本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『「老けないカラダ」をつくる!』(石井直方)

 お薦めの本の紹介です。
 石井直方先生の『「老けないカラダ」をつくる!』です。

 石井直方(いしい・なおかた)先生は、身体運動科学や筋生理学がご専門の医師です。
 ボディービルダーとしても、全日本ボディービル選手権で優勝するなど輝かしい実績をお持ちです。

筋肉をつけると若々しく見える理由

 20代をピークに「骨や筋肉は減り、脂肪は増える」というのが、一般的な老化現象です。

 とくに脂肪は30代に入ったあたりから、あからさまに増えてくることがあります。
 いわゆる「中年太り」の状態ですね。

 その理由は、年齢とともに「代謝が落ちる」からです。
 30代、40代になっても20代の頃と同じような食事をとっていれば、消費されなかったエネルギーが脂肪となって体につくのは当然のことです。

 しかし、石井先生は、筋肉はいくつになっても強化することができると強調します。

 しかし、このような誰にでも共通する「体型変化のシナリオ」があるわけですから、それを逆手にとれば、「若さ」につながるといえます。
 つまり、「筋肉と骨がダウンして、脂肪がアップする」という典型的な老化現象を、「筋肉と骨をアップさせて、脂肪をダウンさせる」という形にシフトさせれば、おのずと見た目の若さが出てくるというわけです。
 「そんなこと、口でいうのは簡単だけど、なかなか難しいだろう」
 多くの人がそう思うのも当然です。
 それは、食事制限をしながらスポーツジムに通うという具合に、「脂肪を減らす」ことと「骨と筋肉を強化する」ことを、別々に行おうと考えるからです。

 そうではなく、あなたが若々しい体型を保つために最初に行うことは、自宅でできる簡単なトレーニングで「筋肉をつけるだけ」なのです。

 筋肉を鍛えれば同時に骨が強化され、さらに“燃焼系”の体になるので脂肪がつきにくくなります。
 現に筋肉を適正に維持している人の多くは、背筋がすっと伸び、脂肪が少なめで体がシャープです。さらに動きも溌剌としていますから、どうやっても若く見えます。

 『「老けないカラダ」をつくる!』 第1章 より 石井直方:著 さくら舎:刊

 石井先生は、肉体がもたらす若さは本物で、肉体の若さを司る筋肉は、何ものにも替えがたい一生の財産になると述べています。

 本書は、筋肉と若さの関係を考察し、若さを維持するために効果的な習慣術やトレーニング法を解説した一冊です。
 その中からいくつかご紹介します。

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空腹時の筋トレが、若さに効果をもたらす

 筋肉をアップさせるうえで大切なのが、「食事のタイミング」です。

 食事をするときに出る「グレリン」というホルモンが、「成長ホルモン」の分泌を促します。

 厳密には、グレリンは、食べている最中ではなく、食事という刺激を与えてしばらくしてから、空腹に差しかかったときに分泌されます。

 もちろん、普通に筋トレを行うだけでも成長ホルモンの分泌は促されますが、そこに「空腹時に行う」という条件を加えることで、より成長ホルモンの分泌を高めることができるというわけです。
 成長ホルモンは、若さを維持するために働くだけではなく、食事による「筋肉の合成」を促すという性質も備えています。
 ですから、食事前の小腹が空いているときにトレーニングをして成長ホルモンの分泌を活性化させ、トレーニングが終わったらすみやかに食事をとる。
 そうすれば、トレーニングをせずに食事をしたときよりも、筋肉の合成がぐんとアップするということが期待できるのです。

 『「老けないカラダ」をつくる!』  第2章 より 石井直方:著 さくら舎:刊

 トレーニングを行うにも、タイミングが重要だということです。

 お腹が空いたからといってすぐに食事をするのではなく、「ちょっと運動してから」を心掛けたいですね。

筋肉をつけることで生活習慣病の予防になる

「糖尿病」の治療法は、ウォーキングなどの有酸素運動や食事制限による「エネルギーをカットする」という方法から「筋トレをして筋肉をつくろう」という方向に変わりつつあります。

 体の中には実にたくさんの筋肉があります。それらの筋肉がしっかりとすれば、血液から糖質をきちんと吸い上げてエネルギーとして消費してくれる。つまり、血糖値を下げるためには、筋肉がひとつのキーポイントになるということです。
 逆に筋肉が衰えると血統の取り込み先が減るため、糖尿病になりやすいといえます。
 インスリンという物質が出ると血糖は下がりますが、それはインスリンが筋肉や脂肪に「血糖を取り込みなさい」という指令を出すからなのです。
 脂肪も糖を取り込んではくれるのですが、糖を脂肪に換えてストックするため、「脂肪の倉庫」としての限界がある。
 限界までいくとむしろ脂肪はつきにくくなり、体脂肪が少ない人は糖尿病になる危険があると考えてもよいくらいです。
 一方の筋肉は血糖を吸い上げ、活動することで消費しているため、限度なしで大量に取り込むことができる。
 血糖を減らすために筋肉をつける価値は、十分にあるのです。

 『「老けないカラダ」をつくる!』 第3章 より 石井直方:著 さくら舎:刊

 筋肉は、余分な糖分や脂肪を吸い上げて消費してくれる「吸引機」の役割を果たします。

 余分な糖は、筋肉に取り込んでもらって血糖が上がらないようにする。
 それが、体内で糖質をダブつかせないための手段として有効です。

朝に運動や筋トレをすると、脂肪が落としやすくなる

 石井先生は、健康のために運動を取り入れたいのならば、朝に行うのが効果的だと述べています。

 私たちがそれなりに強い運動をしたあとには、「体が酸素をより消費する」という状態が続きます。
 専門的には、これを「運動後過剰酸素消費」というのですが、筋トレなどをすると運動後過剰酸素消費が少なくとも6時間は続きます。
 酸素消費というのはエネルギー消費であり、そのときにエネルギー源となりやすいのは「脂肪」です。
 冬の朝に運動をしたら、お昼ぐらいまで体がポカポカしていたという経験をしたことがある人もいるでしょう。それは脂肪がエネルギーに換わるときに酸素が消費されて、熱が産出されるからで、このときに血流も非常によくなっています。
 この運動後過剰酸素消費の状態を朝にもってくれば、その後の1日のエネルギー消費量が増えて、脂肪が落としやすくなるということが十分に考えられるのです。
 さらに、筋トレをすればセロトニンの分泌が起きて頭がスッキリとしてくるので、その日の仕事の効率もアップするでしょう。
 太りにくい体をつくるためにも、活動的な生活を送るためにも、朝のウォーミングアップは効くといえそうです。

 『「老けないカラダ」をつくる!』  第4章 より 石井直方:著 さくら舎:刊

 頭もスッキリするし、太りにくい体も手に入る。

 そんな一石二鳥の 朝のトレーニング。
 ぜひ習慣にしたいですね。

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 本書を読むと、「筋肉は資産」だということを認識させられます。

 筋肉は、運動も何もせずに放っておくと減っていきます。
 老化が進むことで、見た目にも、体調にも悪影響を及ぼします。

 逆に、使ってあげると筋肉の量は確実に増えます。
 姿勢もシャキッとして代謝もよくなり、健康的になり見た目にも若々しく見えます。

 筋力を鍛えるトレーニングは、いわば自分への「投資」と言えます。

 筋肉の量を増やすことは、本を読んだり、スクールに通ったりして知識を増やすのと同様、いや、それ以上に重要なことです。
 それを認識して、体を動かす生活習慣を普段から心掛けたいですね。

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