本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『エリートの最強コンディショニング』(上野啓樹)

 お薦めの本の紹介です。
 上野啓樹さんの『40歳からはカラダで差がつく! エリートの最強コンディショニング』です。

 上野啓樹(うえの・けいじゅ)さんは、ライフスタイルコンサルタントです。
 試行錯誤の末、「運動なし、カロリー計算なし、リバウンドなし」の独自のダイエット・プログラムを確立されています。

健康こそが、40代の仕事のデキを分ける!

 40歳を過ぎても、最前線でバリバリと仕事をしている人たち。
 歳を感じさせないパフォーマンスを見せる彼らに共通していることは、「自己管理能力」の高さです。

 自己管理を徹底し、仕事の効率を上げることは、いつもバタバタだった生活に余裕が生みます。

 サッカーの長谷部誠選手が日本代表のキャプテンを務め、元気にドイツで活躍できているのも、徹底した自己管理と自分自身を俯瞰する力があるからではないでしょうか? 電気をつけたまま寝たことがなく夜更かしもしない、普段から自分自身で寝る1時間前からリラックスしていい睡眠ができるよう、夜の時間をマネージメントしているそうです。
 普段から夜更かしをしている人が、いざ試合前にしっかり寝ようと思ってもできません。試合前でも試合前でなくても、いつもどおりのよい睡眠ができる人ならば、力を充分、発揮できますよね。1週間、2週間の付け焼き刃ではなく、1年、10年の単位で「睡眠は投資」と考えることで、本当の健康が手に入るのです。
 自分を管理するから時間を支配できるようになり、時間を支配するから効率が良くなり、スムーズに事が進みます。それによって、仕事が充実し、さらにプライベートも輝いていきます。公私ともに充実していれば、生きている実感が強くなり自信が湧いてきますよね。
 生きている実感が得られれば、より自分を大切にするようになり、無駄食いや体に悪いものを摂取しなくなります。体が変化してくると、自然と体を鍛えたくなり、必然的に健康になるのです。僕の生徒さんで、人と話すのも苦手な男性がいましたが、アカデミーでダイエットに成功したときに、自己管理ができた自分に自信がつき、ただ痩せるという短期の目標だけではなく、人生設計まで考えられるようになりました。
 40歳を過ぎてからは、健康を第一に考えて自己管理をして、自己管理をすることで体も心もいい状態になる。そんな循環を作りだすことで毎日が輝きはじめるのです。

 『エリートの最強コンディショニング』 序章 より 上野啓樹:著 マガジンハウス:刊

「無事これ名馬」という言葉もあります。
 心と体のコンディションを整えることは、現代社会では必須の能力のひとつです。

 本書は、上野さん自身が体験し、試行錯誤しながら導き出した、誰にもできる自己管理法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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シャワーをやめ、入浴する習慣をつける

 睡眠の質を上げ、その日溜まった疲れを落とすためにすべきこと。
 それは、「夜、寝る前にお風呂に浸かる」ことです。

 お湯に浸かることで、筋肉がほぐれ、体の体温が上がります。体全体を温めることによって血液が全身くまなく循環します。シャワーは体の表面だけを温めるだけで、よっぽど長い時間、シャワーを浴びない限り、血液は循環しません。血液循環が促進されれば、酸素が体中に行き渡り、余分な老廃物が排泄されるので、疲れは自然にとれていきます。そしてお湯に浸かることで、浮力や水の圧迫によって下半身にたまった血液を心臓へと循環させてくれますから、むくみも解消します。歩き回る営業職や立ち仕事の多い人には特に有効なのです。
 そして暑い夏こそ、毎日、浸かってほしいのです。「暑いときに風呂なんて浸かれるか!」と憤慨されるかもしれませんが、体は思った以上に冷房で冷えています。外との気温差で夏ばてしたり、風邪をひく人も多いのが夏。冬以上に気を抜いているせいかもしれません。
 お風呂の効用は疲れや冷えがとれるだけではなく、睡眠を誘う働きがあります。眠れない人は、ちゃんと入浴をしていない人かもしれません。お湯に浸かって上がった体温は、一時的に上がりますが、1時間後にはゆるやかに下がってきます。その下がっている時こそ、体がリラックスしている時間。この時間を逃さず眠れば、ぐっすり眠ることができます。できれば、電気は消してお風呂に入ってください。脱衣所の電気をつけておくくらいでいいのです。もちろん出た後の部屋も間接照明くらいにしておきましょう。暗くすると、脳は「そろそろ寝る準備だな」と認識してくれるからです。

 『エリートの最強コンディショニング』 第1章 より 上野啓樹:著 マガジンハウス:刊

 仕事が忙しくて帰りの時間が遅いと、つい、シャワーですましてしまう人も多いでしょう。
 シャワーでも汗や汚れは落とせますが、疲れまでは落としてくれません。

 しっかり湯船に使って、体を温めること。
 それが、翌日に疲れを残さないための秘訣です。

食品は必ず手にとり裏を見てから買え

 病気のリスクを減らすのに重要になるのが、「食べ物」です。
 普段の食事は、「量より質」を心がけることがポイントになります。

 安いものには裏があります。値段を抑えるために、さまざまな添加物が使われている可能性があります。試しに何かのスイーツをひっくり返して成分表を見てください。牛乳、卵、砂糖などの材料の3倍くらい文字量で添加物がズラリと並んではいませんか? 食べたい時は、できるだけ添加物が少ないものを選びましょう。
 では、外食ならいいのか? と、レストランに行けば、これまた危険なのです。特に安いチェーンのレストランや居酒屋は気をつけたほうがいいのです。まず、お代わり自由のコーヒー。せっかくなら、何杯も飲みたくなりますよね?
 たくさん飲めば元が取れると、ついつい注いでもらってしまいます。しかし、実は食品添加物のリン酸塩が増量剤として混ぜられ、体内のカルシウムと結合してカルシウムを排出してしまう働きがあるので、飲みすぎには注意が必要です。そもそも体を乾燥させてしまうカフェインはダメですと忠告しましたが、どうしても飲みたいのであれば、せめてコーヒー専門店で目の前で入れてくれたコーヒーを飲むようにしてください。それなら、添加物は入っていないでしょう。
 もう売られている加工品には添加物が入っていないものはないくらい、さまざまな添加物が入っています。一説には、私たちが普通に暮らしていてとる添加物は1年間で約4キロ、レトルト食品をよく摂取する人なら11キロにもなるそうです。
 安いレストランや居酒屋でもうひとつ、注意してほしいのが肉。たまたま出張先でメニューを見たら、ご丁寧に「成型肉のステーキ」と書いてあったので、ずいぶんと良心的なレストランだと笑ってしまいました。普通は書いてくれないですよね。
 成型肉とは、廃棄するようなくず肉や内蔵の肉を軟化剤を使って柔らかくし、リン酸ナトリウム、増粘剤などの食品添加物などが使われた結着剤で固めたものなのです。さらに添加物を使って液状にした牛脂を赤身に注射して、霜降りっぽく加工することも。食べ放題の焼肉店などの多くはこの成型肉が使われている考えていいでしょう。
 まだまだあります。具体的に挙げると、レトルトカレー、肉まん、唐揚げの肉、インスタントラーメン、ソーセージ、ハム、ネギトロ、養殖サーモン、菓子パン、マーガリン、ジャム、カット野菜、缶詰みかん・・・・・などです。
 どうでしょう? 怖くて何も食べられなくなってしまったかもしれませんが、私たちは、生活の中で添加物を全て避けることは難しいのです。けれども、できるだけ取らないように気をつけるだけで、大幅に減らすことはできます。あらゆる病気の素になる添加物、気付いたときには遅かった・・・・・と後悔しないように、いつも注意を払っていたいですね。

●添加物を減らす10か条

  1. 外食を減らし自炊する
  2. 外食するならチェーンより専門店へ
  3. 買うときは成分表を見る
  4. サラダ、おにぎり、弁当、ハンバーガーなどは、できるだけ専門店で買う
  5. 添加物が気になったら調べる
  6. お代わりができるチェーンのコーヒーは避ける
  7. 安い肉や野菜は添加物や農薬が多い可能性がある。なるべく専門店で買う
  8. カット野菜よりもカット前の野菜を買う
  9. 食べ放題の焼肉屋に3回行くなら、高い焼肉屋に1回行こう
  10. レトルト食品は買わない

 『エリートの最強コンディショニング』 第2章 より 上野啓樹:著 マガジンハウス:刊

 市販されている食品のほとんどに入っている添加物。
 それらは賞味期限を伸ばしたり、見た目をよくしたりするためだけに使われることがほとんどです。

 体にとって害はあれども、いいことはありません。
 ふだんの食事から、添加物を極力摂らないよう心がけることが大切ですね。

「朝5時起き」で、1日の使い方をイメージせよ

「早起きは三文の得」という言葉があります。
 日中のパフォーマンスを上げるのにも、早起きは大きな効果がもたらします。

 成功者はみんな早起きをしています。古くはモーツァルトやベートーヴェン、織田信長は朝の4時、信長に仕えていた頃の豊臣秀吉は朝3時には起きていたといいますから戦国武将たちも早起きですね。最近ではオバマ大統領夫妻が早起きで有名ですが、マーガレット・サッチャー元首相も毎朝5時に起きて、一日の計画を立てていたそうです。
 日本の経営者も負けてはいません。「カレーハウスCoCo壱番屋」の創業者である宗次徳二氏は、「早起きは3億の得。超早起きは30億の得」と語り、朝4時半に起きて仕事をしていたそうです。
 なぜ早起きがいいのでしょうか? ひとつには、朝のクリアな空気と太陽の光は脳を活性化させる働きがあります。眠った体を自然に起こす力が朝にはあるのです。朝の静かな時間は、電話もかかってこないですし、誰にも邪魔されず、集中して仕事ができると多くの早起き経営者が答えています。それに、とりあえず、着替えて顔を洗ってバタバタと出勤する人と比べて、余裕を持って一日の計画を立ててから仕事に取り掛かれるのです。会社での責任も大きくなり、自分のための時間よりも他者のために時間を使わねばならない40代こそ、そうありたいものですよね。
 僕はかつて”宵っ張りの朝寝坊”でした。夜、早く寝てしまうなんてもったいないと、テレビを見たりゲームをしたり。けれども、早く起きる習慣をつけてから、重要な仕事のほとんどを朝一番にやるようになりました。やはり、同じ仕事をやるのでも、朝と夕方ではまるで能率が違うのです。
 いかに、起きた時の脳が活性化しているかが分かります。夜更かしばかりしている人が、いきなり早起きしても、日がな1日、ぼんやりしたままかもしれません。夜も目が冴えて眠れないかもしれませんが、1週間、続けてみてください。体内時計が戻り、朝の光で起きられるようになると、体が楽になります。

 そして、光り溢れる朝に、一日をイメージする余裕が生まれるとしめたもの。自分の時間が少なくなる40代という世代こそ、ただなんとなく「生きている」日々から、活き活きと積極的に「活きている」毎日に変えるべきでしょう。

 『エリートの最強コンディショニング』 第3章 より 上野啓樹:著 マガジンハウス:刊

 朝は、睡眠により前日の疲れがとれて、頭がもっとクリアな状態になっています。
 同じ1時間でも、朝と夜とではパフォーマンスはまったく違います。

 限られた時間を効率的に使うためにも、早起きの習慣を身につけたいですね。

成功を導く決断とは、「何かを手放すこと」

 成功するために必要なこと。
 それは、「執着しないこと」です。

 大晦日の夜、街に響く除夜の鐘。人間には108つの煩悩があるいいますが、なぜ108なのでしょう? 「眼・耳・鼻・舌・身・意」の六根にそれぞれ悩みが6つ、さらに過去、現在、未来にも悩みがあるとして、6×6×3=108つとする説と、仏教では「108」という数は「たくさんある」ことを示す数字なので、必ずしも108とは決まっていないという説があります。いずれにせよ、人間の欲には限りがないということを教えているのでしょう。
 何を持って成功するかは、その人次第ですが、僕が「成功している」と認めた人は、皆、執着しない人たちです。逆に、いつまでも成功できない人に限って、さまざまなものに執着します。地位や名誉、お金に物、昔の価値観など、しがみついて離しません。
 手放すのが恐ろしいという気持ちは分からなくはないです。僕も昔は部屋はいらない物だらけなのに捨てられず、人間関係にも古い価値観にも執着し、108どころか200〜300くらいの煩悩はあったような気がします。人は変わりたくない生き物です。しかし、役所を辞め、肩書を捨て、物を捨て、人間関係にこだわりがなくなり、いろいろ手放したことによって、新しい価値観や人間関係を築けたのです。
 執着しなくなると気持ちが楽になります。
(中略)
 映画の寅さん出てくるタコ社長はよく「不景気だ!」「大変だ!」というセリフを吐きながら団子屋にやってきます。でも、明るく元気に言うので、イヤな気分にならないのです。これが暗く重く言われたら、なんだかこちらも暗くなりますよね。「困った、困った」「疲れたなあ」「どうしよう」「やんなるなあ」という言葉をついため息とともに言ってしまう人、それなら言わないほうがいいです。明日は明日の風が吹く! そんな気分で「どうにかなるさ」「ま、いいか」を口癖に1週間、過ごしてみてください。
 勤勉で真面目な日本人には難しいかもしれませんが、「いつか死ぬ」「いつか壊れる」「いつか別れる」と考え、生きることにも物にも人にも執着せずにいれば、生きることが軽く楽になりますよ。

 『エリートの最強コンディショニング』 第4章 より 上野啓樹:著 マガジンハウス:刊

「新しい自分」に生まれ変わるには、それまでの「古い自分」を手放す必要があります。
 離れていく人や物は、すでに自分にとって役割を終えています。
 無理にしがみついても、苦しいだけで、何の得にもなりません。

「明日は明日の風が吹く」
 過去に縛られず、その日その日を新しい気持ちで過ごしたいものです。

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 人生80年とすると、40歳はちょうど折り返し点です。
 マラソンに例えると、ここからが勝負の後半戦ということになります。
 20代や30代は、多少の無理でも体はなんとか持ちこたえてくれました。
 しかし、40代はそうはいきません。
 これまで以上にコンディション気を使う必要がありますね。

 徹底した「自己管理」に、ここまで積み重ねてきた「経験」と「スキル」。
 それさえあれば、勝負どころで前を行く人をごぼう抜きすることも可能です。

 今の生活を続けていくだけでは満足できない。
 人生で、もう一勝負したい。
 そう願うすべての人にとって役立つスキルがつまった良書です。

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