【書評】『上位20%に入れる人だけが一生成功する 』(横山信治)
お薦めの本の紹介です。
横山信治さんの『上位20%に入れる人だけが一生成功する ~会社が必要とする人の成功法則~』です。
横山信治(よこやま・のぶはる)さんは、一部上場金融グループ企業の役員です。
上位20%の人は、「当たり前のことをしている」
この世の中で上手くやっていくには、「法則」があります。
成功者は例外なく、その法則に従った考え方や行動を取っています。
多くの人は、成果が出る前に、もっともらしい理由をつけてあきらめてしまいます。
「法則」といっても、難しいことではなく、誰にでもできる当たり前のこと。
横山さんは、「上位20%」に入る人は、その当たり前のことができていると述べています。
どうして最初から上位1%ではなく20%を視野に入れたほうがいいのでしょうか。
それは、ビジネスパーソンが会社20%入るのは決して難しくないからです。とても簡単です。成功の秘訣は上位20%に入る法則を、できるだけたくさん、かつ長い期間実践していくことです。何度も言いますが難しいことではありません。
私達、ビジネスパーソンは上位20%に入る方法を知れば必ず成功します。常に上位20%に入っていれば、自然に上位5%や1%に入っていくでしょう。
プロスポーツ選手や芸能人、芸術家は上位1%に入っても成功には程遠い世界です。野球にたとえるなら、毎年高校、大学、社会人野球から100人前後の選手がプロの世界に入ります。この100人は高校、大学、社会人野球で間違いなく上位1%以上の人達です。でもプロの世界に入った後でレギュラーとして活躍する人は一割もいません。なんと厳しい競争世界でしょうか。
その点、ビジネスパーソンは高校、大学の上位1%でなくても会社に入れます。会社でも上位20%に入り続ければいずれ成功者と呼ばれます。
もちろん、気がついたらいつの間にか20%に入っていた、ということはありませんが、誰もができる小さな成功のコツを知ってその通りに行動すれば、必ず、20%に入れるでしょう。そこで油断せずに、成功法則どおりの行動を続け、さらに上を目指していければいいのです。『上位20%に入れる人だけが一生成功する』 CHAPTER1 より 横山信治:著 大和書房:刊
「上位20%」というと、ちょっとハードルが高く感じるかもしれません。
しかし、言い方を変えれば、5人の中で一番になればいいということ。
そう言われると、何とかなりそうな気もしますね。
本書は、横山さんが実践して効果のあった「上位20%」に入って成功する方法をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
[ad#kiji-naka-1]
上位20%の人は、「えこひいき」されている
会社では、二つの力が働きます。
一つは、「人事権を持つ人や自分を評価する人たちの力」です。
もう一つは、「好き嫌いの力」です。
仕事をスムーズに進めて結果を出し、上位20%に入る。
そのためには、部下や他部署の人たちから好かれること。
いわゆる「えこひいき」されることが重要です。
「えこひいき」される人の特徴は、「宴会の世話役を引き受ける」「電話を一番に取る」「オフィスの掃除をする」「面倒な仕事を、率先して引き受ける」。
つまり、人が嫌がることを率先してするのです。
大切なのは、決して自分をアピールしないこと。当たり前のようにやるからこそ、人から好感が持たれるのです。「人から好かれるだろう」と思って行動しても、思ったより評価されないことのほうが多いのです。
それよりも、「みなの役に立つにはどうしたらいいだろうか」「みなに喜んでもらうには自分は何ができるのだろうか」、と考えて行動し、それをすること自体を喜び、モチベーションにするほうが、自然と結果がついてきます。
えこひいきされることは結果論です。ぜひ、楽しんで縁の下の力持ちになってください。『上位20%に入れる人だけが一生成功する』 CHAPTER2 より 横山信治:著 大和書房:刊
「えこひいき」というと、どうしてもマイナスのイメージが強いです。
周りからひいきされる人には、それなりに理由があるということ。
やらなければならないことだけやっていても、評価にはつながりません。
人が嫌がることを率先してやる。
その心掛けは、いつも持っていたいですね。
上位20%の人は、「変化を楽しむ」
上位20%の人に共通すること。
それは、変化を恐れず常に上のステージを目指し、実際に行動しステージを上げていった人たち
だということです。
私たちが、今のステージより上を目指すのであれば、まず安全地帯に別れを告げ新しいことにチャレンジしてください。毎日同じことの繰り返しで漫然と給料をもらっていても、今のステージからは抜け出せません。
仕事も慣れてくるとルーティン作業になりがちですが、新しい気持ちで日々仕事を見直し、もっと仕事に工夫できないか、会社に還元できないかを考えてみてください。
例えばあなたが頑張って業績を上げた場合、即座にあなたの給料が上がったり、昇進することはないかもしれません。でも、あなたが努力を続けていれば頑張りは必ず報われます。もし、仮に、目に見える形で返ってこなかったとしても、あなた自身が向上する機会をもらえたのですから、大きなプラスです。
あなたが変化していく際に、何よりあなた自身が、大きな気づきという宝物をたくさん得ていることでしょう。
平凡で何の波乱もない人生でよいと思わないでほしいのです。チャンスを待つのではなく、「変わろう」と思ったときがチャンスなのです。
決して焦らず、一歩一歩成長していった先に、新たなステージに変わるチャンスが訪れます。『上位20%に入れる人だけが一生成功する』 CHAPTER3 より 横山信治:著 大和書房:刊
昨日までの常識が、今日はすでに時代遅れ。
そんな変化の激しい時代です。
つねに「変わろう」「変わっていこう」と意識すること。
すぐに結果に表れなくても、とても大事なことです。
「変われないことが最大のリスク」です。
どんな状況に直面しても、対応できる“しぶとさ”を身につけたいですね。
上位20%の人は、「ライバルが一人しかいない」
上位20%の人は、自らの結果を他人と比較して、一喜一憂しません。
この世の中に存在するライバルは一人だけ。
それは「過去の自分」です。
私達は自分の力でコントロールできることとできないことがあります。自分をコントロールすることはできますが、他人はコントロールできません。
例えば、あなたは陸上競技で昨年3位でした。そして1年間努力して記録を1分短縮しました。でも結果は5位でした。他人と比べれば、あなたは負けたことになります。でも、1年前の自分と比べれば成長しています。
他人と比べた結果は5位。1年前の自分と比べたら記録を1分短縮している。この場合、どのように考えたらいいのでしょうか。答えは過去の自分に勝ったあなたが勝ちです。
私の結論に異論を唱える人は多いと思います。
結果がすべてだという人もいるでしょう。もちろん結果は大切です。スポーツの世界だけではなくビジネスの世界でも結果を残すことは必須です。短期間に結果を出す必要に迫られることもあるでしょう。
ただ、ビジネスや人生は長丁場です。結果や他人に照準を合わせると、感情に左右されて継続した努力を続けられないのです。
成功者はみんな継続した努力を続けています。多くの人は成功者の華やかな部分にしか目が行っていないので運がよかったのだと映るのです。『上位20%に入れる人だけが一生成功する』 CHAPTER5 より 横山信治:著 大和書房:刊
「ウサギとカメ」の寓話があります。
相手との実力差に油断し、途中で居眠りをして敗れたウサギ。
どんなに引き離されても、諦めずにマイペースに進み続け、最後には勝利したカメ。
ビジネスも、人生も、長丁場です。
歩みを止めずに前進し続けた人が、最後には勝利します。
昨日より今日、今日より明日。
一歩一歩成長していきたいですね。
[ad#kiji-shita-1]
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
「上位20%」に入って成功している人と、そうでない人の差。
それは大きいものではありません。
やって当たり前のことを面倒くさがらずにやっているかどうか、です。
「上位20%」に入る実力のある人は、成長しよう、上昇しようという意識が身についています。
そのような人は、自力で上り続けることができます。
そのため、いったん「上位20%」に入ってしまえば、容易には落ちることはありません。
「上位5%」「上位1%」とさらに上を目指していけます。
私たちも、本書にある「法則」をできるだけ習慣化し、「上位20%」の壁を突破したいですね。
(←気に入ってもらえたら、左のボタンを押して頂けると嬉しいです)
【書評】『反省させると犯罪者になります』(岡本茂樹) 【書評】『大便通』(辨野義己)