【書評】『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』(奥山真司)
お薦めの本の紹介です。
奥山真司さんの『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』です。
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奥山真司(おくやま・まさし)さんは、地政学・戦略学者です。
国際政治は「劇」、地政学は「舞台装置」
インターネットが普及した現代社会。
私たちは海外のニュースに触れる機会も増え、“国際情勢”というものをずいぶん身近に感じるようになりました。
グローバル化が進んだ今、教養として重要度を増しているのが、地球全体をマクロな視点でとらえ、世界各国の動向を分析する地政学
です。
では、地政学とは何なのでしょう。研究者によってさまざまな答えがあると思いますが、私は「国際政治を冷酷に見る視点やアプローチ」と考えています。多くの日本人が思うよりも、国際政治での国家のふるまいは冷酷で残虐です。ここでいう“冷酷”とはどういうことか、詳しいことは、本編を読んでいただければおわかりになるはずです。
2020年現在、新型コロナウイルスの蔓延により世界中で未曾有の大混乱が起こっています。この混乱の背後で、アメリカと中国は世界の覇権をめぐって“新冷戦”ともいえる頂上決戦を行っているのにお気づきでしょうか? この決戦は、世界の将来を左右するものですから、海外で活躍するビジネスマンなどは当然として、ほとんどすべての人に影響を与えるでしょう。こうした世界的な動きを正確に把握するには、地政学的な視点が絶対に必要なのです。例えるなら、国際政治を「劇」とすれば、地政学は「舞台装置」です。「劇」の裏側で、そのシステム全体の構造を決めているのは「舞台装置」ですから、国際政治の表面的な部分だけでなく、その裏にある各国の思惑を理解するには、地政学の考え方を身につける必要があるのです。
『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』 はじめに より 奥山真司:著 新星出版社:刊
本書は、今後ますます混乱するであろう世界情勢を、その背景から理解するのに必要な地政学をわかりやすくまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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地政学を理解するために押さえるべき「基礎的な概念」とは?
奥山さんは、地政学を理解するために押さえておくべき「基礎的な概念」を以下のようにまとめています。
地政学とは、簡単にいうと、「国の地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考える」アプローチ。例えば、海に囲まれ、大軍が押し寄せるリスクが少ない日本と、内陸国で常に攻め込まれるリスクのあるウズベキスタンでは、防衛戦略は異なります。防衛以外でも、国際政治やグローバル経済などでの国の行動には、地理的な要素が深く関わっているのです。
地政学の最大のメリットは、自国を優位な状況に置きながら、相手国をコントロールするための視点を得られること。地政学を活用すれば、リスクの高い「戦争で領土を奪う」ことをしなくても、「相手国から原料を安値で買う」など、経済的なコントロールを考えることが可能になるのです。また、国家のふるまいは、「利益」「名誉」「恐怖」など、リアルな本能の部分が関わっています。イデオロギーを排除し、地理的な側面から国家のふるまいを検証する地政学を学べば、国の本音を見抜けます(下の図1を参照)。
現在の覇権国であり、世界をコントロールする存在がアメリカです。アメリカは必要な相手を、「完全支配」から「選択敵関与」「オフショア・バランシング」「孤立主義」という4つのオプションに分け、関与するレベルを考えています(下の図2を参照)。前節で紹介した、地政学の最大のメリットである“相手をコントロール”するための重要な考え方が、「バランス・オブ・パワー」と「チョーク・ポイント」です。
まず「バランス・オブ・パワー」とは、日本語にすると“勢力均衡”。突出した強国をつくらず、勢力を同等にして秩序を保つという国際関係のメカニズムです。これを地政学的に考えると、上位の立場の国が、下位の国へ仕掛ける戦略が見えてきます。例えば、1位の国が勢力を増した2位の国に対し、3位以下の国と協力しながら挟み込んで国力を削ぐというもの。2位以下の勢力を均一化し、抵抗を不可能にするという考え方で、内容的には、猿山のボスと、その他の猿の力関係のようなシンプルな理論です(下の図3を参照)。
この「バランス・オブ・パワー」で世界を制覇したのが大英帝国、昔のイギリスです。イギリスは、世界中の国と戦って勝利したわけではなく、無敵艦隊をほこるスペインや、ナポレオンのいるフランスなど、ユーラシア大陸で強大な勢力が登場したときのみ、周辺国と協力しながら戦い、世界を制覇したのです。さらに、アメリカは、冷戦以降、常にこの「バランス・オブ・パワー」を意識した対外戦略を展開しています(下の図4を参照)。”必要な相手をコントロール”するために重要な「チョーク・ポイント」を紹介する前に、「ルート」を知っておく必要があります。
ここでいうルートとは海上交通の道、つまりは海路のこと。グローバル化といわれる現在でも国から国、また、中東やアジアなどエリア間の大規模な物流の中心は海路であり、国家の運営においてルートは命綱です。「チョーク・ポイント」とは、このルートを航行するうえで絶対に通る、海上の関所(下の図5を参照)。具体的には、陸に囲まれた海峡や、補給の関係上、必ず立ち寄る場所で、世界に10個は存在するといわれています。ルートを支配するには、他国のコントロールに直結するチョーク・ポイントをおさえる必要があります。また、別の見方をすれば、他国をコントロールする際、陸海両方に人員を配置するのは労力が膨大になるため効率が悪く、その点、チョーク・ポイントをおさえれば、低コストで大きな影響力を持てるのです(下の図6を参照)。
現在、世界の多くのチョーク・ポイントをおさえているのが米海軍です。アメリカが世界の覇権を握れるのは、世界最大規模の陸軍や、最新鋭の戦闘機をそろえる空軍ではなく、チョーク・ポイント、そしてルートを握る海軍の力なのです。地政学の基礎的な概念である「ランドパワー」とは、ユーラシア大陸にある大陸国家で、ロシアやフランス、ドイツなどが分類されます。一方の「シーパワー」とは、国境の多くを海に囲まれた海洋国家のことで、日本やイギリス、大きな島国と見なされるアメリカなどのこと(下の図7を参照)。
人類の歴史では、大きな力を持ったランドパワーの国がさらなるパワーを求めて海洋へ進出すると、自らのフィールドを守るシーパワーの国と衝突する、という流れを何度も繰り返しています。つまり、大きな国際紛争は、常にランドパワーとシーパワーのせめぎ合いなのです(下の図8を参照)。
もう1つ、歴史から浮かび上がるポイントが、“ランドパワーとシーパワーは両立できない”こと。古くは、ローマ帝国はランドパワーの大国でしたが、海洋進出をして国力が低下し、崩壊。また、日本の敗戦も太平洋の支配に加え、中国内陸部への進出を目論み、シーとランドの両立を目指して失敗したと地政学では考えます。
近年でも、ベトナム戦争でアメリカが撤退したのは、シーパワーの国が大陸内部に進み過ぎたためと考えられます。国際情勢を読み解く際、関係する国がシーパワーかランドパワーのどちらかを考えるのは、非常に重要な視点です。シーパワー・ランドパワーは国の勢力の性質を示すものでしたが、地球上の領域に関する重要な概念が、「ハートランド」と「リムランド」です。
ハートランドとは、文字通りユーラシア大陸の心臓部で、現在のロシアのあたり。寒冷で雨量が少なく、平坦な平野が多いエリアです。古くから人が少なく、文明もあまり栄えていません。一方、リムランドは、主にユーラシア大陸の海岸線に沿った沿岸部で、温暖で雨量が多く、経済活動が盛んなエリアです。世界の多くの大都市がこの場所にあり、人口が集中しています。P8で紹介した3つのエリアもリムランドであり、他国に影響を持つにはこのエリアの支配が重要です。
ハートランドとリムランド、シーパワーとランドパワーの関係を見ると、内陸部であるハートランドの国は必然的にランドパワーに分類され、沿岸部のリムランドの国はシーパワーの影響が大きいでしょう。歴史上、厳しい環境のハートランドの国は、豊かなリムランドにたびたび侵攻しており、リムランドの国と衝突しています。つまり、地政学的には、リムランドの国と衝突しています。つまり、地政学的には、リムランドは「ハートランドのランドパワー」と「周辺のシーパワー」といいう勢力同士の国際紛争が起こる場所なのです(下の図9を参照)。相手をコントローする際に、もう1つ重要なのが、足がかりとして“拠点”をつくること。あるエリアをコントロールするには、その付近に拠点をつくり、レーダーで監視をしたり、軍隊を駐屯するなどして影響力を保持します。そして、必要があればその影響の及ぶ範囲内に新たな拠点を築き、侵攻していくのです。
例えば、沖縄の米軍基地は、主に中国や北朝鮮に影響力を持つための拠点であり、横須賀の基地は、主に西太平洋対策の拠点です。ほかにも米軍は、インド洋のディエゴ・ガルシア島や、ドイツのラムシュタインなどにも大規模な拠点を展開し、対抗勢力であるイランやロシアを監視しています。
また、急成長をする中国は、アラビア半島に隣接する、アフリカ大陸のジブチ共和国に初の海外拠点を置き、同時に南シナ海にも続々と拠点を築きつつあります。どちらも、アメリカと対立しています。
さらに、ロシアとウクライナが対立した2014年のクリミア併合には、拠点の奪還という意味があります。
このように、国と国の小競り合いを見ると、コントロールに必須の拠点争いが原因であることが多いのです(下の図10、図11を参照)。『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』 Chpter 1 より 奥山真司:著 新星出版社:刊
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図2.アメリカの4つのオプション
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図3.バランス・オブ・パワーの考え方
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図4.英国流バランス・オブ・パワー
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図5.チョーク・ポイントとは
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図6.世界の主要なチョーク・ポイント
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図7.ランドパワーとシーパワー
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図8.ランドパワーとシーパワーが交互に力を持つ
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図9.ハートランドとリムランド
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図10.拠点の重要性
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図11.アメリカ軍の代表的な海外拠点
(『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』 Chpter 1 より抜粋)
なぜ、「北方領土」問題は解決しないのか?
日本が抱えている大きな外交的な課題のひとつに「北方領土」問題があります。
なぜ、日本政府が多くの時間と労力をかけたにもかかわらず、いまだに解決していないのか。
その理由も、地政学的な観点から見ると、わかってきます。
日本とロシアの衝突が続く北方領土。国際法的には日本の領土ですが(下の図12を参照)、なかなか返還されないのは、3つの理由があります。1つ目は、ロシアにとって、対アメリカの防衛のため。北方領土からアメリカ本土までは約9000kmありますが、太平洋の対岸の国への対策としては重要な場所にあるのです(下の図13を参照)。
2つ目は2000年頃に開発された「北極海ルート」の存在。これまで通行不可だったロシアの北側を通る新ルートは、貿易の新しい道になる可能性がありましたが、2022年のウクライナ軍事侵攻により頓挫。しかし、これを他国から守るには、地理的に北方領土が盾になるのです(下の図14を参照)。
3つ目としては、日本とロシアにおける北方領土の重要度のちがいがあります(下の図15を参照)。『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』 Chpter 2 より 奥山真司:著 新星出版社:刊
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図13.太平洋の対岸の国への対策としては重要な場所
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図14.「北極海ルート」は地政学の常識を打ち破る大革命
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図15.返還後も、日本のメリットはほぼない
(『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』 Chpter 2 より抜粋)
ロシア側から見ると、北方領土がいかに地政学的に重要かがよくわかります。
同様のことが、同じく長年の懸念である、沖縄の米軍基地の問題にもいえます。
世界の情勢を理解するには、地政学的な知識が不可欠だということがよくわかりますね。
「ウクライナ」がロシアにとって重要である理由
ロシアがウクライナに侵攻し、世界の注目を集めています。
舞台となっているヨーロッパの地政学上の最重要地域は、「トルコ」と「ポーランド」です。
また、今回の侵攻の火種のクリミアがある「ウクライナ東部」も、ロシア側から見ると、地政学上、譲れない重要地域に位置づけられます。
ユーラシア大陸とつながり、周囲の海に囲まれたヨーロッパは、安全保障の面では大陸との“付け根”が重要なエリアです。
NATOという軍事同盟を結び、旧ソ連に対抗。冷戦終結後は東欧の国も巻き込みながら、ロシアをおさえようとしてきました(下の図16を参照)。しかし、ロシアはクリミアを強引に併合する(P82)など抵抗を見せています。
そこで、アメリカが現在重視しているのがトルコとポーランドです。黒海を介してロシアと接するトルコはアメリカとの関係は微妙ですが、NATOの一員。ロシア側の勢力と国境を接するポーランドは親米を鮮明にしています。この2国を盾にしてアメリカはロシアをけん制していくと考えられます(下の図17、図18を参照)。
(中略)
国土の多くが、北海道よりも北に位置するロシア。冬季には港や海が凍りつき、使えなくなるため、凍らない拠点を求め、「南方へ進出すること」が地政学的戦略の大原則です。南進には伝統的に5つのルートがあり、近年、そこに北極海ルートも加わっています(下の図19を参照)。
一方、国境を接する国の数が14と世界一多く、攻められるリスクが高いのがロシアの弱点です。しかし、ロシアはほかの大国と比べて経済力が低くすべての国境線を防衛するのは難しい現実があります(下の図20を参照)。そこで、周辺国と協力関係を結び、対抗勢力とのバッファゾーンにする戦略を取ることが多いのです。
また、周囲の国に対して、ロシア側には、「ソ連崩壊後の独立国は、失った国土」という意識があります。周囲の国の併合は、「ただ取り戻すだけ」の行為と考えており、心理的な抵抗が少ないのです(下の図21を参照)。5つの南進ルートの中で、現在でも衝突が起きているのが「黒海ルート」周辺。2014年にロシアは、ウクライナの一部であるクリミアを併合しましたが、これには2つの思惑が見て取れます。
1つは「黒海ルート」の防衛。ウクライナの内部対立に介入したロシア軍の圧力のなか、クリミアでロシアへの編入をめぐる国民投票が行われ、併合が決定。クリミアには重要な軍港があり、黒海ルート防衛のためにロシアには欠かせない拠点だったのです。
もう1つがNATO勢力との対立のため。ロシアにとって、ウクライナはNATO勢力とのバッファゾーンにしておきたいエリアです。そのため、ウクライナ国内に影響力を持つためにも、クリミアは重要なのです(下の図22〜図24を参照)。『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』 Chpter 3 より 奥山真司:著 新星出版社:刊
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図17.トルコがじつは重要!
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図18.大陸で進出を防ぐには、ポーランドが鍵
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図19.凍らない拠点を求めて南進
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図20.GDPはアメリカや中国のはるか下
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図21.ソビエト連邦は、ロシアと14の国へと分裂
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図22.黒海は海峡を3つ抜けると大西洋へとつながる
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図23.ウクライナの内部対立とクリミア併合のおおまかな経緯とは
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図24.ロシアの行動に本音と建前が交錯するアメリカとヨーロッパ
(『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』 Chpter 3 より抜粋)
ウクライナは、ロシアと接している国境線が長いだけでなく、首都モスクワからも比較的近い位置にあります。
もし、ここに西側の軍事施設が作られれば、ロシアにとっては、喉元に刃物を突きつけられたも同然です。
世界を驚かせたロシアの行動も、地政学的な視点から眺めると、理解できますね。
「真珠の首飾り」と「ダイヤのネックレス」
インド洋の地政学を語るうえで欠かせないのが、中国とインドの関係です。
アジアを代表する大国である両国は、古くからカシミール地方の国境問題などを抱え、対立関係にあります。
現在世界的に注目を集めるインド。そこにはいくつかの理由があります。まずは経済と人口規模の拡大率。2050年までにはアメリカと中国に次ぐ世界3位の経済規模に、21世紀半ばには世界最大の人口を持つ国になるといわれています(下の図25を参照)。エネルギー消費の増加に伴い、石油のルート確保は必須の課題です。
またインド洋に面していることも重要です。インド洋は中東から太平洋まで石油関連製品の約70%が通過する世界的な要所。インドと同様に石油の消費量が増加している中国にとっても、インド洋は死活的に重要なため、石油ルートの確保を目指し、中国が打ち出したのが「真珠の首飾り」です。それに対抗し、インドも「ダイヤのネックレス」作戦を展開しています(下の図26を参照)。『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』 Chpter 4 より 奥山真司:著 新星出版社:刊
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図26.中国の「真珠の首飾り」戦略とインドの「ダイヤのネックレス」戦略
(『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』 Chpter 4 より抜粋)
同じアジアに属する日本も、他人事ではありませんね。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
この地球上にいる人間の中で、戦争や争いを望んでいる人は、ほとんどいないでしょう。
大多数の人は、争いのない平和な世の中を望んでいます。
それでも、この世から戦争や争いがなくなることはありません。
国同士の関係では、そこに住む個人の意志や感情とは無関係の原理が働きます。
それをひも解くのが「地政学」です。
地政学を学んだからといって、戦争がなくなるわけではありません。
ただ、争いの根本がどこにあるのか、真の原因が何なのかを知ることなくして、解決することがないのも事実です。
世界平和という、はるか彼方にある、人類の究極の目標。
本書には、そこに行き着くために、多くの人が身につけ、共通の理解とすべき内容が詰め込まれています。
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