【書評】『頭のいい人は、シンプルに仕事する!』(中島孝志)

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 お薦めの本の紹介です。
 中島孝志さんの『頭のいい人」は、シンプルに仕事する!: 「8割捨てる」発想、そして実行が、あなたの人生を変える』です。

 中島孝志(なかじま・たかし)さんは、経営コンサルタント、経済評論家です。
 仕事術・時間活用術を中心にビジネス書も多数お書きになっています。

仕事はすべて“簡潔・明快”に!


 いまの時代は、モノや情報が氾濫し、複雑化する一方です。
 私たちのフットワークを重くしているのは、完璧主義、先延ばしグセなど、さまざまです。

 仕事を要領よく片づけられるようになる。
 そのためには、最初にそのような“お荷物”を捨てることが必要です。

 中島さんは、仕事を「シンプル」にするためには、何が大事で、何が大事でないのか――その本質をつかむための思考力を磨く必要があると述べています。

 本書は、シンプルに考えて行動することで、生産的に時間を使うアイデアをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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仕事を三つに「大別」する


 ひとくちに仕事といっても、その内容によって、

  1. こなす仕事
  2. さばく仕事
  3. はしょる仕事
 という三種類に分類されます。

 ①こなす仕事とは、「他人に任せず、自分でやらなくてはいけない仕事のこと」です。
 つまり、自分自身が主役になって手がける仕事のことです。

 ③はしょる仕事とは、「すぐには取りかからずに後回しにする仕事、そのまま氷づけにしてしまう仕事のこと」です。

 ②さばく仕事とは、「自分ではなく、他人や他部門に振るべき仕事のこと」です。

 何から何まで自分で抱えてしまうような愚を犯してはいけません。仕事ができる人ほど、「他人の力」を利用するのがうまいのです。「この仕事はA君に頼もう」「これはB君に任せよう」というようにさばいたり、「これはC社と提携しよう」とアウトソーシングも使ったりします。
 ずるい?とんでもない。学生の間はテストでも論文でも個人の野力が問われていたいかもしれませんが、ビジネスマンがいい仕事、大きな仕事をするためには、個人プレーでは限界があります。チームが一丸となって知恵を絞り、役割分担をし、仕事を遂行することでようやくものにできることも少なくありません。
 お互いに力を補完し合ってこそ困難な仕事をブレイクスルーできるのです。
 重要なことは、どんなさばき方ができるか、です。相手の力量、得意な技術・スキル、苦手な分野などをよく知っていなければ、本来、できない芸当です。誰がどんな能力を持っているのか、何ができて、何ができないのか――これらの大切な情報を正確に持っていなければお話になりません。

 『頭のいい人は、シンプルに仕事する!』 第1章 より 中島孝志:著 三笠書房:刊

 私たちは「できる仕事は全部自分でやってしまおう」と考えがちです。
 そうではなく「この仕事は他の人でもできないかな?」と考えるのが、先です。

 仕事は日々増えていく一方です。

 手放せるものは抱え込まずに、どんどん手放す。
 そんな発想の転換が求められますね。

優秀な人の「ディテール」に注目する


 仕事を素早くマスターする、シンプルで効果的なコツ。
 それは、「できる人」の真似をすることで「型」を身につけてしまうことです。

 大事なことは憧れるだけでなく真似することです。
 そのために大切なことが二つあります。

  1. よく観察する
  2. 細かいところまで真似する(「シャドーイング」といいます)
 私は、その営業マンの、たんに話す内容や話し方だけでなく、電話をしているときの体勢やしぐさ、動き、リズム・・・・そして、受話器の持ち方といった細かいところまで徹底して真似をしました。
 いい「型」をたくさん持ちましょう。いい「型」を持てば持つほど、余計な動き、ムダな動きが少なくなっていき、よりシンプルに、より的確にタスクを処理することができるようになります。

 『頭のいい人は、シンプルに仕事する!』 第3章 より 中島孝志:著 三笠書房:刊

 いいところはとことんマネして、完全に自分のものにしてしまう。
 そこまでやって、初めて、自分の血となり骨となる、ということ。

「学ぶ」より「マネる」

 積極的な姿勢を忘れないようにしたいですね。

「必要なもの」「不要なもの」とは?


 仕事中、一番ムダな時間は、「探し物」をしているときです。
「人は人生の三分の一は探し物をしている」とも言われています。

 中島さんは、探し物ばかりしているしている原因は、「必要な物」と「不要な物」との分別がないからだと指摘します。

「所有している物 ー 不要な物 = 必要な物」

 の単純な原理で、シンプルに考えることが重要です。

 では、この「必要な物」と「不要な物」とをどう線引きすればいいのでしょうか?
 結論を先に述べれば、いますぐ使うもの、使い道がはっきりしている物だけを「必要な物」として残し、それ以外は「不要な物=捨てる物」とするルールをつくっておくのです。
 例外はあるかもしれませんが、原則的なルールは、シンプルにそうしておきましょう。でなければ、物は際限なくどんどん増えてしまいますからね。

  1. 半年以上使っていない物
  2. 代用できる物
  3. 邪魔になる置物
  4. 負担に感じる物
  5. 壊れている物
 これが、あなたのまわりを「ゴミ」でいっぱいにするのです。
 何度もいいますが、整理とは、「捨てる」「精算する」という意味です。
 捨てられれば物が減ります。
 物が減れば、その分探しやすくなる、無駄な時間が経る――。
 いたってシンプルな理屈なのです。

 『頭のいい人は、シンプルに仕事する!』 第6章 より 中島孝志:著 三笠書房:刊

「必要性は感じないけれど、いつか使うかも・・・」

 そんな「不要なもの」で身の回りがあふれてしまっている。
 だから、本当に「必要なもの」を、見つけることができなくなっています。

 身の回りの物を、思い切って整理すること。
 物質的にも、精神的にも、身軽になることが「ムダ」をなくすコツです。

「客観的事実」と「主観的事実」を分ける


 組み上げた情報をもとに、正確な判断を下す。
 そのためには、「客観的事実」と「主観的事実」を切り分ける必要があります。

 報告される情報には、報告者自身の意見、推定、感想、伝聞など、不確実な情報も混在します。
 そのまますべてを受けとると、シグナルだけでなく、ノイズの影響も含まれます。
 すると、結果としてズレが生じてしまいます。

 報告の中でも、「客観的事実」と「主観的事実」があります。客観的事実とは定量的データのことです。主観的事実とは定性的データのことです。

①定量的データ
 これは数字で表現できる情報のことです。売上とか利益、同年同月比、シェア、成長率、損益分岐点などです。

②定性的データ
 これは数字では表現できないもの。イメージ、ニュアンス、印象、雰囲気、社風といったものです。

 どれだけ良質の情報を集められるか。
 そして、きちんと分別処理できるかどうか。
 すべての成否はこれらにかかっているのです。

 『頭のいい人は、シンプルに仕事する!』 第7章 より 中島孝志:著 三笠書房:刊

 身の回りの「情報の洪水」の中には、ゴミのようなものもあります。
 逆に、磨けば光る原石のような、貴重なものもあります。

 自分の耳に入ってくる情報を、すべて鵜呑みにしてしまうのではなく、自分なりの「フィルター」を通して、必要なものだけを取り出す。

 そんな習慣を身につけることが重要になります

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 世の中、グローバル化や技術の進歩とともに複雑化する一方です。

 複雑化する世の中に、個人として対抗する。
 そのためには、シンプルに世の中の事象をとらえ、判断を下していく必要があります。

 時代が移り変わっても、大切なことや重要なことは、そうそう変わりません。
 本当に必要なのは、ものごとの本質を見極める目です。

 人生を楽しむためにも、不要なものをバッサリと切り捨てる。
 そんな割り切った考え方を身につけたいものですね。


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