本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『友だちをつくるな』(千田琢哉)

 お薦めの本の紹介です。
 千田琢哉さんの『友だちをつくるな』です。

 千田琢哉(せんだ・たくや)さんは、文筆家です。
 “タブーへの挑戦で、次代を創る”を自らのミッションとして、執筆活動を続けられています。

人生で大切なことは、「友だちをつくろうとしないこと」

 千田さんは、もしあなたが幸せな人生を歩みたければ、友だちを増やそうとしないことだと述べています。

 今でも鮮明に覚えているのは、業界では誰もが知る超有名経営コンサルタントが“親友”として紹介してくれた評論家のところにインタビューに行き、「先生はコンサルタントの○○先生と親友らしいですが」と言った瞬間、顔色が豹変(ひょうへん)し激昂(げきこう)されたエピソードだ。
 評論家はコンサルタントのことを親友どころか対等などとは思っていなかったらしく、頭の先から爪の先まで完全に見下していたのだ。
 そのコンサルタントは一度名刺交換した相手のことをすべて“親友”呼ばわりしていた。
 以上は私がコンサル時代に社長や著名人の友人を紹介してもらって、東奔西走(とうほんせいそう)しながら個別インタビューしてきた経験から浮き彫りになった事実だ。
 どんなに人脈が広そうに見える人でも、友だちは100人できないのだ。
 友だちを増やそうとすればするほどに、今いる友だちを疎(おろそ)かにしなければならなくなる。
 友だちを増やそうとすればするほどに、人間関係が希薄(きはく)になっていく。
 友だちを増やそうとするのは、あちこちで浮気して保険をかけているのと同じ行為だ。
 友だちを増やそうとすることは、それだけいやらしい行為だと気づくことだ。
 これだけは断言してもいいが、友だちなんて苦労してつくるものではない。
 少なくとも「友だちはたくさんつくらなけばならない」という呪縛(じゅばく)から解き放たれることだ。
 それどころか、あなたの友だちが少なければ少ないほど信頼される。
 本書を読めば、まずあなた自身があなたの親友になるきっかけをつかめるだろう。

 『友だちをつくるな』 プロローグ より 千田琢哉:著 PHP研究所:刊

 人生で使える時間は有限で、親しく付き合える人の数も限られています。
 一緒にいたくもない人と過ごす暇など、ありませんね。

 本書は、「友だちをつくらない」ことで人間関係を改善し、よりよい人生を送る秘訣をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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親友はつくるものではなく、“できちゃった”もの

 ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)などの発達で、たくさんの人と繋がることが簡単になった今の時代。
 一方で、「本当の友だちがいない」という悩みを抱える学生やサラリーマンが増えています。

 親友をつくるためのコツは簡単だ。
 親友はつくるものではなく、できるものだとまず気づくことだ。
 意図的につくるものではなく、“できちゃった友だち”こそ、真の友なのだ。
 だから親友が欲しければ、自然体のあなたで生きるのが一番の早道だ。
 自然体といっても、変化してはいけないとか、挑戦してはいけないということではない。
 自然に変化したり挑戦したくなれば、そうするのが自然体のあなただ。
 ネクラなら、ネクラのままでいい。
 ネクラのままでいけないなと思い、不器用にネアカを振る舞おうとするあなたもありのままのあなただ。
 おしゃべりなら、おしゃべりのままでいい。
 おしゃべりのままではいけないと思い、不器用に物静かに振る舞おうするあなたもありのままのあなただ。
 少女漫画オタクなら、少女漫画オタクのままでいい。
 少女漫画オタクのままではいけないと思い、不器用に外に出て運動をしてみるあなたもありのままのあなただ。
 私は物心ついてからこれまでに親友をつくろうとか、人脈を増やそうとか考えたことがただの一度もない。
 あっちへうろうろ、こっちへうろうろしているプロセスで、親友が勝手にくっついてきたというのが、一点の曇りもない私の実感だ。
 ただ自分の人生を一生懸命に生きてきた過程で、人生の節目で必ず親友に恵まれた。
 親友というのは、お互いに同性なのに惚(ほ)れ合う関係だ。
 異性で肉体関係のある大切な人が恋人で、同性で肉体関係のない大切な人が親友だ。

 『友だちをつくるな』 PART1 より 千田琢哉:著 PHP研究所:刊

 つくろうとしなくても、できるもの。
 出会おうとしなくても、出会うもの。
 それが、「親友」です。

 自分に正直に、今を精一杯生きる。
 その姿勢が、「親友」と呼べる存在を引き寄せるということです。

人間関係で最大の無駄はみんなに好かれようとすること

 千田さんは、人間関係で独り相撲を取って悩んでいる人の共通点は、みんなに好かれようとしていることだと述べています。

 古今東西問わず、これまでにみんなに好かれることに成功した人間はただの一人もいない。
 みんなに好かれようとするのは、自然の摂理に反する行為なのだ。
 人はみんなに好かれるために生まれてきたのではなく、運命の人に出逢い、運命の人を愛し続けるために生まれてきたのだ。
 自然の摂理に反する行為をしていると、人生は必ず不幸になるようにできている。
 不幸になるのは悪いことではなく、もう二度と悪いことが起こらないようにするためのアラームなのだ。
 にもかかわらず、耐え抜いてアラームを無視し続けるとどんどん不幸になってしまう。
 どんどん不幸になるのは、どんどんアラームを大きくしてあなたに気づいてもらいたい神様の配慮なのだ。
 長期的な成功者たちをよく見てもらいたい。
 みんなに好かれようとなんて絶対にしていないはずだ。
 ごく一部の大切な人だけをとことん愛して、あとは適当に手を振ってファンサービスをしているくらいのものだ。
 あるいはせいぜい年に一度や二度の握手会でファンを繋ぎ止めておくくらいだろう。
 成功者でも一時的に終わってしまう人は、みんなに好かれようとして大切な人たちから見捨てられていくからだ。
 あなたがみんなに好かれようと努力しても、その周囲には好かれたい人予備軍が控えている。
 好かれたい人予備軍にいくら配慮しても、さらにその周囲には無限の好かれたい人予備軍が控えているから終わりがないのだ。
 そうこうするうちに、以前から応援してくれていた人たちが誰もいなくなる。
 ザルで水をすくっている状態になり、孤立無援になってしまうのだ。
 みんなに好かれようとすると、最終的にはみんなから嫌われてしまうのだ。
 翻(ひるがえ)って、あなたはどうだろうか。
 ひょっとして、周囲から「八方美人」と噂されていないだろうか。
 八方美人というのは、誰からも信用されない卑劣な人間ということに他ならない。

 『友だちをつくるな』 PART2 より 千田琢哉:著 PHP研究所:刊

 千田さんのいうように、不可能なことに力を注ぐことほど、無意味なことはありません。
 人生の時間には限りがあります。
 当然、付き合える人の数にも限りがあります。
 本当に大切な人と、大切な時間を過ごすことに全力を尽くしたいですね。

友だちの多さをアピールする人は、「さげまん」

 よく、運気を下げる女性のことを「さげまん」といいます。
 千田さんは、さげまんの傍(かたわ)らにいる人は、男女問わずさげまん菌に感染することになると述べています。

 どんなに才気溢れる男性でも、さげまん菌に感染すれば確実に人生が衰退する。
 親友がさげまんという女性も絶望的だ。
 どんなに運気の強いあげまんでも、さげまん菌に感染すればさげまんに落ちぶれる。
 さげまんで一番わかりやすいのは、友だちの多さをアピールすることだ。
 就活の面接でも友だちの多さをアピールした瞬間、さげまん確定だ。
 さげまん菌に感染した男性も友だちの多さを自らアピールしてしまう感性の鈍さが、薄まった男性ホルモンの象徴なのだ。
 ところがさげまん会社では、友だちの多さをアピールするさげまんを喜んで採用する。
 さげまん同士意気投合して引き寄せ合うからだ。
 友だちの多さは、何の自慢にもならないのだ。
 否、友だちの多さは信用できない証なのだ。
 女性はもともと本能的に一途に自分から溢れ出る運気を与え続ける生き物だ。
 本命に運気を与え続けなければならない使命なのに、あちこちに分散させること自体が自然の摂理に反しているのだ。
 もしあなたが女性で友だちが少ないのなら、とりあえず安心していい。
 ぜひ独りの時間に読書や映画鑑賞をして、素敵な音楽や絵画に触れ続けることだ。
 そして独りでも輝いている女性を真似しながら、成長し続けることだ。
 独りで輝いている女性が一番出没しやすいのは、平日の高級ホテルの喫茶ラウンジだ。
 休日になると客層がガラリと変わるが、平日にはあげまん率が比較的高いのだ。
 逆にさげまん菌に感染したければ、休日の安いカフェがおススメだ。
 休日の安いカフェであれば、必ず女性三人組があちこちに散見されるから、隣に座れば一瞬でさげまん菌に感染できるというわけだ。
 カフェに限らず騒がしい店は、さげまんが跋扈(ばっこ)するさげまん店だ。
 静かでお洒落な店があげまん店だ。

 『友だちをつくるな』 PART3 より 千田琢哉:著 PHP研究所:刊

 男女問わず、群れる人は一人で静かにしていることが苦手です。
 一人でいると、いやでも自分と向き合うことになりますから、それが苦痛なのでしょう。

 一人でいる時間が自分を成長させる時間です。
 それがわかっている女性が、「あげまん」ということです。

孤独が寂しいのは、あなたが「弱者」だから

 千田さんは、独りぼっちでいることが寂しいと感じる理由は「弱者」である証拠だと指摘します。

 つい数千年前までは、弱者は強者の気分次第でいとも簡単に殺されていた存在だ。
 今は弱者も堂々と自分の意見を述べられるし、それどころか勘違いして強者に向かって楯突(たてつ)くくらいだ。
 弱者にとっては実に素晴らしい時代になったと感謝すべきだが、それでも弱者は未熟であることには変わりがない。
 強者が架空の敵をつくってやると、面白いように弱者が群がってきて一致団結し始める。これはネット上でも現実社会でも同じだ。
 とにかく弱者はお手軽にコントロールしやすいのだ。
 ここを見事に突いたビジネスも存在し、暴利を貪(むさぼ)ることができている。
 弱者は非力で寂しいから、いつも群がっては団結して「エイエイオー!」と叫びたくてたまらない本能があるのだ。
 もしあなたが弱者である自覚があるのなら、確実に弱者から卒業できるだろう。なぜなら、弱者は自分が弱者であることを認めたがらないのが最大の特徴だからである。
 弱者から強者への道を歩むためには、自分が弱者と認めることからスタートするのだ。
 弱者から強者への階段を上がるためには、今いる場所で輝くことだ。
 今いる場所で輝くことが、強者になる最短コースだ。
 もし今いる場所でどうしても輝けないのならば、今いる場所を飛び出すことだ。
 そして自分が輝ける場所で勝負することだ。
 自分が輝ける場所とは、あなたの憧れの場所でも社会的に認められる場所でもない。他人の半分の努力で倍以上の成果をあげられる場所こそが、あなたの輝ける場所だ。
 これまでの自分の人生を振り返って、楽々勝てそうな場所を命がけで思い出すことだ。
 そして楽々勝てそうな場所で、とことん勝ち続けることだ。
 そうすればあなたは必ず強者になって、群がることに耐えられなくなるはずだ。
 あなたも強者になれば一瞬でわかるが、弱者に群がられるのは苦痛なのだ。

 『友だちをつくるな』 PART5 より 千田琢哉:著 PHP研究所:刊

 群れるのが好きなのは、「弱者」の証です。
 ただ、周りがみんな弱者なので、自分が弱者だと気づかないことが多いもの。
 弱者を抜け出すためには、群れから抜け出す必要があります。

 群れたい衝動を抑えて、周りに有無を言わせない、圧倒的存在を目指すこと。
 その勇気を持つことが、自立した「強者」になるための第一歩です。

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 孤独を愛し、孤高に輝くと、人生はバラ色に変わります。
 とはいっても、いきなりいつも独りで行動しようとするのは、抵抗が強いですね。

 そのような人のために、千田さんは、まず「独りランチ」から始めることを勧めています。
 いつも群れて行動している人には、独りで食事をするだけで、新鮮な感じがします。

 誰にも気兼ねなく、好きなことができる。
 一度、その伸び伸びとした開放感を味わうと、もう“群れ”には戻れなくなります。

 最高の友だちは、「自分自身」です。
 自分を犠牲にしてまで付き合う友だちは、必要ありません。
 自分を磨き、輝かせるための「友だちをつくらない」生き方、ぜひ、実践したいですね。

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