【書評】『30代にやっておいてよかったこと』(中谷彰宏)
お勧めの本の紹介です。
中谷彰宏さんの『30代にやっておいてよかったこと』です。
中谷さんは、この本を以下のような人のために書いたと述べています。
①努力しているのに、なかなか結果がでなくて迷っている人。
②リーダーとして、どうすれば部下を育てられるか迷っている人。
③好きなことをしていていいのか迷っている人。
30代は、会社で上司と部下の間に挟まれて、このような悩みを抱えている方が多いです。
中谷さんは、多くの人は、成功するための“努力の仕方”が間違っている
と指摘します。
仕事で成功している人に、どうやったらうまくいくのかと聞くと、必ず「たいして努力はしてないです。普通にやっているんです」と言います。
これを聞くと、「そうか、普通でいいんだ。でも、それでは参考にならない」と思ってしまいます。
「あの人は普通にやっていて成功し、私は普通にやっていて成功しない」と思うと、「あの人は才能があって、私はない」「あの人は運がよくて、私は運が悪い」という解釈になるのです。
「特に努力はしていません」と言っている側も、嘘をついているわけではありません。
でも、聞く側も聞き方を間違えています。
仕事も習いごとも恋愛も、努力しながらやっているようでは続きません。
「私はこんなに努力しているのに、なんでうまくいかないのだろう」と言っているようでは、到底ムリです。
努力を意識してやっているうちは、まだムリがあるのです。
「30代にやっておいてよかったこと」 第1章 より 中谷彰宏:著 PHP研究所:刊
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習慣化すれば「普通」になる
成功している人は、自分がしていることを「努力」と思わないくらい、習慣化しています。
周囲からは、大変な努力をしているように見えても、本人には“当たり前”の日常的です。
成功している人は、習慣が違います。
運と才能ではありません。
それぞれの人の仕事のやり方の「習慣になっているところ」で差がつくのです。
たとえば、「こまめにホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)をする人」や「遅刻をしない人」は、頑張ってそうしているのではありません。
習慣化しているのです。
遅刻している人も習慣化しています。
小さい約束を守る人は、小さい約束を守ることが習慣化しています。
(中略)
悪い習慣を、いい習慣に変えるまでの間は努力が要ります。
いざ仕事をする時に努力をしているようではダメです。
スポーツと同じです。
試合の途中で努力しても成功しません。
試合の途中で普通にやっていて成功できるのは、練習で努力しているからです。
それが習慣化しているということです。
(中略)
今、悪い習慣があるとしたら、それをなくす努力をします。
レスポンスを上げたり、行動を早くできるように習慣づけていきます。
「30代にやっておいてよかったこと」 第1章 より 中谷彰宏:著 PHP研究所:刊
なにごとも、習慣にしてしまえば、それは“普通”になります。
中谷さんは、ハイペースで本を書き続けて、すでに数百冊の本を出版しています。
それも、中谷さんにとっては習慣のなので、“普通の努力”なのです。
同じ努力でも、必要なのは、悪い習慣をなくし、良い習慣を身に付ける努力です。
しっかり習慣付られるまで、努力を継続できるか。
それがすべてです。
努力は、力を入れること、頑張ることではありません。
成果が出ない時に諦めないことです。
努力しているのになかなか習慣ならないのは、努力しているとは言いません。
やってもやっても習慣にならないのは、努力しているとは言いません。
やってもやっても習慣がつかなければ、どこまでいってもゼロの連続です。
つまり、やっていない人と同じです。
いい習慣をつけるのを諦めている人も、諦めないで頑張っている人も、見た目はゼロの連続です。
結果はすぐには出ません。
1日やったら1日分の結果が出るということは、ありえないのです。「30代にやっておいてよかったこと」 第1章 より 中谷彰宏:著 PHP研究所:刊
中谷さんは、身に付けて置いた方がいい、具体的な“良い習慣”について色々挙げています。
メモを取ること。
挨拶を自分からすること。
1つ聞いたら、1つ動くこと。
どれも、社会人として、基本的で重要なことばかりです。
当たり前のことを、当たり前のようにできる。
そんな人は、やはり周囲からも信頼されるし、尊敬されます。
年齢や時代も、関係ありませんね。
リーダーであるための条件
中谷さんは、リーダーである人の条件として、「どんな時でも笑えること」を挙げています。
部下がどんなに泣きそうな顔をしていても、そこで笑わせる。笑い声をつくっていくことが、そのピンチを乗り切るエネルギーになります。
(中略)
今置かれている状況をしっかり受けとめることが大切です。
受けとめた時に笑いが起こります。
人事を尽くして天命を待つ時に初めて笑いが起こるのです。
笑っていないのが一生懸命だというのは勘違いです。
一生懸命やっている人は、必ず笑っています。
それは、やり尽くしているからです。
「みんなも頑張ったし、僕も頑張った。これでうまくいかなかったら仕方ないね」と笑えるのです。
やり尽くしていない人は笑えないのです。「30代にやっておいてよかったこと」 第2章 より 中谷彰宏:著 PHP研究所:刊
リーダーでなくても、いつでも心に余裕はほしいですね。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
中谷さんが、この本で一番おっしゃりたかったこと。
それは、
「いつでも、自分の好きなことに全力で努力しろ」
です。
ほかのことをやっているヒマはないのです。
神様から与えられているのは、好きなことをやるための時間です。
しなければいけないことや、やれることだけをしてしまうと、本当に自分のやりたいことができません。
同じ苦労をするなら、好きなことで苦労することです。
どんなことにも苦労は伴います。
好きではないことで苦労するよりも、好きなことで苦労するほうが間違いなく思い出話になるのです。
結果がでなくてもするのが、好きなことです。
結果が出るからするのは、好きなことではないのです。
ほめられるから好きというのも違います。
好きなことは、結果はでなくても満足できるのです。「30代にやっておいてよかったこと」 第3章 より 中谷彰宏:著 PHP研究所:刊
好きなことでなければ、とても、習慣化するまで継続できません。
好きなことをやっている限り、苦労を苦労と思わないません。
結果が出なくても、失敗と思わなくて済みます。
上達すればするほど、楽しくなり、さらに好きになる好循環ができます。
そうなれば、こっちのものですね。
英語が話せると、いろいろ有利だから。
法律を知っていると、いろいろ便利だから。
そんな動機では、とても習慣化させるまで、継続するのは無理です。
中谷さんは、そんな努力をするよりも、本当に自分の好きなことを探すことを努力せよ
とおっしゃっています。
実用的か、利益になるかは、関係ありません。
とにかく、好きなことをとことんすべきです。
どんなことでも、極めていくうちに、新たな道が切り拓かれる。
人生とは、そんなものです。
何よりも大きいのは、好きなことをしている間は、とても“幸せ”だということ。
好きなことをする時間を、できる限り、多く持つ努力。
それこそ、私たちがすべき、本当の“努力”です。
人生を輝かせるために、今日も、“努力”していきたいですね。
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