本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『無意識はいつも正しい』(クスドフトシ)

 お薦めの本の紹介です。
 クスドフトシさんの『無意識はいつも正しい』です。

 クスドフトシ(くすど・ふとし)さんは、「心」と「体」両方からアプローチすることで人生を好転させる独自のメソッドを開発、現在は、ブログ『世界は君のためにある!』の執筆やトークショーなどを中心にご活躍中です。

「引きこもり」だった僕を変えたもの

 仕事も恋愛もお金も人間関係もうまくいかずに、家に引きこもって生きていたクスドさん。
 そんな生活から脱するため、自己啓発本や精神世界系の本、ブログ、セミナーなどにのめり込みます。
 しかし、すぐに元のダメな自分に戻ってしまいました。

 悩み続けたクスドさんでしたが、あるとき、うまくいかないのは、心の問題ばかり考えていたからだと気づきます。

 そうです、僕たちが生まれてきて持っているものは[心]と[体]、この2つです。
 この世界では[上]があれば[下]がある。[男]がいれば[女]がいる。[表]があれば[裏]がある。というように必ず2つで1つのワンセットの構造になっています。
 となると、悩みや心配事、不安という目には見えない[心]の部分を解決しようと思えば、心だけでなく、[体]からアプローチすることも大切なのではないかと思ったのです。
 心のことばかり一生懸命変えようと思っても変わらないなら、体から変えてみればいい! そう気づいたのです。
 それからというもの、僕は蓄えた知識と、自ら体験したこと、簡単にできるメソッドを実践しながらブログてもお伝えしていくうちに、人生が自分にとって都合よく展開していくようになりました。
 そして、最終的に出た結論はこれでした。

「頑張りすぎていたんだな。
 もっともっと任せてよかったんだ」ということです。
 任せるとは潜在意識と呼ばれる【無意識】の部分にです。

 僕たちが頑張って状況を変えようとしていたことは、【無意識】にとっては邪魔をされていたに過ぎなかったのです。
 その手綱を緩めて、【無意識】に任せてみること。それが人生を幸せに過ごす鍵であり、願望を叶えたり、不安や悩みを解決するのに役立つのです。
 もしかしたら今、この本を読んでるあなたも「頑張っているけどなんだかうまくいかない」と思ってるかもしれません。でも、今までうまくいかなかったのは、頑張る方向を間違えていただけです。
 今から僕がお伝えする方法で、今日から少しずつ【無意識】の領域に身を委ねてみませんか?
 最初は怖いかもしれませんが、そうすればきっとあなたも「この私のままで幸せになっていいんだ」と気づけるはずです。

 さあ! それでは僕と一緒に悩みや不安や悲しみから卒業して、幸せな人生の旅に出かけましょう!!

 『無意識はいつも正しい』 第0章 より クスドフトシ:著 ワニブックス:刊

 本書は、【無意識】に身を委ねることで、さまざまな悩みを解決し、幸せに生きるための方法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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大事なのは、『意識』を変えられるか

 自己啓発本やセミナーを受けても変わらない。
 その理由は、『物事の見方』が変わっただけだからです。

 クスドさんは、それよりも大事なのは『意識』を変えられるかだと指摘します。

 見方を変えるということももちろん大切です。でも、あなたが正しいと思っている見方は数年後、数十年後も正しいといえますか?
 それよりも“見方を変えるということは大切”という考えはそのままに、いつでもその“見方そのものは変化できる”という柔軟な意識を持つことのほうがより大切です。
 こう言うと、「常に変化していく考えを持てばいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。

 でも、常に変化していくことをあなたはできますか?

 極端な話、毎日、違う人と違う場所で仕事をしたり、毎日、帰る家が違うことにも耐えられますか?
 できるという人もいるでしょうが、そういう人はそもそもこの本を手にとってないでしょう。
 ほとんどの人がそんな緊張感溢れた、スリルある生活は望んでいないはずです。
 だからこそ、何度も言いますがバランスが大事なのです。
 この世界に生まれてきて、あなたは「心」だけで生きているわけでも、「肉体」だけで生きてるわけでもありません。
 両方を兼ね備えて生きています。どちらかだけを重視するのではなく、「心」と「体」どちらも大事だということにまず気づくべきです。
 そして、無意識のチカラがほとんどを占めて僕たちの日常の動きをコントロールしているわけですから、いかにその無意識がチカラを発揮できるかに意識を向けるべきです。
 無意識が9割と言われますが、この事実ももしかしたら間違っているかもしれません。
 それは日々、僕たちの意識していることは変わるので、正確なデータなど取りようがないからです。
 人間の細胞も60〜80兆個あると言われていますが、毎日死んでは生まれ、死んでは生まれているので正確な数字は分かりません。
 代謝を繰り返すことで僕たちの体は健康でいられます。
 つまり、潜在意識というのは変化こそが安定だということです。
 水も器に溜めたままでは腐ってしまうように、流れていれば、きれいな水であり続けます。
 あなたが「コントロールして望みを叶えようとすること」は無意識の領域の働きを堰き止めているのと同じこと。
 それをやめることがまずは幸せな人生に向けての第一歩です。

 『無意識はいつも正しい』 第1章 より クスドフトシ:著 ワニブックス:刊

 思考や感情などの「心」は、自分自身でコントロールできます。
 しかし、代謝や鼓動など目に見えない部分の「体」はコントロールできません。
 クスドさんは、この見えない部分を含めた「体」を変えていくことが、悩みや不安を解決するために重要だと述べています。

 見えない部分の「体」を動かしているのは、意識の大部分を占める【無意識】です。
 無意識に働きかけることが、いかに重要かということですね。

「親指」のチカラを信じてみる

 不安や恐れを感じたり、何かに悩んでいる。
 それは、体の中でエネルギーが循環せず凝り固まっている証拠です。

 そんなときのアプローチ方法が、「親指メソッド」です。
 やり方は、以下のとおりです。

  1. 時間のあいてる時やお風呂に入っているときでもいいので、左右どちらの手の親指も側面を20秒ほどマッサージするように揉む
  2. 足の親指は1とは反対に、普段歩く時や立っている時、座っているときにチカラを(地面を押すようにして)入れてみる。
  3. 7日間やってみる

 僕たちの指というのはそれぞれ、ある感情とリンクしていると考えられます。
 親指が「不安」、
 人差し指が「恐怖」、
 中指が「怒り」、
 薬指が「情緒」、
 小指が「緊張」、

 といったような感じで。
 赤ちゃんがおしゃぶりをする時は必ず親指です。中指や小指でも構わないはずなのに不思議だと思いませんか? でも、落ち着きたいとか安心したいという思いの時は必ず親指をおしゃぶりしています。
 また、「大丈夫だよ!」「いいね!」と誰かを励ましたりする時は親指を立てます(エド・はるみさんも、これが超得意!)。人差し指でも薬指でも構わないはずなのに。
 恐れがあればその恐れを自分の中に見たくないので、人を指して「誰かのせい」にする時は人差し指です。(それでも僕はやってない!)。
 怒りがあれば中指を立てる行為(ファッ◯・ユー)を欧米ではします。
 お互いの気持を結ぶという意味では、結婚指輪をするのは薬指です(僕は未婚です)。
 緊張すれば小指にチカラが入って、その状態でマイクやグラスを持つと小指が立つ、ということがあります(オネエについてはまた別の話)。

 この手の親指ですが、実は、チカラがこもってしまうと、本来のチカラにブレーキをかけることにもつながります。つまり、手の親指にチカラが入っていると、緊張が増したり、不安が発生する、ということです。
 例えば、箸を使う時、親指にチカラが入ると握り箸になり、うまくモノを掴めなかったりします。
 反対に自転車やオートバイでブレーキをかけたり、野球やゴルフのバットやクラブを握ったりする時など体が緊張状態にある時(チカラを入れたい時)は、小指に最もチカラを入れているはずです。
 小指を立てた状態で、紙に自分の名前を書いてみれば、そのことがはっきり実感できるでしょう。
 この不安や心配がある時というのは、肩こりとかと同じで感情の凝りが溜まっているので、不安とリンクしている手の親指を揉むことでその凝り(チカラ)を散らして循環させてあげればいいのです。

 『無意識はいつも正しい』 第2章 より クスドフトシ:著 ワニブックス:刊

【無意識】から湧き出る感情は、自覚することができません。
 しかし、体の反応として表れます。

 力を入れたつもりがないのに、つい、力が入って固まってしまう。
 そんな体の部位が、【無意識】に潜んでいる感情の正体を明らかにしてくれます。

「思い込み」に支配されない

【無意識】のなかに眠る、私たちが本来持っている力。
 その力を発揮するのを阻む大きな要因のひとつに、「思い込み」があります。

 クスドさんは、『思いこみ』をしていることが怖いのではなく、本当は、思い込みをしているってことに気づかないことのほうがよっぽど怖いと述べています。

『思い込み』自体は、なくならないものです。
 それよりも、問題は、1つの意識を固定化し、他の可能性を見ようとしていないことです。

 思い込みから脱し、正しい・間違いという二者択一の考えから抜け出す。
 そのための方法が「ノージャッジ! メソッド」です。

 やり方は、以下のとおりです。

  1. 人やモノや出来事を裁く思考が出てくるたびに、「ノージャッジ!」と言葉にする
  2. 外出時などで、言葉にできない場合は頭の中で言ってみる

 ジャッジとは、判断することだけでなく、批判すること、裁くこと、非難することや決めつけも含みます。ジャッジを少しの間だけでもやめてみると、たくさんのことに気づけます。

「あいつはいつも時間に遅れてくる。全く、だらしない奴だ・・・ノージャッジ!
「時間を守らないヤツは悪い!」・・・いやいや? 僕が待ち合わせ時間を間違えているだけでした(テヘペロ)。

「ここは公共の場だぞ。もっと小さな声で話せ! ・・・ノージャッジ!」
「空気を読まないのは悪い!」・・・そんな僕は、家に帰ると「ペチャクチャうるさい!」と妻に注意される男です。

「いっつも残業だ! 今日は定時で終わるぞ! って部長は言ったのに・・・ノージャッジ!」
「約束を破るのは悪い!」・・・言っても、もし「今日も残業だぞ!」って部長が言ったら、もっときついかも(笑)。

「あの人と会ったら、ワガママで振り回されるから疲れちゃう・・・ノージャッジ!」
「感情をむき出しにするのは悪い!」・・・いや、でももしかしたらあいつ、誰よりも自分に正直なだけの可能性もあるな。

「夫は毎晩帰りが遅いし、スーツから香水の匂いが。接待って本当かしら? ・・・ノージャッジ!」
「夫婦で隠し事をするのは悪い!」・・・そんな私こそ、先日銀座で、夫に内緒でバッグを買ったことを忘れてましたわ、オッホッホ(しかも旦那の稼いだ給料で)。

 あなたも昨日のことをちょっと思い出してみてください。よく考えたらいっぱいジャッジしてませんか?
 こういうことを言うと、あなたはきっと真面目で心優しい人だから、「ああ、私ったらまた人のことを決めつけで見てたわ。ダメね」と、批判していた自分に気づき自分のことを責めてダメ出しするかもしれません。でも、それもノージャッジです。
 もし自分をジャッジしたとしても、それはそれで起こってしまったことなんだからどうしようもありません。またイチから取り組めばいいのです。いちいち起こってしまったことにとらわれないことです。

 『無意識はいつも正しい』 第4章 より クスドフトシ:著 ワニブックス:刊

 考え方のクセは、つねに【無意識】に働きかけ、支配します。
「決めつける」をやめると、『思い込み』に気づき、考え方が柔軟になります。

【無意識】を縛りつける『思い込み』から解放すること。
 それが、【無意識】の力をフルに引き出すための秘訣です。

「ほんのちょっと先の幸せ」を意識する

 私たちは、「足りない」という不足感、つまり「実体のないもの」にあなたがリアリティを勝手に与えて、さも存在するかのように考えるから「悩み」になります。

 悩みが「存在しないもの」だと認識する。
 そのためには、「未来にワクワクすること」や「ドキドキと心が弾むような嬉しいことなどを【期待】すること」です。

 クスドさんは、「ほんのちょっと先の幸せ」を利用した方法、「ぴったりメソッド」を紹介しています。
 やり方は、以下のとおりです。

  1. 自分の願望、なりたい姿を思い描く(生きがいとなる仕事に出会う、素敵な彼氏が隣りにいる、ダイエット成功、ずっと取りたかった資格に合格などなど、とにかくなんでもOK!)
  2. 今から数時間後にやってくるであろう幸せなことや嬉しいこと(些細なことなど何でもいい)を想像して気持ちを高ぶらせる
  3. そして目線を右上に上げていき、1で描いた姿をイメージしたまま3秒視線をキープする。そして、「うん! ぴったり!」とうなずきながら言葉に出す
  4. まずは7日間やってみる

 たったこれだけ。
 言葉に出すのは、「うん! ぴったり!」だけです。

「ほんのちょっと先にやってくる幸せなこと」をあらかじめ想像して気持ちが満たされることで、遠い先の未来にある理想像に対して「ダメかも・・・」という抵抗を減らせるという仕組みです。

 僕たちの願望も、なりたい姿も、いきなり「叶う!」と思い込もうとしても抵抗(無理かも。ダメかも)に遭います。
 思い込むのではなく、『今』これだけ嬉しさや幸せな気持ちを心に感じている期待感に意識を集中させるのです。
 この幸せな感情は実体がありますよね? 実際にあなたが感じているのだから。

 そして、この先の願望が叶うのも悩みが解決するのも、この幸せな気持ちがふさわしいんだという意味で「ぴったり」という言葉を使います。

 視線を右上に上げるのは、右脳の働きである「イメージの領域」「新しいモノを作り出すという働き」を潜在意識に、意識させるためです。
 視線を右上に3秒ほどキープして、なりたい姿や願望などの『想像』を右脳に『創造』させて、最後は「うん!(それは自分に)ぴったり!」とつぶやいてみてください。

 あなたの今現在の姿は、過去の延長線上にあり、未来へとつながっていきます。
 だからとにかく、少し先の未来に、幸せのワンクッションを入れ続けてください。

 そうやって少し先の未来に幸せなことが起こり続けた結果、やってくる遠い未来は、おそらく・・・・・・
 ワクワクする未来に変わっていることでしょう。

 『無意識はいつも正しい』 第4章 より クスドフトシ:著 ワニブックス:刊

 私たちの未来を創るのは、「今」この瞬間の感情です。

 今、自分はワクワクしているか。楽しんでいるか。
 それによって、将来、自分に起こる出来事が決まります。

 自分の将来について、楽観的に考えている人は、楽観的な現実を引き寄せます。
 逆に、悲観的に考えている人は、悲観的な現実を引き寄せます。

 なりたい姿を思い浮かべて、「うん! ぴったり!」。
 ぜひ、実践したいですね。

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「心」と「体」は結びついている。
 皆さんも、聞いたことがあるでしょう。

 体で感じたこと、経験したことは、感情として心に表れます。
 同様に、心で感じたことは、顔の表情や体のしぐさに表れます。

 覚えておきたいのは、心の大部分を占めるのは【無意識】だということ。
【無意識】から生まれる感情や考え方も、当然、体に影響を与えます。

 なかなか治らない体の不調や病気。
 その原因も、根本的は【無意識】にあると考えるべきでしょう。

「心」からだけでなく、「体」から【無意識】に働きかける。
 本書は、そのための方法がぎっしりと詰まっています。
 誰でも簡単にできるものばかりなので、ぜひ、一度お試しください。

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