本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『「イヤなこと」を「いいこと」に変えてくれる本』(高津りえ)

 お薦めの本の紹介です。
 高津りえさんの『「イヤなこと」を「いいこと」に変えてくれる本』です。

 高津りえ(たかつ・りえ)さんは、スピリチュアル・カウンセラーです。

誰もが成長するために必要な「物語」

 小さいころから、「神様の声を感じることができる」不思議な力をもっていた高津さん。
 斎藤一人さんと出逢い、スピリチュアル・カウンセラーの道を志します。
 そして、これまで多くの人の悩みを解決してきました。

 神様は私たちに、たくさんの“宝物”を無償の愛で与えてくれます。
 それは受け取った時点でわかるものから、最初は小さな種だったものが大きく成長して、ステキな宝物に変わるものまでさまざまです。
 でも中には、どう見ても宝物には見えないものもあります。
 自分にいじわるをしたり困らせたりする人との関係、「なぜ私がこんな目に遭うんだ」と思うような出来事、大切な人や愛する人との突然の別れなど、「この世に神様は本当にいるのだろうか?」と疑ってしまいたくなる経験があなたにもあるかもしれません。
 しかし、こうした「どう見ても宝物には見えないもの」の中にこそ、実は素晴らしい宝物が隠されているのです。
 ではどうして、神様は一見、宝物に見えないものを私たちにくださるのでしょうか? どうせなら、もっとわかりやすいかたちで教えてくれればいいのにと思ってしまうこともありますよね。
 そこにはいろいろな理由があるのですが、わかりやすく言えば、それがあなたと神様との間で決めてきたシナリオをもとにした、“物語”だからです。

 『「イヤなこと」を「いいこと」に変えてくれる本』 はじめに より 高津りえ:著 サンマーク出版:刊

 高津さんは、これまで1万人以上をカウンセリングし、1万通りの物語と出逢いました。
 それらは、一つとして同じストーリーはなく、すべて味わい豊かで、実に絶妙なタイミングで起きていることばかりだったそうです。

 本書は、それらの“物語”を通じて、私たちの身に起こる困難を乗り切るヒントをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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目の前のことを一生懸命にやっていると運が拓けます

 自分の夢を叶えた人と、なかなか叶えられずにいる人。
 両者には、一つの大きな違いがあります。
 それは、「目の前のことを一生懸命にやっているかどうか」です。

 私のところには仕事のことや、どうしたら夢を実現でするのかについて相談に来る人がたくさんいます。
 その中には才能もあって、一生懸命に努力しているにもかかわらず、うまくいっていない人がいます。
 そういう人に共通するのは、次の一言です。

「目の前のやるべきことを“おろそか”にしている」

 たとえば会社で、希望する職種や部署に配属されなかったとします。そのことに不満を持って、与えられた仕事を一生懸命やらずにおろそかにしていると、その人はいい評価を受けることはありません。
 すると、ますます自分の希望するところに行けなくなったり、さらにやる気をなくすという悪循環に陥ってしまいます。
 そういう人はよく「上司が私のことをわかってくれない」とか、「これってパワハラですよね」と相手のせいにしますが、誰かを責める前にまず、自分がやれること、やるべきことを考えるほうが先なんです。
(中略)
『鶴の恩返し』や『花咲か爺(じい)さん』『わらしべ長者』など、“おとぎ話”の多くは、

「一見、直接関係ないようなことでも、良い行いは必ずまわりまわって福を招く」

 そのことを教えてくれます。
 だからまずは目の前の与えられたことを一生懸命にやってみましょう。
 そうすれば必ず道は拓けます。
「夢の実現」への道のりは遠くて険しいように思えますが、「千里の道も一歩から」で、まずは目の前の道を進んで行くのです。そして、足元に咲いている花や景色を楽しみながら歩んで行けば、「夢の実現」への道のり自体が「楽しい旅」に変わっていきますよ。

 『「イヤなこと」を「いいこと」に変えてくれる本』 第1話 より 高津りえ:著 サンマーク出版:刊

 過去を悔いても、将来を嘆いても、現実は変わりません。
 大切なのは、「今、この瞬間」。

 まずは、「目の前の与えられたことを一生懸命やる」こと。
 夢を叶えるためには、遠回りなようで、一番の近道だということです。

自分の“いいレベル”を上げましょう

 イヤな人から学べることもあります。
 だからといって、イヤな人と無理に一緒にいる必要はありません。
 高津さんは、それよりも、いい人と一緒にいた方が学びは早いし、得られるものも大きいと述べています。

 いい人と一緒に学ぶために必要なこと。
 それは、「いい人と同じステージに立つことを目指す」です。

 たとえば今の時代、本を書いたりテレビに出ている著名な人の講演会に行ったり、直接会って話を聞いたりするチャンスはけっこうあるでしょう。でもその人に「ずっと一緒にいてください」と言っても、それはムリですよね。その人の教えとともに歩むことはできても、その人に「なんとかしてください」ではダメなのです。
 私は師匠である斎藤一人さんと出逢ったとき、「この人に一生、付いていきたい!」と思いました。そこでまず私がしたことは、一人さんの教えを徹底的に学び、実践することでした。
 一人さんの書いた本を何回も読み、一人さんのCDを何回も聞き、そこで学んだことをとにかく人に伝えていきました。

「ねぇねぇ、ちょっと聞いて! 斎藤一人さんっていう人がいてね、その人の教えがすごいんだよ!! それはね・・・・・」

 といった感じで、自分が「いい!」と思っていることですから、自然と熱が入ります。
 そんなふうに、周りに一人さんのことを伝えていたら、一人さんが私に逢いに来てくれるという奇跡が起こり、直接、教えを聞くことができるようになったのです。
 これが最初から「一人さんに幸せにしてもらおう」とか「なんとかしてもらおう」という姿勢では、こうはならなかったと思います。
 これは一人さんに限ったことではありません。精神的なリーダーや有名人の元を訪れて「なんとかしてもらおう」と考える人はたくさんいますが、その中で気付いて「この人を利用するのではなく、その教えを実践し、教えとともに歩もう」とする方は、ずっと一緒に歩むことができるのです。
 でも、「この人を利用しよう」とか「なんとかしてもらおう」と思い続ける人は、最初はよくても、いずれ必ず一緒に歩めなくなり、最後は離れていってしまいます。
 結婚もそうですが、「お互いで200%」になって初めて一緒にいることができるのです。
 これが、どちらかが一方的に「100%願ってます!」と言ってもそれはムリで、自分が願えるのは最大で100%。それで相手も100%「一緒にいたい!」と互いに願ったら、一緒にいることができるでしょう。
 握手するときでも、自分が手を差し出しても相手がそうしてくれなかったら、握手することはできませんよね。相手が50%出して自分が150%出すことはできませんし、その逆もやっばりできないのです。
 だから「この人と一緒にいたい!」と思ったら、まずは「相手にもそう思ってもらえる自分」に変わる努力をするしかありません。

 『「イヤなこと」を「いいこと」に変えてくれる本』 第2話 より 高津りえ:著 サンマーク出版:刊

 どちらかが一方的に尽くしたり、与えたりする関係は、「依存している関係」です。
 健全ではないので、いずれは破綻することになります。

 受け取るだけでなく、自分から与えること。
 それが、望む相手を引き寄せ、関係を長続きさせる秘訣です。

 どんな相手とも、「お互いで200%」の関係を築いきたいですね。

あなたは必ずその「試練」を乗り越えられます

 一見、似ているように思われる、「困難」「試練」
 高津さんは、この二つを、違う意味合いのものとしてとらえています。

「困難」とは、ある目標や目的を達成するために直接起こる出来事。「試練」とは、人生のステージ、魂のステージを上げるための“試験”のようなもの。

 だから、「困難」は何かをしようとしたときに起こるのに対して、「試練」は何の前触れもなく、突然起きます。
 試練は自分が今世に生まれてくる前に決めてきたことです。ただ、自分だけの思いでは決定できないので、神様と相談して決めます。だから、乗り越えられない試練は自分でも想定しませんし、神様も許可しません。
 でも、もしあなたが自分の試練をすごく大きいと感じているなら、それは神様とあなたの魂との間で決めてきた、あなたに対する神様の“信頼の深さ”の表れなんだと思います。
 ただ、そうは言っても、試練はとてもつらいものです。
 それは、今までの自分が真っ向から否定されたり、今まで信じてきた人から手ひどい裏切りに遭ったり、この先の人生を生きていく自信さえも奪うような出来事かもしれません。
 それでも絶対に、これだけは覚えておいてください。

「明けない夜」がないように、必ず日は昇ります。

 今は暗闇の中で、もがくしかなくても、その先には明るい未来が待っているのです。
 だから自分を信じること、このシナリオを書いてきた自分の魂を信じること、この試練を与えた神様を信じることを、どうかやめないでください。
 大きな試練を前に立ち止まって動けず、しゃがみこんでしまうことがあるかもしれません。しかし、それでもいいんです。

「道に迷った」ら、まずは立ち止まって自分がどこにいるかを確認する必要がありますし、「高く飛ぼう」と思えば、それだけ深くしゃがみこむ必要がありますし、「遠くに飛ぼう」と思えば、それだけ助走の距離を長く取らなければなりません。

 だから大丈夫です。あなたならきっとできます。
 それに、その試練が大きければ大きいほど、それを乗り越えたときに手にする宝物も大きなものになりますよ。

 『「イヤなこと」を「いいこと」に変えてくれる本』 第3話 より 高津りえ:著 サンマーク出版:刊

 試練は、生まれてくる前に決めてきたこと。
 私たちは、試練を乗り越えるために、この世に生まれてきたともいえます。

 神様は、乗り越えられない試練を与えることはない。
 大きな試練を与えられた人ほど、それを乗り越えたとき、大きく成長ができる。

 どんなに苦しい状況でも、あきらめず、一歩ずつ前へ進むことが重要です。

「今を生きる」ということ

 私たちが本当に恐れるべきこと。
 それは、自分の人生がやりたいことをやる前に終わってしまうことと、大切な人に大切な気持ちを伝えられずに終わってしまうことです。

 死は、いつやって来るか、誰にもわかりませんが、必ず訪れるものです。
 高津さんは、だからこそ、私たちは、“今”という瞬間を大切に生きなければならないと指摘します。

 一人さんが作った詩の中で、一人さん自身がとても大切にしている詩があります。

 絶対なる肯定 絶対なる積極 いつでもどこでも命がけ
                                                                                      斎藤一人

 この詩が意味するところはこうです。
 絶対なる存在である神様を信じると、絶対なる積極心が生まれます。
 たとえつらいことや困難なことが起こっても神様を信じることができれば、「神様は乗り越えられない試練は与えない」とか、「神様は私に不利なことをしないから、この問題からどんな良いことが起きるんだろう」と考えて、積極的な行動が起こせるようになるんです。
 そして、人は必ず死にます。つまり、のんびり生きる人の一秒も、バリバリ生きる人の一秒も、同じ一秒ですから、ともに命がかかっているのは同じです。

「この一瞬も命がかかっているんだ」と思うと、“今”という瞬間を大切にしようと思えるよね、という意味です。

 私たちはともすれば、過去に縛られてしまいがちです。
 もちろん、過去の積み重ねがあるからこそ今があるのであって、過去は否定すべきものではありません。だから、たまには自分の過去を振り返ってみることも重要ですし、祖先に感謝する気持ちを持つことも大切です。
 ただ、中には自分の前世のことまで気にする人がいます。私のところにカウンセリングを受けに来られる方の中にも、「私の前世は何だったんでしょうか?」と知りたがる人が後を絶ちません。
 私はそういう方たちに必ず言うことがあります。それは「未熟だった時代のことを知っても、仕方ありませんよ」ということです。
 それと、未来にばかり目を向けるのもよくありません。いずれ訪れる死について必要以上に考えることもそうですが、「地震が来たらどうしよう」とか「会社が倒産したらどうしよう」とか、未来に対して不安を持ちすぎるのもよくないのです。
 先のことを心配している人は、今を見ていない証拠です。私達は過去にも未来にもい続けることはできません。だから、まずは目の前にあることを、心を込めてやってみましょう。
 そしてとにかく、今をどう生きるかを大切に。それによって運命も未来も変わり、中間世(天国か地獄)が決まり、来世も決まるのです。

 『「イヤなこと」を「いいこと」に変えてくれる本』 第4話 より 高津りえ:著 サンマーク出版:刊

 この世の中で、「過去」や「未来」は存在しません。
 あるのは、「今」この瞬間のみです。

 昨日は永遠に戻ることはなく、明日は永遠に訪れることはありません。
 先のことを心配している人は、今を見ていない証拠です。

 今、できることを精一杯やる。
 そんな気持ちをつねに持ち続けたいですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

「どう見ても宝物には見えないもの」の中に、本当の宝物が隠されている。

 そこには、人智を超えた、奥深い意図が働いています。
 まさに、神様が描いた、珠玉の“物語”です。
 神様の描くシナリオですから、ハッピーエンドになるのが、当たり前。
 途中に待ち受ける試練は、すべてそのためにあります。

 人生で経験する苦しみも、悲しみも、すべてに意味はある。
 神様の描いた物語をたどっていくことで、いずれ明らかになります。
 人生という宝探しを、最後の最後まで、楽しみながら歩んでいきたいですね。

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