさを知った。
 獄中でこそ、彼の教育者としての才能は研ぎ澄まされていったのだ。
 あなたが刑務所に入ったら、どうするだろうか。
 言われた通りにただ黙々と生きているだけでは、人はすぐボケてしまう。
 言われた通りのことしかできなければ、シャバに出ても相変わらず下っ端人生のままだ。
 刑務所ほど規則正しい生活ができて、時間にゆとりのある場所はない。
 才能を磨く場としては申し分ないのだ。
 どんなに単純な作業でも、最短時間で正確に終了させたり一番美しく仕上げたりすれば必ず際立つ。
 もっと頭を使う仕事や責任を持たされる仕事を任せられる可能性が高い。
 私は単純作業が好きだが、最短時間で正確に終了させるためにはそこに知性が求められる。
 本当は1時間でやればいいところを自分は30分で終わらせようと挑戦すると、必ず創意工夫を凝(こ)らさなければならないからだ。
 監督者の目に留まるほど美しく仕事を仕上げようと挑戦すると、手先の器用さや美的センスも必要になってくるだろう。

 あなたさえその気になれば、
 すべての仕事において
 必ず才能をちりばめられるのだ。

 私は刑務所に放り込まれたら、どんな役割を果たそうかといつも考えている。

 『君の眠れる才能を呼び覚ます50の習慣』 第3章 より 千田琢哉:著 角川学芸出版:刊

 どんなにつらい状況におかれても続けられること。
 それが、自分の本当に好きなことであり、才能のありかです。

 条件が厳しければ厳しいほど、創意工夫をこらさなければ才能は磨かれません。
 アイデアが次々と湧き上がってくるのも、才能がある証拠といえますね。

成功者の本音トークと、凡人の愚痴を混同しない

 成功者たちはお互いを認めて堂々と批判し合います。

 それに対して、凡人は決して相手を認めることはせず、本人のいない場所でお互いに批判し合っています。

 成功者の仕事の打ち合わせでは、バンバン実名を出しながら堂々と批判をすることも珍しくない。
 だがそれは、あくまでも本音で会話をしながら質の高い打ち合わせにしたいからであり、批判をすることでストレスを解消しようとしているわけではない。
 遠回しな表現はいっさい使わず、ズバリ本音で真剣勝負をしているからだ。
 打ち合わせ終了後も実に清々(すがすが)しい気分だ。
 それに対して凡人の打ち合わせでは、遠回しな表現が飛び交い、本音がなかなか出てこない。
 ようやく本音が出てくるのは、打ち合わせ終了後に、帰りの地下鉄で凡人同士が「本当は違うよね」「本当はこうだよね」と言い合うくらいのものだ。
 後味も悪く、ネットリした関係だ。
 そこには、何ら生産性がない。

 成功者の本音トークと凡人の愚痴は
 まったく違うのだ。

 成功者の本音トークと凡人の愚痴は似ていないのはもちろんのこと、そこには接点すら存在しない。
 こうした成功者たちの本音トークを目の当たりにして育ってきたためか、私の打ち合わせも本音が多い。
 打ち合わせでは必ず固有名詞を出して、堂々と認め合い、堂々と批判し合う。
 これまでのところ、本音トークをして喧嘩(けんか)別れになったという記憶はない。
 私を育ててくれた成功者たちの本音トークを聞いても、不思議とカチン! とくることはなかった。
 その理由を考えると、ベースに相手に対する愛があったからだ。

 『君の眠れる才能を呼び覚ます50の習慣』 第4章 より 千田琢哉:著 角川学芸出版:刊

 相手の心を開きたいのなら、まず自分の心を開くこと。
 自分が本音で話せば、相手も本音で応えてくれます。

 ベースに愛があれば、本音トークでも相手の気分を害しません。
 普段から本音で話す習慣をつけたいものです。

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「才能」は、ごく一部の選ばれた人にしか与えられていない。
 それが、世間一般的な考え方です。

 しかし、本当にそうなのでしょうか。
 千田さんがおっしゃるように、才能の種類とそれを生かせる職業には限りはないです。

「才能がない」というのは思い込みに過ぎません。
 ただ単に探そうとしていないだけ。
 自分の可能性を自分自身で否定し、その言い訳として使っている言葉です。

 自分を客観的にみて長所や短所を探すことは、簡単そうでとても難しいこと。
 自分では「あたりまえ」のことも、他人からみたら「才能」だということも多くありますね。

 皆さんも、本書を片手に、自分自身の“眠れる才能”を呼び起こしてみませんか?

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