本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『本音で生きる』(堀江貴文)

 お薦めの本の紹介です。
 堀江貴文さんの『本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方』です。

 堀江貴文(ほりえ・たかふみ)さん(@takapon_jp)は、実業家であり起業家です。
 元・ライブドアの代表取締役CEOで「ホリエモン」の愛称で親しまれています。
 現在は、民間でのロケット開発を行う会社のファウンダーとしてご活躍されています。

なぜ「本音を言えない」のか?

 これまでの人生を、つねに本音で生きてきた堀江さん。

「本音を言えない」
「やりたいことができない」

 そんな人たちに対し、なぜ本音を言えないのか、なぜ本音で生きられないのかのほうが、僕にはわからないと述べています。

 バンジージャンプを思い出して欲しい。
 テレビで芸人さんが、「跳べない、もう嫌だ」と言って泣き崩れているのをよく見かけるが、はっきりいってバンジージャンプは誰でもできる。ただ跳ぶだけだ。
 世の中の多くはそれと一緒。「できない」と思っているだけで、跳んでみたら誰にでもできる。むしろ、生理的な恐怖がない分、バンジージャンプより、もっと簡単にできるかもしれない。

 僕はいつも自分の考えることに対して正直でいたつもりだ。
 やりたいことにはやりたいと言うし、相手の考えが違うと思ったら「僕は違うと思う」と伝える。僕が収監されたのも、やっていないことに対して「自分がやりました」と言わなかったためで、それについてももう過去のことだと思っている。
 不器用なやり方だったのかもしれないが、後悔することはない。これからも、中途半端に生きるつもりは、まったくない。

 さて、あなたは本音で生きているだろうか。
 自分が考えたことを伝え、自分が心からやりたいことに没頭し、そして自分の心に真摯(しんし)に向き合っているだろうか。
 時間は誰にとっても有限だ。
 先のことが不安で尻込みをしているくらいなら、その場しのぎの言い訳はやめ、今すぐ一歩でも先に動いたほうがいい。
 きちんと、自分の足で人生を切り拓いていきたいのなら。
 誰かに自分の人生の決定権を渡したくないのなら。

 『本音で生きる』 はじめに より 堀江貴文:著 SBクリエイティブ:刊

 命綱を付けて崖の上から跳び下りるバンジージャンプ。
 命を落とす危険性は、限りなくゼロに近いです。

 それでも、跳び下りれない理由は、「バンジージャンプは怖い」という思い込み。
 同様に、本音で生きる、やりたいことをやる、それを妨げるのも思い込みです。

「◯◯をしたら嫌われる」
「◯◯をしたら失敗する」

 そんな根拠のない考えから逃れること。
 それが、本音で生きるための第一歩になります。

 本書は、自分の未来を自分自身の手で切り拓くためのヒントをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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本音を言って何がまずい?

「本音を言うとまずいことが起こる」というのは、ただの思い込みです。
 堀江さんは、最低限の礼儀を外さなければ、思ったことはいえばいいと強調します。

「本音を言うと人間関係が悪くなって、職場にいられなくなってしまう」
 そんな思い込みをしている人は、山ほどいる。
 そんなわけはない。今の日本に、本音を言ったくらいで解雇されるような会社はどこにも存在しない。同僚に陰口を叩かれるというのなら、相手に面と向かって「陰口を言わないでください」ときちんと言えばよいだけの話だ。
 それであなたにどんな実害があるのだろう?

 言いたいことを言うと「職場で浮いてしまう」と言う人もいる。それの何が問題だというのだろう。
 職場の仲間として認めてもらって場に馴染もうが、職場で浮いていようが、仕事にはなんの関係もない。むしろ逆で、ベタベタとした仲良しサークルのほうが僕にとっては居心地が悪い。職場では、やるべき仕事をやるだけだ。

 上司の言うことが理不尽だと言うのなら、何が理不尽なのかをきちんと指摘する。
 上司に何か言われると萎縮してしまう人もいるが、実は言い返されると面倒くさいのは上司の側だ。さらに上の上司にマネジメント能力に問題があると思われたり、部下からの信望がないことを知られたくないからだ。昨今は、ソーシャルメディアで何か言われたら自分が危ういという計算もあるのだろう。
 だから、上司に言いたいことかあるのなら、どんどん言えばいい。世間体を気にする上司なら、部下からの突き上げを食らわないように優しくなるかもしれない。経営者からすれば面倒くさいことだが、言いたいことを言った従業員をクビにするようなことは、日本の会社では非常に難しいのだ。

 なお、僕はライブドアを経営していた時は、職場の雰囲気など「自分には関係のないこと」と思っていた。
 僕が創業社長という絶対的な存在であったから、ということもあるだろうが、誰かがグダグダと仕事をしていても、結果が出ているなら問題はないし、そんな面倒なところにかかわろうとは思わなかった。そんなものなのだ。

 僕は職場の関係は「セミドライ」な関係がいいと思っている。仕事として相手には尽くすけれど、互いに寄りかからない距離が一番いい。家族的な経営など、正直、僕には気持ちが悪くなる。
「会社一丸となって同じ意識で仕事に取り組もう」なんて訴えても、複雑な話になるとわからない人はいる。方向が違っても、結果がちゃんと出れば、それでよし、だと思う。
 陰口や仲間外れは、仕事の目的に、まったく沿っていない。であれば、そんなものは無視していい。理不尽な上司でも、言われたことをやって結果が出せるのであればいいし、理不尽な上司のせいでうまくいかないのであれば、きちんと言うべきだ。躊躇(ちゅうちょ)してしまうほうがおかしい。

 『本音で生きる』 序章 より 堀江貴文:著 SBクリエイティブ:刊

 言いたいことは、正々堂々、本人の前で口にする。
 それが結局、相手や周りの人から信頼されることにつながります。

 正直に本音を言ったことで嫌われるようなら、その程度の関係だったということ。
 陰口や悪口は、本音を口にできない人の気休めでしかありません。
 言うよりも、言われる側でいたいものです。

「やり方」なんてそもそもない

 堀江さんは、才能なんて、やってみないと、自分にあるかないかなんてわからないと指摘します。
 才能も資質も、それを持っているかどうかなんて、やってみたあとでわかるものだからです。

「◯◯がやりたいのですが、やり方がわかりません。どうしたらいいでしょうか?」という質問もよくいただく。
 ネットで検索すれば、”やり方”なんてものはいくらでも出てくる。
 起業の仕方から、ギターの弾き方まで、なんでも出てくる。
 結局「やりたい」と思っていたら、「やり方」なんていくらでも見つかるのだ。明日映画を見に行こうと思ったら、映画館のサイトで上映スケジュールを確認して、行くだろう。それと同じなのだ。
「やり方がわからないからできない」なんて、これもまず、調べてから言うべきことだ。

 もっとも、僕はそもそも「やり方」なんてものはなくて、すべてが「トライアンドエラー」なのだと思っている。
 ビジネスで成功するためには、思いつく限りのことを次々とやってみるしかない。
 僕もビジネスとして小さなアイデアを次々と試し、うまくいくものだけを残すようにしていた。「トライアンドエラー」の繰り返しの上、いくつかの事業が当たった。
 結局、やり方とかセンスではなく「トライアンドエラーをどれだけ続けるか」ということだと思うのだ。

 大体「やり方がわからないからできない」と言う人ほど、「それをやるためのコツはないですか?」と聞いてくる。

 はっきりいって、そんなものは、ない。
 ただ努力すること、努力を続けること。

 僕だって、誰もができることしかやっていない。
 でも、少しでも明日が改善できるように、仕事を最適化したり、努力し続けている。
 あなたが、もし僕以上になりたかったら、僕以上の努力をしてください、としか言いようがない。
 僕だからできていることなんて、ほとんどない。結構、泥臭いやり方をしているんですよ。なんにせよ。

 『本音で生きる』 1章 より 堀江貴文:著 SBクリエイティブ:刊

 何ごとも、「誰がやっても絶対に成功する方法」というものはありません。
 誰かが考え出した成功法は、その人にだけ当てはまるというだけのもの。
 私たちがそのままマネをしてうまくいく保証はまったくないですね。

「トライアンドエラー」は時間がかるようでいて、成功への一番の近道です。
 とにかく、努力を続けること。
 ひたむきに、泥臭くいきましょう。

「プライドのないバカ」が一番強い

 本音で生きられない理由。
 その根本をたどると、「プライド」「自意識」に突き当たります。

 プライドが高い人や自意識過剰な人は、周囲を気にしすぎて動けなくなることが多いです。
 堀江さんは、結局、プライドの低いバカが、得をすることも多いと指摘します。

 たとえば、有名人であっても初対面の人であっても、誰かれ構わず声をかける人がいる。周囲から見たら、「あんな有名人にいきなり声をかけてバカじゃないか」と思うかもしれないが、その後、きっかけがあって有名人と付き合いが続いているという人もいる。

 たいていの人は、声をかけても拒否されるだけだと思っている。普通に考えれば拒否されるのは当然なのだが、それなのに、断られて自分のプライドが傷つくことを恐れている。
 しかし、プライドが低ければそれを恐れない。積極的に声をかけ、自分の希望を叶えてしまうのだ。

 ビジネスにおいても、そうだ。特別優秀でなくても、いい加減な仕事をしていても、しっかりビジネスを回している人もいる。
 バカでもビジネスを回せると聞くと驚く人もいるだろう。しかし、自分がバカだと思うなら、利口な人間にアウトソーシングすればいいだけの話だ。
「自分がバカ」であることを知っていれば、わからないことがあったら、なんの躊躇もなく人に聞くことができる。自分に知識がないことを恥じる変なプライドがないから、逆に利口な人を使ってすばやく動くことができる。
 一方、中途半端に小利口な人間は、不得意なことまで全部自分で頑張ってやろうとしてしまう。しかし、利口な人の仕事には勝てないから、大変な思いをするだけで、あまり成果が挙がらないという状況になる。
「自分がバカ」であることを知っている人は、強いのだ。

 考えてみれば、僕より上の世代の成功している起業家には、社会のはみ出し者が多かった。
 実家がすごく貧乏だったり、働き口がなかったり、社会的にマイノリティだったり。そのままでは社会のメインストリームに乗れない人達が、やらざるをえなくて起業したケースが多い。ソフトバンクの孫正義氏も、そうした起業家の一人だろう。
 他に選択肢がないから、変なプライドを捨て、実現可能性が云々といった余計なことも考えず、彼らは必死になる。最初からうまくいくことは少ないので、失敗は何度か繰り返すが、失敗から学ぶことでうまく回せる。最初は無茶でいい加減なことをしていても、会社が軌道に乗ってくれば、利口な人間が入社してくるから経営も安定してくる。それがこれまでの起業家の成功パターンだ。

 何かことをなすためには、プライドなんて余計なものは必要ない。むしろ周りにいる人がプライドが高すぎて動けないところで、「プライドがなかったからできちゃった」みたいなことはたくさんある。
 中途半端に小利口な人は、グダグダ、グダグダ考えているだけで、結局何もできない。結局、「考える」ことができるほど利口じゃないバカが、得をしているのだ。成功なんてバカでもできる。いや、バカが一番なのだ。

 『本音で生きる』 3章 より 堀江貴文:著 SBクリエイティブ:刊

 世の中には、リスクのないことなんてほとんどありません。

「もし、失敗したら」
「もし、変に思われたら」
 そう考えれば考えるほど、不安は膨らんでしまいますね。

 考えてもわからないことは、やってみる。
 とにかく、行動あるのみ。
「プライドのないバカ」になって突っ走りたいですね。

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 堀江さんは、結局世の中には「やる奴」と「やらない奴」しかいないとおっしゃっています。

 この世で最も貴重な資源は、「時間」です。
 言いたいことを言わず、やりたいことをやらないで、言い訳ばかりしている。
 そんなことで、貴重な時間は、どんどん浪費されてしまいます。

「やる奴」と「やらない奴」。
 両者を分かつのは才能ではありません。
 ほんの少しの「勇気」と「覚悟」です。

 命綱はついている。あとは崖の下に跳び込むだけ。
 堀江さんの言葉は、最後の“一歩”を踏み出すべく、私たちを力強く後押ししてくれます。

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