本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『「デキるふり」から始めなさい』(千田琢哉)

 お薦めの本の紹介です。
 千田琢哉さんの『「デキるふり」からはじめなさい』です。

 千田琢哉(せんだ・たくや)さんは、文筆家です。
 大学卒業後大手損保会社に入社し、その後大手経営コンサルティングを経て独立されています。

「嘘つき」と「ほら吹き」の1%の差

「嘘つき」と「ほら吹き」は似ているようで、まったく違うものです。

 千田さんは、「ほら吹き」には真実が1%入っているが、「嘘つき」には真実がまったく入っていない、その差であると述べています。

 この1%の差とは、本人たちが真実だと思い込んでいたか、否かの差です。
 千田さんは、このわずか1%の差は果てしなく大きく、人類の歴史を塗り替えることもあると指摘します。

「自分はデキる人間だ」と完全に思い込むこと。
「デキる人間のふりをする」こと。

 それからすべては始まります。
 そして、背伸びして大ほらを吹き続けることができた人間が成功をつかみ取ることができます。

 本書は、多くのエグゼクティブと接した千田さん自らが実践してきた「デキるふり」をするための極意をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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最後の1%、ギリギリまでマネをする

 千田さんは、デキるふりをするには、まず、「モデルとなる師匠を見つけて、徹底的にマネをしろ」と述べています。

 師匠は、身近な人でなくても構いません。

 千田さんは、直接会えないのなら、その人の著書をすべて読破する。また、その人のコメントが掲載されている記事や、インターネットの動画を探すなど、あらゆるアプローチをして、徹底的にマネる努力をすることから始めるべきだと強調します。

 どんなに努力しても師匠を超えられない。
 そこまで来たら大したものだ。
 どうしても超えられない1%があなたの個性だ。
 99%のベースを確固たるものにしよう。

 憧れの師匠のマネをしていくと、途中で挫折する。
 どんなに努力に努力を重ねても、師匠にはなれない。
 どうしても最後の一線が超えられないのだ。
 どうして師匠のように自分は才能に恵まれていないのだろうかと、自己嫌悪に悩まされる。

 だが、安心していい。
 そこまできたら、大したものだ。
 どんなに努力しても、どんなに悶え苦しんでも、どうしても超えることができない残り1%こそ、あなたの個性で埋め合わせるチャンスなのだ。
 その1%が入るだけで、師匠の猿マネから脱皮できるのだ。
 傍から見ても、師匠とは明らかに違う芸風になっている。
 人によって評価はそれぞれ分かれるだろうが、中にはあなたのほうが優れていると言ってくれる人も現れるだろう。
 その瞬間に、あなたのこれまでの人生がすべて繋がってくる。
 答えはいつも、後から一瞬でわかるようになっている。
 不器用でマネできないとずっと劣等感を抱えていたラスト1%こそ、あなたの身を助ける強烈な武器だったのだ。
 不器用さと才能は、いつも表裏一体だ。

 『「デキるふり」から始めなさい』 「デキるふりから始めなさい」 より 千田琢哉:著  星海社:刊

 完全にマネをしたらその人のコピーになってしまう。
 そんな余計な心配はせずに、とにかく完全にマネしようと決意することが大切だということですね。

 その人の個性は、基本となる部分がきっちりできてから、輝くものです。
 まずは徹底的にマネることから始めましょう。

デキる人は「孤立」せず、「孤独」を選ぶ

 人間関係でも、まずはコミュニケーションが得意な人のマネをして、「ふり」をするところから。

 千田さんは、デキる人は孤独な人が多いと指摘します。

 デキる人は孤独な人が多い。
 もしくはデキる人のふりをしていると孤独になることも多いだろう。
 それは悪いことではない。
 悲壮感の漂う「孤立」と違い、孤独からはオーラが漂いはじめる。
(中略)
 群れから飛び出して1人になると、成長のスピードが段違いになるのは本当の話だ。

 だが「孤立」と「孤独」は違う。
「孤立」というのは群れから飛び出すまでもなく、最初から周囲に人が寄りつかない状態だ。
 声をかけても、人が離れていってしまうイメージだ。
「孤独」というのは放っておくと周囲に人が集まってくるのを、あえて自分から払いのける状態だ。
 次から次に声をかけられても、断り続けているイメージだ。
 表面上は独りぼっちに見えるが、本質は対極なのだ。
 デキる人をよく観察してみることだ。
 周囲は知り合いになったり、教えを乞うたりしたいと思っている。
 にもかかわらず、レベルが違い過ぎて声をかけられない状態なのだ。
 気安く声をかけるのを躊躇してしまうのだ。
 デキるふりをするなら、孤立ではなく孤独の人のマネをしよう。
 孤立の人には悲壮感が漂っているが、孤独の人にはオーラが漂っている。

 『「デキるふり」から始めなさい』 人間関係の10の「デキるふり」 より 千田琢哉:著  星海社:刊

 派閥やグループの中に取り込まれると、自分の自由な時間を取ることが困難になります。

 周りから一歩引いて、敢えて独りでいることを選択する。
 それが、しがらみの少ない自由な人間関係を築く大きなカギになります。

 いつも一緒にいなければ相手をしてくれないような人たちは、本当の友人ではありません。
 いざという時に頼りにならない人たちです。
 そんな関係は、ないほうがましですね。

 孤独に耐えられる強い精神力を持っている「ふり」をして、自分をそういう人間だと思い込んでしまいましょう。

お金持ちはお店を無言で出ない

 お金持ちになりたいのなら、やはり、お金持ちの「ふり」をすることからです。

 お金持ちの人は、コンビニなどでの普段の買い物の仕方から違います。

 外食したとき、買い物をしたとき、無言でお店を立ち去ってはいないだろうか。
 お金持ちは店員よりも先にお礼を言う。
 お金持ちになったら感謝するのではない。
 感謝していたからお金持ちになったのだ。
 まず感謝の姿勢からマネてみよう。

 お金持ちが支払いの際、お店の人に何を言っているのか聞いたことがあるだろうか。
 「ありがとう」「ご馳走さま」と言っているのだ。
 しかも、店員さんよりも先にお礼を言っている。

 コンビニなどでは、逆転現象が頻繁に起こっている。
 買い物をしたお金持ちが「ありがとう」と言いながらお釣りをもらい、レジ係の学生のアルバイト君が「はい」と答えている。
 思わず笑ってしまうが、これが現実だ。
 私自身、お金持ちのマネをして「ありがとう」と言いながらお釣りをもらう習慣があるから他人のやり取りも気になるのだ。
 両者の時給は、最低で10倍、下手をすれば100倍や1000倍違うはずだ。
 ここで大切なことは、時給がいくらなのかではない。
 時給1万円や10万円のデキる人は、成功して余裕があるからお礼を言っているのではない。
 名もなく貧しい頃から、徹底してお礼をいう習慣の集大成として、お金持ちになったのだ。

 『「デキるふり」から始めなさい』 お金の8つの「デキるふり」 より 千田琢哉:著  星海社:刊

 本当のお金持ちは、自分一人の力ではなく、多くの人に支えられて今の自分があることをよく理解しています。

 周囲に感謝する姿勢がしっかり身についている。
 だからこそ、多くの協力を集めることができ、自然とそれなりの地位を得ているということです。

 まずは、「ありがとう」「ご馳走さま」の言葉から。
 クセになるくらいまで、マネしてみましょう。

頭がいい人は学校を出ても勉強をやめない 

 勉強も、大事なのは「ふり」から入ること。

 会社勤めを始めると、忙しさのせいにして勉強をしなくなる人が多いです。
 しかし、千田さんは、社会人になってからの勉強が本当の勉強だと強調します。

 勉強をすればするほど、知らないことが山ほど出てくる。
 自らの無知を思い知らされる。
 でもそこで勉強をやめてはならない。謙虚になり、学び続けることが知的に輝き続ける条件だ。
 デキる人は勉強している。
 まずは「ふり」からでいい。
 勉強をしよう。

 人は頭を良くするために生まれてきた。
 この事実は、地球上の他の生物と比べてみたらよくわかる。
 どんな怪力の持ち主でも、アフリカ象と綱引きをして勝てる人間はいない。
 どんな跳躍力の持ち主でも、スズメが飛ぶ高さを超えられる人間はいない。
 どんな俊足の持ち主でも、チーターと競争して勝てる人間はいない。
 ところが、唯一頭脳だけは2位に大差をつけてダントツの1位だ。
 これは、頭脳を鍛えて成長しなさいという意味なのだ。

 頭脳を鍛えると、どんなことがわかってくるだろうか。
 自分は何もわかっていないことに気づかされるのだ。
 勉強すればするほどに、わからないことが無限に出てくる。
 勉強すればするほどに、無力さに打ちのめされる。
 それでも、勉強するのだ。
 勉強をやめた人は、とてもわかりやすい。
 すぐに傲慢になってしまうからだ。
 偉い大学教授で傲慢な人は、地位に満足してしまい、勉強をやめてしまった人だ。
 お金持ちで傲慢な人は、お金を持つことに満足してしまい、勉強をやめてしまった人だ。
 輝き続けている人をよく見てみよう。
 死ぬまで勉強し続けているはずだ。
 死ぬまで受験生のような顔をしている人は、幸せなのだ。

 『「デキるふり」から始めなさい』 勉強の10の「デキるふり」 より 千田琢哉:著  星海社:刊

 社会人になってまで勉強を続ける人は、学ぶこと自体に幸せを感じている人です。

 もちろん、学ぶことで多くの知識を得ることができます。
 しかし、それ以上に、自分の知らないことがたくさん出てきます。

「無知なこと」に気づくことで、知的好奇心が生まれます。
 それにより、学ぶことへの意欲がさらに高まり、謙虚な姿勢を保つことができます。

 まずは「ふり」からでも、「学び続ける人」であり続けたいですね。

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 成功している人、輝いている人には、それなりの理由があります。

「あの人のようになりたい」

 そう強く思うのならば、まずその人になり切るところから始めるのが一番です。

 しゃべる言葉、行動の仕方、食べるものまで徹底的にマネをすること。
 そうすることで、その人の考え方に自然と近付いていきます。

 なれるかどうか、など余計なことは考えてはいけません。
 自信は、なり切る「ふり」をするうちに自然とついてくるもの。

 思い切って大胆に、憧れの人になり切る。
 突破口は、そんなところから生まれます。

 気後れせず、恥ずかしがらず、堂々とパクって、自分のものにしたいですね。

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