【書評】『なぜあの人は仕事ができるのか』(中谷彰宏)
お薦めの本の紹介です。
中谷彰宏さんの「なぜあの人は仕事ができるのか」です。
乗り気な仕事は力を入れてやるけれど、やる気のない仕事は嫌々やる。
多くの人は、そうしてしまいがちです。
中谷さんは、それではダメだと強調します。
仕事ができる人は、頼みごとをされやすい人です。
「ついでに、あれをやっておいてくれる」「ちょうどいいところに来た。これもやっておいてくれる」と、頼まれるのです。
「自分ばかり、仕事を頼まれて」と文句を言う人がいます。
「あの人は定時に帰っているのに、私は約束があるのに残業を頼まれた」と怒る人は、引き受ける時にため息をついています。
「これやっておいてくれる」「はあ、わかりました」と返事をしていると、明日には仕事を頼まれなくなります。「なぜあの人は仕事ができるのか」 第1章より 中谷彰宏:著 ダイヤモンド社:刊
仕事を選り好みしていては、いつか仕事がなくなります。
どんな仕事も、あるだけありがたいし、喜んでやるべきですね。
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自分で仕事を作れ!
中谷さんは、自ら考えて自発的に仕事し、自分で仕事を作れ! そして、その仕事にこだわりを持て!
と強調します。
仕事ができるかどうかは、仕事が忙しい時に差がつくのではありません。
ヒマな時に、仕事ができる人とできない人とで差がつくのです。
(中略)
景気がいい時代ではなく、景気が悪い時代に忙しいと感じられる人です。
誰からも依頼がない仕事を、みずからつくり出しているのです。みずから作り出している仕事で忙しいのが、本当の「忙しい」です。
みずからつくり出した仕事を毎日やっている人は「忙しい」と感じないのです。
仕事を「楽しい」と感じているのです。「忙しい」と表現するのは、人から頼まれたことばかりやっている人です。
「なぜあの人は仕事ができるのか」 第1章より 中谷彰宏:著 ダイヤモンド社:刊
狭い自分のスタイルを守りたいと思う人は、相手のこだわりに反発を感じてしまいます。
面白がる姿勢がないのです。
(中略)
本当にこだわっている人は、相手のこだわりに対してリスペクトが生まれます。
「面白いことにこだわっているな。尊敬できるわ」「さすがだな」と思えます。自分にこだわりのある人は、「自分は趣味の世界でこんなにこだわっているんだから、それは相手にもあるだろう」とこだわりに寛大になれます。
こだわりが集まったものが夢です。
夢はこだわりから生まれます。夢からさらに、こだわりが生まれます。
自分に何か夢を持っている人は、他人の夢を評価できるのです。自分に夢のない人は、他人の夢に対して反発します。
「そんなことやってどういう意味があるの」とけなします。
「みんなに迷惑がかかるからやめたほうがいい」「自分勝手なことをしたら一生おかしくなる。ばちが当たる」と言うのは自分に夢のない人です。
(中略)
自分にガマンしてやっていると、人に寛大になれなくなります。「なぜあの人は仕事ができるのか」 第1章より 中谷彰宏:著 ダイヤモンド社:刊
仕事が出来る人の考え方は、他の人とは、仕事に対する考え方が根本的に違う。
それを改めて感じさせられます。
できる人の「時間」に対する考え方
「時間」に関する考え方も、印象に残っています。
「お金」と「時間」と「才能」の3つの要素は同じように感じてしまいがちです。
この3つが同じもの見えているから、何ごとも始められないのです。
よく見ると、仲間外れのものが1つあります。
1つは全然異質なことだと見えてくると、動けるようになるのです。
それは「時間」です。
お金がないのも、才能もないのも明らかだとします。
でも、時間がないというのは、本当でしょうか。
お金も才能もあるけれども、時間がない、これはまだわかります。
忙しくなってきたからです。
「お金も才能もなくて始められない」と言っている人、じっとしている人が時間がないというのはウソです。
それはただの言いわけです。「なぜあの人は仕事ができるのか」 第2章より 中谷彰宏:著 ダイヤモンド社:刊
大事なのは、「時間」です。
それも、「今、この時」だけが重要です。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
「仕事が出来る男」中谷さんにも、若い頃、仕事を辞めたいと思うほど悩んでいた時期がありました。
私はサラリーマンとして8年間勤めました。
(中略)
今から思うと、あの8年間は、私に最も向いていないことをやらされた期間でした。
それなら、そんなことをしなければよかったかと言えば、そんなことはありません。
これは神様がプログラムしてくれたことなのです。
それによって、私が最も苦手だった部分を補うことができました。
結果として、私自身の持っているエネルギーを思い切り発揮できるような循環の流れをつくってくれた時代でした。
(中略)
明日こそ辞めたい。明後日こそ辞めたい」と思いながら勤めていた8年間でした。
いわば、牢獄に閉じ込められていた時期だったのです。
でも、それがあったおかげで、私の今日があるのです。
そのありがたみを考えると、最高の期間でした。
それが8年になるか、10年、20年になるかは、そこできちんと習得するべきことを習得できたかどうかで決まります。
習得できたら、神様は外に出してくれるのです。
刑期は決まっていないのです。「なぜあの人は仕事ができるのか」 第3章より 中谷彰宏:著 ダイヤモンド社:刊
人間、どうしようもなく上手いかないときは、あります。
そこで踏ん張れるかどうかが、その後の人生を決めます。
今、この場所ですべきこと、学ぶべきことが完了したとき、次のステージへ飛躍できます。
目の前の仕事を、積極的に手を抜かずにやり遂げること。
それが一番重要です。
日本社会は、今が変革のとき、意識を変えなければいけないときです。
変われないことが、最大のリスクである時代です。
苦しくても、諦めてはいけません。
今の苦しみが、喜びに変わる時がきっと来ます。
その時を信じて、努力するのみ、です。
立ち上がれ!ニッポン!!
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