本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

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【書評】『もっと「脳にいいこと」だけをやりなさい!』(マーシー・シャイモフ)

 お薦めの本の紹介です。
 マーシー・シャイモフさんの『もっと「脳にいいこと」だけをやりなさい!』です。

 最初に、訳者である茂木先生は、「幸せ」について、以下のように述べています。
 

 ズバリ「幸せな人」ってどういう人のことでしょうか。
 いつも明るい人?
 人に好かれる人?
 お金持ちの人?
 私は「ネガティブな部分」しっかりと見つめて、「それがどこから来るのか」という理由を知っている人だと思います。
 自分の「弱点」を知って、それを受け入れている人です。
 ネガティブな自分を見ないようにしていたり、「どうせこんな私だから」と、開き直っていたりすると、仕事や恋愛、人間関係など、さまざまな側面で、どこか思うようにいかなくなります。

 『もっと「脳にいいこと」だけをやりなさい!』 訳者の言葉から マーシー・シャイモフ:著 茂木健一郎:訳 三笠書房刊

 自分の嫌いなところ、弱いところを持っていない人は、いません。
 それをどう捉えるかで、その人の幸せ具合が、まったく違ってくるということです。
 
 見て見ないフリをしても、嫌いなものは、嫌いなまま。
 自分を、今以上に好きなることもできないし、幸せにもなれません。

 では、どうしたらそんな状況を改善できるのでしょうか。
 それを、具体的な方法も含めて、著したのが本書です。

 シャイモフさんは、「自分自身を愛で満たせ!」と強調します。

 シャイモフさんのいう”愛”は、相手の行動や条件次第でなくなってしまうようなものでなく、もっと「大きな愛」のことです。

 他人にも外部の状況にも左右されない、純粋な内面の状態です。
 自由、平安、喜び、開放感、深い達成感を体験し、理由も関係なく、ただ愛ゆえに愛するのです。この愛情は、自分の外側から愛を得ようとするのではなく、むしろ、外側の体験に愛を与えようとします。
(中略)
 大きな愛を体験しているとき、脳内の島皮質、上頭頂小葉、右尾状核を含む神経回路を含む神経回路網が明るく輝いたのです。

 『もっと「脳にいいこと」だけをやりなさい!』 序章から マーシー・シャイモフ:著 茂木健一郎:訳 三笠書房刊

「大きな愛」に満たされている人は、脳の中状態が他の人とは、まったく違うという研究結果が出てきているとのこと。

 そのような人たちには、共通する特徴があります。

「愛にあふれている人」たちはみな、自分は人生によって「守られている」という確信をもっています。この確信は大きく三つに分類できるでしょう。
 一つ目は、身体的な安心で、外側で何が起こっていようと、基本的に必要なものを満たすことができ、自分は安全だという感覚です。
 二つ目は、感情的なもので、安心を感じさせ、元気をくれる人々―時にはペットの場合もあります。―が存在するということです。それには家族や友人といった身近な人だけでなく、隣人、仕事の同僚、サークルの仲間といった広範囲の人々も含まれます。
(中略)
 三つ目は、「スピリチュアル」なものです。
 これは何もあやしげな意味ではなくて、精神的決断「やさしい宇宙、つまり、常に自分を支えてくれる宇宙に住んでいると信じるかどうかだ」といっています。
「大きな愛」とともに生きている人たちは、自分は何か大きな世界の一部であり、この世で起きることには慈悲深い宿命めいたものがあるという、深い内的な感覚をもっています。

 『もっと「脳にいいこと」だけをやりなさい!』 1章から マーシー・シャイモフ:著 茂木健一郎:訳 三笠書房刊

 もう一つ、印象に残った文章は、以下の部分です。

「見る」という行動は、脳で処理されています。
 目は情報を収集し、脳の視覚処理中枢にそれらを送ります。脳の中には大量に流れ込む情報をフィルターにかけ、役に立つ情報を探し出す機能があるのです。
 その一つが、網様体賦活系(RAS)であり、これはまわりから自分にとって意味のある情報だけを選び出し、注意をそちらに向ける機能をもちます。
(中略)
 実はRASは自分が求める情報を拾い出すようにセットできるのです。たとえば、愛にあふれたものや美しいものを探したいなら、そのように意識すればいいだけ。
 そして、拾い出したものを、自分なりに味わいながら脳の中にインプットするのです。
 その作業を毎日繰り返すことで、愛情が脳の神経回路に刻み込まれます。

 『もっと「脳にいいこと」だけをやりなさい!』 6章から マーシー・シャイモフ:著 茂木健一郎:訳 三笠書房刊

 皆さんも、経験されているのではないでしょうか。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 最後に、シャイモフさんは、以下のようにおっしゃっています。

 心が閉じたとらえ方をするか、あるいはフリオ・イグレシアスのように、プラスの考え方をすることです。
(中略)
 何かが起きたとき、それを楽しい、自分の成長のためになると思えると、自分の気持ちもそれについてくる、という考え方です。これもまた、リフレーミングの一種です。

 『もっと「脳にいいこと」だけをやりなさい!』 6章から マーシー・シャイモフ:著 茂木健一郎:訳 三笠書房刊

 日々の考え方の積み重ねが、大事だということです。

 小さな変化でも、1年、2年と積み重ねていけば、とてつもない大きな差となります。
 始めるのは、「今」、この時しかありません。

 シャイモフさんは、まずは”自分自身を愛すること”全てはそこからだとおっしゃっています。
 本書は、その手掛かりを教えてくれる一冊です。

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