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【書評】『Web3とDAO』(亀井聡彦、鈴木雄大、赤澤直樹)

お薦めの本の紹介です。
亀井聡彦さん、鈴木雄大さん、赤澤直樹さんの『Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」』です。

Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」

亀井聡彦(かめい・としひこ)さんは、主にシード期のスタートアップへの投資育成支援、大企業のイントレプレナー育成に携わられています。
2021年に、Fracton Ventures株式会社(Web3に特化した起業家・プロジェクト育成を行う、インキュベーター)を共同創業されています。

鈴木雄大(すずき・ゆうだい)さんは、スタートアップインキュベーター、東証一部上場の金融機関を経て、Fracton Ventures株式会社の共同創業されています。

赤澤直樹(あかざわ・なおき)さんは、フリーランスエンジニアとしてデータ解析・機械学習分野を中心にご活躍され、Fracton Ventures株式会社の共同創業されています。

「Web3」という大きな流れ

Web1.0とは、1990年代にインターネットとWWW(World Wide Web)が普及したことを指します。
これにより、誰でも自由に情報を受発信できるようになる情報革命が起こりました。

Web2.0とは、2000年代に入って、コンピューターの普及、コンピューターの性能向上、通信技術の洗練という3つの側面が劇的に向上したことを指します。
これにより、より活発な情報交換ができるようになったことで、さまざまなデータを群衆の力で構造化し、文脈化している点が大きな特徴です。

私たちは、今、再びインターネットにおける大きな転換期を迎えています。
それが「Web3」と呼ばれている大きな流れです。

 Web2.0までの経緯でインターネットのあり方がさまざまに変容しており、それが産業や社会のあり方と相互に影響を与え合ってきた。当初、Peer to Peer(P2P)という分散型アーキテクチャやハイパーテキストといった技術に裏打ちされて、誰もが自由に利用できる情報流通基盤としての期待を込められ、多くの人々の努力により現代社会に欠かせないインフラにまで成長してきた。
そして、ビジネスの基盤としても利用され、数々の課題を解決するサービスが誕生してきた。
しかし、その反動として過度な独占やプライバシー問題など負の側面が顕在化してきた。2010年代後半からとくに明白になったきたこの負の側面に対して、どのように対処すべきかが喫緊の課題になっていた。

そんな中、サトシ・ナカモトという謎の人物が楔を打ち込んだ。
2008年10月、暗号学のメーリングリストに突如として『Bitcoin:A Peer-to-Peer Electronic Cash System』という論文がサトシ・ナカモトの名前で公開されたのだ。
たった9ページからなるこの論文には、P2Pネットワーク上で通貨システムを構築するためのアイデアが記載されていた。
当初、メーリングリストの参加者は訝しんだが、インターネットネイティブな通貨システムが本当に実現できる可能性に気づいた研究者と開発者は、サトシ・ナカモトとともに論文を元にしてシステムを開発した。
それが論文のタイトルにもあるビットコインである。
そして、2009年1月、本物のビットコインが稼働を始めた。
これが、人類が初めてブロックチェーンを手に入れた瞬間であった。
この論文の中で最も重要な点は、特定の主体のみがデータを握りそれを処理しなくてもよい状態を構築するための具体的なアイデアが提案されていた点だ。

サトシ・ナカモトは論文の中で次のように記載している。
–––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
 What is needed is an electronic payment system based on cyyptographic proof instead of trust,allowing any two willing parties to transact directly with each other without the need for a trusted third party


 必要なことは信頼の代わりに暗号的な証明に基づく電子決済システムであり、信頼できる第三者を必要とせず、意思のある二者が直接取引できるようにすることである。
–––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
通常、電子決済システムは特定の事業者や組織が「誰から誰に送金した」といった情報をサーバー内で管理し、送金をサーバーのデータを処理することで管理している。
ビットコインはそうではなく、暗号学を駆使してサードパーティ、つまり特定の事業者や組織が存在しない環境下でそれを実現しようとしたのだ。
サトシ・ナカモトの論文のアイデアは、後のブロックチェーン技術の原点となり、さまざまな形で応用された。
ビットコインが通貨システムという単一目的のシステムだったのに対して、スマートフォンのように開発者が好きなアプリケーションを開発できる、より汎用的なプラットフォームを目指すイーサリアムが2014年に公開された。
イーサリアムはブロックチェーンを利用して汎用的なスマートコントラクトプラットフォームを構築することが目標であり、現在世界で最も利用されているものの一つである。
ブロックチェーンの登場により、情報の管理を特定のプレイヤーに依存しなくてもよい構造を実現することが可能となり、この節冒頭で整理した負の側面を解決するための道を開いた。

現在我々が利用しているアプリケーションやサービスの多くでは、ユーザーの行動履歴や個人情報などは企業側の持ち物となっている。
企業が生み出すサービスは、その企業が持っている我々のデータが素材である。
この構図は、必然的に過度な独占やプライバシーの問題をどうしてもはらんでしまう。
しかし、データから価値を生み出すためには、データを保存し、状況に応じたてユーザーに表示したり分析したりする必要がある。
インターネットはこれまでデータの受け渡しのみをする、言わばパイプでしかなかった。しかし、ブロックチェーンの登場によって、企業やその他組織が行っていたデータの処理を、インターネット上でできるようになった。
言い換えれば、インターネットがデータのやりとりをするパイプだったものが、データを貯めて処理までできるようにアップグレードしたと言ってもいい。
このようなブロックチェーンの登場に端を発する一連の変化やトレンドが、「Web3」と呼ばれる。

Web2.0で顕在化した負の側面は、企業がユーザーのデータを保有しすぎてしまったことによるところが大きい。
Web2.0の状態ではユーザーのデータは企業が保有しており、ユーザーがサービスを利用したい時は企業の「庭」に入っていく必要がある。
一方で、ブロックチェーンが起点になったWeb3では、ユーザーのデータはインターネット上にあり、そのコントロールもユーザー自身が握っている。
このような性質からWeb3は「自己主権型Web」とも言われる(下の図1を参照)。

『Web3とDAO』 第1章 より 亀井聡彦、鈴木雄大、赤澤直樹:著 かんき出版:刊

図1 Web2 0サービス→Web3サービスの対比 Web3とDAO 第1章
図1.Web2.0サービス↔Web3サービスの対比
(『Web3とDAO』 第1章 より抜粋)

本書は、「Web3」とは、どのようなトレンドで、どのようなインパクトを社会に与えるのか、わかりやすく解説した一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「NFT」とは?

著者は、Web3の本質を理解するための「バズワード」をいくつか挙げています。
ここでは、その中から「NFT」を取り上げます。

 NFTは「Non-Fungible-Token(ノン・ファンジブル・トークン)」の略であり、「非代替性トークン」と呼ばれるブロックチェーン上の固有の形式を保持するトークンのことを指す。
比較されるものとして、「Fungible-Token(FT)」があり、これが俗に言うビットコインやイーサリアムのようなクリプト(代替性トークン)である。
これまでデジタルデータ一つとっても、容易にコピーが可能であり、そのデータの所有者を証明することは不可能であったが、ブロックチェーンの発明により、デジタル上でも価値を保存できるようになった。これがNFTである。
「私のNFT」と「あなたのNFT」はまったくの別物であり、「私のビットコイン」と「あなたのビットコイン」はまったく同じものであるという具合だ。

NFTとという概念自体は、2018年ごろから主にdAapps(ダップス:ブロックチェーンをベースとした分散型のアプリケーションのことを指す)ゲームのブームの中で生まれた。育成ゲームであった「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」が当時話題になり、ゲーム内のキャラクターがNFTとして固有の価値を示し、ユーザー間で売買されるようになった。
その後、後述するDeFi(分散型金融)という新たな分野が2020年ごろから世界中のクリプトユーザーの間で話題になり、ブームとなった。
クリプトの時価総額が急激に増加していったこと、さらにクリプトを用いた資産運用が可能になったことによりユーザーたちの資産は大きく増え、余剰資産も増加した。
その結果、クリプトユーザーを起点に、新しい投資先として、NFTに対して資産価値を感じるようになっていった。
ここで、NFTが世論に広く知られるきっかけとなった出来事を紹介しよう。
2021年3月11日、とあるNFTが史上最高額の落札を記録した。その額はなんと約6900万ドル(約75億円)である。
この作品を手掛けたのはBeeple(ビープル)というアーティスト名で知られている、マイク・ウィンケルマンだ。彼が、数年間かけて毎日描いたスケッチを集めたNFTが、250年以上の歴史を誇るオークションハウスChistie’s(クリスティーズ)で競売にかけられ、最高額で落札された。
その驚くべき金額が世界中のニュースに取り上げられ、NFTという言葉が一般的にも知られるようになっていたのだ。NFTでできることは、主に以下である。

■デジタルデータにIDが付与されており、同じNFTでも001番、002番などのナンバリングが可能(唯一無二性)
■所有者の証明ができる
■デジタルでも供給量の制限が可能(レアリティ設計)
■NFTの追跡が可能かつ2次販売も容易にできる
■2次流通、3次流通で、利益の一部がNFT発行者へと自動で還付される仕組み
■NFTを利用した限定コンテンツや限定コミュニティへの招待(トークンゲーティング)

そもそも「価値」というものには境界線や論理がない。我々はすでに共通のコンセンサスによってNFTの価値を認めることができるようになった。
そして、コミュニティという存在がブランドを構築し、それに文化と価値が追随している。
今後、さらに仮想世界と現実の境界線は曖昧になり、その背後にある無形の社会的価値を提供するアイデンティティや文化、コミュニティ、そして我々自身をも「トークン化」していくようになるだろう。主なNFTの事例を説明していこう。

①CryptoPunks(クリプトパンクス)

CryptoPunksはLarva Labs(ラルバ・ラボ)が開発したプロジェクトだ。24×24ピクセルと、非常に小さな1万個のユニークな画像を生成している元祖NFTアートの一つ。2021年5月11日、著名オークションハウスのChriste’sで、9つのCryptoPunks作品が総額1696万2500ドル(18億5000万円相当)という驚くべき金額で落札され、その名が一躍有名になった。
その後、4大エージェントの一つUTA(ユナイテッドタレントエージェンシー)と契約。今後マルチメディアで展開され、世間に露出していくだろう。

②NBATopShot

NBATopShotとは、NBAと契約のうえ、FLOWブロックチェーン上でNBA選手のデジタルトレーディングカードを作成・販売しているプロジェクト。
NFTの流行を生み出したきっかけの一つでもある。
トレーディングカードゲームのようにパッケージ毎に販売する方式を採用しており、発売時にみオンライン上にて、毎回購入待ちのための長蛇の列ができていたことでも話題になった。実際に、画面上で待ち行列がビジュアライズされ、自分の順番になると一定時間の間に購入の権利が付与されるといったユーザー体験も新鮮だ。

③Bored Ape Yacht Club(ボアード・エイプ・ヨット・クラブ)

「2031年、1万匹の猿が大金持ちで退屈しているとしたら、彼らは何をするか? 沼地のクラブにたむろして『変なこと』をしている」というストーリーで生まれたNFTアートとそのコミュニティが、Bored Ape Yacht Club(以下、BAYC)だ。SNSで「猿のアイコン」を見かけたこともある人が多いかもしれないが、そのNFTだ。
猿の特徴やデザインは、80年代や90年代にインスパイアされたもので、パンクロックやヒップホップのジャンルからインスピレーションを得ている。ステフィン・カリーというNBA選手が55ETH(ETHはイーサリアムのトークンの単位を指す、当時の価格で18万ドル)を支払って取得したことが話題になった。
NFTがアートとしてだけではなく、コミュニティの会員権としても機能し、そのモメンタムをうまく利用して世界中でBAYC所持者のトライブ(同じ価値観を持つ部族的的なコミュニティを指す)のようなものが生まれている。
2022年3月、BAYC運営のYuga Labs(ユガ・ラボ)がCrypto PunksとMeebits(ミービッツ)のコレクションの権利を同運営元のLarva Labsから買収し、権利を取得したと発表。また、4億5000万ドルもの資金を調達し、メタバースプロジェクト「Otherside」を発表した。自分の保持する猿のNFTを、ゲーム内のキャラクターやアバターとして使えるMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)ゲームのようなものを作っている。また、BAYCのNFT所有者に、無償で10,094トークンの独自コインApe Coinを配布した。これは猿1匹当たり、一時はおよそ約24万ドルに相当する金額なたことを意味する。

『Web3とDAO』 第3章 より 亀井聡彦、鈴木雄大、赤澤直樹:著 かんき出版:刊

ちょっと前までは、通貨といえば、円やドルなどの国が発行したもの、というのが常識でした。
今では、ビットコインやイーサリアムに代表されるように、誰でも自由に発行することができます。

また、1000円札は、どれでも誰が持っていても、同じ1000円の価値も持つものでした。
NFTでは、トークンの1単位が、それぞれ別物で、異なる価値を持っています。

Web3は、お金の価値観を根本から変えてしまう可能性を秘めています。

「ユーザー主導の社会」が出現する

Web3によって、世の中はどう変化するのでしょうか。

 Web3に向き合う中で重要なことは、シェアリングエコノミーなどからオーナーシップ型のエコノミーへと価値観の変化が起きている点だ。
Web3のオーナーシップエコノミーでは、オーナーがサービスの提供者であり、ユーザーである。また、提供されるサービスそのものにおけるオーナーシップ、会社で言えば株主のような役割をも、ユーザーが主導できるようになる。Web1.0とWeb2.0、Web3を比較すると上図のようになる(下の図2を参照)。

話をWeb2.0のシェアリングエコノミーに絞ろう。
そこから、経済圏がシェアリングエコノミーからWeb3型のオーナーシップエコノミーへと転換しつつあるプロセスを説明していく。
そもそも、シェアリングエコノミーは、社会のアイドル状態(稼働していない)資産を最適化することで、本来新規購入が不要な物資や建物などを皆が利用していこうという概念であった。
このシェアリングエコノミー文化で多くの新企業が生まれた。
中でも有名なのはAirbnbである。
Airbnbは不動産などの資産やホテルの客室などについて、余っている部屋を提供する人と、それを借りたいユーザーとをマッチングさせることで、個人間の取引を仲介する機能をプラットフォームとして提供するものである。

シェアリングエコノミーが広がり、商取引が個人の持ち物に普及した。
シェアリングエコノミーが出てくるまでは、客室は、原則ホテルを経営する企業や、個人のオーナーが持つものであり、貸し出しを行って収益化できるのはホテルなどを経営する企業に限られていた。
その後インターネットの普及によって、カウチサーフィンといった個人間で空き部屋をシェアする文化が作られていった。
ただし、当時の個人間の取引には危険も多く、国内はさておき国外で、ましてや知らない場所を借りるのは、あまりに価格が安かったとしても、リスクが高すぎてユーザーとしては利用しにくいものだった。
そこにAirbnbが登場し、この個人間取引にプラットフォームとルールを整備した。
これがそれまでの懸念点を大きく解消するものとなった。
Airbnbによって、貸し出す側は与信情報としてユーザーの過去の利用履歴を確認できるようになった。
またユーザーは過去の利用者の口コミで、期待はずれとなる確率を下げることができた。
つまり、Airbnbはプラットフォーマーとして、悪質な貸し出し主及びユーザーを防ぐためのルールを敷いた。またこの際にAirbnbはルールを見直し、かつ顧客対応などを行うという価値の提供を行っていった。
このシェアリングエコノミーが定着していったことで、大きな価値観の変化が消費者側に生まれた。「信頼のあり方」が変化したのだ(ブロックチェーン分野では「トラスト(信頼)」は重要な概念となっている)。

シェアリングエコノミーでは、「口コミ」がオンラインで可視化される。
口コミを元にサービス提供者を選択するというシェアリングエコノミー型の価値観が普及したことで、企業ブランドや大企業であることを「信頼の根拠」として意思決定することが減っていったのだ。
ここで、「トラストレス」という概念について触れておきたい。トラストレスとは、よくブロックチェーン分野で口にされる言葉で、「互いの信頼関係がまったくない状態でも取引を可能にすること」を指す。
例として、ビットコインではマイニングと呼ばれる採掘作業のソフトウェアを動かす人も、取引をする人も、お互いの個人情報を明かすことなく、つまり、互いに信頼を得ることなく、決まったルールに基づいて取引できる。
この際、信頼が不要になることから、「トラストレス」と呼ばれる(しかし実際にはトラストレスという「信頼不要」なのではなく、信頼のサイズが変わっているだけの「トラストフリー」が正しいのではないかと考える)。

「信頼のあり方」の変化に話を戻そう。
トラストの歴史を考え直すと、時代の流れとともに、次ページの図のようにトラストが変化してきたことがうかがえる(下の図3を参照)。
このトラストの変遷を見ると「誰を信頼するか」という信頼する先の単位が小さくなってきていることがうかがえる。
国や行政といった機関を信頼した構造が、インスティチューショナルトラストだ。
続いてAirbnbなどの、個人と個人とが信頼を持てるようになったのがプラットフォームトラスト、そしてWeb3に向かっているのがプロトコルトラストである。
例で出したAirbnbのようなプラットフォームトラストでは、アプリケーションやその運営企業へのトラストが必要であったのに対して、より少ないトラストしか求めないものがプロトコルトラストである。
プロトコルはここでは「ルール化されたソフトウェア」というイメージを持ってもらいたい。

トラストの最小化がソフトウェアによって実現する場合、我々はサービスを利用する際に、サービス提供の企業を信頼するのではなく、サービス提供元のソフトウェアそれ自体を信頼するようになる。これがプロトコルラストだ。
例に出すとすれば、Instagramの運営元がメタ・プラットフォームズであることを知らずに、Instagramをそのサービス登場から安心して利用するようなものである。
この際、トラストのサイズの変化は個人のユーザーをエンパワーメントさせるだろう。
企業主導よりも、より小さいトラストにより実現される個人主導の社会。
そうした個人主導で、誰もがオーナーシップを持っていく社会が、シェアリングエコノミーの次の経済圏として実現しようとしている。

『Web3とDAO』 第4章 より 亀井聡彦、鈴木雄大、赤澤直樹:著 かんき出版:刊

図2 ユーザーの関わり が変化してきいる Web3とAO 第4章
図2.「ユーザーの関わり」が変化してきている

図3 歴史的なサービスにおける 信頼 単位の変化 Web3とDAO 第4章

図3.歴史的なサービスにおける「信頼」単位の変化
(『Web3とDAO』 第4章 より抜粋)


ブロックチェーンという安全な電子決済システムを利用することで、提供されるサービス(プロトコル)自体を信頼することができるようになるということ。

それはすなわち、サービスの提供者の信頼が問われなくなるということです。

個人でも、アイデアさえ素晴らしければ、フェイスブックやグーグル、アップルといった巨大IT企業と対等に向き合える。
そんな時代が到来したわけですね。

「DAO化」による組織のイノベーションとは?

Web3を語るうえで欠かせない概念の一つに「DAO(ダオ)」があります。

DAO(Decentralized Autonomous Organization:自律分散型組織)とは、ブロックチェーンの登場によって可能になった、新しいコラボレーション形であり、ブロックチェーン上で実行されるルールを共有しあい、ミッションを中心に組織されたグループ、コミュニティのことです。

一般的には、まだ聞き馴染みのない言葉ですが、著者は、以下のように解説しています。

 DAOを一番わかりやすく説明するとすれば、「中心のない、ミッションドリブンのコミュニティ」と思っていただければいいだろう。
「サロン」という言葉は聞いたことがある人も多いはずだ。会社とは違う、価値観やミッションを元に集まる集団である。
今となってはビジネスシーンを中心に聞き馴染みのある言葉となっているが、数年前はサロンも怪しい集団だと思われていた。それが今では、サロンが生きがいになっている人もいるだろうし、会社とは違う環境で、学びを得て活動ができるとハマっている人も多い。
DAOは、感覚的にはサロンに近いものの、DAOとサロンとで大きく異なるのは、「中心に人がいるかどうか」である。
基本的にサロンの中心には、主催者がいる。その主催者の下に、サロン生は集まって学び合い、主催者のファシリテーションによって、日々活動する。
また、サロンの売り上げも基本的には主催者のものである(もちろんサロン生に還元しているところもある)。そのため、あくまでも上下の関係性は残る。
一方で、DAOの場合は、中心のリーダーがいなくても、組織自体が自律的に活動し続けられる仕組みになっている。Web3の価値観に則って、組織は分散が前提だからである。
もちろんはコミュニティの立ち上げ段階では、ビジョンやミッションを掲げる旗振り役の存在は必要だ。明確なリーダーシップがあったほうが統率はとれるし、雑多に自分勝手な行動をするような人が発生しにくくなるからだ。
一方で、組織に属人的な中央集権的な存在が残り続けることのリスクもあるため、段階的に権限をコミュニティに移乗していくのがDAOである(下の図4を参照)。

サロンとの対比によって、DAOのイメージが膨らんだのではないかと思う。
Web3サービスを手掛けるスタートアップの運営の仕方、立ち上がり方は現状の企業のものとは大きく変わっているので紹介したい。
これは、Web2.0時代においてイノベーションを起こすための組織である「株式会社」と、Web3時代における新しいパラダイムである「DAO」を比較してみた図だ(下の図5を参照)。
項目毎に、両者の違いを対比しながら説明していこう。

①ガバナンス

組織形態は言わずもがなであるが、組織におけるガバナンス(統治)の仕方も大きく変わってくる。
株式会社では、取締役会と株主総会がある。所有と経営が分離し、会社は株主のものである以上、ガバナンスは株主の承認によって保たれる。上場してしまえば、株主は一般にも広がり、株主総会の規模も大きくなる。
一方でDAOにおけるガバナンスでは、主にトークンを利用する。また、そのトークンは会社のサーバーで保存れているわけではなく(自社ポイントはまさにその例であるが)ブロックチェーン上で管理されていることから、ガバナンス活動をすべてデジタル空間で完結できる。
簡単に言えば、24時間465日、株主総会が繰り広げられているようなのもである。
DAOの活動について具体的に説明しよう。まず、DAOが持つ「フォーラム」という掲示板で、非同期的に日々議論される。これはWeb1.0の時のような「掲示板」をイメージしてもらえばよい。
何か一定のアジェンダに対して、スレッド形式で議論がなされる。
掲示板に上げるほどでもない日々のコミュニケーションは、第2章でも登場したDiscordと呼ばれるコミュニケーションツールを利用するのが一般的である。
Discordは、アメリカで誕生したチャットサービスで、当初はゲーマーの間で人気が出たが、現在はビジネスシーンでもよく使われるサービスになっている。
特徴としては、音声とテキスト両方でチャットが可能で、「サーバー」という単位で他者とコミュニケーションができ、自分の興味のあるサーバーに入ると、用途に応じてチャンネル分けがされており、好きなチャンネルでコミュニケーションできるのだ。
Web3サービスのDAOでは、一般的にDiscordのサーバーを一つ持っていて、「DAOに参加すること」と、「DAOが立ち上げたDiscordに参加すること」は、ほぼ同義になっているのが実態である。
ある程度の方向性が議論で固まってくると、誰かが代表してプロポーザル(提案)を書く。そのプロポーザルに対して、トークン保持者が投票を行う。
投票では、トークン保持者がウォレット接続を行うことで、保持しているトークンがブロックチェーンによって検証され、そのトークンに対する投票の権利を得ることができる。もちろんこれらの挙動はすべてブロックチェーン上に記載され、パブリックに可視化されている。

1トークンにつき1票が一般的ではあるが、投票の仕組みもDAOの設計でいかようにも決められる。
シンプルな多数決が適切なのか、普段から積極的にコミュニティに貢献している人の投票力に重み付けをしたほうがいいのか、DAOへの参加の時系列も投票に影響させたほうがいいのかなど、これらはまさにDAOの価値観、行動規範から定義されるものであり、こういったガバナンスの設計自体で、DAOの意思決定の方法が決まるため、ここはまさにDAOの腕の見せ所でもある。
このあたりのノウハウやナレッジはまだまだ少ないのだが、今後はより科学されていくだろう。
この投票は、オンチェーン(ブロックチェーンに刻む)上で行うのが一般的だが、その都度「ガス代」と呼ばれるブロックチェーンに支払う手数料をユーザーに強いることで、投票のハードルが上がってしまっては本末転倒であるため、オフチェーンでシンプルに投票させる専用のDAOツールも開発されており、今後このガバナンスのプロセスも、各種ツールの発展に伴い、イノベーションが起きていくはずだ。

上場企業は独立した監査を受けた財務諸表を提出する必要があるが、株主はある時点での瞬間でしか組織の財務状況を見ることができない。
対してDAOの貸借対照表はパブリックブロックチェーン上に存在するため、すべての取引に至るまで、常にリアルタイム完全に透明性が保たれている。
これにより、汚職や検閲のリスクが大幅に軽減される。

②プロダクト

Web2.0において、プロダクトやサービスは、会社が手掛ける事業とイコールである。例えば、インターネット上で展開するメディアやアプリなどのサービスやプロダクトは自社のアセットである。
このプロダクトが会社にキャッシュをもたらし、企業を存続させる。
一方で、Web3スタートアップは、自社のプロダクトやサービスを作っているのではなく、パブリックなプロトコルを作っている。
社会的に意味のあるデジタル空間の公共財を作っている感覚なのである。

③ソースコード

インターネットの発展に伴い、ソフトウェア一つで何千億円もの事業を生み出すようになった。そのため、ソースコードは会社の資産であり、基本的には公開されるものではない。
もちろんオープンイノベーションやインターネットサービス同士のコラボレーションの一環として、APIという概念もある。一部のソースコードをAPIとして誰でも利用できるようにすることで、他のディベロッパーや事業会社に、自社のサービスを利用した開発を促進することが狙いだ。
一方で、Web3においては、ソースコードを公開することがお作法だ。
これはプロダクトで触れたことに通ずるが、彼らは自社のプロダクトとして牛耳りたいのではなく、公共的なプロトコルを作りたいと思っていこることがその理由である。
むしろソースコードを公開して、世界中の知恵を借りたいということだ。

④利益

Web2.0はまさに競争だ。新規事業として生まれたばかりのプロダクトもあっという間に模倣される。「0→1」が一番大変なわけだが、「1」となった後、つまり、ニーズがあると検証が終わった後は、往々にして他社も参入してくる。
業界を独占できるプロダクトは優秀ではあるものの、雨後の竹の子のように、二番煎じ三番煎じで、似たようなプロダクトは出てきてしまう。ユーザーの数も、マインドシェアも限られているため、第一想起を取るために、各社は互いに競争を強いられる。
複数社が生き残る市場であればまだいいが、「Winner takes All」な市場も多い。
そのため、ユーザー獲得に躍起になり、広告宣伝費として札束の殴り合いとなるのが現在のWeb2.0の主たる例だ。利益をいかにして独占するかが重要ということである。
一方でWeb3スタートアップの主たる価値観は、「競争」ではなく、「共創」である。
ゼロサム・ゲームでなく、プラス・サムだ。1社で市場を作るのではなく、複数社で市場を作っていくことが特徴だ。
これは一見「Web2.0でも同じではないか?」と思われがちだが、Web3の場合は、市場というよりも、どちらかというと「エコシステム」といった表現が正しい。 ソースコードも開示され、他のプロジェクトの生み出した価値を享受でき、さらにいいものをエコシステムのために作り上げる、そういった共創の関係性があるのだ。
また、プロジェクト自体を見ても、「独占」ではなく「共創」であることに気づく。
会社であれば、株主と取締役が会社の富の多くを牛耳ることになるが、Web3であれば、プロジェクトに貢献しているユーザーであれば誰でも利益を享受することができる。

⑤データ

Web2.0の世界では、データも会社の貴重なアセットだ。
テクノロジーはコモディティ化していくものであるため、いかにして顧客データを収集し、いかにして顧客へカスタマイズできるかが、競争の主戦場である。
AIが進化すればするほど、データの量も質も重要になる。これはいち事業者同士の争いだけではなく、国家間のデータ獲得競争になっていると言っても過言ではない。中国と米国の関係性がそのいい例と言えるだろう。
一方で、企業による個人情報、顧客データの流出事件は頻繁に起きている。欧米諸国を中心に、プライバシーや個人情報への意識が高まっており、もはや企業が抱えられるレベルではなくなってきている。
Web3はこの点において、いたってシンプルだ。ブロックチェーンを利用しているため、はなからすべてがオープンなのである。隠しようがない。
このブロックチェーンの性質を「verifiability(検証可能性)」といい、世界中のどこにいても、ブロックチェーンを見てしまえば、すべての履歴を過去にさかのぼって追うことができる。
DAOにおけるすべての行動と資金の流れが誰にでも検証可能であるため、従来型の企業の仕組みよりも透明性が高い。
また、ブロックチェーンとトークンを使っていることにより、DAOは資産の管理も容易になる。このDAOが管理する資産を「トレジャリー」と呼ぶが、トレジャリーの存在自体が、DAOのもたらした発明と言っても過言ではない。
これまでは、オンラインをベースとしたサロンのようなコミュニティが、その資産を分散的に柔軟に管理するのは難しかった。
銀行口座であればそもそも分散管理ではないし、パブリックに可視化された状態で透明性を担保したままの管理もできない。誰かがオフラインで管理するなんて、もってのほかだ。
しかし、ブロックチェーンの登場により、コミュニティの資産を完全オンラインで分散管理できるようになったのだ。
世界中の人が参加する実態のつかみにくい一つのDAOが、数十億円もの資産をコミュニティで管理している事例も珍しくない。これもDAOがもたらしたイノベーションである。

⑥参画機会

Web2.0の企業は、企業体という特性上、限られたリソースで事業を創造し運営する。オープンな価値観が企業哲学の根底にあるわけではなく、構造上、組織の意思決定の過程は基本的に一般に公開されないため、排他的であり閉鎖的だ。
その点Web3では、DAOという形態にある根底の価値観は、「来る者拒まず去る者追わず」である。
情報という意味ではDAOの取り組みもオープンで透明性があり、世界中のどこにいても、誰であっても、参画機会は開かれている。
DAOは一般的に、従来型の企業よりも、グローバルにアクセスすることが可能で参入障壁が低い。この透明性と参入障壁の低さを考えると、DAOメンバーの流動性は高くなる。一つのDAOから他のDAOに移動するハードルも高くない。誰からの許可も必要とせずにどのDAOにも所属できるし、抜けることもできるのだ。
統治する仕組みを自分たちで作り、そして、自分が納得するDAOに所属できるのは、DAOのよさの一つである。

『Web3とDAO』 第6章 より 亀井聡彦、鈴木雄大、赤澤直樹:著 かんき出版:刊

図4 会社 サロン DAOの比較 Web3とDAO 第6章
図4.会社、サロン、DAOの比較

図5 Web2 0型組織とWeb3型組織の比較 Web3とDAO 第6章

図5.Web2.0型組織とWeb3型組織の比較
(『Web3とDAO』 第6章 より抜粋)

著者は、DAOは会社ではなくコミュニティなので、「働いている」というよりは、「コミュニティ貢献している」という感覚だと述べています。

DAOというまったく新しい組織の在り方は、私たちの働き方や生活様式を根底から変えてしまう可能性があります。

企業主導のインターネットサービスの限界

Web2.0時代においては、ほとんどの経済活動は「会社」という組織によって行われていました。

会社が成長し、サービスを拡大・改善していくことで社会が発展していく。
その典型的な例が、インターネットサービスです。

アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブック・・・・・。
これらの世界的な巨大IT企業の出現は、まさに世界を激変させました。

ただ、ここにきてインターネットサービスを提供する組織が「企業」であことにより、弊害も起き始めています。

 例としてYouTubeの事例を紹介しよう。
YouTubeという動画共有プラットフォームが世の中に登場し、動画コンテンツへのアクセスが容易になり、誰もが自分の番組を持つことができるようになった。
ユーザーが集まることで、広告ビジネスは活性化され、YouTubeを運営するアルファベットの事業売り上げも圧倒的な成長を遂げた。
そんな中、「子供向けYouTuberの広告単価が下げられた」というニュースが有ったのをご存知だろうか?
YouTube側もビジネスをしている以上、広告主の広告効果の最大化も必要であり、子供向けYouTubeにおいては広告単価を下げざるを得ない。子供は広告をクリックしないし、たとえクリックしたとしても、その先の商品購入のコンバージョンにつながらないからだ。
こういった企業主体の意思決定は、資本主義の特性上ある程度は仕方ないものとも思える。サービスの裏には企業(の経営陣)が存在し、企業(の経営陣)の裏には株主が存在するからである。
企業は株主がいる以上、会社の成長にコミットせざるを得ない。会社の成長に貢献しないサービスは撤退の意思決定をする必要があり、会社の成長のためであれば、機能や条件もその都度変えていくだろう(下の図6を参照)。
そうした意思決定の割りを食うのはいつだって、ユーザーなのである。ユーザーに主権はない。
これがDAO型のプロジェクトでは、次ページの図のように変わる(下の図7を参照)。ユーザーはトークンを取得することにより、投資家にも、プロジェクトオーナーにもなれる。全員がある種、同等の立場なのだ。
また、プロジェクトは、投資家以上に、ユーザーやその集合体であるコミュニティのことを最重要視する。彼らに愛想をつかされてしまっては、プロジェクトそのものの存在が危うくなるからである。
DAOに参加する者たちの貢献活動により、そのDAOの価値は向上し、さらに、DAOが持つトレジャリー、つまりトークン資産全体も価値向上していく。これにより、DAOのガバナンストークンの価値も向上するので、そのトークンを持つDAOへコミットする人全員の資産も増加していくわけだ。
ユーザーもプロジェクトも、投資家も、すべてが「コモンズをDAOで運営すること」を目的とすることで、Web2.0の時のようなステークホルダー同士の目的のズレがなくなる。これがWeb3プロジェクトの利点でもあり、サスティナブルなプロジェクト運営と言われる所以でもある。

Web2.0時代において、企業主導のプロダクトやサービスが世の中に浸透した。
これによって人類の生活は豊かになった反面、GAFAのように企業は巨大化し、本来は人々の暮らしを豊かにするものであったインターネットは、企業の成長を支えるために存在しているという側面が巨大になりすぎた。
その結果、ユーザーは二の次になってしまった。
そして、これまでのWeb2.0時代においては、インターネットサービスは企業が提供するのが当たり前であった。
企業は、自社の業績をよくしていくために投資を行い、事業の規模を増加させ、新規事業として時代にあった事業を生み出していく。
コングロマリットと呼ばれるが、企業価値を向上させていくために、事業のポートフォリオも組んでいく。すべてのサービスは企業価値の向上のために存在すると言っても過言ではない。企業の下に自社プロダクトが紐づくという形だ。

しかし、これからのWeb3時代においては、この構造が逆転する。
インターネットサービスは企業の傘下に入るのではなく、インターネットサービスをDAOや企業や個人が支えるという構図になっていく。
例えば、ビットコインはまさにこのような構図でサスティナブルに動いているシステムである。
「ビットコイン株式会社」は存在せず、マイニングする人、デジタル・ゴールドと信じて投資をする人、送金のために利用する人など、ビットコインを信じるあらゆる企業や個人が、分散的にこのシステムを維持している。

「水」で例えると、企業主導のプロダクトやサービスは「市販の飲料水」のようなものである。企業が水を商品化し、ラベリングをすることで、ビジネスに利用しているのだ。
しかし、本来、水は地球の資源であり、世界中の誰もが平等にアクセスできるべきものだろう。市販の飲料水を作ることで、ビジネスに利用し世の中に提供するのではなく、ダムを作り、水道管を作ることで、水という公共財に誰もがアクセスできるようにするほうが、社会的なインパクトは大きい。
Web3時代では、まさに水道管のように、世界の公共財を作ることが目的となるのだ。
DAOや企業、個人など、世界中のリソースが分散的にインターネットサービスを支えるようになる、それはプロダクトではなくどちらかと言えばパブリックプロトコルであり、それはすなわち公共財である。
ビットコインを「通貨」と捉えるか、「資産」と捉えるか、「社会のインフラ」と捉えるか、それはあなた次第だ。
Web3の世界では、あらゆるインターネットサービスが、企業の独占から開放され、止まることのないサスティナブルな社会のインフラとなり、DAOや企業、個人がそのプロトコルを支えていくようになるだろう(下の図8を参照)。

『Web3とDAO』 第8章 より 亀井聡彦、鈴木雄大、赤澤直樹:著 かんき出版:刊

図6 企業主体の意思決定の構造 Web3とDAO 第8章
図6.企業主体の意思決定の構造

図7 DAO型のプロジェクトの構造 Web3とDAO 第8章

図7.DAO型のプロジェクトの構造

図8 Web3ではWeb2 0の構造が逆転する Web3とDAO 第8章

図8.Web3ではWeb2.0の構造が逆転する
(『Web3とDAO』 第8章 より抜粋)

インターネットに限らず、これまでサービスの主体を企業が担ってきました。
提供する側の都合で、好きなようにサービスの中身を変えることができたということ。

DAO型の組織では、ユーザー側が主導権を握ることになります。

組織の目的が「企業の利益重視」ではなく「社会の必要性重視」へ。

組織のあり方が、根本から覆ることになりますね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

著者は、Web3は、インターネットの物語における新たな1ページと言っても過言ではないほど大きなブレークスルーを表現しているとおっしゃっています。

皆さんもご存知のように、インターネットの普及は、私たちの生活を大きく変化させました。
Web3やDAOも、それに匹敵するインパクトを与える可能性を秘めているということです。

私たちは、今まさに時代の転換期に立っています。
インターネットやスマートフォンがそうだったように、Web3やDAOも、5〜10年もすれば世の中に一般化するでしょう。

そのとき、どんな世界になっているのか。
今から、不安でもあり、楽しみでもありますね。

Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」


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