【書評】『直感のみがき方・使い方』(上地一美)
お薦めの本の紹介です。
上地一美さんの『直感のみがき方・使い方』です。
上地一美(うえち・かずみ)さんは、霊能者です。
テレビ番組にレギュラー出演をきっかけに注目を集められ、未来が見える『未来鑑定士』として評判の方です。
“魂の声”を聞くということ
直感とは、自分の魂が送ってくる一定の周波数のメッセージを脳が瞬時に感じ取る感覚
のこと。
私たちの心の奥底から届けられる“内なる声”を受け取る能力です。
では、“内なる声”は、どこから発せられ、どのように受け取るのでしょうか。
私たちの意識は、大きく「顕在意識」、「潜在意識」、そして「魂意識」の三つに分かれています。
顕在意識は、自分たちで認識することのできる意識のことです。
潜在意識は、自覚はできないけれども、私たちの言動に大きく影響している「無自覚的な意識」のことです。
そして魂意識。顕在意識、潜在意識は知っていたけれど、これは初めて聞いた、という方も多いかもしれませんね。
魂意識とは、深い深い海の底に、ひっそりと、しかし確かに存在している意識です。
深海ですから、海面からはまったく見えませんし、当然、自覚することもできません。でも、この魂意識こそが私たちの運命を形作っている、といってもいいでしょう。
なかなかうまく説明しづらいのですが、魂意識は、いうなれば人知を超えた宇宙の叡智、そのものを内包している意識なのです。魂意識は、つねに潜在意識をチャンネルとして顕在意識に働きかけ、メッセージを送っています。たいていの場合、それはふわっとしたメッセージであり、明らかな声として聞こえるものではありません。
そのとき顕在意識では、「直感」がはたらきます。直感は潜在意識にある膨大な情報に検索をかけ、魂から届けられた大切な情報を瞬時に取り出します。
この検索機能を高めること。これが、すなわち「直感」をみがく――魂のメッセージという「内なる声」を、はっきりとらえられるようにする、ということなのです。
ちょうど私たちが日々、インターネット検索によって、ウェブ空間にある膨大な情報から、自分にとってより有益な情報を得ようとしているのと同じように。『直感のみがき方・使い方』 はじめに より 上地一美:著 学研パブリッシング:刊
上地さんは、魂意識から届けられるメッセージは、一つの例外もなく、私たちに必要であり、重大な意味のあるもの
だと述べています。
直感が働かない人はいません。
ただ、使われずにいたために、機能していないだけ。
直感は、誰にでも利用でき、鍛えれば鍛えるほど役に立つ能力です。
本書は、直感をみがき、「内なる声」をとらえて人生に活かすための方法をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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「何度も押し寄せるもの」に意識を向ける
直感とは、「魂からのメッセージ」です。
上地さんは、魂は、砂浜に繰り返し押し寄せるさざ波のように、日々、絶えずメッセージを送って
いると述べています。
一つひとつの波は小さいのですが、魂は、決してメッセージを取り下げることはありません。何かを伝えるために、あらゆる手を使い、あなたが気づくまで何度も、何度も、メッセージを送ります。
わかりやすい例を挙げますね。
「ここのところ、何か調子が悪い・・・・」という状況が続いていたとしましょう。
これも、魂からのメッセージです。自分の意識だけでなく、体にまで働きかけて、“疲れているみたい”“休んで”と、メッセージを送っているのです。
この魂の声を無視して健康を顧(かえり)みず、無理を続ければ、やがて過労で倒れたり、命にかかわるような病気になったりするでしょう。そうなれば、否(いや)が応(おう)でも休まざるを得ませんよね。
魂は、決してメッセージを取り下げない――何がなんでも大事なことを伝えるために、こんな“強硬策”を取ることもあるのです。
私が個人鑑定をするときも、相談者の方の意識に押し寄せている、さざ波をとらえることから始まります。
相談者自身ははっきりと気づいていませんが、その方の魂は、絶えずメッセージを送っているのです。そこで私が代わりに波をとらえ、いろいろな雑物を取りのぞいてから相談者さまにお伝えする・・・・そんなイメージです。一事が万事で、魂は、自分の人生において重要なことを伝えるために、辛抱強くメッセージを送り続けています。
ただ、そうしたときに送られてくるのは、ともすれば見過ごしてしまいそうな、ほんのささやかな感覚です。それを直観で受け取ったときに、雷で打たれたかのような衝撃をともなうわけでもありません。
前にもお伝えしたように、魂のメッセージはさざ波のようなもの――ただ当たり前のものとして寄せては返す波のように、静かに、淡々と、ザザーッと訪れては消える、その感覚を、逃さずに受け取ることが大切です。『直感のみがき方・使い方』 第一章 より 上地一美:著 学研パブリッシング:刊
私たちの魂は、絶えずメッセージを送っています。
「直感がない」というのは、受け取る側の私たちの準備が整っていないだけのことです。
心のアンテナの感度を上げ、外部の雑音を遮断して心静かな状態つくる。
そうすれば、魂からのメッセージを聞き取ることができるということです。
直感に従えないのは、「恐れ」のせいかもしれない
直感に従って「こうしたいな」と思ったけれど、一歩を踏み出せない。
それは、「恐れ」の裏返しであることが大半です。
新しいことに挑戦しようというときに、人には二つの「トウソウ本能」が働くと思います。
一つは闘争本能――「よし、やってみよう」という前向きな気持ち、そしてもう一つが逃走本能――「怖いから、逃げよう」という後ろ向きな気持ちです。
逃走本能が働くときは、たいてい、逃げようとする自分が美化されます。
「今の仕事に責任があるから」「お世話になっているあの人たちに、迷惑をかけるわけにはいかないから」などと、本当は怖いから逃げようとしている自分の姿を書き換えてしまうのです。
でも、ここは恐れがあっても、最初に感じた「こうしたいな」「やってみたいな」に従ってみてください。そのワクワク感、ウキウキ感こそが、直感でとらえた魂のメッセージであり、人生を切り開くカギになるからです。きっと、新しい挑戦には困難もあることでしょう。
なぜなら、人生、簡単にクリアできることばかりでは、魂は成長できないからです。
魂が書いている人生のシナリオは、そう平坦ではありません。
でも、大丈夫です。魂は、自分にクリアできないような問題は与えません。
ちょっと難しいところもあるけれど、必ず自分でクリアできる。そのたびに大きく成長できる――魂は、そんなシナリオを書いているのだと信じることです。
そして、ちょっとくらいつまずいても、最初のワクワク感、ウキウキ感を忘れずに、続けてください。
人生は何度でもやり直すことができます。
魂が次にメッセージを送ってきたときに、またそれに従えばいいだけのこと。
やり直すことに、罪悪感も羞恥心も、もつ必要はありません。プライドが傷つけられたと思うことも、ありません。
挑戦してうまくいかなかったとしても、すべては失敗ではなく、経験です。そしてあなたが経験することに何一つ無駄はなく、大きく役立つときが、必ず訪れます。
つまり、もとより何も恐れることはない、ということ。勇気を持って闘争本能を掻(か)き立て、魂の望む方向へと人生の舵を切りましょう。『直感のみがき方・使い方』 第二章 より 上地一美:著 学研パブリッシング:刊
心では「やってみたい」と感じても、頭では「やめておけ」とブレーキをかけることはあります。
そして、考えれば考えるほど、理性の歯止めは強くなってしまいます。
頭の創り出す恐怖に負けず、いかに最初のワクワク感を信じることができるか。
直感を上手に活かすためのポイントですね。
経験は一つ残らず、「潜在意識の戸棚」にしまわれる
上地さんは、人生に失敗などなく、すべては経験
だと述べています。
どんなことでも潜在意識に経験として蓄積され
るからです。
直感に従ったといっても、何も経験のないことをいきなり始めたり、何の計画もなしに知らない世界に飛び込んだりすれば、それは壁にぶちあたって当然でしょう。
直感に従うと、いきなりすべてが好転し始めるわけではありません。直感をどう「料理」するかは自分次第。潜在意識には善悪の価値観がないので、自分がよしとすれば、それは「いい経験」として蓄積されます。
潜在意識には、大きな棚があるとイメージしてみてください。
そこに蓄積された一つひとつの経験は、人生のしかるべきときに取り出され、有効に使われます。
いわば潜在意識は、あなたの身に起こるすべての出来事を、いつか使えるときのために、大切にファイリング保管をしているのです。
ですから、あなたの人生には、一つの無駄もありません。
というより、あなた自身が、「自分の人生には何の無駄もなく、すべてが将来に役立つ経験なんだ」ととらえる。何が起こっても、「これは魂が、“これを経験しなさい”といっているんだ」と信じる。そうすることで、潜在意識にプラスの経験を蓄積することができる、といったほうが正しいかもしれません。
目の前のことを、すぐにプラスに転換することが難しければ、こうしましょう。
ちょうど心のなかに「保留」の引き出しを作っておいて、プラスに変換しにくいことは、とりあえずそこに入れておくというイメージです。そうすれば少なくとも、マイナスとして潜在意識に蓄積されることは避けることができるでしょう。
すると魂は、その出来事を自然とプラスの方向へと使い始めます。『直感のみがき方・使い方』 第三章 より 上地一美:著 学研パブリッシング:刊
何度か直感に従って行動して、思ったような結果が出なかった。
だからといって、「直感はあてにならない」と決めつけるのはもったいないです。
直感も、他の能力同様、使えば使うほど高められます。
何が起こっても、「これは魂が、“これを経験しなさい”といっているんだ」と信じること。
それが、直感をみがく大きなポイントです。
直感で「人」を見極める
潜在意識をクリアに心を平らかにして、直感で人を見るようにする。
すると、本当に自分と相性のいい人を見極めていくことができます。
前提となるのが、周囲の評判には惑わされないようにすること
です。
たとえば、あなたと知り合って間もない人がいたとしましょう。
その人と一緒にいると居心地がいいし、安心感もあるから、いい関係を築けそう。自分ではそう思っていた矢先に、その人について、悪い評判を耳にしたとしたら・・・・あなたは、どう考えるでしょうか。
人は、意外と人の話に惑わされやすいものです。
ても、そんなときこそ、周囲の評判に流されず、自分の目で人を見ることができたら、魂と魂でつながりあえる友人とも、出会いやすくなるでしょう。「そう? 私には、そんな人には見えないけどな」などといえる勇気をもちたいものですね。
何より、こういう姿勢でいると、その評判を立てられた人があなたに感謝し、信頼を寄せるようになります。つまり自分の目で人を見ていると、それだけ強固な人間関係を築くチャンスも増えるということです。私にも、似たようなことがありました。
あるきっかけで宮古島に引っ越してきた人と仲良くなったのですが、ほどなくして、その人のことを悪くいってきた人がいました。
でも、私の目には、そんな人には映らなかったので、「あなたはそんなふうに思うのでしょうが、私は私の目で見ておつきあいします」と答えました。
すると、ひょんなことでその話を知ったのでしょう、その人が「一美さんだけが態度を変えないでいてくれた」「そんなふうにいってもらったのは、一美さんが初めてです」といってきたのです。
大したことをしたつもりはありませんでしたが、以来、その人との関係はより近くなり、事務などの手伝いをしてもらうほどになりました。今では、私になくてはならない、大切な仕事の仲間です。
もし、あのとき私がその話に流されて距離をとってしまっていたら、何でも信頼して任せられる人を、みすみす逃すことになっていたでしょう。
もちろん、世の中、こんなケースばかりではありません。
よからぬ評判が流れてきて、「私も気をつけたほうがいいかな」と感じることもあるかもしれません。あるいは、いい評判ばかり聞くけれど、自分では、一緒にいて何か引っ掛かりを感じたり、居心地が悪かったりする人もいるはずです。
直感がそのようにとらえたのですから、これは、魂からの警告です。少し距離をとって付き合ったほうがいいでしょう。『直感のみがき方・使い方』 第五章 より 上地一美:著 学研パブリッシング:刊
人のうわさ話や評判は、意外といい加減で当てにならないものです。
直接、本人と会って話してみると、イメージがまったく違って驚くこともしばしばですね。
すべての出会いには、何らかの意味があります。
それを正確に受け取るためにも、直感を信じて、自分自身で判断したいものです。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
上地さんは、魂は絶対的にあなたの味方であり、魂意識から送られてくるメッセージは、すべて、あなたがよりよく生きたるためのヒント
だとおっしゃっています。
直感には、「気まぐれでいつやってくるかわからない、不確かなもの」というイメージを抱く人が多いです。
しかし、実際には、直感ほど確実で、頼りになるアドバイスは他にありません。
しかも、魂から絶え間なく送られ、私たちが耳を傾ければ、いつでも聞くことができます。
直感は、誰もが持っている能力です。
使えば使うほど鍛えられますし、その恩恵を受けることができます。
私たちも、魂からのメッセージを聞き取り、穏やかで幸せな人生を送りたいものですね。
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