本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『目立たなくても本当に必要とされる人になる小さなコツ』(野澤卓央)

 お薦めの本の紹介です。
 野澤卓央さんの『目立たなくても本当に必要とされる人になる小さなコツ』です。

 野澤卓央(のざわ・たくお)さんは、コツの専門家です。

1000人に聞いてわかった、「必要とされる人」になるコツ

 野澤さんは、小学校3年生のとき、転校先の環境になじめず、学校を休みがちになります。

 中学校では、年間300日休む、不登校児となってしまいます。
 いわゆる「落ちこぼれ」ですね。

 人づきあいに対する苦手意識が身に付いてしまった野澤さん。
 それでも、なんとか大学へ入学はします。

 しかし、苦手意識を克服することはできずに、卒業しないまま25歳で海外へ“逃亡”。
「自分探し」という放浪の旅に出ましたが、この体験が彼を変えました。

「自分で考えてダメなら、できている人に実際に話を聞いてみよう」

 そう決意して、「周りから必要とされている人」の話を聞いてまわりました。
 その数、実に1000人以上。

 できることは、すべて試してみたところ、野澤さんの人生は、劇的に好転し始めました。

 本書は、そんな野澤さんが自らの体験を通して選りすぐった「周りから必要とされている人」となるためのコツが詰め込まれた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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自分のことを知る

 野澤さんは、昔、人間関係でうまくいかないとき、他人を責めたり、自分自身を責めることで言い訳ばかりしていたと述べています。

 あるとき、以下のようなアドバイスをもらいます。
 

「少しキツイことを言うよ。
 自分のことをきらいという人は、本当は自分のことが大好きなんだ。

 頭で描く『理想の素晴らしい自分』が
 本当の自分だと思い込んでいる。
 だから、現実の自分がうまくいかないことが許せないし、こんなにも素晴らしい自分が、
 現実ではうまくいかないはずがない。

 そうやって現実の自分を否定し、
 自分のことをきらいだと思い込んでいく。
 プライドや理想が高く、理想の自分が本当の自分だと思い込んでいる人は、現実の自分をきらいになっていく。 
 そして現実の自分を否定し続けていると、現実の自分を認めたくないという気持ちから、どんどん他人からのアドバイスを聞けなくなっていく。
 頭の中はより現実を離れて、空想の自分をつくりあげ、自分の理想の世界に逃げていく。
 しまいには、頭の中は妄想でいっぱいになり、精神が破綻してしまうこともある。

 だから、現実をよくしたい、本当に成長したいと思うなら、現実のうまくいかない自分を認めること。
(中略)
 現実の、『できていない、ありのままの自分』を愛して一歩ずつ成長していくことが大切だよ」
 と教えてくださいました。

  「目立たなくても本当に必要とされる人になる小さなコツ」  1章 より  野澤卓央:著  大和出版:刊

 現状の自分を認める。
 それは、とても勇気のいることです。

 今の自分がうまくいっていないことを、認めなければいけないからです。

 現状を変えるには、「できない自分」を知ることが、絶対に必要です。

『できていない、ありのままの自分』を愛すること。
 まずはそこからです。

応援される人になる2つのこと

 野澤さんは、歳をとっても、なお多くの人に応援され続けて、長期的に事業を営まれている方には、「どうしたら、人に応援されるようになりますか?」という質問をよくしたそうです。

 以下は、ある社長さんの答えです。
 

「人に応援されるコツかい?
 そうだな、私が人間関係で大切にしてきたことが2つあるんだが、今思えばこれがあったから応援してもらえたのかもしれないね。
 
 1つ目は『一生懸命やること』。
 2つ目は『嘘をつかないこと』。
 これだけだ。
(中略)
 人は一生懸命やっている人を見ると応援したくなるものだと思っている。
 そして、その人が嘘をつかず、ずっと頑張り続けていたら、初めは応援しなかった人たちでさえ、少しずつ応援したくなってしまうんじゃないかな。
(中略)
 何歳になっても応援され続けてもらえる人にお会いして思うのは、
 長期的に誰かに応援されるためには、
 目的に向かい、真面目に一生懸命に行動することが大切だということ。

  「目立たなくても本当に必要とされる人になる小さなコツ」  1章 より  野澤卓央:著  大和出版:刊

 ドラマの主人公でも、こういうタイプの人には、つい感情移入をして応援したくなります。
 現実の世界でも、それは一緒ということでしょう。

 あらためて肝に銘じたいアドバイスです。

どんな人を信じたらいいのか

 野澤さんは、20代の終わりに挑戦した事業で失敗し、多額の借金を背負います。
 そのとき、まるで別人のように態度を豹変させる人がいたため、人間不信に陥ってしまいます。

 どん底の状況の彼を励ましてくれた人の言葉から。
 信頼できる人を見極める目を持つためのアドバイスです。
  

 人の内面のよし悪しや真実は、時間とともに明かされていく。

 信頼できる人を見分けるポイントはいくつかある。

 まず1つ目は、
『言葉と行動が一致している人』。

 相手が何を言うかより何をしているかを見るんだ。
 言葉と行動が違う人は、信頼しない方がいい。

 2つ目は、
『悪口を言わない人』。
 
 君のことはよく言うが、他の人の悪口を言う人は、絶対に信じない方がいい。
 しばらくすれば、君も陰で悪口を言われることになる。
 自分だけ大丈夫という幻想を持たないことだ。

 3つ目は、
『心から君を想って指摘してくれる人』。
 
 同じ言葉でも、人によって違いがある。 
 君のことを心から想ってくれている人の言葉と、
 損得やうわっつらだけで無責任なことを言う人の言葉がある。
 君のことを心から想ってくれている言葉かどうか、見極めることが大切だ。

  「目立たなくても本当に必要とされる人になる小さなコツ」  4章 より  野澤卓央:著  大和出版:刊

 誰を、どのくらい信用するか。
 それは、生きていくうえで、大変重要なことです。

 しかし、多くの人は、あまり真剣に考えていないように思えます。

 ただ単に、好き嫌いだけで付き合う人を決める。
 ウワサ話や他人の評価を鵜呑みにして、人を判断する。

 そうしているうちは、とても信頼できる人を見極める目など、もつことはできませんね。

「良薬は口に苦し」

 この格言は、言葉にも、当てはまります。

 役に立つありがたいアドバイスや忠告。
 それらは、例外なく、自分にとって耳が痛いものです。

 逆に、人を利用しようと近づいてくる人の言葉は、耳に心地がいいものばかりです。
 
 そして「逆もまた真なり」。

 人から信頼されるためには、この3つのポイントを守る必要があります。

 信頼できる人というのは、相手が思っている以上に、相手のことをちゃんと見ています。

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 本書に書かれていることは、決心さえあれば、誰でもできるような小さななことばかりです。
 
「本当に必要とされる人」

 その人たちは、普段は、当たり前過ぎて、周りからも意識されません。
 そして、その人がいなくなったときに、初めて気づくものです。
 
「本当に必要とされる人」とは、「役に立つ便利な人」のことではありません。

「空気」や「水」のように、かけがえのない存在のことです。
 私たちも、そのような存在になるべく、日々心掛けたいですね。

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