【書評】『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』(中野ジェームズ修一)

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 お薦めの本の紹介です。
 中野ジェームズ修一先生の『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』です。

 中野ジェームズ修一(なかの・じぇーむず・しゅういち)先生は、フィジカルトレーナー・フィットネスモチベーターです。
 米国スポーツ医学会認定ヘルスフィットネススペシャリストとして、メンタルとフィジカルの両面の指導ができる、日本では数少ないスポーツトレーナーとしてご活躍されています。

「下半身の筋肉をつけること」がアンチエイジングのすべて


 パーソナルトレーナーとして、たくさんの人のからだづくりのサポートをしてきた中野先生。
 そこで得た結論は、アンチエイジング(抗加齢)には、「下半身の筋肉」をつけることが欠かせないことでした。

 中野先生はその根拠を、以下のように説明しています。

 第一に、「老化は足腰から」というように、下半身の筋肉の衰えていくからです。筋肉が少ないと疲れやすくなります。すると、疲れるから、からだを動かさない→消費カロリーが落ちる→太りやすくなる――という悪循環にはまってしまいます。疲れにくいからだをつくるために、最優先に鍛えるべきなのが下半身の筋肉なのです。
 第二に、下半身には全身のなかでも大きな筋肉が集中しています。大きな筋肉を動かせば、それだけエネルギーを消費してくれます。つまり、下半身の筋肉を増やすことは、代謝を高め、効率的に脂肪燃焼しやすい体質をつくることになるのです。
 第三に、下半身は第二の心臓ともいわれています。心臓から送り出された血液を、足の先から心臓まで押し上げてくれているのは下半身の筋肉の収縮・伸長活動によるものです。女性はよく、脚がむくむ、脚が太く見える、脚が疲れるなどといいますが、これらの悩みは、下半身の筋肉を増やし、血液の循環が活発になることで改善できるものなのです。

 『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』 Prologue より 中野ジェームズ修一:著 大和書房:刊

 本書は、無理せずに下半身に筋肉をつけ、健康的にアンチエイジングする方法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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筋肉を増やすことは、血管を増やすこと


 人間の皮膚や筋肉、髪の毛、爪などの細胞。
 それらは、酸素と栄養が全身に行き渡ることでつくられます。

 皮膚の再生は、体内に吸収された食べ物と酸素が分解して血液の中にとけ込み、筋肉のなかの欠陥を通って全身に行き渡ることで行われているとのこと。

 血管は筋肉のなかに毛細血管として張り巡らされており、筋肉が大きければ大きほど毛細血管の数が多いということになります。そして、筋肉が伸び縮みするような運動をくりかえすことで毛細血管の量は増えます。いちばん手っ取り早い方法としては、手のひらをグーパーグーパーと閉じたり開いたりを数回くりかえすだけでも、毛細血管が増えます。それくらい毛細血管というのは一瞬にして増える特徴があり、反対に数十時間動かさないでいるとすぐに減ってしまうものなのです。
 したがって、普段からからだを動かしている人は、筋肉のなかをびっしりと毛細血管が張り巡らされており、しかもちょっとからだを動かすだけで毛細血管が広がるので、短時間で全身に酸素と栄養が行き渡る、つまり新陳代謝が活発だということ。
 反対に、ずっとからだを動かさないでいる人は、毛細血管の数が少なく、酸素も栄養の巡りも悪いため、新陳代謝が低下しています。いわゆる“代謝が悪い”状態です。
 そんな人が、どんなに高級な化粧品を使って毎日手入れをしたところで多少はリカバーできるかもしれませんが、肌の若々しさを生み出す細胞の再生を根本から促すことにはなりません。

 『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』 part 1 より 中野ジェームズ修一:著 大和書房:刊

 筋肉を増やすことは、その中を通る毛細血管を増やすことでもあります。
 筋肉を増やす食べ物は、「良質なたんぱく質」です。

 たんぱく質は、肉類や魚介類、牛乳・乳製品、卵、豆・豆製品などに豊富に含まれています。
 それらを普段の食事で、適度に摂取することが重要です。

電車で立っていると、よいことがたくさんある!


 関節を安定させるための筋肉は全身にたくさんあります。
 それら小さな筋肉群を総称して、「スタビリティ(安定させる)マッスル」といいます。

 これらの筋肉を強化すると、関節が安定し、正しい動作ができるようになります。
 ケガのない、転倒を防ぐからだの動きが可能となるわけです。

 全身の筋肉バランスを整えるために効果的な「バランストレーニング」
 そのひとつが、「動いている電車で、つり革などにつかまらずに立っていること」です。

 電車というのは走行中、床がずっと揺れていて非常に不安定な状態です。そこで、つり革につかまったり、何かに寄りかかったりせず、自分の力で体重を支えてまっすぐに立つこと。それだけで立派なスタビリティマッスルのトレーニングになります。
 電車内を格好のトレーニングルームと思って、何もつかまらずに、少し足幅を開いて立つ習慣をつけましょう。最初は電車が揺れるたびに、からだがブレてよろめいてしまうかもしれませんが、訓練しているうちに安定してきます。揺れに動じなくなってきたら、足幅を少しずつ狭めていくと、トレーニングの難易度を上げていくことができます。ただし、急停車に備えてすぐにつかまれるところで行いましょう。
 電車のなかでこうした意識で立つことは、バランスボールを使ってトレーニングをしているのと似たような効果が期待できるのです。一日一駅分から始めて、少しずつ増やしていきましょう。
 階段を積極的に使うことでからだにいいことがたくさんあるのと同じで、電車内で立つ習慣をつけると、安定したからだ、機能的なからだをつくるという「いいこと」があります。電車で座れないことをイライラしたり残念に思ったりするよりも、トレーニングのチャンス!と前向きにとらえられるようになるといいですね。

 『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』 part 2 より 中野ジェームズ修一:著 大和書房:刊

 自分のからだ、特に下半身に楽をさせてはいけないということです。

 歩いていけるところは、歩いていく。
 階段があるところは、階段で登り降りする。
 電車の中では座らずに、つり革にもつかまらずに立っている。

 それだけやるだけでも、相当の負荷になりそうです。
 健康のためにも、日々の習慣として、心掛けたいですね。

「食べていないのに」の錯覚


「若い頃より食べなくなっているのに太るのはどうして?」

 そういう声もよく聞かれます。
 原因の一つは、「基礎代謝の問題」です。

 運動をしないでいると、20歳をピークに、年に1%ずつ筋肉量が落ちていきます。
 そのため、歳とともに基礎代謝が低下して太りやすくなります。

 原因のもう一つは、「食事量の問題」です。
 「同じ食事をしているのに太る」というのは、実際には摂取カロリーは落ちていないという可能性があります。

 社会人になりたての頃は、仕事を覚えるのに精一杯、給料も少ないといったことから、おなかいっぱい食べたとしても、質のいい食事ではなかったという方いると思います。それが、30代半ばを過ぎ、40代になると、若い頃のように食べないかわりに、お酒をたしなんだり高級な味も覚えるようになったのではないでしょうか。
 消費カロリーが減っているのに、いいもの、おいしいものを食べていたら、消費カロリーよりも摂取カロリーが上回るのは必至でしょう。私たちが「おいしい」と感じるものは、甘くてクリーミー、味が濃いものです。一般的に、これらはカロリーが高いものが多いでしょう。バターがたっぷりなものはハイカロリーですし、外食でおいしいと感じるもののほとんどが、油がたっぷり使われていることが多いでしょう。
 何度もお話しているように、体重が増える基本的なしくみは、消費カロリーより摂取カロリーが上回れば、カロリーオーバーとなり、からだに体脂肪として蓄積されるのですから、40歳を過ぎて太りやすくなったと感じるのは、こうしたことが原因なのです。
「同じ食事をしているのに」「食べていないのに」といいますが、若いときと同じ運動量、基礎代謝であれば、体重が増えることはありません。まとめると、

  1. 運動しなくなっている
  2. 基礎代謝が落ちている
  3. 食事の内容が変わってきている
 この三つが、同じ食事をしているのに太る原因といえるでしょう。

 『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』 part 3 より 中野ジェームズ修一 :著 大和書房:刊

 若いころと同じ食事をしている。
 自分ではそう思っていても、実際には、カロリーの高いものを多く口にしている。

 そういうことが多いということですね。

 体重が思ったように減らない。
 そういう人は、もう一度、日々の食事の中身を見直してみましょう。

「大きな筋肉」を鍛えて基礎代謝を上げる


 中野先生が考える“痩せ体質”とは、次の三点です。

  1. 筋肉量が多い
  2. 定期的に運動する習慣がある
  3. 摂取カロリーをコントロールできる
 では、どうすれば、“痩せ体質”の体になるのでしょうか。

 何度かお話をしているように、効果的に脂肪を燃焼させるには、まず大筋群の筋トレをして基礎代謝を上げる。それからランニングやウォーキング、ダンスなどの有酸素運動を行い、脂肪燃焼量をアップするのが鉄則です。
 筋トレを行う順番も重要で、下半身→上半身の順番に行うのが効果的。下半身を優先させるのは、下半身は上半身よりもサイズの大きな筋肉が集まっていて、それだけ大きな負荷で鍛える必要があるからです。
 先に上半身から始めてしまうと、そこでパワーを使ってしまい、下半身を鍛えるために必要な高負荷に耐えられない状況になりかねない場合があります。
 ここでは、40歳からの“痩せ体質”をつくるための筋トレとして、絞りに絞って三つ紹介します。下半身二種目と、上半身一種目です(下図を参照)。
①フロントランジ・・・・直立した状態から、前に片足を踏み込む動作を行う、ベーシックな筋トレです。太もも全体の強化、おしりの引き締め、ヒップアップなどに効果的です。
②ヒップリフト・・・・太もも裏側のハムストリングスの強化やヒップアップ効果を狙った筋トレです。
③プッシュアップ・・・・胸の大胸筋、肩を覆う三角筋、上腕後ろ側の上腕三頭筋といった筋肉が鍛えられます。

 『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』 part 4 より 中野ジェームズ修一 :著 大和書房:刊

大筋群の筋トレP154  大筋群の筋トレ②P155
図.“痩せ体質”をつくる筋トレ
(『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』 P154〜155 から抜粋)

 それぞれ、20回を2〜3セット行うと効果的です。

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「いつまでも、若々しくいたい」

 それは、男女問わず、すべての人の願いです。
 とはいえ、人間、誰しも歳を重ねて老いていきます。

 時間の流れに逆らって、美しく歳を重ねていく。
 そのためには、それなりの努力が必要なのは当然のこと。

 本書にある、トレーニング方法は、どれも簡単で誰でもできるものばかり。
 
 ちょっとした習慣で、10年後、20年後の見た目年齢に大きく差がつく。
 だとしたら、やらないわけにはいきません。

 できることからちょっとずつ、日々の生活に取り入れていきたいですね。


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