【書評】『すべてが味方 すべてを味方』(小林正観)
お薦めの本の紹介です。
小林正観先生の『すべてを味方 すべてが味方』です。
小林正観(こばやし・せいかん)先生は、教育学者・心学研究家です。
人間はどうすれば幸せになれるか。その疑問に真っ正面から取り組んだ方でもあります。
身に付けた知識をそのまま体系化したのではなく、ご自身で試されて効果があることのみ信じるという、徹底した実証主義者でした。
「全てが味方」になる生き方とは?
小林先生は、最初に、以下のように述べています。
日本は古来からあったのは、目の前の人が全部「味方」だという考え方でした。だから「和」の国だったのです。
このあたりで、もとの日本に戻すのはどうでしょう。
「競わない」「比べない」「争わない」で生きる。「すべてを味方」にする。
「全てを味方」にしようと思って生きていると、いつの間にか「全てが味方」になっています。
この本ではそんな生き方について書いてみました。
「全てが味方 全てを味方」 はじめに より 小林正観:著 三笠書房:刊
小林先生の理屈は、単純明快です。
競わず、争わなければ、「敵」は出来ない。
全ての人が「味方」となる。
たしかに、その通りですが、なかなかそう思い通りに生きられません。
本書は、誰でも「全てが味方」になる人生が送るための方法をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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今、この瞬間を精一杯生きる
まず1つ目の心掛けは、「今、この瞬間を精一杯に生きましょう」です。
私たちは、過去、現在、未来という、とても長い時間・空間の中に生きているようですが、実は「この瞬間」だけを生きています。
「今日寝て起きたら、明日」ではありません。「今日寝て起きたら、起きたときは今日」なのです。
(中略)
「今日」の「今」しか私たちの目の前に存在していないので、過去のことをああすればよかった悔やんだり、永久に来ない未来に対して心配や不安を持って、そこにエネルギーを費やすというムダなことをやめましょう。
常に、「今日」、「今」、目の前に存在している人を大事にし、やるべきことをひたすら大事にやっていく。
人生はただそれだけのようです。
「全てが味方 全てを味方」 第1章 より 小林正観:著 三笠書房:刊
「明日、明日・・・」
そう言っている人に、「明日」は、永遠に来ません。
時の流れとは、永遠の「今」が続くことだからです。
やりたいこと、やるべきことは、先延ばしない。
今、やりましょう。
口に出す言葉は選ぶ
2つ目の心掛けは、「口に出す言葉は選びましょう」です。
私は、「五戒(ごかい)」ということをたびたび口にします。
五戒とは、ただひたすら<不平・不満、愚痴・泣き言、悪口、文句>を口にしないということです。
これは目の前にある現象が“イヤなもの”ではなくて、実は、うれしさや楽しさ、幸せを内在しているものなのだと見抜く訓練です。
(中略)
そして、さらにもう一歩進んで、その人の口から出る言葉が、温かく明るくて、人を励まし力づけるものであれば、あなたは、「まわりのすべてを味方にする」ことができます。
「全てが味方 全てを味方」 第1章 より 小林正観:著 三笠書房:刊
これも、耳が痛い言葉ですね。
つい、グチりがちな私たちも、心に留めておかなければいけない言葉です。
全ては自分に返ってくる
3つ目の心掛けは、「全ては自分に返ってきます」です。
投げかけたものは、倍返し。優しさや手助けというものを投げかけると、自分のところに思いやりや援助という形で2倍になって返ってきます。これが宇宙の大法則、<投げかけたものが返ってくる>。
自分にツキがたくさんあると思うなら、そのツキをまわりの人たちに分けることで、その人はもっとツキまくります。
(中略)
結局、いちばんトクをするのは、その中にいるいる自分自身です。「全てが味方 全てを味方」 第5章 より 小林正観:著 三笠書房:刊
いいことも嫌なことも、他の人にしたことは、全て自分に返ってきます。
小林先生は、ご自身の体験から、そう結論付ています。
まずは、自分から行動を起こすこと。
何もせずに、見返りだけを期待するのは、ムシがよすぎるということですね。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
ここに挙げたのは3つだけですが、どれをとっても、小林先生独特の考えと言えるものはありません。
「幸せ」は、いつの時代も、誰にとっても変わらない、普遍的なものだということです。
小林先生の偉大さは、それを本に著されたことではなく、それを実践されて「幸せな人生」を生き抜いたことにあります。
小林先生と、私たちの違い。
それはまさに、「実践しているか、実践していないか」の差だけです。
本書の内容は、簡単に誰でもすぐ出来ることばかりです。
騙されたと思ってやってみても損はないです。
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