【書評】『自分を超える法』(ピーター・セージ)
お薦めの本の紹介です。
ピーター・セージさんの『自分を超える法』です。
ピーター・セージさんは、英国の若手起業家です。
これまで、「資金なし、人脈なし、学歴なし」から22の会社を成功に導き、そのビジネス手腕は世界的に高く評価されています。
「自分自身と向き合うこと」と「行動すること」
「今より成長したい」
「今の自分の状況を変えたい」
多くの人が、そう願っています。
しかし、その願いを現実にできる人は、ほとんどいないのが実情です。
今の“自分を超える”ためには、「自分自身と向き合うこと」必要があります。
セージさんは、「状況は変えられません」が、「あなた自身は変わることができる」
と指摘します。
「自分の成長を妨げているのは、自分自身の考えである」ということ。
自分自身を変えるために最も大切なのは、「行動すること」。
聞いただけでは何も変わらない。知っていても行動しないなら、知らないのと同じ
です。
本書は、「真の成功」を得るための「5つの法則」を、具体的な例を交えてまとめた一冊です。
自分自身の成長を妨げる「思い込み」や「ネガティブな考え」などを取り除き、人生を変えてくれるノウハウやアイデアが満載です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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自分を変える「最強のツール」とは?
セージさんは、自分を変えるための最強のツールを、「シックス・ヒューマン・ニーズ(人間の6つの欲求)」と呼びます。
- 安定感・・・安定したいというニーズ
- 不安定感・・・変化がほしいというニーズ
- 重要感・・・価値ある存在でありたい、自分は特別でありたいというニーズ
- 愛とつながり・・・愛されたい、誰かとつながりを持ちたいというニーズ
- 成長・・・成長したいというニーズ
- 貢献・・・何かに挑戦したいというニーズ
その中でも、最も重要視すべきは、「成長」と「貢献」です。
成長こそが、生命の法則
であり、「あなたがどれだけ成長したか」=「世の中への貢献度合い」
だからです。
「力(パワー)というものは、世の中に貢献したいと思いの強さに正比例して、与えられる」
これは、アンソニー・ロビンズの言葉。
あなたがやる気に燃えているとき、そして、その情熱が「利己的な動機」ではなく、「より大きな善や、人類に貢献する何かを創造したいという意図からきていている」とき、あるいは「誰かの泣き顔に微笑みをもたらしたい」という思いからきているとき、人生は驚異的な「自然の力」を総動員して、あなたに魔法を引き起こしていきます。
その魔法によって「人」や、「チャンス」、や「本来あなたが歩むべき道」などが送り込まれ、あなたをアシストするでしょう。
その「魔法」は、「私たちが事前に計画し得るレベルをはるかに超えた、驚くほど絶妙なタイミングでやってくる」のです。まさに「必然というレベルのタイミング」でやってきます。
利己的な目的からではなく、他者に仕えることに集中し始めたときから、文字通り・・・。「すべてが好転する」
のです。
(中略)
自分の「失敗や試練」を、世の中に役立つものに転換させて「成長」し、自分の一生を超えた、永続的な「貢献」という名の財産を残すことこそが、真に満たされる人生なのです。『自分を超える法』 Key 1 より ピーター・セージ:著 駒場美紀、相馬一進:訳 ダイヤモンド社:刊
多くの成功者や一流の経営者が「利他の精神」の重要性を強調します。
それには、このような理由があったのですね。
セージさんは、「シックス・ヒューマン・ニーズ」をきちんと理解すれば、けた違いな洞察力が得られるようになり、多くの問題を「いとも簡単に解決できる」ようになる
と述べています。
「ニーズ」ではなく「ウォンツ」にフォーカスする
ビジネスで考えるべきことは、人々の「ニーズ」ではなく「ウォンツ」、すなわち、「すでに顕在化した欲求、必要性(=ニーズ)」ではなく、「潜在化した欲求、需要(ウォンツ)」に焦点を定める、ということ
です。
そのためには、「生きていくために必要なもの」ではなく、「感情的にほしいもの」にフォーカスする
ことが重要です。
「これはすごくニーズがあるから、このビジネスを始めよう」という人がたくさんいます。しかし、人が何か買うとき、感情的には、「必要なものよりも、ほしいもの」を優先するものです。
人が「生きていくために必要なもの」だけを買うのであれば、アルコール飲料業界も娯楽産業もタバコ産業もいりません。人間が「必要不可欠なもの」しか買わない生き物だとしたら、もっとましな世の中になっていたかもしれませんが、「感情の機微」は失われてしまうでしょう。
次の言葉は、とても大切なので、覚えておいてください。「人は感情でものごとを判断し、後から理屈をこじつけるもの」
なのです。
ですから、私が何か新しい事業を始めるときは、ほとんどの場合、人々の「ニーズ(生きていくために必要なもの)」ではなく、「ウォンツ(感情的にほしいもの)」にフォーカスします。『自分を超える法』 Key 2 より ピーター・セージ:著 駒場美紀、相馬一進:訳 ダイヤモンド社:刊
「人は感情でものごとを判断し、後から理屈をこじつけるもの」
理屈が通っていても、感情的に受け入れられなければ、人は動きません。
他人の「ウォンツ(感情的にほしいもの)」にフォーカスする。
頭の片隅に入れておきたいですね。
「信仰」を持つということ
参考にできる情報や経験がまったくない状況でゼロから1億円を稼ぐ。
そのためには「信仰」、つまり参考情報や経験がない中で、何かを信頼すること
が必要です。
信仰を持つためには、「内なる知恵」にアクセスすること。
人に批判されても、自分は真実を知っている、という確信に満ちた感覚
を得る必要があります。
「この宇宙には人智を超えた知性があり、そのような存在を信頼する感性を、意識的に時間をとって養っていただきたい」
ということです。
人は誰もが「自分はなぜ生きているのか」という感覚を自分なりに持っています。けれど、「究極の真理は、誰にもわからない」のです。
人生において、それは「人智を超えた領域」です。ただ私は、人間が肉体という形を持ってこの三次元世界に生を受けたのには「理由がある」と信じています。
信仰というテーマについては、すべて私の主観的解釈という枠を超えることはできません。あなたに当てはまるかどうかはわかりません。
ですから、私の意見は参考程度にとどめてもらって、「人生とはあなたにとって何のためにあるのか」ということについて、「あなたなりの考え」「あなたなりの真実」を、どうぞ探求し続けてください。
人生には、表面的に見えていること以外に、何か壮大な計画、壮大な目的が潜んでいるのかもしれません。そして、「偉大なる人生を歩むよう運命づけられた巨人」が、あなたの中に眠っているのかもしれません。
「あなたが、自分自身をそのように信じること」ができれば、ケタ違いにパワフルで美しい生き方をすることができるでしょう。『自分を超える法』 Key 3 より ピーター・セージ:著 駒場美紀、相馬一進:訳 ダイヤモンド社:刊
「自分はなんでも知っている」
「自分の理解できないことはすべて間違いだ」
それらは、私たちの思い上がりです。
信仰は、「本当に真実であるか」を追求することが大切になります。
しかし、より重要なのは「真実であると信じ込めるか」。
信じることで自分自身が力を得る、“あなたなりの真実”を見つけましょう。
「力を与える世界観」は、常に自分が選びとるもの
「力に満ちた状態を意のままに生み出す」には、「トライアド」を作る必要があります。
トライアドとは、「望むアイデンティティ、望む状態、望む雰囲気をつくり出す手法」のことです。
トライアドには、以下の三つの構成要素があります。
- 「フィジオロジー」・・・体の使い方
- 「言葉」・・・自分との内的対話
- 「焦点と信念」・・・どこに焦点を当て、何を信じているかということ
セージさんは、人生で力を得るためにもっとも大切なことは、「外側で何が起ころうとも、すべてを自分の力にする経験に転換する能力」
だと述べています。
そのためには、「自分のため」に時間をとり、「自分の信念の中で、もう役に立たないものがないか」を問いかける
ことが有効です。
自分に力を与える信念を選んでください。物憂い、古いパターンを捨てるのです。
ここで変わらなければ、どれほど「大きな代償」を支払わなければならないでしょう。「煙草一本くらいならいいだろう・・・・」
とんでもない! ガンになる確率は500%もアップします!「たかがハンバーガー一つじゃないか・・・・」
とんでもない! 大切なあなたの体にふさわしくない健康状態へまっしぐらです!「なりたい自分」、「あなたにふさわしい自分」になるのを助けてくれるような「状態」を選んでください。その「トライアド」をつくりましょう。
そして、自分の心に絶えず、「船のいかり」のように深く打ち込むのです。やがて「その状態に、自在に移行できる」ようになります。もう一度言います。「力を与える世界観が偶然手に入ることはない」のです。「力を与える世界観は、常に自分が選びとる」のです。
自分の時間、エネルギー、焦点を、もっと有効に使う方法を考えてください。そして、「人生と呼ばれる現実との関わり方を進化させる」のです。『自分を超える法』 Key 4 より ピーター・セージ:著 駒場美紀、相馬一進:訳 ダイヤモンド社:刊
周りの状況は変えることができません。
変えられるのは、自分自身のみ。
自分自身を変えるということは、自分自身の世界観を変えるということです。
その「状態」が習慣になるまで、一切の妥協を許さないことが重要です。
強固なトライアドを作り、「それを絶対に守るんだ」という固い決意を持つ。
それが自分を変えるためのポイントです。
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「自分の中の考え方を変える」
それは、私たちが思っている以上に大変なことです。
顕在意識だけを変えようと思っても、すぐに元に引き戻されてしまいます。
その背後にある、知覚できない意識の部分(潜在意識)が顕在意識を支配しているからです。
自分の考え方や行動を変えるには、大元の潜在意識に働きかけること。
そして、自分にブレーキを掛けているネガティブな思い込みを取り除く必要があります。
本書の「5つの法則」を実行し、今の自分を超えて、「真の成功」を目指したいですね。
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