本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』(上野啓樹、俣野成敏)

 お薦めの本の紹介です。
 上野啓樹さんと俣野成敏さんの『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?~仕事力を常に120%引き出すカラダ習慣~』です。

 上野啓樹(うえの・けいじゅ)さんは、ライフスタイル・コンサルタントです。
 試行錯誤の末、「運動なし、カロリー計算なし、リバウンドなし」の独自のダイエット・プログラムを確立されています。

 俣野成敏(またの・なるとし)さん(@MatanoAsia)は、実業家・起業コンサルタントです。
 大手時計メーカーから独立後、複数の事業経営をされるかたわら、私塾『プロ研』でサラリーマンの自立を支援されています。

「その日の体調」はコントロールできる!

『その日のコンディションは「運」次第。体調が悪くても、根性で乗り切るのがプロ』

 そう考えている人は、多いのではないでしょうか。
 以前の俣野さんも、その一人でした。

 しかし上野さんは、そのような考えを否定し、『コンディションは自分でコントロールすることができる』と指摘します。

 上野さんから60日間のレッスンを受けた俣野さんは、その驚異的な効果を体験します。

 驚くべきことに、たった2ヶ月で、今までムラのあったコンディションも朝から絶好調となり、すっきりと目覚められるようになりました。もうランチの後に眠くなったり、だるくなったりすることはありません。週に1〜2回は、一日中寝ていないと体がもたなかったのに、今は休みなく好きなだけ仕事に没頭できるようになりました。食中毒になっても、昔だったら何日も寝込んでいたところが、すぐに回復できるようになったのです。

 結果として、体重も2ヶ月で10キロ落ち、内臓脂肪も20代の平均値となりました。無駄な脂肪が落ちて痩せることができ、見た目が変わったため、いろいろな人から「なんだか、前より若返りましたね!」とお褒めの言葉をかけていただき、自信につながったのも確かです。
 ちょっとうさんくさく感じられるかもしれませんが、特別なトレーニングもなく、つらい食事制限もカロリー計算も、リバウンドもないのです。今までの習慣を置き換えるだけなので、コンディショニングのための新たな時間を取られることはほとんどありません。

 『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』 第0章 より 上野啓樹、俣野成敏:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

 ハイパフォーマンスの人ほど、好不調の波がありません。
 メジャーで活躍するイチロー選手のように、コンスタントに結果を出し続けられます。

 コンディションは「運」ではなく、日ごろの習慣の賜物。

 本書は、コンディションを整え、短期間でハイパフォーマーになるための方法を解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「消化」を制すれば、仕事の能率が上がる

 私たちが最も集中でき、頭の回転が早くなる「ハイパフォーマンスモード」に入るのは、「空腹時」です。
 胃の中に食べ物がある時は、「消化」のほうに多くのエネルギーが使われるため、パフォーマンスが落ちます。

 カロリー計算もせず、1日30品目を意識せず、肉も野菜も食べていいのです。それでは何を意識したらいいのでしょうか? それは「消化」です。消化を制すれば、仕事の効率は格段に上がるといっても過言ではありません。
 そうは言っても「何を食べるかは意識するけれど、あとはカラダが勝手にやってくれることでしょう? 消化のことなんて考えたことないよ」という方がほとんどだと思います。けれども、消化こそが、パフォーマンスと実に深い関係があるのです。
(中略)
 実は、人間のカラダにとって1日のうちで一番エネルギーを必要とするのが、通勤列車で立っていることでもなく、ジョギングでもなく、「消化」なのです。「そんなに消化にエネルギーを使うの?」と私も最初は疑問でした。1食分の消化なら、会社からコンビニまで5分歩くくらい? それとも階段1階分上がるくらい? いいえ、消化するということは、ハーフマラソンを2時間以内で走るのと同じ体力を使います。

 そう考えると、食べ物を食べた分、そのエネルギーがほとんど消化に使われるわけですから、とても非効率的なのです。消化=体力の浪費と覚えていただいてもいいかもしれません。ですから、風をひいたときにお腹いっぱい食べるのは間違いです。よく精力をつけるために、肉をがっつり食べたという人もいますが、回復にエネルギーを使わず、消化にエネルギーを使ってしまいます。これでは治す方にエネルギーを使えないので、かえって治りが遅くなってしまいます。
 実は、風邪のときによく食べられているおかゆも良くないのです。なぜなら、炭水化物は消化が遅く、さらにおかゆはよく噛まずに食べてしまうので、胃腸に負担がかかります。風邪をひいたときは、常温のお水をたっぷり飲んで、しっかり睡眠をとってください。

 『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』 第1章 より 上野啓樹、俣野成敏:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

 食べ物の消化は、「ハーフマラソンを2時間以内で走るのと同じ体力」が必要です。
 それだけ多くのエネルギーが使われているのには、驚きますね。

「消化 = 体力の浪費」

 頭に入れておきたいですね。

「フルーツ」でデトックス!

 正しい食事や生活習慣などを身につけるために、最初にやるべきことは、「デトックス」です。

 デトックスとは、「解毒」。
 つまり、カラダの毒を外に出していくこと

 上野さんが、デトックスの“秘密兵器”として紹介しているのが、「フルーツ」です。
 フルーツでデトックスできる理由は、以下の4つです。

  1. 糖質や脂肪を分解・燃焼する酵素が豊富
  2. 抗酸化作用の高いポリフェノールが多く含まれ、細胞の活性化と代謝を促す
  3. 食欲を抑えるアミノ酸が含まれる
  4. 便通をよくする食物繊維が豊富

 フルーツを沢山食べる事で得られる恩恵はさまざまありますが、もっとも注目したいのがフルーツの「酵素」です。酵素は体内で生産される唯一のタンパク質で、さまざまな生命活動をスムーズに行わせるための大切な働きを担っています。代謝を高めて脂肪燃焼を活発にして、ダイエットや健康に関する役割も含まれます。

 しかしこの酵素、体内で生産される量は18〜20才をピークに、加齢につれてどんどん減少していくことがわかっています。
 酵素が不足すると、代謝が落ち、生命活動の歯車が狂ってしまいます。そして減少するままにすれば、肥満や生活習慣病を引き起こすなど、どんどん老化が進んでしまうことになります。
 ですから、健康を維持するうえでも足りない酵素を食べ物から補充する必要があるのです。
 その点、フルーツに含まれる酵素は豊富で、フルーツを食べることで加齢によって低下した代謝を正常に戻し、免疫力を高め、さらに太りにくいカラダにしてくれるのです。
 なぜ、カラダの毒を出し切ってから、本書でお話するメソッドを実行してほしいかというと、例えば、カラダを家に置き換えて考えてみてください。片付けが上手な人の家は、すっきりしています。必要なものが、きちんときれいに収まっています。新しい物を買うときは、それが本当に必要かじっくり考え、その新しい物のために、いらないものは処分していきます。ところが、考えなしに買ってきてしまう人の家は、いつもギュウギュウ。もう使わなくなった物や壊れた物を買っても意味がありません。
 カラダも同じです。カラダの中にいらない脂肪や老廃物がたくさんある状態で、栄養があるものを入れても、さらにゴミになるだけです。
「健康のために何を食べたらいいのか」と考える前に、まずはカラダの大掃除から始める必要があります。
 デトックスをすることで、カラダのコンディショニングだけではなく、ダイエットも実現します。始めない理由はありませんよね。

 『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』 第2章 より 上野啓樹、俣野成敏:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

 カラダの大掃除の間は、食べて良いものはフルーツだけ。
 飲んで良いものも水だけです。

 デトックスのコツは、いらないものがなくなるまで”一気に”捨てることです。
 上野さんによると、最初は3日以上続けてほしく、その後もできれば、1週間に2日はフルーツだけのデトックス日「フルーツデー」を作ってほしいとのこと。

タフなカラダにする「夜10時ルール」

「寝ること」は、人間にとって食べることよりも、ずっと大事な行為です。
 睡眠中には、「成長ホルモン」という物質が、疲労の回復、傷の修復、風邪や病気の回復に働きます。
 そのため、成長ホルモンが最も活性化する「夜の10時から午前2時」の間に睡眠を取ることが、とても重要です。

 早く寝るだけで、エステに通うより、運動するよりずっと効果的だといえます。いかに午後10時から午前2時のゴールデンタイムに熟睡するか? それで翌日のパフォーマンスは違っていきます。睡眠は長さではなく質なのです。
 夜10時に寝るために、予定を逆算してみてください。明日の準備や寝支度は9時、入浴は8時、食事は8時までに終えてほしいので7時から・・・・となると、会社を出るのが6時。残業している時間はありませんよね。「そんなに早く帰宅できないよ」とできない理由を探す前に、「どうやったら早く帰宅できるのか?」と考えてみてください。朝早く出社して仕事の効率を上げてみれば、6時に帰ることができるかもしれません。
 上司や同僚が会社に残っているから・・・・という理由で、いやいや会社に残るより、ハイパフォーマンスな仕事をして、結果を出していけばいいのです。最初は異色の目で見られるかもしれませんが、パフォーマンスが上がれば、逆に真似をする人も増えるものです。
 残業したり、遅くまで会社にいる人のほとんどは、出社時間が遅い人が多い気がします。それでは、寝起きで仕事しているようなものなので、効率が上がらないのも仕方ありませんね。
 逆に朝、誰よりも早く出社する人は、コンディションも効率も良いので仕事のスピードが違うのです。朝早い時間帯は、会社にお客様が来ることもなく、電話もメールも来ないので、自分の仕事に集中できます。
 どうしても、夜10時就寝は無理という方は、せめて1時間でも2時間でもいいので、このゴールデンタイムに寝るように心がけてください。もしあなたがいつも夜中の1時に寝ているのであれば、午前0時には寝る努力をする。たった5分でもいいから、昨日より早くベッドに入る努力をしましょう。
 普段、コンディションを整えていれば、たまに遅い日があっても、疲労回復は早くなります。その結果、疲れを溜め込まなくて済むので、少々の無理があっても、ハイパフォーマンスで仕事ができるようになりますよ。

 『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』 第3章 より 上野啓樹、俣野成敏:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

 パフォーマンスを上げるには、ただ十分な睡眠時間をとればいい、というわけではありません。
 睡眠をとる「時間帯」が重要となります。

「午後10時から午前2時」を睡眠に充てようとすると、生活を朝型にせざるを得ません。
 昔から、早寝早起きが健康の基本だと言われてきましたが、それが科学的にも証明されたわけですね。

つねに「生涯価値」で考える

 俣野さんは、ハイパフォーマンスの人は、どちらが生涯に渡って価値があるのか、日々、考えながら生きていると述べています。
 このような考え方を「生涯価値」といいます。

「生涯価値」を考えたとき、どうしても今、肉が必要であればそれでもいい。食べてしまえば終わりですが、その時、食べたことで将来につながっていくのであれば、その選択でもいいのです。けれども、肉か卵か、どちらが自分にとって長い目で見て価値があるかどうか、「生涯価値」の基準で一度、考えてみることが大事なのです。
 常に「生涯価値」を頭に入れて生活することで、今、この食品や飲み物、また人との関係や仕事のやり方など、何を選択するか自然とわかってきます。
 日本人の平均寿命はどんどん伸び、いまや80歳を越えました。しかし、病気にならず日常生活に制限なく健常者として生活できる「健康寿命」はどうでしょうか?
 平均寿命と健康寿命の差は、厚生労働省の平成22年データによると、男性9.13年、女性12.68年となっています。この“ギャップ”は、家族や施設、あるいは、医療機関などのお世話になって生きながらえているのです。世界一の長寿国といわれる日本ですが、10年近くも寝たきりになるというのは悲しいことです。
 健康寿命のギャップを埋めるのが、日々の選択です。刹那的に食べるのではなく、長い目で選択していく。しっかり長く健康に働くためにも、生涯価値で考える習慣をつけましょう。
 ハイパフォーマーは、今この一瞬に妥協はしませんし、さらにそれをいかに継続させるということを考えています。
 いかに太く、いかに長くということを両立させながら自分の価値を追求しているのです。コンディショニングはそれを持続させるための武器になります。

 『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』 第5章 より 上野啓樹、俣野成敏:著 クロスメディア・パブリッシング:刊

 人生の質を考えるうえで、最も大切なのは「健康寿命」。
 いくつまで五体満足の健常者として生活できるかが重要です。
 
 ハイパフォーマンスな人ほど、コンディショニングの重要性を認識しています。
 つねに、自分の健康にとってプラスの選択をし、そこに妥協はないということ。

 私たちも、「生涯価値」を基準にして生活する習慣を身につけたいですね。

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 上野さんは、ダイエットはコンディショニングの一部に過ぎないとおっしゃっています。

 カラダのコンディションを整えることに専念すれば、自然と体重も減り、自分の持っている能力を100%発揮できるようになるということです。

 痩せるだけでなく、朝から最高のパフォーマンスを発揮できるカラダを手に入れる。
 これまでの常識を覆した驚異のダイエット法、皆さんも試してみてはいかがでしょうか。

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