【書評】『最高の自分が見つかる授業』(ジョン・F・ディマティーニ)

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 お薦めの本の紹介です。
 ジョン・F・ディマティーニ博士の『Dr.ディマティーニの最高の自分が見つかる授業』です。

 ジョン・F・ディマティーニ博士は、教師、ヒーラーであり哲学者です。
 幼いころ、学習障害と診断されながらも、物理学、数学、心理学、神経学、哲学、神学、形而上学、天文学、生理学など、多数の学問分野を学び続けられています。
 現在は、世界中を精力的に飛び回り、講演家として年間300日以上の講演・セミナーを行われるなどご活躍中です。
 人生に大きな変化をもたらす画期的手法「ディマティーニ・メソッド」を開発したことでも有名な方です。

ビジョンを達成し、目的を成就するには?


 感動に満ちあふれた毎日。
 そんな夢のような人生を送るための、最も重要な一歩とは何でしょうか。

 それは、「自分の最高の価値観を知ること」です。

 ディマティーニ博士は、自分が最も価値を置き、最も心を動かすもの、自分が何者で、人生の真の目的とは何かを知ることなしには、本当の意味で生き生きとして感動に満ちあふれた人生を手に入れることはできないと指摘します。

 どうしても他人が望むような生き方をしてしまう。
 それは両親や教師、上司、妻や夫など、誰か他人の価値観に従って生きているからです。

 ディマティーニ博士は、それこそがすべてのフラストレーションの原因であり、自分の最高の価値観を見いだすことは、人生における最も重要なことだといってよいと強調します。
 
 本書は、人生を変える「自分の最高の価値観」を知るための秘訣を解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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価値観とは何か?何が価値観ではないのか?


 ディマティーニ博士は、私たちが「自分の価値観だ」と考えている誠実さ、高潔さなどの抽象的な言葉、あるいは宗教的な信条や愛国的な理想、倫理的な規範などは、社会的に容認された思考や行動様式(社会的理想主義)にすぎないと述べています。

 自分の価値観が、本当の自分の価値観なのか、社会の理想主義に基づくものかは、どのように表現されいてるかによってわかる。社会的理想主義の価値観は、一般論、観念論で語られる。たとえば、こんなふうに。
 人は誠実であるべきだ。
 自分がそうされたいと思うように、他人を扱うものだ。
 良い人は教会、寺院、神社、モスクに通うものだ。
「進化した人」は常に寛大、または利他的だ。
 ・・・・など。
 これとは対照的に、本当の価値観とは、指紋や声紋と同様、人それぞれで全く固有のものだ。あなたが本当に高い価値をおくことは、家族と共に過ごすことだったり、美しい音楽を聴くことだったり、週に数回のバスケットボールだったり、あるいはオシャレだったり、世界中で事業を展開することかもしれない。
 長い人生の中で、最高の価値観は変化することもある。それでもなお、それはあなたにとって最高の価値観であり、あなたの本質なのだ。
 つまり、それはあなたが惹きつけられてやまないもの、否応なく追求するもの、そのことのために生きている、そういうもののことである。
 それは一種の体内コンパスとなっていて、あなたが最も心を動かされる活動、人、場所へと向かわせる。そして、自分の価値観を邪魔するような状況や人物から遠ざけてくれる。
 誰もあなたの指紋を変えられないように、どんな権威も、それが両親であれ、教師であれ、政治的リーダーであれ、宗教的な偉人であれ、あなたの価値観を決定することはできない。
 あなただけが、自分の思考、心、魂をのぞき込み、自分にとって最も大切なものが何かを発見できる。
 もちろん、自分の価値観と他人の価値観の間に類似点を見つけることはできるだろう。本を読んで学ぶことが好きな人は、同じように読書好きな人と出会うこともある。

 『最高の自分が見つかる授業』 第1章 より ドクター・ジョン・F・ディマティーニ:著 岩元貴久:監 竹井善昭:訳 フォレスト出版:刊

 そのようにすべき(should)。
 そうあるべき(ought to)。
 しなければならない(have to)。

 そのように感じるものは、すべて社会的理想主義に基づく価値観です。

 逆に、「そうしたい(want)」「そうすることが好きだ(like)」と感じるもの。
 それが本当の自分の価値観です。

 このようなものは、自然とゴールに向かって行動でき、努力の必要もありません。

天啓を与えてくれる試練を選択する


 私たちの人生は、試練の連続です。
 ディマティーニ博士は、最高の価値観を生きていると、意図的にこのような試練や難しい課題を求めるようになると述べています。

 最高の価値観を受け入れると、内面の豊かさ、エネルギー、エンジン、決意、意思、集中力、明晰さ、知性、才能、そして能力を十分に働かせることができるようになるからだ。
 心身ともに充実したアスリートが、次々と難しい技や高い記録に挑戦したくなるようなものだ。
 また、最高の価値観を生きていると、自分の軸が定まるので、困難なときでも、助けを必要としなくなる。むしろ、困難や試練を支援と同じように受け入れることができるようになる。そして、すべての困難に打ち勝ち、試練に立ち向かえるようになる。
 それに対して、他人の価値観や、優先順位の低い価値観で生きていると、インスピレーションが得られなくなる。そうすると、試練に打ち勝つことができなくなり、支援ばかりを求めるようになる。
 つまり、「試練の価値」が得られなくなってしまうのだ。その結果、望まないような試練ばかりに出会ってしまい、人生に絶望するようになるわけだ。
 充実した人生を送るための秘訣は、自分の欠落感に集中して生きることだ。欠落感は、私たちの限界を広げ、新しいビジョン、新しい可能性、新しい自分を創り出す。
 人間の創造性や革新性というものは、このような試練、人生に変化をもたらすような試練に直面したときに生まれてくるし、発揮されるのだ。自分がエキサイトするような試練を求めよう。そうでなければ、辛いだけで何の益もない試練がやってくる。
 自分を発奮させる試練という概念は、試練を、避けるべき危険だとか、最小限にとどめておきたい痛みだとか、いわゆるネガティブという名のものとして捉えている人にとっては、考えられないことだろう。
 しかし、実際にはあなたの人生を満たしてくれるインスピレーションというものは、間違いなく欠落感を埋め、さまざまな問いに答え、問題を解決し、謎を解くといったことにあなたを駆り立てるような、そんな試練から生まれてくる。
 このような成長と変容のプロセスに生きることが、自分自身にも周囲の人間にも価値をもたらず、そんな充実した輝く人生を送るために必要なのだ。

 『最高の自分が見つかる授業』 第3章 より ドクター・ジョン・F・ディマティーニ:著 岩元貴久:監 竹井善昭:訳 フォレスト出版:刊

「自分には何かが足りない」という不満や欠落感に正面からぶつかること。
 それが最高の価値観を生きるということにつながります。

 どんな人生を送っても、困難や試練はやってきます。
 それならば、人生に変化をもたらすような試練を求めていきたいですね。

人間関係の秘訣は「気遣う」こと


 人間関係を構築するには、以下の三つの方法があります。

  • 気にかけない(careless)
  • 気にする(careful)
  • 気遣う(caring)
「気にかけない」関係は、自分のことしか考えない関係。
「気にする」関係は、相手のことしか考えない関係。
 どちらも、本当の親密さや交流を達成することはありません。

「気遣う」関係だけが、相手の最高の価値観の観点から自分の最高の価値観を伝える理想的な関係になります。

 この関係では、お互いが積極的に相手との交流を持ち、それぞれが自分だけでなく相手のことを考え、自分との愛と相手への愛を両方、表現するとのこと。

 二人が「こうあるべき」「こうでなければならない」という考え方から行動するのではなく、お互いの最高の価値観を理解して、コミュニケーションする。それが「気遣う関係」の秘訣である。
 人は、パートナーが自分の最高の価値観を完全に共有し、必要なときはいつでも支えてくれると思いがちだ。
 しかし、この世に全く同じ人間は、二人も必要ではない。人間関係の目的は、100%の支援関係ではない。
 自分の中にある、自分が認めたくないような部分について好きになれるようになるためなのだ。真に充実した人間関係は、支援と試練の崇高なバランスを現す。
 相手の最高の価値観を知り、相手との類似点や相違点を理解する方法を学ぶことが、「気遣う関係」には重要なのだ。
 充実した人間関係の秘訣は、自分の最高の価値観というフィルターを通して「愛」を表現することを忘れないことだ。
 パートナー、家族、友人などが愛情を示すときは、こちらの価値観ではなく、彼らの最高の価値観を通してそれを表現する。だからこそ、時に私たちは、彼らの自分に対しての愛を認識することができなかったりするのだ。

 『最高の自分が見つかる授業』 第5章 より ドクター・ジョン・F・ディマティーニ:著 岩元貴久:監 竹井善昭:訳 フォレスト出版:刊

 まったく同じ価値観を持っている人間は、二人といません。

 それを頭に入れたうえで、相手の最高の価値観を知り、類似点や相違点を理解する方法を学ぶ。
 大事なことですね。

経済的自由を得ている人の価値観とは?


 ディマティーニ博士は、人は経済的目標に対して幻想を抱いているものだが、ほとんどの場合、設定している経済的目標と最高の価値観が合致していないと指摘します。

 多くの人は「お金に価値観を持っている」と言うが、実際には「お金を使うこと」に高い価値観を持っている。欲しいと思ったものは何でもすぐに買えるという意味で経済的事由を口にするが、そうであれば、今すぐに倹約を始めることは難しいだろう。
 実際問題、経済的自由を得る方法は、お金を使うことに価値を置かないこと、貯蓄と投資に高い価値を置くことだ。
 自分の最高の価値観が支出に向かっているなら、その目的が、新しい服を買うことだろうが、子供の教育費であろうが、自己投資であろうが、貯蓄や投資のチャンスを得る前にお金をすべて使ってしまうだろう。
 一方で、貯蓄と投資に最高の価値を置いていれば、それが何であれ、購入をストップさせるだろう。貯蓄と投資に価値観があれば、自分の興味は自然と、お金が増え貯金の利息や投資の配当を生み出すことに向かうのだ。
 では、最高の価値観がお金ではなく、別のところにある人にとっては、どうすればビジネスを始めたり、老後のために貯金するといった経済的事由を得るための行動をとれるようになるのだろうか?
 答えはいたって簡単だ。経済的自由を実現するという目標を立てたら、それを自分の最高の価値観にリンク付けすればよいのだ。言い換えれば、人々の役に立つことと、貯金し投資すること、それらを自分の最高の価値観と結びつければいい。
 結局のところ、誰かに役立つことをしない限り、貯蓄や投資のためのお金は得られない。自分が何かに値する(deserve)には、そのために何かを提供(serve)することから始まる。
 サービスが先で、お金は後だ。だから、もし人々にサービスを提供するという目標を、自分の最高の価値観とリンクできれば、貯蓄や投資はより簡単になる。お金を使うのが簡単なのと同じくらい、簡単に貯蓄できるようになる。

 『最高の自分が見つかる授業』 第8章 より ドクター・ジョン・F・ディマティーニ:著 岩元貴久:監 竹井善昭:訳 フォレスト出版:刊

 収入が多いからと、その分余計に使ってしまったらお金が貯まりません。

 自分の最高の価値観を「支出」ではなく、「貯蓄」や「投資」とリンクする。
 経済的な自由を得るためには、それが重要です。

 経済的なことに限らず、自分の望みややりたことと「自分の最高の価値観」をいかに結びつけるかがポイントになります。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

「自分の最高の価値観」を見つけて、その通りに生きること。
 それが、本当の自分を生きることだとディマティーニ博士は強調されています。

「自分の最高の価値観」は、誰かが教えてくれるものではありません。
 法律や教義で決まっているものでもありません。

 自分自身の心の中の「〜したい」とか「〜が好き」という気持ち。
 それを一つひとつ拾い上げながら見つけるしかありません。

 誰の心の中にも磨けば光る「ダイヤの原石」があります。
 ほとんどの人はそれに気づいていないだけ。

 本書は、それを見つけるための指南書として最適な一冊です。


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