本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

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【書評】『夢をかなえる脳』(澤口俊之)

 お薦めの本の紹介です。
 澤口俊之先生の『夢をかなえる脳』です。

 澤口俊之(さわぐち・としゆき)先生は、霊長類学などがご専門の、生物学者、脳科学者です。

夢の実現に努力するのは、人間の本質

 澤口先生は、夢をもち、夢を実現させるために努力することは、人間の本質であると断言し、以下のように述べています。

 みなさんは夢とはどのようなものだと思っていますか?または、夢に対してどのような考えをおもちですか?
(中略)
 ですが、夢をもつというのは、人間の重要な特徴の「未来志向性」から生まれ、その夢を実現するべく努力をするというのが、人間の大きな本質のひとつなのです。
 そのため、人間は、誰でも夢をもっているのです。逆に夢をもっていない人間はいないと言っても過言ではありません。
 自分の夢がわからない、あるいは、したいこと、好きなことがわからない人たちは、自分の些細な夢や目的に気づいていないだけなのです。
 
  「夢をかなえる脳」  はじめに より  澤口俊之:著  WAVE出版:刊

 澤口先生は、未来を志向する力自体が『夢』だとも述べています。

「夢」というのは、未来における目的です。
(中略)
 人間の重要な本質には大きく2つあります。
 1つめは、長生きすること。そして長い人生の中で、社会協調性を育てます。つまり、人生は、人と人とが助け合って生きていくのです。
 2つめは、「未来志向性」。これは言葉通り未来に目的をもって生きるという意味です。未来を志向することは、とても高度なことで、 脳領域では主に前頭前野がこの役割を担っています。
(中略)
 脳科学的に、未来を志向する力が、「夢」だといってよいでしょう。
 
  「夢をかなえる脳」  はじめに より  澤口俊之:著  WAVE出版:刊

 夢をもつこと、夢に向かって努力することが、人間の本質である。

「夢をもてない」
「夢に向かって努力できない」

 それは、脳(特に前頭前野という部分)の機能が、正常でなかったり、未発達だから。
 つまり、脳の必要な機能を鍛えることで歳に関係なく改善が可能だということです。

 澤口先生は、これらの機能の正常性を「成功することを予測できる指数(成功脳指数SQ)」である程度数値化できると述べています。
 
 本書は、まず読者に簡単なテストを行ってもらうようになっており、その結果から、今現在のSQ値が算出されます。

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SQ値とは、何か?

 SQ値は、大きく以下の4つの項目に分かれています。

 SQ1(未来志向的行動力)
 SQ2(社会関係力)
 SQ3(流動性力)
 SQ4(結晶性能力)

 本書は、これらのSQ値が低い人に対して、項目ごとの“処方箋”に多くのページが割かれています。

 例えば、SQ1(未来志向的行動力)を高めるための方法として、「10年先の具体的な夢をもち、書きとめる」ことを挙げています。 

「夢を書くこと」は、夢をかなえるにあたって最も基本的かつ重要なことです。
(中略)
 私たちの調査でも、子供のころに夢を書いていた人たちは、成人になってより成功することがわかっています。
 ちなみに、夢を書くことがいいのは、脳内言語システムの本質を端的に示しています。言語はコミュニケーションの手段という側面もありますが、より本質的な役割は脳内コントロールです。この役割は「書く」という行為によってより強まります。
 
  「夢をかなえる脳」  第2章 より  澤口俊之:著  WAVE出版:刊

 夢を、具体的に言葉に書き出し、文章とする。
 そして、頭の中に常にイメージしておくことが大事です。

記憶を活用する

 SQ4(結晶性能力)を高める方法として、「新聞の社説やニュースのコメントを批判すること、そして、ブログを書くこと」が挙げられています。

 結晶性能力の要は「記憶を活用する」ということにあります。
 その記憶が少なければ「ワカゾウ」とみなされるしかありませんが、記憶が多いだけで活用しなければ、単なる「物知り」でしかなく、結晶性能力が高いとはいえません。記憶を積極的に活用することが肝要なのです。
 
  「夢をかなえる脳」  第2章 より  澤口俊之:著  WAVE出版:刊

 ある記事に対して、批評する。
 それは、かなり頭を使う作業なんですね。

 知らないうちに、論理的思考力も鍛えられるということです。

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 最後に、澤口先生は、以下のようにおっしゃっています。

 最初のほうに書いたように、夢の実現には「運」という不確定要素が入りますし、幼少期での影響も大きいものですから、本書を読んで具体的な方法を実践すれば「必ず夢をかなえられる」と断言することは残念ながらできません。ですが、夢をもち、その実現へ向けた努力をすることは、今からでもできます。そして、そういう営為こそが人間の本質であり、限られた人生において最重要であることは本書で繰り返し述べてきた通りです。
 読者のみなさんが夢をかなえられること、少なくとも夢への一歩を踏み出すことを、重ねて願っています。
 
  「夢をかなえる脳」  あとがき より  澤口俊之:著  WAVE出版:刊

 運や周囲の環境も、自分自身が引き寄せている。
 そうだとすると、やはり、すべては、本人の意識次第ということ。

 夢が実現するかどうかは、大した問題ではありません。

 夢に向かって生きる姿勢そのもの。
 それが、生活そのものにメリハリを与え、イキイキとした若々しさを保ってくれます。

 夢を実現しようと、一生懸命生きている。
 そんな人たちは、周りから見ても魅力的だし、惹きつけられるものがあります。

 まずは、「夢」を持ちましょう。
 持つだけなら、タダですしね。

 夢を持ち、頭を鍛えて、前向きに歩んでいきましょう。

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