【書評】『「人」も「お金」もついてくるリーダーの哲学』(井上裕之)

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 お薦めの本の紹介です。
 井上裕之さんの『「人」も「お金」もついてくるリーダーの哲学』です。

 井上裕之(いのうえ・ひろゆき)さん(@inouehiroyuki)は、歯科医、経営コンサルタントです。
 歯科医師として患者の治療を続けるかたわら、自己啓発、経営プログラムなどを学び続け、現在はセミナー講師として全国を飛び回るなどご活躍中です。

稼げないリーダーに、人はついてこない!

 

 一流のリーダーとは、「稼げるリーダー」であり、「人としての魅力のあるリーダー」のことです。
 井上さんは、上場企業のトップの方やさまざまなジャンルのリーダーたちと交流し、多くの一流のリーダーを見てきました。
 そして、彼らから一流のリーダーになる秘訣は、一流のリーダーにふさわしい物事の考え方(哲学)である「リーダー思考」を磨くことだと知りました。
 リーダーとしての自分を磨くため、1億円以上のお金を投資して学んできた井上さん。

 本書は、井上さん自身の体験などをベースに、「一流のリーダー」の哲学をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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素直に受け入れ、実行してみること


 井上さんは、世の中でよいといわれることを素直に受け入れ、実行してくことが、成長する何よりの早道であると指摘します。

 人もお金もついてくるリーダーになるために、何か特別なことや、人と違った奇抜なことをする必要はありません。
 先人のリーダーが残してくれた、よいといわれることを、コツコツとやっていけば、あなたが理想とするリーダーになれます。
 たとえば「よいことをすれば、必ずよい結果が出ます」もその一つです。
 
 よい道具を手にしても、最初はうまく使いこなせないかもしれません。
 だとしても、問題があるのは「道具」のほうではなく、使いこなせない「人」のほうです。
 スポーツでも、ダンスでも、楽器でも、歌でも何でもかまいません。名人やプロと呼ばれる人たちは、難しいと思えることをいともたやすくやってのけます。
 それを見た素人は「なんだ、簡単じゃないか。それなら自分でもできる」とチャレンジしてみるのですが、何度やっても同じようにはできません。
 簡単そうに見えるからといって、そうやすやすマネできるものではありませんし、できたものには大した価値はありません。
 すぐにできないことだからこそ、名人やプロとして評価されているのです。
 だからといって道が閉ざされたわけではありません。できなくてもやり続けていれば、少しずつコツがわかり、そのうちに自分のものとして使いこなせるようになります。
 世の中の原理原則についても同じことがいえます。
 たとえば経験を積むことで、「世の中でよいといわれていることだけをやっていれば、必ずよい結果が得られる」ことがわかってきます。
 すると、いろいろなことが少しずつ素直に受け入れられるようになる。

 『「人」も「お金」もついてくるリーダーの哲学』 第1章 より 井上裕之:著 すばる舎:刊

 先人のリーダーが残してくれた「よいといわれること」。
 それを、その通りにやってみる素直さは重要です。
 誰にでもできそうにみえてやれないこと。
 だからこそ、やってみる価値があります。

 変化を実感できるまで継続すること。
 ちょっとやってみて「ダメだ」と諦めないことが肝心ですね。

部下が諦めるぐらいの努力をする


 井上さんは、リーダーは「どうがんばってもあの人には敵わない」と部下が諦めてしまうぐらいの努力をするべきだと述べています。

 部下から「あの人には勝てない」と思われているうちは、まだまだです。
 嫉妬されているようでは問題外ですね。

 人とお金に見放される三流のリーダーは、会社から指示されたことを、指示された量だけこなします。「このくらいやっておけば文句はいわれないだろう」と努力や成果に制限を設けます。
 人もお金もついてくる一流のリーダーは、与えられた仕事以上に「何かできることはないか?」と向上心を持って取り組みます。
 周囲が求めている成果よりも高い成果を求めて行動します。
 人もお金もついてくるリーダーは、相手を満足させるよりも上のレベルを求めて、相手を感動させるぐらいの結果を求めて努力します。
 そんなリーダーの後ろ姿を見て「ついていきたい」と思わない人は、まずいないでしょう。
 リーダーは、まわりの人が「敵わない」と諦めるぐらいの努力家でなければなりません。
 諦めは、のちに「感動」へと変わり、感動は「応援」の源になります。

 『「人」も「お金」もついてくるリーダーの哲学』 第2章 より 井上裕之:著 すばる舎:刊

 自分の周りの人と比べて、優越感に浸っている。
 そのような人は、一流のリーダーではありません。

 つねに向上心をもって自分を高めようという姿勢。
 それが、リーダーの求心力につながります。
「感動」を与え「応援」される人を目指したいですね。

嫌われることを恐れない


 井上さんは、リーダーは、部下に対して遠慮せず、いうべきことは口に出してはっきりと伝え、それによって嫌われることを恐れてはいけない、と指摘します。

 相手を傷つけないようにソフトに伝えよう。さりげなく伝えて本人にわからせよう。
 いろいろな伝え方が考えられますが、ストレートに伝えるのが一番です。頭の中であれこれ考えた言葉よりも、本心の言葉のほうが相手の心に響くからです。
 軽いジョブを繰り出して相手の様子を見るのではなく、ゴングと同時にカウンターを打ち放ってノックアウトを狙いに行く。
 カウンターを受けてノックダウンされた部下は気づくでしょう。
「リーダーは本気だ」
 人もお金もついてくるリーダーはいつも本気です。仕事にも部下にも本気でぶつかっていきます。
 現代は相手の気持を尊重しすぎて、本気で向き合うことの少ない時代です。だからこそ、本気の言葉や態度が相手の胸に深く突き刺さります。
「君のまわりで、ここまで本気でいってくれる人、誰がいる。親がいってくれる? 彼女がいってくれる? 友だちがいってくれる? 誰もいってくれないだろう。それはみんな本気じゃないからだ。僕が一番、本気で君に向き合っているんじゃないのか?」
 ときどき、私はスタッフに向かって本気でぶつかることがあります。
 本気の裏には愛情が隠されています。相手に対して愛情がなければ本気にはなれません。

 『「人」も「お金」もついてくるリーダーの哲学』 第4章 より 井上裕之:著 すばる舎:刊

 ストレートな言葉、本心からの言葉は、相手の心に直接響きます。

 相手のことを本当に考えている。
 それなら、いいならいい、悪いなら悪い、とはっきり伝えることです。
 あいまいなまま済ませないことは、人の上に立つ者として大切なことですね。

部下にまかせて考えさせる


 真のリーダーは、「働きやすい環境」を提供します。
 しかし、「仕事を楽にするような手伝い」はしません。
「あえて助けないことが、人を成長させる」とわかっているからです。

「なんでこんなに一段一段なんだろう」
 スキー女子モーグルの上村愛子選手の言葉です。
 上村選手は、前回のバンクーバー冬季五輪を含めて、四大会連続でオリンピックに出場。それまでに7位、6位、5位と着実に順位を上げ、次こそ「メダル獲得」と周囲の期待は高まっていました。ところが、結果は4位。あと一歩メダルにはおよびませんでした。このときに上村選手が涙ながらに先の言葉を口にしました。
 部下の成長を見守るリーダーも同じような思いをしているのかもしれません。
 はじめは一歩一歩、スモールステップで成長していく。するとある時期、まるで新しい世界が開けたかのように、幼虫が蛹になって、美しい蝶に変態するように、一気に成長する瞬間がおとずれます。
 その瞬間をじっと見守ってやれるのが、真のリーダーです。
 手取り足取り、なんでもやってあげるのがリーダーではありません。
 人は、自分を成長させてくれる人に好意を持ちます。「この人と一緒にいると楽しい。もっと一緒にいたい」と思うようになります。なぜなら、私たちは誰しも「いまよりももっとよくなりたい」と心の底で願っているからです。

 『「人」も「お金」もついてくるリーダーの哲学』 第5章 より 井上裕之:著 すばる舎:刊

 できる人ほど、できていない人に、手や口を出して助けてしまいたくなるもの。
 上司と部下の関係ならば、なおさらですね。

 自分でやってしまいたくなるのを、グッとこらえて部下に任せる。
 その忍耐強さを持つことも一流のリーダーの条件になります。 

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 人もお金もついてくるリーダーになるための秘訣。
 それをひと言でいうと、「リーダーである前に、人として魅力的になること」です。
 テクニックではなく、「生き方」そのもの。
 それが人を動かすということ。
 そのためには、絶えず自分を磨き続けることが必要です。

「ローマは一日にしてならず」
 一流のリーダーへの道のりは長く険しいです。
 できることから一歩一歩確実に進んでいきたいですね。


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