【書評】『3年以内に成功する男、消える男』(松尾知枝)
お薦めの本の紹介です。
松尾知枝さんの『3年以内に成功する男、消える男』です。
松尾知枝(まつお・ちえ)さんは、合コンアナリスト、婚活アナリストです。
大学卒業後、大手航空会社に5年間勤務しています。 その間、国際線のキャビンアテンダント(CA)として世界を飛び回る忙しい合間を縫い「合コン」をしまくっていたそうです。 お相手した男性は多岐に渡り、その数なんと500社以上の企業・職種、累計3000人以上にも上ります。
「恋愛」と「ビジネス」は一緒!
「合コン」というと、「男女の飲み会でお遊びみたいなもの」というのが一般的なイメージです。
しかし、たかが「合コン」と侮ることはできません。
数多くの“現場”に立ち会っている松尾さんは、「恋愛はビジネスと一緒」だと強調します。
合コンで女性の心を解きほぐして、距離を縮めていく過程の駆け引きは、まさにビジネスで顧客に購買成立を促す一連のビジネス手法と似て
いると指摘します。
たしかに、どちらも「相手に気に入られてナンボ」の世界です。
合コンは、お酒が入ることに加えて、女性の前というのもあって、その人が本来持っている性格や行動がそのまま出やすい環境です。
松尾さんは、「合コン」という名の“実験”現場を通して導き出したデータを基に、合コンでふるまう男性の特徴、法則を細かく分析・体系化することで、その後成功していく男性に共通した「思考法」や「実践法」
を見い出しました。
本書は、男性たちの素の姿を“冷静に”観察して、分析した結果から独自に見いだした成功習慣をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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逆境に勝てない人の思考グセ
マイナスからでも這い上がって成功する。
そのためには、逆境で得た経験を肥やしにする「しぶとさ」が必要です。
それは「合コン」の場でも、口グセや態度に顕著に表れます。
逆境は、誰にでも起こり得るものだとすれば、成功者とそうでない人で大きく差が開くのは、逆境の「とらえ方」に顕著に表れるように思います 上昇の波に乗れない男性ほど、逆境や不満を外部環境(上司、社会常識、他者の目)にあると信じて嘆きます。嘆くだけで対策を講じないので思考停止状態に陥り、厚い雨雲のように問題が頭上に横たわり、なすすべもなく途方に暮れます。(中略) 逆境を他人のせいにする人は、仕事がうまくいったとしても、それは“たまたま”幸運に恵まれたからであり、いつまた不運に見舞われるのだろうと、周辺環境が気になってなかなかどっしり構えることができません。 一方、逆境を乗り越えて成功していく人は、不運に見舞われたとはとらえず、逆境を自分のこととして受け止めます。 光が途絶えた暗闇の渦中にいるときでも、改善案が浮かぶまで必死に頭に汗をかき続け、決して歩みを止めません。 彼らは、幸運は偶然降って湧いたものでも、神頼みでもなく、「自らの手でつくりだしている」と確信しているからです。
『3年以内に成功する男、消える男』 第1章 より 松尾知枝:著 フォレスト出版:刊
女性にフラれても、商談がまとまらなくても相手のせいにしない。
「目の前の問題」をしっかり自分の問題として受け入れて次につなげる。
そんな「したたかさ」が、成功するための秘訣です。
本番に強くなる、たった1つのコツ
合コンの場でも、ビジネスの場でも、人前でアガらないことは重要な要素の一つです。
人前でアガらずに実力を出し切る。
そのためには、「目の前に集中すること」が大切です。
実行後の結果(大きな拍手、相手の反応)にとらわれず、今この瞬間、大事な想いをを伝えることだけに、全神経を集中させるというやり方です。 おそらくスピーチに苦手意識のある方は、意識の方向が自分ではなく、聴衆に向いてしまっているのだと思います。 私は今でも根は人見知りですし、人前に出ることは根っから好きというわけではありません。 しかし、うまく見せよう、カッコイイことを言おうという囚われを捨て、想いを伝えられれば合格。細かい技術は気にしない。こう自分に言い聞かせています。 相手にどう見られるかより、自分に意識をフォーカスしていくと、どんな舞台でも緊張感ほぐれていくから不思議です。 もちろん、事前にスピーチの台本を用意し、読む練習をすることは大切です。しかし、本番の舞台に立ってからは、過去や未来の無駄な思考はキッパリと捨てて、精神統一して臨むのです。こうすることによって、一瞬が勝負の舞台でも高いパフォーマンスを発揮することができるのです。
『3年以内に成功する男、消える男』 第2章 より 松尾知枝:著 フォレスト出版:刊
相手の心を揺さぶるのは、最終的には、こちらの「想い」です。
余計なことは考えず、真正面からストレートに。
それが最も効果的なのは、恋愛にも、ビジネスにも通じる真理です。
成功していく人の「人脈」の考え方
成功への道を順調に突き進んでいる人は、「人脈」に対する考え方やとらえ方が普通の人と大きく違います。
一般的な人脈とは、とにかく数多くのメリットのある人とつながって恩恵を受け取ることです。
そのため、目先の利益が優先されがちになります。
しかし、成功こうしていく人はこう考えます。 人脈の基本精神は「助け合い」。 自分の人脈を増やして恩恵にあずかろうとする、ということは、自分も相手のの人脈の一人になることでもあります。「人脈」が増えたぶんだけ、相手に「享受できるメリット」をこちらも保持していなければ、それは人脈でもなんでもないと考えているのです。だから、彼らは自分のキャパシティー以上の人脈を増やさないのです。「人脈とは、与えよ。さらば与えられん」という基本精神に則り、助け合いの上に成り立つものであることを忘れていないのです。 上昇気流に乗っていく男性ほど、「多くの出会いによって今の成功がある」と感謝の念を素直に表し、人脈の重要性を感じています人脈は「見えない財産」であることは、彼らも重々感じているのです。
『3年以内に成功する男、消える男』 第3章 より 松尾知枝:著 フォレスト出版:刊
相手が自分に対してしてくれることよりも、「自分が相手にできること」を基準に付き合う人を慎重に選ぶということ。
必要性のない人間関係を増やすことは、しがらみを増やし、結局、時間と労力のムダとなります。
ここでも大事なのは、「量」より「質」です。
「運動量」と「タスク実行率」は比例する
成功していく男性は、スケジュール的に厳しくても、約束はしっかり守ります。
また、健康を維持するための時間をしっかり確保しています。
その行動パターンの基礎となるのが、日ごろの運動習慣ではないか、と松尾さんは指摘します。
1日にいくつもの予定を入れ、夜はプライベートな友人と会うことに時間を使い、空いた時間に本を読んでいる。 それは、日ごろの運動習慣によって、フットワークが軽くなり、普通の人なら「億劫」「面倒」と感じて臆することにも、次々と挑戦していく。その結果、時間密度を何倍にも高め、生産性高めることに成功しているのでしょう。 運動のために時間を確保すれば、一見忙しさを助長しかねないはずでしたが、その逆で、運動すればするほど全体のスケジュールのタスク実行率は実は上がっているのです。 この因果関係に対して、脳科学の分野で明らかになってきています。 運動をすることによって、気分の高揚、認知反応の改善が見られ、身体的機能向上のみならず、脳の覚醒レベルも上昇していくからなのです。うつ病の改善にも効果があるといわれています。 運動をすれば脳機能のの強化により、気分がが上がる。気分が上がれば、物事を実行するのが苦にならなくなり、より多くのタスクを実行できるようになる。 実行結果が自信となり(脳の快感情による学習反復性)、実行サイクルが高速回転し出す。 運動をしたほうが、単に健康にいいだけでなく、仕事の作業効率までもスムーズになり、一石二鳥でおいしいのです。
『3年以内に成功する男、消える男』 第4章 より 松尾知枝:著 フォレスト出版:刊
「健康的な心と体」が一番の資本となる。
それは、合コンでもビジネスでも一緒です。
寝不足で、目が半分閉じたままの顔だと、それだけで相手から見た印象は悪くなります。
時間をいかに作り出すか。
それも成功するための一つの大きな条件になります。
どんなに忙しくても、日ごろから運動する習慣を身に付けたいですね。
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女性は合コンの場でも、酔っていながら周りを冷静に見ているものなんだなぁ、と感心させられますね。
人物評価にしても、「これから伸びそう」とか「消えていきそう」とか、そのあたりの“嗅覚”の鋭さは、男性の比ではありません。
合コンの場での人気度が、そのままビジネスの場での人気度と重なるというのは事実です。
たかが「合コン」、されど「合コン」。
貴重な“実験”の場から導き出された成功法則、ぜひ身に付けたいですね。
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