本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『人生を変える 修造思考!』(松岡修造)

 お薦めの本の紹介です。
 松岡修造さんの『人生を変える 修造思考!』です。

 松岡修造(まつおか・しゅうぞう)さんは、元プロテニスプレーヤーです。
 引退された後は、料理番組のリポーターやスポーツキャスターとして、テレビで活躍されています。

“日本一熱い男”の考え方とは?

 今年の夏は、ロンドン五輪がありますね。
 五輪と言えば、松岡さん。
 これまでも日本人が活躍する数多くのシーンのかたわらに、松岡さんの姿がありました。
 今回も、人一倍大きな声で、日本選手を応援する姿が、中継を通じて映し出されることでしょう。

 松岡さんの世間一般の印象は、“熱い男”。
 そんじょそこいらの“熱さ”ではありません。
 それこそ「メラメラ燃える」という形容詞が似合う、メチャクチャ“熱い男”です。

 世が好景気で活気にあふれていたら、彼の“熱さ”は単に“暑苦しい”だけだったかもしれません。
 しかし、今の日本は不況も不況、大不況。
 東日本大震災のショックも重なって、国全体が落ち込み、希望の見えにくい状況です。

 こういう時代だからこそ、松岡さんの“熱さ”は貴重です。
 日本人が皆、松岡さんの“熱さ”の2割、いや1割でも持てたら、この国は大きく変わるでしょう。

 ただ、松岡さん本人には、自分が“熱い男”だという認識はありません。

 僕は周りの人に、どうしたら朝起きてから夜寝るまで一所懸命に熱く生きることができるのか、と聞かれることがよくあります。
 僕自身は自分を熱い人間だと思ったことはありません。
でも自分にはただ一つだけ、みなさんに誇れるところがあると思っています。それは、どんなことにおいても、人より何倍も楽しむことができるということです。

 たとえば食事でも、寝るときでも、人と話すときでも、今自分がやっているすべての行動において、そのことに集中し、存分に楽しんでいます。
 ただこれは、生まれながらにしてそうだったのではなく、考え方、イメージ方法などでいくらでも作り出せるものなのです。
 日々出会う人、経験すること、読んだ本、観た映画など・・・・。
 あえて言うなら、こうした日常すべてに対して、自分の感性を研ぎ澄ませて得ることができた“松岡修造的思考法”とでもいえるかもしれません。

  『「人生を変える 修造思考!」  はじめに より 松岡修造 著 アスコム 刊 』

 松岡さんの“熱さ”は、これまで培ってきた考え方によるとのこと。

 松岡さんは、人生の一瞬一瞬を全力で楽しんでいます。
 そのエネルギーが、周囲から“熱い”と感じられるのでしょう。

 本書は、松岡さんが、常に全力で人生を生きるための心の持ち方をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「情熱大陸」を観るときは、主人公を自分に置き換える

 松岡さんは、テレビを観る時、ドラマでもクイズ番組でも、主人公(出演者)になり切って観ます。

 特にお気に入りなのは、「情熱大陸」という番組。
 この番組は、アスリートはもちろん、演出家や建築家、研究者など様々な分野で活躍される第一人者を毎回取り上げます。 

 僕は、そんな「情熱大陸」を出演者になったつもりで観ています。
 自分に置き換えて「情熱大陸」を観ることで、「この人って、すげえな」だけでなく、「この人のすごさは、僕だったらこう活かせるんじゃないかな」「僕はこうしよう」と考えるわけです。
 しかも、ものすごく細かなところで努力しているなど、普段は見ることができない姿を観ると、僕自身、もっと頑張ろうという気持ちになります。
 熱い気持ちとやる気を得ることができる番組、僕にとってはそれが「情熱大陸」なんです。
(中略)
 テレビは自分中心に観る、これが修造流です。

  「人生を変える 修造思考!」  修造流生き方1 より  松岡修造:著 アスコム:刊

 他の選手の応援に、あれだけ一所懸命で涙さえ流せるのも、その選手になり切っているから。

 それだけではありません。
 なり切ったうえで、その人の長所を探し出し、自分が盗める部分はないか、としっかり分析までします。

「共感力」と「分析力」。
 その両方を持ち合わせているのが、松岡さんのすごさです。

退屈な映画も最後まで観る、退屈な講演も最後まで聞く

 松岡さんは、どうしても楽しめない退屈なことに出会ったとき、目先を変えるそうです。
 つまり、楽しもうと思っても楽しめないときは、なぜ面白くないかを考えはじめるとのこと。

 そう考えると、「退屈」「辛い」「憂鬱」というマイナスイメージのある言葉が浮かぶ状況には、とてもいいヒントが転がっているといえるかもしれません。
 マイナスのイメージをそのまま受け入れずに、その感情を抱いた原因を考えてみると自分に役立つものが見えてくるからです。
 つまらないからこそ、投げ出すのはもったいないこと。本当につまらないかどうかは、じっくり付き合ってみないとわからないものです。

  「人生を変える 修造思考!」 修造流生き方10 より  松岡修造:著  アスコム:刊

 一流プロのしたたかさか。
 さすがですね。
 勉強になります。

ちょっとした成功でも喜ぶクセをつける

 これも常に人生を楽しむためには重要なことですね。
 他人からではなく、自分自身で自分を褒めることは、いつでも誰でも出来ますから。

 何か少しでも結果を残したら、「お前はすごい」と心の中で自分を褒めちぎってください。もちろん、子供のように無邪気に飛び上がるほど喜んでもいいし、小さくガッツポーズをしてもいいと思います。ちょっとした成功でも喜ぶことで自分のレベルアップにつながります。そうすることで自分の力になっていくと考えたら、いろいろなことが楽しくなってくるとおもいませんか。その積み重ねが自分の実力になります。

  『「人生を変える 修造思考!」 修造流生き方29 より 松岡修造 著 アスコム 刊 』

 どんなに小さいことでもいいんです。

「褒めてあげる」ということが大事。
 そして、クセになるまで続けることが重要ということです。

性格は変わらないが、心は変わる!

 松岡さんは、性格は変わらないが、心は変わる!として、以下のように述べています。

 なぜなら自分らしさは自分の中にあるものだからです。そのうえで心を変えられれば自分の成長につながります。心を変えることは、なんとなくの努力ではできないかもしれません。
 ただ僕は断言します。自分の心の置き方次第で心は変えることができ、その結果、周りからの見え方、関わり方が変わってくることを。心が変わると変えてはいけない本来の自分らしさが愛おしく思えてきます。
 その先には成長した自分に会えるという楽しさが待っています。

  「人生を変える 修造思考!」 おわりに より 松岡修造:著 アスコム:刊

「心」すなわち「意識の持ちよう」は、いくらでも変えられるし、熱くもなれます。

 変えることで、「変えられないもの」、「変えてはいけないもの」も見えてきます。

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 これからの時代は、自分以外のものに依存することは、大きなリスクです。
 それは“モチベーション”“やる気”といった意識の問題も同様です。

 自分自身の中に、どれだけ“熱”を持ち続けられるかです。
 そういう意味では、松岡さんは優秀な「自家発電機」を内蔵しているような人。

 結局、最後はそういう方が生き残ります。
 見習わないといけませんね。

 時代は「エコ」です。
 省エネです。

 自分を動かすエネルギー(情熱)も自分で作り出さないと。
 ということで、一家に一台いや、一冊いかがでしょうか。

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