【書評】『成功者の習慣が身につく「超」心理術』(内藤誼人)

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 お薦めの本の紹介です。
 内藤誼人先生の『成功者の習慣が身につく「超」心理術』です。

 内藤誼人(ないとう・よしひと)さんは、心理学者です。
 社会心理学の知見をベースに、実際のビジネスへの応用を研究されています。

成功者には明確な「共通特徴」がある


 不思議なことに、成功している人、お金持ちにはある種の“共通特徴”があります。
 成功者になりたければ、「彼らを真似して、行動と性格をコピーしてしまえばいい」ということ。

 本書は、心理学のデータを統計的に分析し、成功者になるためのテクニックやノウハウをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「すでに自分は成功者」のつもりで振る舞え


 人間は、ある役柄を演じていると、そのうちその役柄にだんだん影響されてきます。
 そして、本当に、その通りの人間になっていきます。

 つまり、成功者になったつもりで振る舞うことが、成功者への一番の近道です。
 この性質を利用した心理学上の効果に「プライミング効果」「ユニフォーム効果」があります。

 成功者になるためには、まず成功者のことをこと細かにイメージして、意識を活性化することが大切である。頭が良くなりたいなら、大学教授でもイメージして、そのイメージに合うような行動を考えていればよい。そうすれば、本当に知的になれる。
 お金持ちになりたいなら、お金持ちとはどういう人なのかを考えてみよう。そうすれば、みなさんもお金持ちになれる。プライミング効果によって、本当にそうなるのである。
 もう一つ「ユニフォーム効果」というものがある。これは文字通り、自分の着ているユニフォームがその人の心理に影響を与え、そのユニフォーム通りの意識や行動になるというものだ。
 たとえばガードマンなら、普段は弱気な人間なのに、ひとたびガードマンの制服を着れば勇敢に悪漢に立ち向かい、グイとねじ伏せて御用、ということも起きる。ナースにしてもそうだ。普段はちょっと血を見ただけで失神していしまうような人でも、ナースの制服を着ていれば、患者の大出血にも毅然(きぜん)と、迅速(じんそく)に対応できる、ということが起こる。どちらもユニフォーム効果である。
 おわかりいただけるだろうか。成功者になろうと思えば、まずは成功者の内面についても外見についても、なるべく細かく知り、そのイメージを自分の中で明確化し、行動にも反映させていくことが重要なのだ。

  『成功者の習慣が身につく「超」心理術』 第1章 より  内藤誼人:著  東洋経済新報社:刊

 頭の中で「自分はこんなふうになりたい」と妄想する。
 それでも、心の奥底で「自分にはムリだ」と思っているうちは、なりたい自分にはなれません。

 何ごとも、まずは「型」から。
 成功者になりたいのなら、まず、成功者のイメージをもつ。

 なりきって、自分自身をダマしてしまうことが一番だということです。

「自分は世界一!」そのうぬぼれが、成功を約束する


 成功者は、「ナルシスト」でもあります。

 自分を魅力的と感じている度合いと、成功の度合いには、相関があります。
 「自分は魅力的だ」と思っている人ほど、仕事も家庭も上手くいっています。

 内藤先生は、自分の欠点に気づいても、それを含めて自分は魅力的なのだと思うことが大事だと述べています。

 ビジネス場面でも同じことだ。普段の仕事にせよ、事業を始めるにせよ、「俺がやるんだから、確実にうまくいく」と思い込めばいい。
 さて、このとき重要なポイントがある。その思い込みに「根拠」は全く不要ということだ。この点はとても重要である。根拠など探さなくてもいいのだ。根拠がなければ自分のことが信じられないというのでは、ダメである。根拠がなくとも、自分の才能を信じ、自分を魅力的だと思わなければダメなのだ。
 当然のことだが、人間には未来を知る能力はない。今から10分後に心筋梗塞(こうそく)でブッ倒れるかもしれないし、歩いていたら信号無視で突っ込んできた暴走トレーラーにひかれるかもしれない。「うまくいく根拠を示せ」などとよく言うが、本当はそんな根拠などあるわけない。何が起きるかはだれにもわからないのだ。

  『成功者の習慣が身につく「超」心理術』 第1章 より  内藤誼人:著  東洋経済新報社:刊

 最初から根拠のある自信を持っている人はいません。
「根拠」は、自分で経験した失敗や成功から培われるものです。

 その土台となる「経験」すら、絶対的なものではありません。

 根拠や理由を探しまわるより、思い込んでしまうことが大事。
「根拠のない自信」を持って、自分自身をとことん好きになりましょう。

人一倍の努力で、成功者意識を高める


 成功者は、決して努力をいといません。
 努力を努力と思わず、「いや、このぐらいやるのは当たり前」ぐらいに思っています。

 内藤先生は、「俺って努力しているなあ」と思っているうちは、その努力はまだ本物ではないと指摘します。

「こんなに頑張ってるのに、成功しないなあ」

 そう思っているなら、努力がまだ小さすぎるということです。

 努力というものは、必ず自分自身に対するフィードバックとして返ってくる。その実感が得られる最もいい例が、運動の習慣だ。
 たとえば腕立て伏せを一日100回やる。腹筋を一日100回やる。スクワットでもいいが、とにかく運動をする。すると、日に日に筋肉がついていく自分を目の当たりするだろう。「今日の自分は昨日より力がついた」という、その違いを体感できる。
 仕事の努力も同じだ。外回りのセールスマンの世界では、「靴の底が一日に2センチ磨り減った」とか、「一日で靴を一足履きつぶした」とかいうことを誇りにする。そのぐらいになれば優秀だというわけだ。そういう靴の減り具合や、履き潰した靴を自ら目の当たりにすることで、「自分はセールスマンとして一流になれた」という意識が強化できる。磨(す)り減った靴が、“事実”としてフィードバックされ、それが自信へとつながるのだ。
 その点サボっているセールスマンは、靴底も減らないし靴も新品ピカピカのままだ。つまり自分の目に見える努力の痕跡(こんせき)がない(努力していないから当たり前だが)。したがって自分自身が進化しているという実感が持てない。
 それに手を抜いていれば、当然自分でも心のどこかで「俺、手を抜いているな」という後ろめたい思いをぬぐえない。そういう人間が「自分は優秀だ」と胸を張れるだろうか。「自分は成功者だ」という意識を持てるだろうか。もちろんムリである。努力しているのといないのとでは、自分自身に対するフィードバックがまったく違うのだ。

  『成功者の習慣が身につく「超」心理術』 第2章 より  内藤誼人:著  東洋経済新報社:刊

 成功する人は、努力するほど、その努力が自分自身の血となり骨となることを理解しています。
 そして、そのような経験をたくさん積み重ねてきています。

 スポーツ選手がハードなトレーニングをこなす。
 それは、「これだけやったんだから、本番でうまくいかないわけがない」という自己暗示のためでもあります。

ペンを噛むな、タバコを吸うな!


 ボールペンの後ろをガジガジ噛んで、噛み跡をつけるクセのある人がいます。

 内藤先生は、そういうクセのある人ほど、物事を悲観する傾向があると指摘します。
 タバコを吸うことも、同様です。

 そのようなクセは、子供っぽさ、幼児性と深く関係しています。

 幼児的な人は、口の中に何か入れていないと不安を感じます。
 そして、何かを噛んだり、タバコをくわえることで、不安を軽減しようとします。

 子どもなら、少しくらい悲観的でも許されるのかもしれないが、ビジネスの場において、悲観的であることは、出世できないことを意味する。だから「何だか口ざみしくて、つい・・・・」というクセのある人は、自分の幼さを自覚して、悲観的な傾向を押さえる努力をしていかないといけない。
 ちなみに悲観的な傾向が抑えられてくると、ペンを噛んだりするようなクセはなくなってくる。これはカウンセリングで経験的に知られていることだ。カウンセリングに来た当初の、心理的に問題を抱えた状態の患者は、何かしら変なクセを持っていることが多い。指しゃぶりであるとか、爪を噛むとか、神経質そうに洋服のすそをいじったりするクセを持っている。
 それが何ヶ月にもわたってカウンセリングが進み、相談やアドバイスが順調にいくようになると、そのクセはキレイになくなる。やはり心の不安や悲観的な性質と、何かを噛むクセのような行動的な面というのは、強くリンクしているのだろう。
 悲観的な人は、悪循環にはまりやすいことも知っておくとよい。
(中略)
 もっと開けっぴろげな心構えでいくべきだ。「一個ぐらい鍵が開いていたって、まぁ、気にしないでいいや」「泥棒なんて、いくら防いでも入るときは入るんだからしょうがない、盗みたきゃ盗め」そのぐらいの鷹揚(おうよう)さというか、大きな心、心理的な余裕を持つようにすると、悲観的な性格を抑えられるようになる。

  『成功者の習慣が身につく「超」心理術』 第5章 より  内藤誼人:著  東洋経済新報社:刊

「自分の悲観的な傾向を転換して、明るい気持ちで生活するようになったら、いつの間にか変なクセがなくなっていた」

 そのような状態にもっていくことが理想です。

 噛み癖のある人は、「自分に悲観的な部分が多くあるのかもしれない」
 そう振り返ってみるのもいいかもしれませんね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 内藤先生は、成功者に見られる「共通特徴」があるのだから、“だれでも”成功者になることは可能であるとおっしゃっています。

 成功するかどうかは、好運や偶然などに左右されるものではありません。
 あくまでも「自分の力」が大切であることは、心理学上のデータからも明らかです。

 私たちに必要なのは、本書に書かれていることを実践することだけ。

 山は高いとはいえ、多くの人がすでに登ったことがある既知のルートです。
 覚悟を決めて、まず一歩を踏み出すところから始めたいですね。


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