本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ』(鮎川史園)

 

 お薦めの本の紹介です。
 鮎川史園先生の『仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ』です。

 鮎川史園(あゆかわ・しおん)先生は、セルフ整体マスターインストラクターです。

「身体を整える」ことで仕事力をアップ!

 仕事で成果を上げるビジネスパーソンになるためには、身体のケアは必須です。
 せっかくの手に入れた知識やスキルも、身体の調子が悪ければ、真価を発揮できません。
 宝の持ち腐れになってしまいますね。

 鮎川先生は、筋肉を本来のやわらかさに戻すことで、本来の能力を発揮できるベストコンディションを維持できると指摘します。

 実は、筋肉は一度固くなってしまうと、自然に元のやわらかさに戻るということがありません。

 たとえば、長時間座り仕事をしていれば多かれ少なかれ腰痛が起こります。腰に関係する筋肉が固くなってしまい、それによって痛みが出てくるのです。この固くなった筋肉は放っておいてもやわらかくなりませんので、固くなった筋肉に合わせて姿勢が変わっていきます。猫背になり、今度は背中や首の痛み、そして肩コリになっていきます。
「年だから、筋肉が衰えて猫背になった」わけではないのです。

 その証拠に、年齢が上の人でも筋肉をゆるめると背筋がピン!とします。本来の筋肉の状態に戻しただけなので、無理に姿勢を作っているわけではなく、それがラクなのです。そして、腰痛や肩コリなどの痛みも改善されます。
「こんなに動きやすかったのか」と思うはずです。

 ですから、決してあきらめないでください。
 筋肉を本来のやわらかさに戻すメカニズムがわかれば、きっと「そういうことだったのか!」と思ってもらえると思います。

 そして今日からぜひ実践してみてください!

 『仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ』 はじめに より 鮎川史園:著 自由国民社:刊

「セルフ整体」とは、90秒間筋肉をゆるめる姿勢をとってじっとしているだけという、不思議な筋肉療法「ミオンパシー」を自分でできるようにアレンジしたものです。

 本書は、「セルフ整体」で身体を整え、仕事力を上げるための方法についてまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「筋肉が固くなる」には理由がある

 筋肉が固くなることを、「筋肉がロックする」といいます。
 筋肉には、身体を守るために固くなるという仕組みがあります。
 つまり、突然の負荷(あるいは持続的な負荷)に対して、固くなることで対応するということ。

 長時間座って仕事をしているときに、急に上司に呼ばれてパっと立ち上がったとき。座った姿勢で油断していたお腹の奥の筋肉(大腰筋)にとっては、急な負荷ですから、ガチっと固くなって身体を守ろうとします。
 この一回だけ見れば小さなロックですので、自覚症状はありません。筋肉が固くなったことには気づかず、普段どおりに生活をします。
 しかし、これが繰り返されていくと、ロックした筋肉の範囲が広がっていきます。同じ大腰筋の中でも、ロックしている部分が増えてきて、痛みの症状が出たり不調が出たりします。
(中略)
 一度固く縮んでしまった筋肉は、放っておいてもやわらかく戻ることはありません。ロックはずっと続きます。
 元のやわらかい筋肉に戻すためには、「安全だから元に戻っていいよ」と伝えなければなりません。これが、「筋肉のロック解除」です。
 どのようにするかというと、固く縮んだ筋肉を、さらに縮めてあげるのです。
 固くなった筋肉を無理に伸ばそうとすれば、「危険だ」と筋肉はさらに縮もうとします。そこで、逆に縮めてしばらくじっとするようにします。すると筋肉は安心してガードをほどき、元のやわらかい状態に戻ります。
 これを「筋肉をゆるめる」と言っています。

 『仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ』 第2章 より 鮎川史園:著 自由国民社:刊

 筋肉が固く縮んでいることで発生する痛みは、その筋肉を伸ばしても改善しません。
 つまり、ストレッチやマッサージでは、根本的な改善にはならないということです。

「筋肉のロック」の程度には、以下の5段階があります(下図1を参照)。
 

筋肉のロック の5段階 第3章P43
図1.「筋肉のロック」の5段階
(『仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ』 第3章 より抜粋)

 痛みがないから問題ない、と早合点してはいけません。
 違和感のある箇所を見つけて、早めのケアを心掛けたいですね。

「セルフ整体」の流れ

「セルフ整体」の大きな流れは、以下の通りです。

 1.固くなった筋肉を探す
 指でグリグリと押さえて、痛い・痛気持ちいい・気持ちいい・くすぐったい・何も感じないという箇所は、筋肉がロックしています。
 押さえ方のコツは、筋繊維に対して垂直の方向に指を動かすことです。
 2.違和感が消える姿勢を見つける
 押さえた強さは変えずに姿勢を変えて、違和感が消えるところを見つけます。筋肉をたるませるイメージで身体を動かすと、姿勢が見つかりやすいでしょう。
 3.90秒間姿勢をキープする
 違和感が消える姿勢が見つかったら、押さえていた手は離し、リラックスした状態で90秒間キープします。
 4.ゆるめた筋肉に力が入らないようにそっと元に戻す
 90秒経ったら、ゆっくり元の姿勢に戻します。このとき、ゆるめた筋肉に力が入らないように注意しましょう。力を入れてしまうと、せっかくゆるめた筋肉がまたロックしていまいます。パっと戻すのではなく、手を添えるなどしてそっと戻すようにします。
 5.違和感が消えていることを確認する
 最初にグリグリと押さえた箇所を同じように押さえてみて、違和感が消えていることを確認します。筋肉と対話するような感じです。
(中略)
 90秒という時間にも理由があります。90秒間筋肉をゆるめて変化がなければ、それ以上やっても変化は起こりにくいということがわかっているのです。
 筋肉によっては40秒程度で変化が起こることもあります。年齢や筋肉のロックの進み具合によって、ゆるめるための姿勢を維持する時間は多少前後しますが、90秒間がマックスということです。ですから、プロの施術者も1箇所ゆるめるのに使う時間は90秒間です。「そんなに短い時間で大丈夫だろうか?」と思われるかもしれませんが、むしろ長めにとっているわけです。
 90秒やってみて変化が感じられなければ、時間を伸ばすのではなく、別の姿勢を探したほうがいいということになります。
 変化がわかりにくい人は、左右を比べてみるといいでしょう。

 『仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ』 第3章 より 鮎川史園:著 自由国民社:刊

 コツさえつかめば、誰でも簡単にできる「セルフ整体」。
 いろいろ試してみたいですね。

「大腰筋」をゆるめる

 腰痛は、その原因が、お腹側の筋肉にあることがほとんど。
「大腰筋」という筋肉が固く縮まっているために起こることが多いです。

 大腰筋をゆるめる方法は、以下の通りです。

 大腰筋はお腹の奥のほうにあります。胸椎の12番、腰椎の1〜5番から出ている筋肉です。骨盤の前を通って太ももの内側にある小転子にくっついています。
[やり方]
①固くなった筋肉を探します。
 イスに座り、大腰筋の固くなった部分を見つけます。
 基準点の一つは骨盤の前のボコっと飛び出た部分。これを上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)と言います。もう一つはおへそです。上前腸骨棘とおへそを結んだ真ん中あたりを押さえてみましょう。このあたりが大腰筋の真ん中になります。
 お腹の奥深いところにありますので、両手の親指を除いた四指で刺すようにグリグリっと押さえてみてください。痛い、鈍い感じがあるなど違和感のある場所が見つかったら、その箇所は筋肉が固くなっています。
②筋肉がゆるむ姿勢をとります
 違和感のある場所が見つかったら、筋肉がゆるむ姿勢をとります。
 上体を前に倒しつつ、ゆっくりと左右にひねります。
 上体を前に倒しただけで違和感が消えればそれでOKです。消えなければゆっくり上体を左右に動かしながら違和感の消えるポイントを探してください。
 姿勢が見つかったら、押さえていた手を離し、ラクにキープできるように机の上に置いて支えるなどしてください。
③90秒キープします
 机を使って体を支えながら、力を抜いて90秒姿勢をキープします。
 呼吸は普段通りラクにしてください。
④ゆっくり元の姿勢に戻します
 90秒経ったら、お腹の筋肉を使わず、手を使ってゆっくり元の姿勢に戻します。

 最初に押さえた箇所をもう一度押さえて、変化を確認してみください。

 『仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ』 第4章 より 鮎川史園:著 自由国民社:刊

大腰筋 をゆるめる 第4章P53
図2.「大腰筋」をゆるめる
(『仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ』 第4章 より抜粋)

 大腰筋は、体幹を支える重要な筋肉。
 インナーマッスルのため、体の奥のほうにあり、普段はあまり意識しない部分です。
 しっかり時間をかけて、確かめながら、ゆるめたいですね。

「胸鎖乳突筋」をゆるめる

 首コリや肩コリの主な原因となる筋肉のひとつが、「胸鎖乳突筋」です。
 胸鎖乳突筋をゆるめる方法は、以下の通りです。

 胸鎖乳突筋は首の側面にあり、首にグっと力を入れたときに浮き出て見える筋肉です。
 耳の下のボコっと飛び出た乳様突起から鎖骨の内側につながっています。
[やり方]
①固くなった筋肉を探します
 胸鎖乳突筋は触ってわかりやすいと思います。
 グリグリっと押さえて、痛い、鈍い感じがあるなど違和感のある場所を探しましょう。
②筋肉がゆるむ姿勢をとります
 固くなった場所を指で押さえたまま、下を向き、ゆるめる筋肉とは逆側を向きます。
 そして、押さえた指をはさみこむように、首を少し傾けます。
 違和感が消えたら、押さえていた手を離します。
③90秒キープします

 力を抜いてそのまま90秒間姿勢をキープします。
 首に力が入ってしまいそうな人は、頭を手で支えるようにしてください。
④ゆっくり元の姿勢に戻します
 首に力が入らないように、手で頭を押すなどしてゆっくり元の姿勢に戻します。

 最初に押さえた箇所をもう一度押さえて、変化を確認してみてください。

 『仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ』 第4章 より 鮎川史園:著 自由国民社:刊

胸鎖乳突筋 をゆるめる 第4章P69
図3.「胸鎖乳突筋」をゆるめる
(『仕事力を一瞬で上げるカラダのスイッチ』 第4章 より抜粋)

 スマホやパソコンのやり過ぎで、固まっていることが多い胸鎖乳突筋。
 外から見てすぐにわかるので、ゆるめやすいです。
「セルフ整体」の効果を体感するには、もってこいの筋肉ですね。

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 固く縮こまった筋肉を伸ばすのではなく、逆に縮めることで痛みや不調をとる。
 これは、「カウンター・ストレイン」のテクニックをベースにしたものです。
 アメリカでは、このテクニックを用いた整体法は、医療として認められています。

「セルフ整体」は、しっかりとした科学的な理論に基づいたもの。
 さらに長い時間をかけて改良を加えられ、体系づけられました。

 慢性的な腰痛や肩コリに悩んでいる方。
 通常のマッサージや整体でなかなか効果が感じられない方。

 手軽にできて、想像以上の効果が得られる「セルフ整体」。
 ぜひ、一度、お試し下さい。

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