本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『「自分軸」のつくり方』(井内由佳)

 お薦めの本の紹介です。
 井内由佳さんの『嫉妬されるほど幸せな人が持っている「自分軸」のつくり方』です。

 井内由佳(いうち・ゆか)さんは、自動車販売会社の経営者です。
 25歳のときに神さまからの“お告げ”が降りるようになり、以後、さまざまな人々の人生相談に応じられています。

「自分軸」を持ち、強く、美しく生きる方法

「いくつになってもずっと愛されて、しあわせであり続けたい」
 誰もがそう願っています。

 井内さんは、進化を美しく遂げることができれば、ずっと愛され、しあわせであり続けることができると述べています。

 進化するということは、「自分軸」ができあがるということです。
 自分軸とは、ものごとを判断するときに、その基準となるもののこと。
 自分軸を持つと、柳のようにしなやかに、決して人に流されずに対応できるようになります。

 本書は、神さまから教わった、しわわせであり続けるための生き方についてまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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悩みに向き合うのは、「今の心の状態を知る」こと

 どんな人でも、悩みの一つや二つはあるものです。
 ただ、人によってその悩みの受けとり方が大きく違います。

 悩みに押しつぶされそうになる人と平気な顔で乗り切る人。
 その違いは、どこにあるのでしょうか。

 悩みの種類を大きく分けると、「困っていること」と、「願いが叶わないこと」の二つがあります。この二つが解決されれば悩みはなくなります。
「悩み」は、自分と向き合ってほしいから、手を替え、品を替え、何度もあなたにアプローチしてきます。なぜなら、人の悩みは同じことの繰り返しだからです。
 神さまから教わったことは、悩みが生じるのは、「悩み」が「わたしの気持ちを考えてよ〜」とあなたに訴えていることなのだそうです。
 悩みの気持ちとは、悩みが生じた原因です。自分が抱えている悩みを重く苦しいものにとらえがちな人は、悩みの原因を知ろうとしないで、いかに対処するか、どうやってこの場を凌(しの)ぐかばかりを考えるので、解決できません。

 悩みが生じてきたら、どう対処するかではなくて、正面から向き合って悩みとコミュニケーションをとり、「悩みの気持ち」を知ることが大切なのです。
 人の体も、不調で痛かったり、かゆかったりする場合、まず、その原因、つまり病気を調べてから治療・投薬をしますよね。それと同じです。

 そもそも、神さまは、人間から悩みを打ち明けられて、「神さま助けてください!」と懇願されても「はい、わかりました」と言ってお力を発揮してくださることはありません。そんなことをしていたら、世の中に悪がはびこり、人間界の秩序が保てなくなってしまうからです。
 だって、つねに人の気持ちを慮(おもんばか)って生きてきた人と、自分のことばかり考えて人の気持ちを踏みにじって生きてきた人に同じように悩みが生じたとき、神さまに祈って等しくお力を頂いて救われたなら、人の気持ちを踏みにじって自分勝手なことばかりしてきた人にとっては、とても都合のいい神さまということになってしまいますね。

 神さまは、いつも平等です。
 それは、人の「心」に対して平等だということなのです。でも、世の中の多くの人は、神さまというのは、「人間」に対して誰しもに平等に接すると思い込んでいる人が多いのですが、そんなことはありません。

 人の悩みと心の状態はいつも釣り合いがとれています。ですから、悩みが生じた原因を考え、自分の心のありようのいけなかった部分を見つけて改め、心の状態が変わってくれば、いまの悩みと釣り合いがとれなくなり、悩みが消えていくのです。

 悩みが生じたら、自分の心の状態を変えることを考えましょう。そうすれば、ちゃんと解決するのです。

 『「自分軸」のつくり方』 第1章 より 井内由佳:著 廣済堂出版:刊

 悩みは、自分の心の持ちように問題があるときに生じるもの。
 その場限りの対処をしても、根本の心の持ちようが変わらなければ、何度でも繰り返されます。

 自分自身と向き合い、正面から悩みとぶつかる。
 それ以外に、悩みを解決する方法はないということですね。

「事実」と「自覚」は違う

 神さまが井内さんにおっしゃる言葉の一つに、「事実と自覚は違う」というものがあります。

 知性のある人は、だいたい自分は知性があるとは思っていないことが多いようです。ですから自分に知性があるなどとアピールもしませんし、知識や持論を長く話すこともありません。
 その一方で、相手の知りたいことを察する力も持っています。ですから、聞かれたら答えるけれど、聞かれもしないことを話すことはほとんどありません。
 でも、事実は別として、自分のことを「知性がある」と思い込んでいる人は、どうしても人にもそれを認めてほしいと思う気持ちが強く、知っていること、最近覚えたことを披露したがる傾向があります。

 たとえば、北欧の食器を求めようと思い、お店に見に行ったとします。ゆっくりいろいろな商品を見たいのに、北欧の食器についての歴史にはじまり、工法、店舗展開など、いろいろなことを畳みかけるように話す店員さんがいたら、「ゆっくり見させてくれないかしら」と思ってしまいますよね。
 しかも、相手は、当然そんなことは知らないだろうという前提で話してきますが、その商品に興味がある客というのは、なまじっか、そこの店員さんより知識があることが多いのです。
 そういうこともわからず、失礼なことをしているという自覚がないまま、「自分はいろいろなことを教えてあげて、顧客満足度の高い接客をしている」と思っている人が多いのです。
「自分はまだまだものを知らない、だから知りたい、教えてください」そういった謙虚な気持ちが、相手を和ませたり、ほっとさせたり、嬉しがらせたりするのです。

 人は、自分の話を聞いてくれる人、認めてくれる人が好きです。だから、そういう場所に行きたいし、そういう人と一緒にいたいし、そういう人にお金を払いたいのです。
 知性があるということと、知識があるということは違います。
 どんなに知識があっても、それをひけらかす人には知性は感じられません。知性には上品さがつきものなのです。
 そして、どんなにすごいたくさんの知識を持っている人でも、世の中のすべてのことからすれば、それはほんのひと握りです。世の中には膨大な「事実」が存在しているのですから。

 自分が知っていることはわずかで「自分はまだまだものを知らない」と謙虚に悟れることこそが知性なのだと、神さまはおっしゃるのです。

 『「自分軸」のつくり方』 第2章 より 井内由佳:著 廣済堂出版:刊

 偉大な哲学者、ソクラテスの有名なエピソード「無知の知」に通じる話です。
 その分野に通じ、一流といわれる人ほど謙虚な姿勢を崩しません。

 溜めこんだ知識をあえて表に出さず、あえて内に秘めたままにする。
 それが知性が漂う上品な人になるための秘訣ですね。

自分に自信のある人は、心にもないことを言わない

 井内さんは、この世の中で誰にでもあてはまるすばらしい生き方とは、『自分を信じて、人の気持ちを慮(おもんばか)る』ということだけだと述べています。

「自分を信じる」とは、自立して、自分主体で生きるということです。
「自分主体で生きる」ということは、自分中心に生きるということではありません。人に惑わされず、人をあてにせず、人の目を気にせずに生きるということです。人をあてにせず、自分だけをあてにして生きていたら、自分で責任を取らざるを得ないので、人のせいにも、時代のせいにも、世間のせいにもしないですみます。

 神さまは、「うまくいかなかったとき、誰かのせいにしたら、その次も失敗する。そして、うまくいかないときは自分の努力不足。うまくいったときは支えてくれた人たちのおかげと思えるようになってきたら、成功への扉を開けたことになる」と教えてくださいました。

 わたしは、自分を信じるためにも、かわいいと思わないものを、「かわいい」と言ったり、素敵でないものを「素敵」と言ったりするような、心にもないことは言わないようにしています。そうすれば、いつも自分の気持ちを明確にできるからです。
 これに加えて神さまから教わったことが、さらにわたしに強くそう決意させるようになりました。
「思っていることと、していること、言っていることが違う生き方をしていると、願っていることと違う結果になる」というお言葉です。

 これを初めて聞いたとき、はっとしました。
 思っていることをすべて口にしなさいということではありません。そんなことをしたら、人間関係がめちゃくちゃになります。そうではなくて、「思っていないことは言うな」という意味です。
 思っていないことを次々と口にして、自分を欺(あざむ)くような生き方をしていると、いつのまにか自分を信じられなくなってしまうのだそうです。

 この神さまの教えには、とてもうならされました。

 『「自分軸」のつくり方』 第3章 より 井内由佳:著 廣済堂出版:刊

 自分主体で生きることは、すべて自分の判断で考え、行動するということ。
 当然、責任も自分自身が負うことになります。

 人のせいにしない。
 思ってもいないことを言わない。

 心に留めておきたい言葉ですね。

「きちんと」「丁寧に」「けじめを持つ」が“大人の品格”

 素敵な人、仕事ができる人には、共通点があります。
 それは、何ごとにも『「きちんと」していて、「丁寧」で、「けじめ」を持っている』ことです。

 わたしは、神さまから、仕事をお願いする相手は「きちんと」していて「丁寧」で「けじめ」のある人がいいと随分前から教わっていたので、いつもそこを見てしまいます。もちろん、技術がいいというのはあたりまえですが、ある一定の時間を二人で過ごすのですから、やはりきちんとして、一緒にいて居心地のいい人がいいなと思うのです。
 そのうえお二人とも、その時間中にいろいろ相談してきたり、「こんなとき、神さまは何とおっしゃるのですか?」などと聞いてきたりすることもありません。
 一度もお会いしたこともない人が、フェイスブックや手紙などでいきなり相談してくることが多い中、お二人はそういう「けじめ」をきちんとつけてくれているので、わたしもリラックスできるのです。
 仕事運というのは、金運です。仕事がうまく行きはじめると、まず仕事運がアップします。するとそれに連動するように、金運がアップしていくのです。
 いま、仕事運がないなと感じている人は、転職をしようかとか、資格をとろうかとか、そんなややこしくて難しいことを考える前に、いまの生き方が「きちんと」して「丁寧」であるかどうかを振り返ってみてください。そして、思いあたるところがあったら、そこをちょっと変えてみてください。何かが変わってくるはずです。
 そして、もしなんだか人間関係がうまくいっていないなと感じたら「けじめ」をつけていたかどうかを振り返ってみてください。

「けじめ」がついている人は、目上の人に対して敬意を持って接しますし、時間や場所、場面を考えての立ち居振る舞いができます。そして、ずうずうしいことを考えることもありませんから、自ずと品格がついてきます。

「大人に必要なものは、品格とけじめ」だと神さまはおっしゃいます。若いうちは、素直で正直で人に優しければ、品格がなくても、けじめがなくても許されますが、大人になると一目置いてもらえなくなります。

 素敵な大人の女性であるためには、「きちんと」「丁寧に」、そして「けじめをつける」ということがとても大切な要素なのです。

 『「自分軸」のつくり方』 第4章 より 井内由佳:著 廣済堂出版:刊

 人から信頼され、好感を持たれるには、相手に迷惑をかけない心がけが大切です。
 その基本となるのが、「きちんと」「丁寧に」「けじめをつける」です。
 頭の片隅に置いて、つねに意識しておきたいですね。

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 井内さんは、幸せになるためのぶれない「自分軸」というのは、持とうと思いさえすれば、誰でも持つことができるとおっしゃっています。

 自分と正面から向き合い、自分自身を知ることで、しっかりした軸になっていきます。
 自分軸は、「なりたい自分」になるための指針です。
 自分軸がはっきりして強固な人ほど、迷いなく自身を持って、自分の人生を突き進めます。

 私たちも、本書にある、神さまからのお言葉を胸に刻み、ぶれない「自分軸」を持った素敵な人を目指したいですね。

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