本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『集中力』(セロン・Q ・デュモン)

 お薦めの本の紹介です。
 セロン・Q・デュモンさんの『集中力』です。

「セロン・Q・デュモン」は、ニューソート(新思想)運動の権威、ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンさんのペンネームです。
 アトキンソンさんは、精神医学や東洋思想をベースに、幅広く執筆活動をされた文筆家です。

何かを達成するためには集中しなければならない

 集中力とは、『ネガティブな考えや破壊的な考えを閉め出し、自分にとってためになることだけを考える能力』のこと。

 成功をおさめるためには、取り組んでいることに対し、全思考を集中する必要があります。
 ですが、一つのことに考えを長く集中することは難しいです。
 最初からそれができる人は、ほんの一握りでしょう。

 デュモンさんは、集中力はすべての人の中に眠っていて、鍛えることで高めることができる能力だと指摘します。
 エクササイズを毎日いくつか実行するだけで、すぐに集中力という素晴らしいパワーを身につけられるとのこと。

 本書は、誰でも実行できる集中力を高めるための方法を、くわしく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

スポンサーリンク
[ad#kiji-naka-1]

とにかく一歩を踏み出してみよう!

 成功するために欠かせない第一の要素。
 それは、「何かをやり遂げたい」という願望です。

 つねに向上心を持って前に進めるようになる。
 そのためには、何があっても自分の弱さを克服する、という決心を固めなければなりません。

 誰もが何かをやりたいと強く望みながら、その実現に必要な犠牲を払おうとする人はごくわずかです。ものごとをやり遂げる方法は一つしかありません。とにかく一歩踏み出して、それをやることです。目標の実現に集中し、何ものにもじゃまさせることなくおしすすめていけば、どんなことも実現できると言っていい時代です。
 心が望むものの実現に専念する人は、障害をたやすく克服できるものです。“大きな”人ほど障害が小さく見え、“小さな”人ほど障害が大きく見えます。つねに障害を克服することで手に入るものに目を向けていれば、克服に必要な勇気が出てきます。
 いつも穏やかな航海が続くとは限りません。海が荒れることもあるでしょう。けれど海が荒れているからといって、退いてはいけません。航海を続けましょう。嵐をどのように乗りきるかで、あなたという人の資質がわかります。海が荒れていると泣きごとを言うのではなく、それまでの順調な航海の快適さを思いましょう。目の前に広がる大海原を、喜びをもって眺めましょう。
 一つのつまずきで立ちどまってはいけません。ゴールに到達するまでに克服するべきできごとの一つでしかないと考えてください。

 『集中力』 レッスン1 より セロン・Q・デュモン:著 ハーパー保子:訳 サンマーク出版:刊

 何かを成し遂げるためには、障害を避けては通れません。
 ならば、最初から「あるもの」と覚悟し、一歩を踏み出してしまえ、ということです。

 障害やトラブルは、克服すればするほど、自分を大きくしてくれます。
 自分が大きくなればなるほど、目の前の障害が小さく見えてきます。

 結果、遠くまで見通せるようになります。

だらだらと時間を過ごさないように!

「自分が食べているものや、歩きながら目に入るものに集中するにはどうすればよいか」

 この質問に、デュモンさんは、「何をしているときでも、そのときしていることだけを考えなさい」と答えています。

 ポイントは、些細(ささい)な行動をコントロールできるようになることです。そうしなければ悪い習慣が身につき、それを直そうにも、集中することに慣れていないためうまくいきません。この瞬間に管理できていない頭脳のはたらきを、次の瞬間に管理することはできません。小さなことをしながら心をさまよわせると心は言うことを聞かなくなり、いざ重要なことに集中しようとしてもなかなかできなくなります。
 集中することのできる人は幸福で、忙しく働いています。だらだらと時間を過ごすことはありません。つねに山ほどすることがあります。過去の失敗を振り返る暇(ひま)はありません。そんなことを考えても嫌な気分になるだけです。落胆しても挫折しても、神のそばに行く日まで、私たちの最も偉大な財産でもある「生命と真理と力」が「電流のように」私たちの人生を走りつづけることを願いましょう。

 『集中力』 レッスン5 より セロン・Q・デュモン:著 ハーパー保子:訳  サンマーク出版:刊

 デュモンさんは、集中力を鍛え、平静さと慎重さを忘れず、明確に、迅速(じんそく)に、そして決断力をもって考える訓練をすれば、自分のしていることをつねに把握するのは難しいことではないと述べています。

 だらだらと過ごす時間は、集中とは対極にあるもの。

 ただ何となく過ごしてしまう時間をなくす。
 思考を一点に定める意識を、つねに持っていたいですね。

成功を勝ち取るための秘訣とは?

 望むものを、心の中で強く引き寄せる力。
 それを、「メンタル・ディマンド」と呼びます。

 このパワフルで静かな力は、私たちのすべての中にあります。これを鍛えれば、とても不可能に思える状況も乗り越えることができます。休むことなく、私たちをより大きな達成へと駆り立てます。このパワーを熟知すればするほど、すぐれた戦略家になり、勇気は増し、多くの分野で自己表現したいという願望が高まります。
 成功の第一要因は粘り強さです。つまり、ものごとの実行にあたって決して立ち止まらないことです。取り組んでいることに考えを集中し、目的を達成するまでは、もてるエネルギーをすべて費やしてその状態を維持しなければなりません。目標を実現しないまま投げ出すと、次の目標にも力が入りません。
 メンタル・ディマンドには実体がないため、存在しないパワーのように思えます。しかし実際には、世界最強のパワーなのです。あなたが好きなだけ使えるパワーであり、他の誰もなたの代わり使うことはできません。メンタル・ディマンドは幻想ではなく、代償なしで自由に使える、すぐれた力です。迷いのあるときは助言を与え、確信をもてないときには道を教え、不安なときには勇気をくれるでしょう。目的達成に必要なエネルギーを与えてくれる原動力です。

 『集中力』 レッスン7 より セロン・Q・デュモン:著 ハーパー保子:訳 サンマーク出版:刊

 何もほしがらない人は、ほんの少ししか手に入れられません。
 断固として望むことが、ほしいものを手に入れる第一歩です。

 メンタル・ディマンドを実行するときは、必要なものが与えられるまで、断固として衰えさせないことが重要です。

成功するために絶対不可欠なものって?

 デュモンさんは、成功するために絶対不可欠なものが二つあると述べています。
 それは、「エネルギー」「成功するという意志」です。

 状況を好転するのをただ待つのではなく、自分の手で望ましい状況をつくり上げていきましょう。成功するのは、「それはとてもできない」という人ではなく、反対意見も気にせずことを進め、「それはできるのだ」ということを示す人です。「天はみずから助くる者を助く」ということわざは、真理を言いあてています。私たちは障害を克服することによって、成功への道を登っていきます。「私にはできる。私にはやる意志がある」と言う人にとって、障害は成功への踏み石なのです。
 粘りのパワーに勝つものは何もありません。私たちを待ち受けるのは穏やかな海ばかりではありませんが、困難な道のりに橋をかけることはできます。あなたが「できる」と思い、どうすればできるかに集中するだけでいいのです。けれども「この障害は越えられない」と思えば、もちろん越える努力をしないでしょうし、したとしても熱意がこもらず、結果として何も達成できないでしょう。

 『集中力』 レッスン13 より セロン・Q・デュモン:著 ハーパー保子:訳 サンマーク出版:刊

 できるか、できないか。
 実際にやってみなければ、わからないものです。

「困難だ」と思われていたことでも、実際にやってみたらうまくいった。
 そのような例は、いくらでもあります。

 どんな困難な問題でも、「解決法は必ずある」と信じる。
 そして、全力で立ち向かう。

 それが、自分の中に眠っていた集中力を極限にまで高めることになります。

スポンサーリンク
[ad#kiji-shita-1]
☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 集中力は、「意志の強さ」「決断力」「自制心」など、自分の中にあるさまざまな資質の総合力です。

 集中力を鍛えることは、それらの資質を高めることにもつながります。

 自分の中に眠る潜在能力を呼び覚まし、最大のパフォーマンスを生み出す「集中力」
 ぜひとも、身につけたいですね。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ(←気に入ってもらえたら、左のボタンを押して頂けると嬉しいです)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です