本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『こうして、思考は現実になる』(パム・グラウト)

 お薦めの本の紹介です。
 パム・グラウトさんの『こうして、思考は現実となる』です。

 パム・グラウト(Pam Grout)さんは、米国の作家です。
 これまで数多くの著書や有名雑誌への寄稿をされています。

「21日間」で欲しいものを何でも手に入れる方法

「思考は現実化する」

 自分で考えたこと、感じたことが原因となり、自分自身の現実として起こるという考え方です。
 知っている人はたくさんいますが、実際には信じられないという人がほとんどでしょう。

 人は5歳までの経験でプログラムされた、思考の95%を占める潜在意識に支配されています。
 過去の経験による思い込みが、意識が本来持っている「現実を変える力」を封印しています。

 グラウトさんは、「意識が現実に働きかける力」について、以下のように述べています。

 量子物理学の定義によると、「場(フィールド)」とは、「物理的な世界に影響を与える、目に見えない動く力」ということになる。
 あなたはこれから本書を読んで、「可能性のフィールド」を活用する方法を学ぶことになる。ここでは、可能性のフィールド(フィールド・オブ・ポテンシャリティ)を略してFPと呼ぶことにしよう。エネルギーは目に見えないし、私たちは今でも、目に見える世界だけにとらわれているので、まだこのFPの力を本当の意味では理解していない。
 今から21日間で(本書の9つの実験をすべて行うと、だいたいこれくらいかかる)、あなたは目に見えないエネルギーの存在を肌で感じるという、とても貴重な体験をすることになる。ちなみに、量子物理学者のデヴィッド・ボームによると、物質さえも「凍った光」にすぎないという。
 そしてさらに、エネルギーを意のままに操り、欲しいものを何でも手に入れることができるようになる──心の平安でも、お金でも、やりがいのあるキャリアでも、何でもかまわない。FPに働きかければ、タヒチでのバカンスだって手に入るだろう。

 『こうして、思考は現実になる』 はじめに より パム・グラウト:著 桜田直美:訳 サンマーク出版:刊

 本書は、「思考は現実化する」ということを知るだけでなく、実際に体験することで、可能性のフィールドと密接につながっていることを実感するための一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

スポンサーリンク           
[ad#kiji-naka-1]

世界を変えるために必要な、たった1つのこと

「物質はエネルギーでできている」というアインシュタインの有名な理論があります。

 グラウトさんも、思考もまたエネルギーの振動であり、FPと共鳴し、FPに影響を与えていると指摘します。

 グラウトさんは、世界を変えるには、自分の期待や思い込みを変えるだけでいいと強調します。

 一流の手品師なら誰でも知っていることだが、手品でいちばん大切なのは観客の気をそらせることだ。自分が本当にしていることから観客の注意をそらし、一見重要そうだけれど実は重要ではないものに注目させる。
 実は、私たちも自分に対してまったく同じことをしてきた。自分の意識を、物質的な世界だけに向けさせているのだ。目に見えるもの、形のあるものばかりにとらわれているせいで、本当は目に見えないもののほうがずっと大切だということに気づかない。

 量子物理学の世界には、目に見えない「エネルギーのフィールド」が登場する。このフィールドは、物理の専門用語では「場」と呼ばれているが、私は「可能性のフィールド(FP)」と呼んでいる。
 私たちがいつも目にしている物質的な世界は、実はこの目に見えない「FP」に支配されている。
 FPとは、現実世界を作り出す工場のようなものだ。科学の進歩によって、宇宙はエネルギーの波と素粒子だけでできているということが判明した。波と素粒子には定まった形がなく、私たちの期待や判断や思い込みに対応して、自在に形を変えているのだ。

 私たちの人生で主役を演じているのは、実は目に見えないエネルギーや、思考、感情、意識だ。しかし、目に見えないために、私たちはそれらを理解しようともせず、自分のためになるように活用しようともしてこなかった。
 それなのに、なんとか世界を変えよう、人生を変えよう、目に見えるものを変えようと躍起になってきた。
 しかし実際には、世界を変えるのは、とても簡単なことだ。
 世界を変えるには、自分の期待や思い込みを変えるだけでいい。本当に、そんなに簡単なことなのだ! 何かを実現したいのなら、「今目に見えるもの」ではなく、「これから見たいもの」に意識を集中しなければならない。

 『こうして、思考は現実になる』 第一章 より パム・グラウト:著 桜田直美:訳 サンマーク出版:刊

 私たちは、ただ起こった出来事に対して反応するのではなく、自ら出来事を創り出すということ。
 偶然に起こる出来事などはなく、すべて自らの思考、感情、意識が引き寄せているのですね。

 現実を変えるには、現実を創り出している原因、すなわち、自分の思考や感情を変えればよいということです。

すべては「意図」を持つことから始まる!

 グラウトさんは、すべてはまず「意図」を持つことから始まると指摘します。
 欲しいものに意識を集中すると、欲しいものが形となって現れます。

 意図を持った瞬間に、あなたは欲しいものを創造する。まさに同時発生だ。その瞬間に、現実のものとして存在するのだ。もし見ることができないとすれば、それはあなたがまだ直線的な時間の世界に生きているからだ。「何かを創造するには時間がかかる」という、5歳までの古い思考パターンにとらわれているのだ。
 願いをかなえることは簡単にはできないと思い込んでいるので、努力を続けながらずっと待っている。
 でも、物理学者たちは違う考えを持っているようだ。量子の世界では、物事は段階を踏んで出現しない。瞬時に出現する。
 つまり、何かを意図したら、意図したのと同時にそれが出現するということだ。

 人は自分で見ると決めたものしか目に入らない。何かが存在していても、意識の外にあると、それにはまったく気づかない──つまり、「存在していない」のだ。
 最先端の物理学によると、私たちが生きる世界は多次元の構造になっている。しかし私たちは、昔ながらの物理法則が適用される次元しか認識していない。自分の五感で体験したものしか信じていないのだ。自分では、完全に客観的な立場ですべてを見ていると思っているかもしれないが、実際は偏見のフィルターを通したものしか見ていないのだ。
 これは「卵が先か、ニワトリが先か」という問題ですらない。私たちが五感を使って見るもの、体験するもの、触れるものは、すべて「これを見る」「これを体験する」「これに触れる」という決断の後に出現している。この順番は絶対に変わらない。

 頭がこんがらがってきただろうか? ではここでたとえ話をしよう。
 私が思うに、意識はテレビにたとえられる。ケーブルテレビに加入していれば、見られるチャンネルは100以上もある。でも、一度に見られるチャンネルは一つだけ。あるチャンネルのコメディドラマを見て笑っているときは、残りの99以上のチャンネルは存在しないのと同じだ。
 それと同じように、人生も「これを体験する」と決めたものだけが現実となって現われている。他の何億もの「事実」は、そこに存在しているのに、見られることはない。
 だからこそ、本当に見たいチャンネルを選ぶことがとても大切になる。嫌な現実、忘れたい現実を放送するチャンネルは、たとえ一瞬でも見てはいけない。自分の意図に合致するチャンネルだけを見るようにするのが、人生を変えるコツとなる。

 『こうして、思考は現実になる』 第一章 より パム・グラウト:著 桜田直美:訳 サンマーク出版:刊

 たいていの人は、自分の欲しくないものばかりに意識を集中しています。

「〜がほしい」「〜になりたい」というポジティブな思考は、ほんの一部だけ。
 残りは、「〜がなくなったらどうしよう」「〜をやりたくないな」というネガティブな思考です。

 自分の抱えている問題に意識を集中してしまうと、その問題をさらに引き寄せます。
 テレビのチャンネルを切り替えるように、頭の中の意識を切り替えることが重要です。

「フォルクスワーゲン・ジェッタ」の法則

 欲しい車が見つかり、意識にインプットされると、突然、その車をあちこちで見かけるようになります。
 実際にその車が街中に増えたわけではありません。
 自分の意識の焦点が変わり、これまで気に留めなかったことが目に入るようになったからです。

 FPは巨大なスーパーマーケットのようなものであり、探しているものは、必ず存在しています。

 グラウトさんは、「人間は自分が見たいと思っているものを見つけることができる」ことを証明するために、以下のような実験を勧めています。

 今から48時間(そう、たったの48時間だ。難しいことだって一つもない。48時間が終わったら、また元のみじめな人生に戻ってもかまわない)、あなたはあるものを積極的に探すことになる。
 いきなり難しいことをやると失敗するので、最初は簡単なものから探すことにしよう──それは緑の車だ。もしどうしてもと言うなら、他の色でもかまわない。ではまっ黄色にしようか。そして、実験の最初でこう唱える──「私はここに宣言します。今から丸一日、まっ黄色の車を探します」
 そして最初の24時間は、ずっとこれを意識する。この実験にも、特別なことは必要ない。ただ目を開いて、意識するだけでいい。そして、意識する前と後で、目にするまっ黄色の車の数がどう変わったか考える。
 そして後半の24時間に入ったら、今度は黄色の蝶を見つけることを宣言する。または、紫色の羽でもかまわない。とにかく何かを見つけると決めるのだ。

 友人のジャネットは、真冬の1月にこの実験を行った。場所は極寒のミシガン州北部だったが、それでも黄色の蝶を見つけることができた。1匹は文房具の模様で、もう1匹は娘の友達の誕生日パーティで使われていた紙コップの模様だった。
 別の友人のアンジェラは、飛行機で『ザ・シークレット』を読んでいた。引き寄せの法則について書かれたベストセラーだ。その中に「無料のコーヒーを受け取ることを意図しなさい」という文があった。アンジェラはそこを読んで笑ってしまった。フライトアテンダントがすぐ2列前まで来ていて、「コーヒー、紅茶、ジュースはいかがですか」と尋ねていたからだ。
「これだけじゃ証明にはならないわね」。アンジェラはそう考えると、それでも言われた通りコーヒーをもらうことを意図し、読み進めていった。
 ところが、乗り継ぎの空港で次の飛行機を待っているときに、知らない乗客から声をかけられた。「私の乗る便がちょうど呼ばれたところなんです。持って入れないので、このコーヒーをもらってくれませんか? まだ口をつけていませんから」
 それは、淹(い)れたてのスターバックスラテだった。

 『こうして、思考は現実になる』 第二章 より パム・グラウト:著 桜田直美:訳 サンマーク出版:刊

 人は、自分の周りで起こっていることをすべて把握していると思い込みがちです。

 グラウトさんは、私たちが知覚している情報は、情報全体の100万分の1パーセントの、そのさらに半分でしかないと述べています。

 私たちは、現実をありのままに見ているのではありません。
 自分が見たい世界をあらかじめ決めているに過ぎません。

 逆にいうと、探すものを変えれば、自分の世界に実際に現れるものも変えられます。

好きな女の子と「欲しいもの」は同じ方法で手に入る!

 グラウトさんは、自分を見る目を変え、自分を語る言葉を変えることで、現実も変えることができると強調します。

 映画監督のマイケル・ムーアは、大学の卒業式のスピーチでこんなアドバイスをした。「きみたち男子はよく覚えておくように。女の子というものは、こっちがあきらめると向こうからやってくるんだ」
 ある意味で、意図も同じような働きをする。奇跡が起こってほしい、または今持っていないものがどうしても欲しいと切望すると、宇宙の真実を否定することになってしまう。絶望的な気持ちになって何かを求めるのは間違った態度だ。
 答えを求めるということは、つまり今ここに答えはないということになる。愛や幸せなど、自分の欲しいものを意図するのは、本来の目的とは逆の結果になってしまう。「愛が欲しい」と意図するのは、自分の人生に愛が存在しないという意味だ。しかし、愛はすでに存在する。
 必死になって懇願したり、欲しいものがまだ手に入っていないかのようにふるまったりするのは、宇宙のエネルギーから切り離されているということであり、エネルギーと一体になっていないということだ。

 ここで目指しているのは、エネルギーと一体になることだ。あなたはここで、欲しいものをすでに手に入れたかのようにふるまわなければならない。意図はすでに実現したと信じなければならない。宇宙のエネルギーと一体になり、まるでレーザー光線のように同じ波長で振動しなければならない。
 あなたの意図も、レーザー光線のようにピンポイントで目標を照らさなければならない。イエスは食べ物が豊富にあることを心の底から確信していた。たとえ一瞬でもそれを疑うことはなかった。
 実際、イエスが十字架にかけられて処刑された理由の一つは、支配者たちの目にイエスがあまりにも自信家に映ったからだ。足の不自由な人を歩けるようにしたり、重病人にダンスをさせたりできると考えるなど、どこまで傲岸不遜(ごうがんふそん)な男なのだ。支配者たちはそう思った。しかしイエスは、自分にはできると考えただけではない。できると知っていたのだ。
 イエスは、自分の真実の姿を知っていた。そのため、イエスの心はまさにレーザー光線のように鋭かった。はたして盲人の目は見えるようになるのか──イエスの心に、そんな疑問は一切わかなかった(そもそも、健康と自己実現は、すべての人が生まれながらに持っている権利だ)。水がワインになることもまったく疑っていなかった。自分には天と地に要求する権利があることを、イエスは知っていた。イエスと私たち普通の人間の違いは、疑いを捨てたかどうか、ただそれだけだ。私たちはまだ疑いを捨てられずにいる。

 『こうして、思考は現実になる』 第二章 より パム・グラウト:著 桜田直美:訳 サンマーク出版:刊

 自分の望む現実を手に入れる。
 そのためには、「手にはいらないかもしれない」という疑いを捨てることです。

「〜が欲しい」と願うのは、そのものが存在しないと言っているようなもの。
 エネルギーと一体にはなれません。

「手に入る」と確信すること。
 すでに手に入ったかのようにふるまうこと。

 それが、目標達成のカギになります。

スポンサーリンク           
[ad#kiji-shita-1]
☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

「目に見えるもの」と「目に見えないもの」
 私たちは、これまでそれらをまったく別の存在として考えていました。

『この世に存在するものすべてが波動であり、エネルギーである』

 そのような視点から眺めると、これまでの世界観が一新されますね。

 本書にある9つの実験は、どれも48時間程度で終わり、たいした手間もかからないものばかり。
 とにかく試してみることをお勧めします。

 自分を縛っていた古い考え方が取り除かれ、「思考は現実になる」ことを実感できるでしょう。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です