【書評】「ぜんぶ無意識のせい。」(シンプリィライフ)
お薦めの本の紹介です。
シンプリィライフさんの『ぜんぶ無意識のせい。 こんがらがった人生をシンプルな線にする知のレシピ』です。
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シンプリィライフさんは、登録者15万人超の人気YouTuberです。
現実はすへて「心」が生み出している!
シンプリィライフさんが、これまで脳科学・心理学・量子力学・仏教、そして古今東西の様々な哲学について学び、YouTubeで情報発信をして
きて、たどり着いた結論。
それは、「現実はすべて心が生み出している」ということでした。
シンプリィライフさんは、さらに驚くべきことに、私たちを動かしているのは、私たちの意識や意志ではなく、「無意識」
だと指摘します。
どのように、あなたの無意識が現実を創っているのか?
なぜ、人生は「思い」の力で変えられるのか?
そして、どうすれば無意識を味方につけ、成功を手に入れられるのか?これらの問いに答えるのが、本書の目的です。
私自身、かつては「思い通りにならない人生」を生きていました。
安定した仕事、家庭、マイホームーー一見すると何の不自由もない人生でしたが、心の中はいつも不安と虚無感で満ちていました。
そして気づけば、すべてを失い、大切な人を傷つけ、人生のどん底へと落ちていました。そのどん底から這(は)い上がるきっかけとなったのは、本でした。
私は2016年に脱サラ起業に失敗し、借金を抱えたまま無収入状態となり、知人の経営する古本屋でアルバイトから人生をやり直すことになりました。当時は、毎月生活費の引き落とし日が来るたび、銀行口座の残高は数万円。先の見えない不安と恐怖の中で生きていました。
ですが、その古本屋での日々が、人生の大きな転換点となります。倉庫には日々3万冊もの本が出入りし、ところ狭しと並ぶ棚に隙間なく美しく詰められている多種多様な本。
アルバイトをしながら、100万冊近い本の中に存在している自分が、まるで「本の宇宙」を漂っているように感じたのを覚えています。そして、本をひらけば、その中にも宇宙があったのです。
その古本屋の創業者の「本を紹介するYouTuberをやってみたら?」という何気ない一言が、新しい人生への入り口となりました。私が圧倒された「本の宇宙」を構成している1冊1冊の中には、さらに広大な「知の宇宙」が広がっていたのです。
いつしかその広がりに魅了され、漂い、その中で点と点をつなぎ合わせる作業に夢中になっていました。
そして私は、これから本書でお話しする驚きの世界観を自分の中にインストールすることに成功します。これにより、自分の心の中にある思い込みや固定観念に自然と気づくようになり、現実が勝手に変わっていく様子を目の当たりにするようになったのです。
その結果、人生は劇的な好転しました。現在は、YouTubeチャンネル「シンプリィライフ」を通じて、先人たちがこの世界に残した思いと、私自身が実践してきた「人生を変える知識」を発信しています。
おかげさまで登録者数は15万人を超え、多くの方々とともに「心が現実を創る」というメカニズムを理解し、日々実践しています。
(中略)
私自身、この世界観をインストールし実践することで人生が大きく変わりました。本書を読むことで、あなたにも同じことが起きます。いやむしろ、それ以上のことが可能です。「仕事や人間関係がうまくいかない」
「未来が不安で仕方がない」
「もっと自由に、自分らしく生きたい」もしあなたがこうした悩みを抱えているなら、本書はきっと新しい視点を提供するでしょう。
そしてそれが、あなたの人生を変える第一歩となるはずです。この本は、あなたを新しい旅へと誘います。
これは、無意識という深い世界を探求する旅であり、あなた自身の可能性を再発見する旅でもあります。
その旅の中で、あなたは「ほんとうの自由」と出会い、自分自身を解放していくことになるでしょう。それでは、人生を変える第一歩を一緒に踏み出しましょう!
『ぜんぶ無意識のせい。』 はじめに より シンプリィライフ:著 KADOKAWA:刊
本書は、科学的・論理的な視点をもとに、無意識が現実を創る仕組みを解説し、その力の活用法を具体的な方法論としてお伝えする、人生を根本から変える可能性を秘めたガイドブック
です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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現実は脳が創り出した「幻」?
今日、私たちに起きたこと、これから起きることは、果たして「現実」なのでしょうか。
シンプリィライフさんは、もしかしたら、私たちが現実だと思い込んでいるものは、実は脳が巧妙に創り出した幻想かもしれない
と指摘します。
脳の基本的な仕組みを理解することは、私たちが現実と呼んでいるものの本質を知る上で非常に重要です。
ということでまずは、私たちの脳がどのように外の世界を認識しているのか、その仕組みから見ていきましょう。
神経科学者であり起業家のジェフ・ホーキンスは、著書『脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論』(早川書房)の中で、驚くべき主張をしています。
「光や音や感触のような最も基本的な感覚でさえ、脳の創作物であり、脳の世界モデルにしか存在しない」
「私たちが鑑賞する世界は現実世界のシミュレーションなのだ」つまり、私たちが「実際に知覚するものはすべて、脳内ででっち上げられている」といっているのです。
脳には「古い脳」の上に、知能を司る「新しい脳」、つまり新皮質が加わっています。この新皮質の中に、「約15万個の「皮質コラム」があり、さらにその中には数百の「ミニコラム」があります。
そしてミニコラムはそれぞれ100あまりの「ニューロン」で構成されており、この複雑な構造が、私たちの知能の源です。新皮質には、生まれてからいままでに学んだことや経験したことなど、膨大な情報が記録されています。たとえばホッチキスの使い方、食器の洗い方、パソコンの操作方法など、日常生活のあらゆる情報がここに蓄積されているのです(下の図1を参照)。
私たちが「現実」と呼ぶものは、実は脳が受け取った電気信号を解釈したものにすぎません。視覚や聴覚、触覚など、五感からの情報はすべて電気信号として脳に送られ、脳は頭蓋骨という暗い箱の中で、それらを統合して「世界モデル」を創り出しているのです。
そして、脳は未来を予測する装置でもあります。
たとえば、パソコンのマウスを右に動かしたとき、画面のカーソルが逆に動いたら違和感を覚えますよね。これは、脳が「次に起こること」を予測しており、現実とのズレを感じたためです。同じように、私たちが感じる「世界」も、脳が過去の経験をもとに構築し続けているものなのです。しかし、この世界モデルは完璧ではなく、ときにエラーを起こします。
では、あなたがいま感じている「現実」は、本当にそこにあるのでしょうか?ちょっとした実験をしてみましょう。目をつぶって、両手をゆっくり握りしめてください。そして10秒後、一気に開く。
その瞬間、まだ手のひらに圧を感じませんか?これは、脳が「手を握っていた」という感覚を保持し続けているからです。私たちは、目の前にある世界をそのまま見て感じているのではなく、脳が創った映像・感覚を体験しているのです。
この考え方は、古今東西の哲学者や科学者たちによっても論じられてきました。「でも、私はリンゴを手に取ることができるし、噛めばシャキシャキと音がするし、甘酸っぱい味がする。これが現実でしょ?」
そう思いますよね。
しかし、もしあなたの脳に直接電気信号を送り、「リンゴを食べている」と錯覚させることができたら?
実際、実業家のイーロン・マスクが手掛ける「ニューラリンク」は、脳に電極を埋め込み、直接信号を送る技術を開発中です。これが進めば、実際にはそこに何も存在しないのに、脳に直接電気信号を送ることで現実としか思えない仮想現実を創ることも可能です(下の図2を参照)。これは夢物語ではなく、実現可能なところまで脳の研究と技術が進んでいるのです。
「え、もう発車してる?」と思ったら、実は隣の電車が動いていただけだった。
こんな経験はありませんか?
これは「ベクション」と呼ばれる、視覚情報によって脳が「自分が動いている」と錯覚する現象。いま流行りのVRには欠かせない要素です(下の図3を参照)。かつては「地球の周りを太陽が回っている」と信じられていました。ガリレオが「地球が回っている」と主張しても、人々は受け入れなかったのに、いまでは、私たちは地球が自転しながら秒速30kmで太陽の周りを回っていると信じています。
実感はないのにもかかわらずです。
これは、情報が私たちの「世界」を創っている証拠のひとつではないでしょうか?この考え方は、現代哲学や物理学でも注目されています。
現代哲学の第一人者、マルクス・ガブリエルは「なんらかの場に立ち現れた情報は、実在する」と述べ、天才物理学者ジョン・ホイーラーは晩年「すべては情報である」という結論に達しました。さらに、「宇宙のすべては、情報がホログラムのように投影されたものではないか」という仮説も提唱されています。
理論物理学者・大栗博司さんの研究チームは、この「ホログラフィー原理」に数学的な裏付けを与えました。もしかしたら、私たちが体験している「現実」も、実は情報の集積でしかないのかもしれないのです。
そして実は日常でも、情報が世界を創る瞬間を私たちは経験しています。
同じ映画を見ても、感想が違う。
同じ風景を見ても、受け取り方が違う。
同じリンゴを見ても、「美味しそう」と思う人もいれば、「アレルギーがあるから危険」と感じる人もいる。これはそれぞれの脳が、過去の経験や価値観と照らし合わせ、情報を解釈しているからです。また、人は自分の信じたいことを信じるための情報を集める「確証バイアス」という傾向性も持っている。つまり、私たちは「世界そのもの」を見ているのではなく、脳が創った「解釈された世界」を見ているのです。
さらに、質問です。あなたが見ている「赤」と、私が見ている「赤」は、本当に同じでしょうか?
実は、私たちの脳が感じている「色」や「味」の感覚は、他者と完全に一致しているとは限りません。脳科学・哲学では、こうした個々の主観的な体験を「クオリア」と呼びます。
つまり、私たちの認識は、単に目の前の情報だけでなく、その人の経験や価値観、感覚的な印象(クオリア)、さらにはそのときの気分にも影響されているのです。このように、私たちの脳は日々、膨大な情報を処理して「世界」を創り出しています。でもそれは、あくまで自分の中の「世界」。
だから、人それぞれが少しずつ違う「世界」を生きているともいえます。「なぜ、同じ失敗を繰り返すのか?」
「なぜ、周りの人を冷たく感じるのか?」
「なぜ、望まない現実が続くのか?」以前の私は、その原因を外側に求めていました。
でも、あるとき気づいたのです。
外側で起こる出来事は、私の心が映し出しているのではないか?前述した通り、世界は情報からできており、私たちは脳が創った「解釈された世界」を見ているのなら、そして、心は脳の活動であるならば、私たちを取り巻く他者や環境は、私たちの心が映し出しているといえるのでは無いでしょうか?
私にとって衝撃的な気づきとなったのが、野口嘉則さんの著書『完全版 鏡の法則』(サンマーク出版)でした。この本の核心は、「私たちが経験する現実は、心の反映である」というもの。
簡単にいえば、自分の「心の状態」が他者を通じて映し出される現象であるということ。
たとえば、あなたが誰かを「信頼できない」と疑うとき、そこにいるのは本当に「信頼できない人」なのでしょうか? それとも、あなたが「人を信じることに不安を感じている」のでしょうか?
また、「この会社はダメだ」「上司が無能だ」と不満を抱く人がいる一方で、同じ職場でも「素晴らしい仲間に恵まれている」と感謝する人がいる。
同じ環境なのに、まったく違う世界が広がるのはなぜでしょうか?
それは、心の状態がその人の見ている「現実」を創っているからです(下の図4を参照)。
不満を抱えている人は、周囲の言動を否定的に解釈し、さらに不満が募る。感謝している人は、些細なことにも喜びを感じ、幸せな出来事を引き寄せる。これは、日常のあらゆる場面に当てはまります。
私たちの人生には、私たちの心が映し出されています。人生を変える鍵は「心」なのです。これは確固たる法則であり、だからこそ心を整えることで、環境も、そして人生そのものも変えていけるのです。
『ぜんぶ無意識のせい。』 第1章 より シンプリィライフ:著 KADOKAWA:刊




それが、脳が創り出した「仮想現実」であり、どんな世界にするかを決めているのが「心(潜在意識)」だということ。
例えれば、心が選び取った映画のフィルムを、脳という映写機が映し出した映像が「現実」です。
現実を変えるとは、脳が映写するフィルムを変えること。
つまり、フィルムを選んでいる心(潜在意識)の状態を変えることが必要です。
「人生脚本」を書き換える!
シンプリィライフさんは、まるで、見えない糸に操られる人形のように
、私たちの行動や感情、そして思考の大部分は、「人生脚本」という無意識のシナリオに従って動いている
と指摘します。
『人生の99%は思い込み』(ダイヤモンド社)の著者である心理学者の鈴木敏昭さんは、私たちの人生の大部分が「思い込み」によって創られていると主張しています。
そして、この思い込みの根源にあるのが「人生脚本」。
「人を悲しませちゃダメだよ」
「将来はいい大学・いい会社に入って立派な大人になりなさい」
「〇〇君は落ち着きがないですね」
など、親や周囲の大人たちからの言葉や態度、経験などによって創り上げられるこの脚本は、私たちの行動パターンや人生の選択に大きな影響を与えます。
実は私たちは、様々な体験を通じて感じたことをもとに、心の中で「自分はきっとこんな人生を送るだろう」という人生の脚本を、気づかぬうちに無意識領域に書き込んでいるのです。何度もいいますか、重要なのは、この人生脚本が無意識のレベルで機能しているということ。私たちは自分でも気づかないうちに、この脚本に沿って行動し、人生を歩んでいます。
人生脚本はとても強力で、脚本に合わない生き方をしていれば、無意識のうちにもとの人生脚本に合う生き方へと引き戻されてしまいます。
私のジャーナリング講座に参加しているNさんのエピソードをご紹介します。あるセッションで、彼女は悲しそうに打ち明けてくれました。「何をやっても長続きしないんです。仕事でも、趣味でも、人間関係でもいつも途中で投げ出してしまって・・・・・・。『またいつもの調子だね、あなたは何がしたいんだ?』って、ずっと自分に問いかけているんです」
詳しく話を聞くと、Nさんは子どもの頃、自分の興味を追求しようとするたびに親や先生に否定されていたことがわかりました。
「そんなことより勉強しなさい」
「そんなの何の意味もない」
などと言われ、次第に、自分が心から興味を持ったことに取り組んではいけないと思うようになったのではないか、とNさんは振り返ります。
そして、大人になっても、新しいことを始めようにするとすぐに「どうせ長続きしないんだろう」などの否定的な声が聞こえてきて、本気で取り組む前に諦めてしまっていたのです。Nさんはため息をつきながらいいました。
「私は何をやってもダメなんです。きっとこれらも、何も成し遂げられないまま人生が過ぎていくんでしょうね・・・・・・」
これはまさに、「心から興味を持ったことに取り組んではいけない」という望まない人生脚本に縛られている例です。
こんな話を聞くと、「ほらやっぱり、どうしようもないということじゃないか」と思ってしまうかもしれません。でも、ちょっと待ってください。
人生脚本は書き換え可能なものなのです。
もしあなたか、「人生脚本を書き換えたい!」と思ったなら、まずは、「これは脚本に過ぎないのだ」と冷静に考えるだけでも大いに効果があります。不幸な人生脚本は、「①幼少期の禁止令」と、それによって生まれる「②4つの構え」によって無意識領域に書き込まれます。
❶幼少期の禁止令
すべては禁止令から始まります。子どもの頃、親からの禁止の言葉を受け取ったとき、親の愛を得なければ生きてイケナイ、だから禁止令を自分に課さないとイケナイという思い込みが生まれました。それは大人になってからもなかなか消えません。代表的な禁止令は「何もするな」「お前であるな」などの13個。
この言葉をそのまま受け取った場合もあれば、違う言葉だった可能性もあり、親の態度や動作から子どもながらにそう感じ取って思い込んだものもあります。
そして、こうした禁止令によって4つの世界の捉え方が生まれ、いまのあなたの人との関わり方に影響を与えているのです。❷4つの構え
1.私もOK、あなたもOK
2.私はNG、あなたはOK
3.私はOK、あなたはNG
4.私はNG、あなたもNG望ましい構えは1の「私もOK、あなたもOK」で、自分も他人も肯定する構えです。
最も問題のある構えは、自分も他人もすべてを否定してしまう、4の「私はNG、あなたもNG」でしょう。幼少期の禁止令などによって、人生を、この世界をどう解釈するかが決まります。
「私の人生、なんかいつもいいところでうまくいかない」というのは、禁止令と構えによって無意識領域に書き込まれた人生脚本のせいなのです。「意志の力で頑張ればなんとかなる」
私たちはつい、そのように考えがちです。
しかし、ここまで見てきた知見は、まったく異なる世界の見方を示してくれました。まず脳科学は、私たちの意識が行動や感情の後から生まれる「後づけの解釈」に過ぎないことを明らかにしました。
量子力学のパラレルワールド(多世界)解釈は、この現実世界が、私たちの意識とは無関係に、環境との相互作用によって確率的に決定されていくことを示唆しています。
そして、脳と環境、環境と環境の絶え間ない相互作用から、予測不可能な可能性が次々と生まれる「創発という自由」こそが、ほんとうの自由なのだと気づきました。
これらの発見は、2500年以上前にブッダが瞑想を通じて洞察していた「すべては縁によって生まれる」という世界観と、驚くほど重なり合っています。この視点に立つと、私たちはまるで大きな川の流れの中にある一粒の水滴のように思えてきます。すべてが自然に流れており、その流れの中で私たちは生きている。そして、その流れの一部を見て、原因と結果を簡単に紐づけ、一喜一憂しているのです。
でも、だからこそ逆説的に、「思い」が持つ驚くべき力に気づきます。
「思い」は、私たちの広大な無意識領域から生まれます。本能・感性・知性という3層構造を持つ「心」、脳幹・大脳辺縁系・大脳新皮質という「3つの脳」のダイナミックな相互作用から、「思い」は創発されます。ぜんぶ無意識のせいです。でも、「思い」は大河のように大きく、強く流れています。私たちは、自由に流れる「思い」によって動かされ、現実を創造しています。
『ぜんぶ無意識のせい。』 第2章 より シンプリィライフ:著 KADOKAWA:刊
私たちは、自由な意志に従って、日々生きていると思い込んでいます。
しかし、実際には「人生脚本」というレールの上を歩いてきただけだということです。
「人生脚本」は、私たち自身が子どもの頃に無意識領域に書き込んでしまったものがほとんどです。
自分で書き込んだということは、取り消すこともできるし、新たに書き込むこともできるということですね。
「過去」を書き換えれば、「今」が変わる!
私たちは「過去」を固定的なものとして捉えがちです。
シンプリィライフさんは、過去の出来事に対する「解釈」を変えることで、現在の「思い」を解放し、未来への扉を開く
ことができると指摘します。
「人前で緊張するのは、小学校の音楽会で失敗したトラウマがあるから」
「上司に意見できないのは、親に『口答えするな』と厳しく育てられたせいだ」
こんな風に、自分の性格や行動を過去の出来事で説明することはありませんか?
私たち人間は、物事を「原因と結果」で説明したがる生き物です。
特に自分の人生について、「あの出来事が原因で、いまの自分がある」という物語を創りがち。
でも、その物語は本当に「事実」なのでしょうか?私は、子どもの頃に転校して友達ができず、いじめられ、家でひとりでポテトチップスを食べてばかりいたら、ブクブク太っていった経験があります。そして長年、この経験を「人とうまく関われない自分の原点」だと思い込んでいました。
でも、いま思えばそれは私の「解釈」にすぎません。実際には、その後サッカークラブで仲間と楽しく遊んだ記憶もあるし、星空観察で友達の家に泊まったこともある。これは「確証バイアス」と呼ばれる心理的な傾向の典型です。孤独を感じたとき、私の脳は、「人付き合いが苦手」という物語を裏付けるような記憶だけを選んで思い出していたのです。人生における因果関係はそれほど単純ではありません。
私たちの人生は、数えきれないほどの出来事や関係性が複雑に絡み合って形作られています。
それを「これが原因で、こうなった」と単純化してしまうのは、私たちの脳が理解しやすい「物語」を求めているから。
大切なのは、「これが事実だ」と思い込んでいることも、実は短絡的な解釈かもしれないと思い直し、見つめてみること。
これにより、同じ過去の出来事でも、まったく違う物語になる可能性が生まれます。子どもの頃に見たジブリ映画に対するあなたの解釈が、いまと過去ではまるで変わっていたりするのと同じように。つまり、あなたの過去の「物語」を読み直すことで、私たちはいまこの瞬間から、新たな存在になれる可能性を秘めているといえます。
おそらく、ほんとうの成長は、この「因果の物語」から自由になることから始まります。そしてその自由への旅は、「いまの私」を創った過去を再解釈することから始まるのです。
まずは、解釈のない過去の「事実のみ」を見つめ直すこと。
そして、目の前の状況を新鮮な目で見つめましょう。「もしかしたら私が事実だと認識していることは、ただの解釈かもしれない」という視点を持ってみることです。過去に起こった辛い出来事には事実ではない「解釈」がベットリとこびりついている可能性があります。
そして、起こった出来事の「事実」だけを新たな視点で観察し直すと、思いもよらない意味や可能性が見えてくるかもしれません。解釈が生まれる前の「事実」だけを見つめることで、過去の解釈は可能性の波の状態になります。すると、あなたはいまのあなたの視点で、過去の出来事を再解釈することができます。
あなたはこれまでたくさんの経験をしてきました。たくさんの人や本や情報を触れ合い、たくさんの出来事を経験してきた。苦い思いや悲しい出来事を通じて、自分の心に、人の心に寄り添い成長してきたワケです。いまのあなたの視座は、確実にあの頃より、高い。その視点から過去の出来事を解釈し直すのです。
過去のあなたを、いまのあなたが受け取ることが大切なのです。
私たちの心は、これまで体験してきた分、悲しい思いや苦い出来事を経験してきた分、間違いなく成長しています。
私たちの解釈力は、あの頃とは比べものにならないほど成長しているのです。
あのとき受け取れなかった出来事も、いまなら受け取れるかもしれない。
成長したあなたが受け取ることで、過去が変わり、「いま」が劇的に変わります。過去の出来事のほんとうの意味を受け取ることで、「いま」が書き換わるのです。そして、あなたがいま持っている認識や解釈が変われば、自己限定は解除されていきます。
ワーク 過去を書き換える4つのステップ
ステップ1 ベストモーメントリスト
▪️このワークで得られる効果
人生の重要な体験を振り返り、整理するこのワークは、あなたの中にある本質的な価値観を明らかにします。強く心を動かされた出来事には、必ずあなたの大切な感情や価値観が隠れています。時間をとってじっくり向き合ってみてください。▪️ワークの手順
以下の4つの感情それぞれについて、最も印象に残っている出来事をひとつずつ書き出してください。
大きな喜び/強い怒り/心から楽しかった体験/深い悲しみ
*具体的に、そのときの状況や感情を思い出しながら書いてみましょう。
*思い浮かんだ順番で構いません。
*理由は後ほど考えます。まずは素直に浮かんでくる記憶を書き留めてください。ステップ2 ザ・ファクトフルネス
▪️このワークで得られる効果
過去の出来事を新しい目で見られるようになります。これにより、あなたの中の思い込みや決めつけが解放されていきます。▪️ワークの手順
❶ステップ1で書き出した出来事の中から、あなたの可能性を制限していると感じる出来事をひとつ選ぶ。
❷その出来事から「事実だけ」を以下の要領で書き出す。
いつ?(年・月・季節など)/どこで?
(場所)/誰が?/何が起きた?/どのように?*記憶が曖昧でも構いません。ただし、主観的な評価・判断・解釈(「〜のせいで」「台無し」など)は除いて書きましょう。
*思い出せる範囲で、できるだけ具体的に書いてください。ステップ3 過去の出来事を受け取る
▪️このワークで得られる効果
これまでの人生で体験した出来事には、必ずあなたの成長のための意味が隠されています。このワークでは、特に子ども時代の体験を、成長したいまのあなたの視点で捉え直します。30分ほどの時間で、過去の体験から勇気を受け取ることができます。▪️ワークの手順
❶子ども時代の出来事を振り返る。
未就学期/小学生時代/中学生時代
それぞれの時期で、ネガティブな体験や、うまくいかなかったことをひとつずつ書き出してください。
❷問いに向き合う。
あなたはその「ネガティブに感じている体験」「うまくいかなかったこと」をどのようにして乗り越えましたか?
いま、あなたがこの本を読んでくださっているということは、どんな形であれ、紆余曲折ありながらも、そのネガティブな体験を乗り越えて強く生きてきたからであることは間違いありません。
ステップ4 自己限定を解除する
過去の体験に対する認識・解釈を可能性の海に流し、「いま」を変える、自己限定を解除し、本来の自分に戻るための問いかけワークです。▪️このワークで得られる効果
過去の出来事から生まれた思い込みを手放すことで、本来のあなたが望む方向へと進めるようになります。▪️ワークの手順
❶ステップ2で書き出した、あなたが直観的に選んだ自己限定となっていそうな出来事をあらためて書き出す。
❷自分への問いかけ。
「この出来事は自分にとってどんな深い意味があったのだろう?」
これまでの経験を通じて、あなたの解釈力はあの頃とは比べものにならないほど成長しています。紆余曲折ありながらもここまで生き抜いてきたあなたの、現時点での解釈を書き出してみましょう。
❸ステップ1で書き出したベストモーメントの中から特に印象に残っている出来事をひとつ書き出す。
❹自分への問いかけ。
「何のために、自分にはこれらの体験が必要だったのか?」
ここでは、ただ問いかけるだけでOKです。一度問いかけると、脳の無意識領域が勝手に答えを探し続けてくれます。これによって無意識領域である重大な変化が起こります。ポジティブな体験はもちろん、記憶に深く刻まれた過去のネガティブな体験も「すべて、必要なことだった」と無意識が勝手にわかってしまうのです。
これらの問いかけによって、脳の無意識領域に書き込まれた自己限定プログラムは勝手に自動的に書き換えられていきます。『ぜんぶ無意識のせい。』 第3章 より シンプリィライフ:著 KADOKAWA:刊
私たちは、すべてのことを自分の意志で自由に選んでいるように思いがちですが、そうではありません。
実は、脳の無意識領域にある「思い」が、意志を操っています。
シンプリィライフさんは、現実を創るために必要なのは意志による「決断」ではなく、「思い」の質を変えること
だと述べています。
私たちが心の奥底に閉じ込めてきた古い「思い」を解放し、新しく書き換えてあげること。
それが現実を変えるための、時間がかかるようで、最も効果的な方法です。
未来とは「いま」である!
シンプリィライフさんは、私たちの意識は、すでに起こった出来事を「いま起こっている」と解釈しているだけ
にすぎないと指摘します。
時間の流れの本質は、未来からやってくる可能性が、私たちの意識が捉える前に現実化し、それを私たちが後から認識して「いま」と感じている
ということ。
つまり、私たちが「いま」だと感じている瞬間は、厳密にいえば、すでに過ぎ去った「過去」
だということです。
では、私たちはどのようにして「いま」を生きているのでしょうか?
実は私たちの脳は、過去の体験だけでなく、未来の予測にも基づいて行動を決定しています。たとえば、コーヒーカップを手に取るとき、私たちの脳は無意識のうちにその重さを予測し、適切な力を加えます。この予測がなければ、私たちは日常生活すら送れないでしょう。さらに興味深いことに、この「予測」は単なる機械的な計算ではありません。
より高い次元で、私たちの「未来の記憶」として存在しているのです。
「未来の記憶」という言葉は、一見すると矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、先ほどの物理学や脳科学の知見、知識人たちの洞察を踏まえると、これは決して不思議な概念ではありませんよね。
私たちの意識が現実を後追いで認識しているのならば、むしろ「未来から現在へ」という時間の流れこそが自然です。では、この「未来の記憶」は、私たちの人生にどのような影響を与えているのでしょうか?
「過去は変えられない」というのは、私たちの常識です。
そしてその常識は、ある意味で正しい。なぜなら、すでに起こった出来事を物理的に変えることはできないからです。
ですが、「時間は過去から未来へと流れている」という概念によって、私たちはしばしば「過去の物語」に囚われ、動けなくなることがあります。
「あのときああしていれば、こんな人生にはならなかったのに・・・・・・・」
「過去がこうだったから、私にはできないんだ」
私たちはこんな風に過去の出来事を「原因」とし、現在の状況を「結果」として捉えがちです。
そして「だから将来もきっとこうなるはず」と決めつけてしまう。たとえば、「小学校のときに発表会で失敗しました」→「だから今も人前で話すのが怖い」→「これらかもずっと苦手」、こんな感じです。まさに第2章で解説した「人生脚本」ですよね。「時間は過去から未来へと流れていく」という無意識の物語は、ときに私たちを「決定された人生」という檻の中へと導きます(下の図5を参照)。
でも、前節でお話しした通り、時間が未来から過去へと流れているとしたらどうでしょうか? この見方は、私たちの人生の捉え方を大きく変える可能性を秘めています。
「私の苦しみは過去のトラウマのせいだ」というような、原因論的な捉え方を否定したのが、フロイト、ユングと共に「心理学の3大巨頭」といわれている心理学者アルフレッド・アドラーです。
彼は人間の感情を「過去の原因」から説明しようとする考え方を否定しました。ここで、「人前で話すのが苦手だ」というBさんのエピソードをご紹介します。明日は、経営陣や部長クラスも参加する、会社の売上を左右する重要な会議があります。Bさんは営業企画の仕事をしており、今回新しいプロジェクトの提案を任されました。数ヶ月前から準備を進め、自身のある企画でした。プレゼンが成功すれば、正式にプロジェクトが始動し、営業チームの新たな柱になるかもしれないーーそんな期待を抱いていました。
ですが、その日が近づくにつれて胃がキリキリと痛みはじめます。
「失敗したら恥ずかしい」「みんなにバカにされるかもしれない」と大きな不安に襲われ、「プレゼンからなんとか逃げられないか・・・・・・」と思いはじめます。Bさんは、この不安は「自分は人前で話すことが苦手だ」という思いから生まれていると考えました。Bさんは過去を振り返り、ある経験を思い出します。小学5年生のとき、Bさんはクラスで夏休みの自由研究を発表しました。星空の観察日記をまとめ、模造紙で資料を作り、お父さんの前で発表の練習を何度もした。でも、いざ人前に立つと、緊張で手が震え、声がうまく出てきません。何とか話し始めたものの、途中で言葉に詰まってしまいました。そのとき、教室の後ろの方で男子が「え、何? 聞こえねえよ」とクスクス笑い始め、他の子たちもつられて笑ったのです。Bさんは顔が真っ赤になり、恥ずかしさのあまりその場で泣いてしまいました。そしてそれ以来、「人前で話すのは苦手だ」と感じるようになったといいます。
「過去に失敗し笑われた経験が、人前で話すのが苦手な私を創った」
これが「原因論」。「何かの行動を過去が決定したということは断じてない。それは人生の嘘である」というのがアドラーの主張です。反対に、「すべての行動には目的がある」という「目的論」では、「私はプレゼンから逃げることで何かを得ようとしている」と考えます。
Bさんは目的論の視点から自分の心を見つめ直したところ、「プレゼンから逃げたいのは“傷つくのを避けたい”という目的があったからだ」と気づきました。
つまり、「プレゼンが苦手」なのではなく、「プレゼンから逃げることで得ようとしているもの(目的)があった」ということです。Bさんは、再度自分の心と向き合います。すると、本当は「自分の意見を、自信を持って人に伝えている」という思いがあることに気づきました。原因論のせいで、不安にとらわれ、本当の目的が見えなくなっていたのです。これに気づいたことで「うまく話そうとしなくていい」と考えることができ、次第にBさんの不安は和らいでいきました。そして、実際にプレゼンを終えたとき、「ちゃんと伝わった!」と実感。それ以降「人前で話すのが苦手」という思い込みは少しずつ外れていったそうです。
Bさんのように、私たちは無意識のうちに、原因論によって本来の自分を見失うことがあります。「何かの行動に対して、トラウマや過去の傷に原因を求めるという思考は、目的を隠すものであり、本質ではない」というアドラーの主張に厳しさを感じる人もいるかもしれませんが、でも、目的論に本質的な希望があります。この視点は、「私は何のためにこの行動をとろうとしているのか?」という問いをもたらし、私たちを「未来の自分」「本来の思い」の発見へと導きます(下の図6を参照)。
アドラー心理学は、私たちを常識的な時間の流れから解放してくれます。私たちは、過去に縛られているのではなく、「未来の目的」によって、「いま」の行動を決めているのです。
原因ありきではなく、結果ありきなのです。私には、アドラーの目的論は「時間は未来から現在、そして過去へと流れている」という本来の時間の流れを説いていると思えてなりません。
ここで、「未来を思い出しながら生きている」という感覚についての面白い話を2つご紹介します。
ひとつめは「美味しいものを食べるとき、一番喜びが大きいのはどの瞬間か?」という脳科学の実験です。ヨーグルトのカップを目の前に出されて、フタを開けて食べ終わるまで、どの時点が最も激しく脳が喜ぶのかを計測した実験によると、意外なことに、「フタを開ける瞬間」だったのです。
めちゃめちゃ意外な事実ですが、これを言い換えると、人間は未来に起こる感覚を「いま」体験しながら生きている、ということですよね(下の図7を参照)。2つめは、未来に楽しみが待っているという状況を作ることは、現時点での幸福度を高めるのに有効だという話。
1530人のオランダ人を対象に行われた調査(ジェロエン・ナウィンの論文「The holiday happiness curve」)によると、旅行中、つまり旅行そのものによって上昇した幸福度は、旅行終了後に長くても2週間で消失してしまったのに対し、旅行前の幸福度の上昇は8週間も持続したとのこと。これら2つの話と、アドラーの「目的論」は、私たちは未来を思い出しながら「いま」を生きている、ということを示しているのではないでしょうか。
次節で詳しく説明しますが、このことを総じて、私は「未来の記憶」と呼んでいます。
ここまでのことから考えると、「過去も未来もすでに決まっている」ということになります。過去の「事実」は確定しており、その事実に対する解釈によって無意識的に「いま」の行動が決定していく。そして、意識的か無意識的かにかかわらず、未来の目的によって私たちの「いま」の行動は決定していきます。
つまり、私たちの「いま」は、過去と未来が交わる「点」にあるということです。「なんとなくわかったけど、でもそれを知ったからって何なの?」
率直なツッコミありがとうございます!
ではここから、「未来の記憶」に基づいて本来のあなたの目的を見つけ、「いま」を創ってまいりましょう!未来の記憶とは、「あなたの中にすでに存在している本来の姿についての記憶」のことです。それは単なる願望や目標とは異なります。願望や目標は意志によって設定される未来の可能性ですが、未来の記憶は、あなたの中にすでに存在している思い・イメージです。
未来の記憶には、3つの特徴があります。❶自然な確信
・意志や努力で作り出すものではなく、自然と湧き上がってくる
・「なぜかそう感じる」という静かな確信をともなう❷本質的な喜び
・表面的な欲求や社会的な期待とは異なる
・それを思い出すと、深い喜びや安らぎを感じる❸創造的な力
・現実を自然と変容させていく力を持つ
・意識的な努力なしに、状況が変化していくまた「未来の記憶」は、ときとして「違和感」という形であなたに語りかけてきます。「いまの状況は何かが違う」という感覚は、実は未来の記憶とのギャップを教えてくれてるサインなのです。
「未来の記憶」を思い出した途端に、人生は劇的に変わります。「未来の記憶」というと、何か「不思議な力」のように受け取る方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはまったくありません。情報処理の観点から人間の認知(知覚・記憶・思考・言語・学習・意思決定・行動選択など)の働きを研究する認知心理学の言葉に「展望記憶」というものがあります。これは、端的にいえば「未来に対する記憶」のこと。
少し前に紹介した、吉本ばななさんの話がわかりやすいです。あなたも子どもの頃、「夜7時に観たい番組がある」というところから遡って「だったら6時にはこれをして、7時までには家に帰らなきゃ」などと考えたことがあるのではないでしょうか?
もう少し長期的な話でいえば、例えは高校生の頃に「大学に入り、講義を聞いて勉強したり、ひとり暮らしをしたりして大学生活を楽しんでいるイメージ」を持った。結果、実際に大学に合格し、キャンパスライフを楽しんでいる人もいるでしょう。2024年、メジャーリーグでワールドシリーズ優勝を果たしたロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、高校1年生の冬に「ドラフト1位8球団から指名される」とマンダラチャートの中心に書いたのは有名です。これこそまさに「未来の記憶」。
実際には、高校3年生のときに「メジャーへ行くから指名されても断る」と宣言していたため、日本ハムファイターズ以外の球団は指名を避けたそうですが、このように結果的に多少ズレが生じることはあるものの、その中にある思い・イメージは一致します。
(中略)
ワーク 未来の記憶を思い出す▪️このワークで得られる効果
◯本来のあなたが望んでいることが明確になる
◯純粋な欲求に気づきやすくなる
◯行動の本当の目的が見えてくる
◯モチベーションが自然と湧いてくる
◯日々の選択がブレなくなる▪️ワークの手順
❶これまでの人生で強く印象に残っている以下のような体験を思い出し、リストアップしてください。
◯嬉しかったこと
◯楽しかったこと
◯気持ちが良かったこと
◯誇らしかったこと
◯すがすがしさを感じたこと❷それぞれの体験について、感動の強さを10段階で評価してください。
❸最も高得点をつけた体験について、次の項目を詳しく書いてください。
◯どんな状況だったか
◯誰と一緒だったか
◯どんな感情を味わったか
◯なぜそれほど感動したのか❹そのときの気持ちをいま、心の中でもう一度味わってみてください。
❺味わい直して気づいたこと、思い出したことを書き留めます。
お疲れ様でしたでした。このワークのポイントは、「最も感動した体験」の中に隠された「ほんとうの欲求」を見つけることです。
たとえば「部活の試合で勝てた」という体験。単純に「勝利」が嬉しかっただけでしょうか?
もしかしたら「チームでひとつの目標に向かって頑張れた」「観客が熱狂してくれた」「自分の成長を実感できた」など、もっと深い喜びがあったかもしれません。
表面的な結果の奥にある感動こそが、本来のあなたが満たしたい欲求であり、「未来の記憶」です。しかし、いざその目的に向かって動こうとしても、自己限定や思い込みがブレーキをかけてしまうことがあります。そしてあなたらしい欲求が満たされなければ、心はストレスを抱え続け、満足度の高い人生を創ることはできません。
だからこそ、このワークで見つけた感動を大切にしてください。それは、本来のあなたの未来の目的へと導いてくれる道標です。
日々の選択に迷ったとき、この感動を思い出し、あなたの内側から湧き上がる直観に従って行動してみてください。そうすれば、きっとあなたの未来は、本来あるべき姿に近づいていくはずです。『ぜんぶ無意識のせい。』 第4章 より シンプリィライフ:著 KADOKAWA:刊



そして、「未来」を決めているのは、私たち自身です。
私たち自身が、自分の「未来」に対して抱いてるイメージ、つまり「未来記憶」が時間の流れの起点となっています。
「始まり」が変われば「終わり」も、そこに至る道すじもすべて変わります。
「原因論」ではなく「目的論」で人生を捉え直して、「未来」を書き換えましょう。
「創造性」にアクセスするためには?
「アイデアがひらめく」
「直観的に動く」
「インスピレーションを受ける」
私たちが、このような体験をするとき、その創造性はどこからきているのでしょうか。
シンプリィライフさんは、創造性の源にアクセス
するための方法は、実はとてもシンプルで、あなたの中にすでに備わっている「直観力」を磨くこと
だと指摘します。
私たちは「理性的に判断すべき」と考えがちです。その一方で逆に、ブルース・リーの名言「考えるな、感じろ」こそが唯一の正解だと思い込んでいる。
でも実は、人生の重要な場面で最も信頼できるのは、そのどちらかではなく「どちらも」です。2つが融合した「直観」です。
それは単なる「感覚」や「勘」ではなく、あなたの内なる天才とつながるための超重要な力です。
この節では、意識的な「直感」と無意識的な「直観」の違いを理解し、創造性の扉を開く具体的な方法を見ていきます。それは、あなたの中に眠る天才生を解放する鍵となるはずです。「ちょっかん」と読む言葉には、「直感」と「直観」という2つの熟語がありますよね。同じことをいっているようで、この2つの能力には重要な違いがあります。
「直感」は、ある状況を瞬時に感じ取る能力。
一方の「直観」は、知性の力に基づくより高い次元での理解を指します。物事の本質や全体像を直視する能力であり、時間をかけて培われる洞察力を含んでいます。実は、私たちの脳には、この直観力に導かれて発揮される驚くべき能力が眠っています。
映画『レインマン』に登場するサヴァン症候群の主人公のように、百本以上のマッチの数を瞬時に数えたり、一度見ただけのトランプの並びを完璧に記憶したりする能力、他にも一度聞いただけで音楽を再現したり、わずかな時間で見た風景を細部まで描き出したりする人々の存在が、医学的・科学的に報告されています。
またこれは、第2章で紹介した脳科学者ジル・ボルト・テイラーの話とも共鳴します。脳科学的・心理学的・体験的気づきによれば、「真のセルフ」に対応する「右脳の上」は、私たちの源である全知全能の知性であり、私たちが宇宙の意識を身体に宿す仕組みのありかでもあり、すべてがつながっているということを当たり前に知っている、とのこと。つまり何がいいたいのかというと、「直観力」こそが、創造力の源泉にアクセスするための鍵となる、ということです。
なぜなら、直観は意識的な自我の制限から解放されているからです。
私たちの意識的な思考は、どうしても「私」という枠の中に閉じこもりがちです。「私が成功したい」「私が認められたい」ーーこのような意識的な思いは、自我という壁によって制限されています。
しかし直観は、この「私」という自我の枠を超えて働きます。
過去を生きた偉人たちの叡智とつながり、人類の未来の記憶との共鳴すら可能にします。芸術家や科学者が体験する「アイデアが降りてきた」という感覚は、まさにこの直観によって、時空を超えた創発の場とつながった瞬間なのです。では、どうすれば直観力を磨くことができるのでしょうか?
それは意外にもシンプルです。まずは「直観を信じて行動する私を許そう」と決めることから始まります。左脳の論理的思考で否定せず、無意識からのメッセージに耳を傾けてみる。その設定が無意識になじんでくると、あなたらしい欲求が見えてきたり、その実現のためのアイデアが自然と湧いてきたりするようになります。私たちの意識は常に遅れて現実を認識していますが、無意識は限りなく「いま」に近い点にいます。直観力とは、この無意識からのメッセージを受け取る能力だと私は捉えています。
あなたは気づいているでしょうか?
何かに夢中になっているとき、時間の感覚が変わり、アイデアが自然と湧いてくることを。
実は、私たちの創造性が最も発揮される「座標」が存在します。スポーツ選手、芸術家、科学者ーー彼らが驚くべきパフォーマンスを発揮するとき、必ずこの特別な地点に立っているのです。
ここでは、その「座標」の正体と、そこにアクセスする方法をお伝えします。それはあなたの直観力を解放する道標となるはずです。ところであなたは「時間がゆっくり流れている」というような特別な体験をしたことはありませんか?
この不思議な現象について、科学は興味深い発見をしています。
神経科学者のデイヴィッド・イーグルマンは、この現象を「脳の情報処理能力が劇的に高まった状態として説明します。極度の集中状態では、脳は通常とは異なる順序で情報を処理し、それによって時間がスローモーションのように感じられるのです。注目すべきは、この現象が心理学者ミハイ・チクセントミハイの提唱する「フロー状態」と深い関係があるという点です。
フローとは、ある活動に完全に没入している状態を指します。この状態は文化や性別、人種、国籍に関係なく、世界中で報告される普遍的な体験です。
有名なのは、1956年から1969年までボストン・セルティックスで活躍した伝説的バスケットボール選手のビル・ラッセルが話した「試合がスローモーションで進んでいるようだった」という体験談。プロスポーツ選手の体験するそれとはレベルが違うかもしれませんが、思い返してみると、この「時間の流れが変わる」という不思議な体験を、私自身も過去にしていました。
高校生のとき、サッカー部に所属していた私は、3年生の夏、最後の試合でレギュラーとしてピッチに立つ機会を得ました。
試合開始直後、私の身体と心はバラバラで、気がつけば、相手チームが蹴ったボールが私たちのゴールネットを揺らしていました。それくらい私の心は、いまここにあらず、どこかに飛んでいました。
試合開始から5分も経たないうちに「あぁ、もうダメだ」と思っていたそのとき、オフサイドの判定が下り、スコアは0対0に戻りました。
それ以降のことは、ぼんやりとしか記憶にありませんが、ただ、試合開始後5分間の「私たち」と、その後の「私たち」は、明らかに別人だったと確信しています。
振り返ると、それは「ここにいる意味・目的」を思い出し、心と身体が完全に一致した瞬間だったように思います。疲れも苦しみも喜びも楽しさも、そういった感情すらありませんでした。ボールと、グラウンドと、チームと、相手と、一体化しているかのような感覚。集中している対象すらわからないくらいの没入感。
そしてその中で、ひとつだけ鮮明に覚えていることがあります。それは、急に時間の流れがゆっくりになったような感覚です。
誰かどこにいて、次にボールがどこに飛んでいって、それはチームの守りの要である背の高いあいつがヘディングしてはじくから大丈夫だな、というように、目の前の出来事がスローモーションのように見えた瞬間がありました。
「つながっている」「大丈夫」ーーそんな感覚を味わった瞬間だけは、いまも鮮明に覚えています。このような特別な状態はどのように生まれのか?
チクセントミハイの研究によれば、フロー状態は「挑戦レベル」と「能力レベル」のバランスが重要です。挑戦が低すぎれば退屈が、高すぎれば不安が生まれます。理想的なフローは、高度な挑戦と、それに応える能力が出会うときに生まれるのです(下の図8を参照)。
このバランスがとれたとき、私たちは驚くべき体験をします。集中力が高まり、能力が最大限に発揮され、そして最も重要な特徴として「自己意識が薄れ」「自己を超越した感覚」が訪れるといいます。
それは単なる没入以上の体験であり、私の言葉で言い換えるならば、「意識と無意識・過去と未来が交差する特別ないま」です。つまりこの「座標」ーー「いま」という瞬間こそが、直観力が最も発揮される地点なのです。実際問題、私は一度しか体験したことがなく、まだまだ探求中のため仮説になってしまいますが・・・・・この座標では、おそらく私たちは、「自分が何かをしている」という意識が消え、行為そのものと完全に一体化している状態になる。自我という枠を超えて、私たちの純粋な創造性が解放される瞬間が訪れるはずです。
それは「行為そのもの・役割そのもの」になる瞬間なのかもしれません。自我・意識という枠を超えて、その行為と完全に一体化する。そこにこそ、真の「いま」があるのです。では、どうすれば私たちはその座標に辿り着くことができるのか?
それが「直観力を磨く」こと。そして「いまという座標に向かう」こと。これらを同時に実践することです。『ぜんぶ無意識のせい。』 第5章 より シンプリィライフ:著 KADOKAWA:刊

そうすることで、時間の流れから抜け出し、自己意識からも解放されます。
自己意識が薄れると、普段は眠っている無意識領域が呼び覚まされます。
それが「フロー状態」と呼ばれる、能力が最大限に発揮される状態です。
まさに「意識と無意識・過去と未来が交差する特別ないま」となり、創造性もマックスとなるわけですね。
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シンプリィライフさんは、人生の成功は、本来の自分を取り戻せるかどうかにかかって
いるとおっしゃっています。
では、「本来の自分」はどこにあるのでしょうか。
それは、あなたが「遊び心」を持って生きている時、アートや自然に触れて心を開いているとき、誰かの幸せを心から願っているとき、何かに夢中になっているときーーそのときに、自我が創り出していた壁が崩れ、過去と未来が交わる「いま」という座標に立っている「本来の自分」と出会う
ことになるとのこと。
時間は「未来」から「いま」に流れる。
そして、「未来(記憶)」は私たち自身の手で書き換えることができる。
つまり、私たちの人生は、私たち次第、無意識次第だということ。
私たちも、本書を片手に、ほんとうの意味で「思い通りの人生」を「自由に生きる」物語
を始めましょう。
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【書評】『重力のからくり』(山田克哉) 【書評】「22世紀の資本主義」(成田悠輔)


