本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『普通の人がお金持ちになりたくなったら』(井口晃)

 お薦めの本の紹介です。
 井口晃さんの『普通の人がお金持ちになりたくなったら』です。

 井口晃(いぐち・あきら)さんは、起業家であり、起業コンサルタントです。
 現在は、自ら会社を経営するかたわら、他人を救う“エキスパート”を10000人育成することをミッションに、セミナー講師、コーチ、インターネット起業家の育成に励まれています。

“落ちこぼれ組”が、お金持ちになるための方法とは?

 中学、高校ではいじめにあい計5回も転校し、大学は引きこもりで2度も中退、就職経験もなし。
 そんな“落ちこぼれ組”だった井口さんが人生を180度変えることができたのは、お金に関しての正しい思考法、つまり、「お金持ち思考」を身に付けたからです。

 これまでのお金持ちの主流、学歴エリートの「アカデミックスマート」に対して、現在のお金持ちの主流は、「ストリートスマート」と言われています。
 つまり、学歴や生まれた環境に関係なくお金持ちになれるということ。

 IT(情報技術)の発達した今の時代、お金を生み出す方法はいくらでもあります。
 どんなに泥臭くても、自分のアイデアやスキル、経験、情熱をフル活用して社会に付加価値を与えられる存在になれれば、エリート教育を受けていなくてもお金を稼ぐことができます。

 ストリートスマートになるための知恵を磨いていく最初の一步。
 それは、今自分が持っている「貧乏思考」を捨てて「お金持ち思考」を身につけることです。

 本書は、お金を生み出す「思考法」を中心に、鍛えるべきスキルや人脈形成術について解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「人間関係」こそ、“究極の資産”だと知っている

 井口さんは、貧乏な人ほど、とにかくお金自体を追い求めるような思考法をしてしまいがちだと指摘しています。

 お金を最優先する人は、自分のことをいかに守るかが優先されているため、良好な人間関係を築くことはできません。

 かたや、成功する起業家は、こう考えます。
「大きな富とは、良好な人間関係を築いた成果物である。しかし、良好な人間関係を構築することはお金を稼ぐことよりも難しい。だからこそ、人付き合いのための苦労や出費は一切いとわない」
 お金持ちになる人は、自分のお金のことより対人関係を大切にします。それは敵を作らないといった保身的な動機ではなく、ビジネスで成功するには仲間を増やすことが何よりも重要であることを経験として知っているからです。
 日頃から人付き合いを大切にしていれば、自分の知らない世界のことを教えてもらったり、自分が困難に直面しているときに励ましてもらったり、自分が今必要とする人を紹介してもらったりと、さまざまな形でサポートをもらえます。そうした援軍なしに安定的に大きな富を得ることは至難の業です。
 ちなみに、仁義を通して、相手に誠意を持って人と接するといった、一見日本的な美徳は、私が仲良くしている海外の富裕層たちにも備わっています。むしろ、日本人より礼儀を重んじるような人もいます。
 良好な人間関係を築くコツは、相手に価値を与え続けること。ギブアンドテイクのような損得勘定は忘れてください。価値を与え続け、あなたの信用を積み重ねていけば、本当にあなたが助けを必要とするときにきっと手を差し伸べてくれます。
 結果はすぐに出ないかもしれませんが、どんどん人と会って、いい仲間を見つけてください。お金は必ず後からついてきます。人間関係こそが究極の資産なのです。

 『普通の人がお金持ちになりたくなったら』 第1章 より  井口晃:著  ワニブックス:刊

 お金は、「人」を介して運ばれてくるものです。
 良好な人間関係を築くことさえできれば、お金は自然と自分のほうに流れてきます。

 相手に価値を与え続け、信用を積み重ねること。

 遠回りなようで、じつは、それが一番のお金持ちへの近道だということですね。

常に人から叱られたい

 井口さんは、お金持ちの人は仕事に対してはプライドを持ってやっていますが、普通の人よりはるかに謙虚だと述べています。
 その理由は、つねに人から学ぼうという姿勢を忘れていないからです。

お金持ちはこう考えます
「自分はまだまだ未熟だ。しかし、今のぬるま湯の環境にいては、時間だけが無為に過ぎていってしまう。もっと刺激を与えてくれる人と出会おう。そしていっぱい叱ってもらおう」
 私が著者デビューをする前、すでに本を出している方とお話ができる機会に巡り合えました。私も本には興味があったので話は尽きなかったのですが、そこで実際に経験者の方のお話を聞くことができて、「こうやれば自分にも本を出せるんだ」と感覚がつかめました。
 思いを持っていると行動と人間関係が変わり、現実になると何度も書いていますが、私の場合も本を出したいと思い続けた結果、著者デビューできることになりました。ちなみに、次に思ったのは「ベストセラーを出したい!」ということ。そこでベストセラー作家の方とお付き合いをするようになり、実際に、私もベストセラーを出すことができました。
 付き合う人によって可能性の広がりが変わってくるのであれば、より大きな可能性を持った人と付き合うことが重要になってくるのです。まるで作り話のように聞こえるかもしれませんが、引きこもりニートから今のポジションまで来ることができた私の実体験ですので、自信を持って真実だと断言できます。
 ここでは「上のステージ」と抽象的な表現にしていますが、その人の目的意識によって会うべき人たちは変わっていきます。やみくもにお金持ちの人に会うのではなく、「自分がこうなりたい!」と思える人と付き合うようにしてください。

 『普通の人がお金持ちになりたくなったら』 第2章 より  井口晃:著  ワニブックス:刊

 現状に満足せず、高みを目指すこと。
 あえて、それまでよりはるかに上のレベルの世界に自分から飛び込んでみる。
 それが自分を縛り付けている「貧乏思考」から抜け出すための秘訣です。

 つねに謙虚に。
 人から学ぼうという姿勢を忘れない。

「お金持ち思考」の習慣として、身に付けておきたいですね。

「理想の年収を得る」ために収入を使う

 お金持ちになった人には、「お金を生み出すためのスキルを必死になって身に付けた自己投資のための修行期間が必ずある」とのこと。

将来お金持ちになる人は、給料をもらってこう考えます。
「30万円のうち、10万円は自己投資のために使おう。あまり贅沢な生活はできないが、以前まで20万円で生活していたのだから、できないことはないだろう」
 貧乏な人との違いは、余ったお金で自己投資をしようと考えるのではなく、先に自己投資をして余ったお金で生活しようと考えている点です。もしそれで贅沢ができないなら、朝にお弁当を作ってランチ代を抑えるなり、タバコや晩酌を控えるなりして、節約していく方法はいくらでもあります。
 私が推奨している自己投資の目安は、「理想の年収の10%」です。
 年収1000万円にしたいのであれば、年間100万円(月8万円)。
 年収1億円にしたいのであれば、年間1000万円(月83万円)。
 実は私自身、今でもこの計算式を目安にして自己投資を続けています。
 自己投資の目的は2つあります。スキルを身に付けるための投資と、自分の基準を高めるための投資です。
 前者は、本の購入、スクール・セミナー・講演会などへの参加、教材の購入など、学びのためにお金を使うことを言います。スキルを学ぶ目的で人と会うときに使う交際費もここに含まれます。
 後者は、自分の経験値を上げるための投資です。一流レストランで食事をしたり、オーケストラの演奏を聴きに行ったり、経験の幅を広げるために、海外へ行ってみたりすることです。
 スキル上げに使う自己投資であれば、少し意欲のある人ならすでに実践している人も多いと思いますが、自分の基準を高めるための自己投資については二の足を踏んでしまう人がとても多く見られます。なぜなら、結果が分かりにくいからです。
 お金を使わない手軽な方法もあります。高級ホテルのロビーに出かけて人間観察をするのです。お金持ちの服装、姿勢、表情、仕草。手に持っている新聞や雑誌。携帯電話での部下と思われる人への指示の出し方。そして忘れてはいけないのが、一流ホテルマンのホスピタリティ精神。まさに生きた教材です。こういう経験をするかどうかで人としての深みが変わってきます。

 『普通の人がお金持ちになりたくなったら』 第3章 より  井口晃:著  ワニブックス:刊

 自己投資の目安が「理想の年収の10%」とは、負担が大きく感じる人も多いでしょう。
 それは、余ったお金で自己投資をしようと考えているからですね。

 目標とする年収が決まれば、毎月の自己投資額が決まる。
 手取りの給料から、自己投資額を差し引いた金額から生活費を捻出する。
 年収を右肩上がりに伸ばしている人は、その意識がしっかりと身についているのでしょう。

「1億円の価値」を提供するために働く

 井口さんは、時給発想、雇われ発想の最大の問題は、自分から価値を与える発想がないことだと述べています。
 まずは、お金のために働くという発想をまず捨ててみることが大切とのこと。

お金持ちは目標年収を決めるとき、こう考えます。
「俺は1億円の対価をもらえるくらい社会に価値を与えてみせる。そして、自分の価値を必要としている人がいる限り、自分も常に成長していかなくてはいけない」
 社会に価値を与えた結果が収入だと考えれば、お金を稼ぐことは社会貢献です。
 消費者が求めていた画期的な商品を世に出すことができれば、消費者は「待ってました!」と喜んで買うでしょう。それは立派な社会貢献であり、起業家が得た報酬に文句を言う人はいません。
 こう考えると、お金の設計図で目標金額が低い人はそれだけ社会に価値をもたらしていない人、とも言えます。「俺は300万円でいいよ」というのは、「私は300万円以上の価値を与えるつもりはありません」と言っているのと同じです。自分の価値の付け方というのは、最初はなかなか難しいものです。でもあなたは自ら自分を制限する必要はありません。
 ちなみに私の場合、適切な収入とは自分が社会に与えた価値の10分の1だと思っています。そのため、1億円を稼ぐには10億円の価値を与える必要があるのです。
 あと非常に多いケースでもったいないのが、自分の価値を過小評価する人です。
 価格とはあなた自身の価値です。むしろ少し強気な価格設定の方が、価格に見合ったサービスを提供しようと必死になるので、提供者と消費者ともに満足できるのです。確かに自分を評価するのは難しいですが、自分が仕事をすることによって目の前のひとりのお客さんを救っているんだという思いを持ってください。きっと仕事への思い入れが変わるはずです。

 『普通の人がお金持ちになりたくなったら』 第4章 より  井口晃:著  ワニブックス:刊

 世の中に大きな貢献をする人を、周りは放っておきません。
 自然と、それなりの地位に就いて年収も上がっていきます。

「自分は世の中にどれだけの影響を与えているのか」

 仕事の成果の尺度として、覚えておきたいですね。

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 井口さんは、本書の内容はお金持ちになるための根っこと幹の部分だとおっしゃっています。
 “お金持ち思考”さえ身につけば、お金を稼ぐためのノウハウは自然と身につけることができます。

 お金持ちは、お金に対する考え方が普通の人とまったく違います。
 正反対といってもいいかもしれません。
 これまでと違う考え方をするのは勇気がいることですが、それをしない限り、お金持ちにはなれません。

 人生のなかで染みこんでいる“貧乏思考”を追い出し、“お金持ち思考”を叩き込む。
 お金持ちになるには、それが最短ルートです。
 自分のなかに“金のなる木”を育て、お金に不自由しない幸せな人生を送りたいですね。

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