【書評】『ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス』(相川圭子)

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 お薦めの本の紹介です。
 相川圭子さんの『ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス』です。

 相川圭子(あいかわ・けいこ)さんは、インド政府公認サマディ・ヨガマスター、ヒマラヤ聖者です。

毎日を、幸福な気持ちで、満たされて生きるために


 人間の歴史は、自分の外側の世界、見える世界を探求し続けた足跡でもあります。

 自然から学びながら、多くの便利な道具を生み出し、文明を発展させてきました。

 過去のどの時代より、物質的には豊かになった現代社会。
 ただ、それによって、幸せを感じる人が増えたかというと、そうではないですね。

 欲しいものは、手に入るけど、幸せは、手に入れることができない。
 物質的に豊かになればなるほど、欲しいものが、さらに増えていく。

 その理由は、私たちが人の内側深くのことに気づいていないからです。

 私たちはどこから来たのか。
 魂とは何か。
 心とは何か。
 私たちを生かしめている存在はなんなのか。
 なんのために生まれてきたのか。
 どうしたら苦しみがとれるのか。

 それらの大切なことについてよく理解していません。
 人には感覚があります。目は外側についています。耳も外を向いています。誰もがその感覚を使い、外の情報を集めています。太古、人類が誕生した瞬間から、生き抜くため、種を守るため、私たちは外側の世界にずうっと注意して生きてきました。外に注意を払うことは生きるうえで優先順位の一番です。そして、そのために心の働きが発達してきました。やがて自分の真の姿を忘れていったのです。あなたの内側に何があるのかということを。
 たとえば、ここに氷がひとつあるとします。人はその氷という物質を見ることができます。溶けて水になれば水として認識できます。しかし、水蒸気になり、さらにその先になると、もう目で見ることはできません。ですから、そこに水蒸気があることに気づく人は、ほとんどいないのです。しかし、見えないものの中にも水の粒子はあるのです。見えない土台があって見えるものが現れるのです。
 けれども、人間は感覚でとらえることのできるもの、見えるものや聞こえるものに固執してきました。その結果、美しいものに執着することにより、ものやお金が重要になり、名声を欲しがるようにもなりました。
 けれども、この本を手にしたあなたは、気づき始めていることでしょう。生活するためにのみ、食べるためにのみ、生きるのではない。外側の世界、見える世界を探求し、物質にとらわれて、他人と競い合う人生は、何を手に入れても、決して満足できないものだということに。
 今の人生をさらに豊かにするためには、どうしたらいいのでしょうか。奥深くからの安らぎを手に入れ、真の幸せに満たされて生きるためには、何が必要なのでしょうか。
 その答えは、外側の世界ではなく、あなたの内側にあります。見えないものが大切であることにあなたは気づき始めたのです。

『ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス』 はじめに より 相川圭子:著 幻冬舎:刊

 相川さんは、瞑想とヨガによって、すべての人が自分のエネルギーの源、みんなの中にある創造の源を目覚めさせ、愛と平和と調和を手にすることができると強調します。

 本書は、ヒマラヤ秘教の叡智から得た「究極の真理」と、「本当の自分」に出会うための「瞑想的生き方」をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「本当のあなた」は愛にあふれたやさしい人


「あなたは誰ですか?」

 そう問われると、私たちは、自分の名前を答えます。
 しかしそれは、人間を区別するための手段です。
 本当の自分自身では、ありません。

 相川さんは、本当のあなたは美しく輝いている存在だと述べています。

 本当のあなたは心の奥深くにあり、愛に満ち、知恵に満ち、生命エネルギーに満ちています。
 本当の自分を知った人は、集中力が高く、とてもクリエイティブです。今、この瞬間に100%意識を注ぐことができ、頭はすっきり冴えています。
 本当の自分を知ったあなたは、愛にあふれたやさしい人です。誰かを妬(ねた)んだりすることなく、人々に惜しみない愛をシェアします。
 しかし、今のあなたは、まだ本当の自分につながっていないし、出会えてもいません。無限の可能性を秘めた本当の自分は魂です。あなたの奥深くにあるのです。それは心の曇りに覆われていて見えなくなっています。そこにつながってはいるのですが、それを忘れ覚醒できていないのです。
 次のように考えると理解しやすいと思います。すべての生命は海から誕生しました。大きな海は、宇宙の魂といえます。海からくみ上げたコップの海水は個人の魂です。たくさんの個人の魂があります。そのコップの海水は、海の水と同じ質であり、生命あるものを生かしめる存在なのです。
 あなたの今の生き方を考えてみましょう。たとえば、充電されたコンピュータがあります。それを使っていれば、やがてバッテリーが切れて、エネルギーがなくなってしまいます。ですから、電池につないで、充電しないと、コンピュータはただの置き物になって使えなくなってしまうのです。
 それと同じように、あなたの心も体も、生命の源である魂、さらに宇宙の魂につながらないと枯渇してしまうのです。
 人は体と心を使い、忙しくしています。ですからあなたは心の曇りで覆われている自分の本質を忘れているのです。
 大いなる海の存在、すべてを創り出す源の存在を思い出し、そことのつながりを強めるのです。恩恵をせきとめている重しを外し、根源からのエネルギーをいただきましょう。そうすれば、あなたはキラキラと輝き、生命力にあふれ、穏やかにとめどなく進むことができるのです。

『ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス』 第一章 より 相川圭子:著 幻冬舎:刊

 私たちは、一人ひとりがまったく別個の存在だ、と考えてしまいがちです。
 しかし、実際には、すべての存在は、根本でつながっており、同じ源(宇宙の魂)の一部です。

 本当の自分(魂)に出会う。
 そのためには、外の世界に向いている意識を、自分の内側に向ける必要があります。

心を空っぽにしてエネルギーをセーブする


 集中力は、好きな仕事を極め、自分を磨くために欠かせない力です。

 一方で、集中力のある人は、上手に休めないことも多いです。
 何かにとりつかれたかのように、自分を追い込んでしまうためです。

 普段集中しているときはエネルギーが活性化していて、消耗しています。いざリラックスすべきときにも、集中が癖になっていて、エネルギーが消耗し漏れ出してしまい、ついには枯渇してしまうのです。
 大切なのは、どうやってエネルギーをセーブしながら集中していくかということです。何もしないときに、どういう心構えでいればいいかを学ぶことです。
 インドには、こんな修行をした人がいます。エネルギーが漏れないように、穴という穴をふさぐ修行です。目を開けていると、目からエネルギーが漏れるのでまぶたを閉じます。耳もふさぎます。鼻からも、漏れないように呼吸を止めます。こうして、エネルギーが漏れっぱなしになることを防ごうとしたのです。他にも感覚器官をコントロールし、エネルギーを正しく使う、さまざまな戒律があります。正しく心身を使って、無駄がないようにして今にいられるようにするのです。ヒマラヤ秘教には、エネルギーを浄め充電する修行が集まっています。
 エネルギーの浪費を防ぐ方法は、ただ眠ることではありません。本人は心身ともに休んでいるつもりでも、実は睡眠中も心は夢などを見て休息していません。また寝しなにも「ちょっと部屋が寒いな」「あの企画、どうしようかな」などと、常にアンテナを張って活動しています。心は24時間揺れ動き、疲弊し、エネルギーを消耗しているのです。
 エネルギーを浪費しないためには「今、ここにいる」こと。執着を完全に取りのぞき、心を空っぽにしていきます。普通は、「今、ここにいる」状態にしようとしても、無理に過去や未来にとらわれないようにしているだけなのかもしれません。しかし、心を超えることで、「今、ここにいる」が可能になります。内側が浄化されると、本当の意味で、「今、ここにいる」ようになっていきます。
 何もしない時間は、あなたをじわじわと変容させていくでしょう。それはまるで、ワインが醸造されるように、あなたに深みを与え、美しく変えていくのです。

『ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス』 第二章 より 相川圭子:著 幻冬舎:刊

 私たちの「心」は、ただジッとしているときにも、忙しく動いています。
 自動運転のように、次から次へと考えが湧き出て、留まることを知りません。

 心の動きを抑え、エネルギーの浪費を止める、唯一の手段。
 それが「今、ここにいる」ことです。

 過去に対する後悔や、未来に対する不安。
 それらは、いくら考えても、どうにもならないものばかりです。

「今、この瞬間」を味わっている状態が、心にとって自然な状態。
 すなわち、心のエネルギーを、最も効率的に使える状態だということですね。

「執着」を手放す


 すべてに感謝し、すべてを学びとして、生きていく。
 そうすることで、私たちは良いカルマを積むことができます。

 カルマとは、これまでの記憶や行為のことで、日本語では、業(ごう)と訳されることもあります。

 あらゆる思いの行為、体の行為や言葉の行為も、すべてカルマとして蓄積されます。

 良いカルマを積むために大切な心構えを、もう少しお話しておきましょう。

 ■すべてを慈しむ
 私たちの心の奥深くには、純粋な愛の海があります。私たちの本質は愛そのものです。深いところの愛を目覚めさせ、自分を愛し、まわりを愛しましょう。
 あなたは神に愛された存在です。憎しみから生まれてきたのではなく、愛から生まれてきました。愛されているからこそ、この世に生を受け、パワーをいただいているのです。
 見えないところの愛の存在、神を愛しましょう。そうすれば宇宙的愛が育まれ、やがてすべての人に慈しみの愛を与えることができるようになるのです。

■分け与える
 あなたは生かされている存在です。自分の力で生きていると錯覚していますが、実はその源の存在がないと、呼吸もできないし、見ることも、歩くことも、考えることもできません。
 体と心を与えてくれた存在を信じ、そこからパワーをいただいて、自分が持っている能力や知識を、まわりの人の成長を願って使っていきましょう。能力や知識がなければ、体で労力を捧げましょう。
 自分の力を一人占めするのではなく、分け与えることで、自分が持っているものに対する執着も外れていきます。なぜならそれらはもともと自分のものではないのですから。

■足ることを知る
 白いところの黒い点は目立ちます。それが、不足に気づくからくりです。でもあなたは成長のために選択をしましょう。不足に目を光らせるばかりではなく、満足を知りましょう。あなたを生かしている無限の存在を愛し、信じましょう。そこからの愛をいただきシェアしていきましょう。生命力と愛と知恵に満ちた存在につながるのです。あなた自身はそこから分かれた存在です。そして気づきを持って進化しましょう。自分がすでに手にしているものに目を向け、それを感じ、今にいるのです。

■正直でいる
 自分自身をよく見せるために、人を非難したりウソをついたりするのをやめましょう。心を正しく使いましょう。見栄を張らずに、できないことはできないと素直に言いましょう。それは一時の恥です。言葉で飾り立てるのをやめて、あるがままの自分を表すのです。
 仮面をかぶり、演技をするのはやめましょう。真実を生きましょう
 それが真の自己に近づくことです。心の苦しみやストレスを解放することです。そのことで生命力が湧き、愛に満ちて生きていくことができるのです。
 これらを心掛けることで、あなたのカルマは少しずつ解消されていくでしょう。
 心が変容するプロセスを見つめることは、豊かな営みです。本当に深みのある人になっていくことができます。

『ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス』 第三章 より 相川圭子:著 幻冬舎:刊

 相川さんは、人は過去の人生で積んだカルマの願いをかなえるために、生まれ変わりを繰り返していると述べています。

 カルマは、良いものも悪いものも、次の人生にまで引き継がれていきます。

 過去生のカルマの願いをかなえ、カルマの負債を増やさないこと。

 それが心軽やかに、活き活きとした人生を送る秘訣です。

健康の秘訣は、人体の五元素のバランスを保つこと


 健康を保つためのカギとなるのは、「土」「水」「火」「風」「空」の五つの元素です。

 相川さんは、それらが純粋になり、調和がとれたときに初めて、心身ともに健康な状態が手に入ると述べています。

「土」「水」「火」「風」「空」の五つの元素のエネルギーを浄め、純粋にしていくと、全体の調和を保ちやすくなります。
 たとえば「土」のエネルギーを浄めるためには、純粋なものを食べること。新鮮ではないもの、添加物が入っているものではなく、自然なものがいいでしょう。「土」のエネルギーは生命力に満ち、生きる力になります。
「水」のエネルギーを浄めるためには、良い感情を持つことが大切です。人は、イライラしたり、悲しんだりしてストレスを溜めたりすると、血液が濁ります。しかし、感情や心が平和であると、血液はサラサラになります。
「火」のエネルギーは、みんなの幸せを願うことで浄めることができます。生じるエネルギーを、攻撃で燃やすのではなく、愛の火、慈愛の火で燃やすのです。
 たとえば、大事な仕事が控えているときに「絶対に成功させて出世したい」「あの人には負けたくない!」と、ギラギラした気持ちで向き合うのではなく、「この仕事が成功したら、世の中の役に立てる」というように、平和的な高い次元の意識を持つのです。自分の体の火のエネルギーを世の中のため、人を助けるために使っていくと、エネルギーはどんどん純粋になっていきます。
「風」は、プラーナという生命エネルギーを吸うことが大切です。それを風のエネルギーで肺から全身に、血液で循環させていきます。汚い空気は、風のエネルギーを濁らせます。風が浄まると、あるがままの状態を受け入れるやさしさと慈愛が生まれていきます。
「空」のエネルギーは、空を見たり、開放的なところに身を置いたりすると浄めることができます。自分の中の「空っぽ」を意識して、心を解放しましょう。
 現代人のほとんどは、不自然な生活を長くしていてカルマが蓄積して重いのです。自分の正しい感覚がわかりません。そのため、すべてにおいて過不足があり、バランスが悪くなっていきます。
 食べすぎたり、運動しすぎたり、頭を使いすぎたり、また昨今は不食やミニマリスト、不眠など、単に減らしすぎて、バランスが悪いのです。
 ブッダが苦行をしすぎて、死にそうなほどバランスを崩し、その後に悟った際、バランスを訴える中庸を説きました。内側の修正を正しくせず、形ばかりの無謀な修行をすると、社会の中で生きるのに、バランスが悪くなることもあるのではないでしょうか。

『ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス』 第四章 より 相川圭子:著 幻冬舎:刊

 五つの元素、そのどれもが多すぎても、少なすぎてもいけません。
 適度なバランスが大切なのですね。

 今、体に不調のある人は、五つの元素の調和が崩れているのでしょう。
 自分の体の声に耳を澄ませて、崩れたバランスを立て直すよう、意識したいですね。

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 私たちが、「自分」だと思っているもの。
 それは、心がつくり出した“偽りの自己”です。

 いわゆる「エゴ」と呼ばれるものですね。

 本当の自分(魂)は、心の奥底に眠っていて、ほとんどの人はその存在に気づいていません。

 相川さんは、魂が輝くダイヤモンドであるとしますと、心はダイヤモンドを覆ってるいる分厚い氷にたとえられるとおっしゃっています。

 分厚い氷を砕き、その中に眠る「ダイヤモンド」を見つけ出す。
 その作業に必要なのが、マインドフルネス、つまり「今、ここにいる」状態です。

 幸せは、自分の外側ではなく、内側にある。
 必要なものは、すべて、自分の中に存在している。

 本書は、そんな深遠な真理を、誰でもわかるやさしい言葉で教えてくれます。

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