【書評】『3分間「内臓ストレッチ」で疲れないカラダをつくる』(片平悦子)

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 お薦めの本の紹介です。
 片平悦子先生の『3分間「内臓ストレッチ」で疲れないカラダをつくる』です。

 片平悦子(かたひら・えつこ)先生は、整体師です。
 5万人を超える治療経験からオリジナルの技術「パーフェクト整体」をプロの治療家に向けて指導されています。

たった3分の習慣が、疲れないカラダをつくる!


 健康のためにストレッチや運動をしたい。
 そう思っても、時間がない、億劫(おっくう)だと、結局何もしない人が多いのが現実です。

 そんな人のために、片平先生が自らの臨床体験をもとに開発したのが、「内臓ストレッチ」です。
 内臓ストレッチは、特定の筋肉をストレッチすることで、骨格を整え、ふだんの生活の中で圧迫されていた内臓を正しい位置に戻してあげること。

 内臓ストレッチは、三つのパーツに分かれており、主なポイントは以下の通りです。

  1. 「横隔膜」をフル稼働させて、肺を広げる
  2. 「股関節」を動かして、腸や子宮を元気にする
  3. 「肩甲骨」を自由にして、心臓をリラックスさせる
 一回の内臓ストレッチに必要な時間は3分程度。イスに座ったままでできるものばかりです。
 毎日続ければ、カラダのゆがみや痛みが消えて、筋力がつき、正しい姿勢を取り戻すことができます。

 本書は、窮屈になっている内臓をストレッチすることで、元気を回復する方法を解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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どうして私たちは疲れるのか?


 カラダのゆがみに身を任せていると、同じ筋肉だけに負荷をかかった状態となります。
 特定の筋肉がずっと緊張し続けていると、疲れがたまりやすくなります。

 片平先生は、「筋肉が緊張する」メカニズムを以下のように説明しています。

 筋肉には「屈筋(くっきん)」「伸筋(しんきん)」があるってご存じですか?
 四肢の関節を曲げる働きをする筋肉を「屈筋」といいます。例えば、上腕の前側に「上腕二頭筋」という筋肉があります。ひじを曲げるときにできる上腕二頭筋の力こぶは、この屈筋です。
 逆に、曲げた関節を伸ばす働きをする「伸筋」といいます。例えば、上腕の後ろにあって「振り袖」などと呼ばれる「上腕三頭筋」、これは曲げたひじを伸ばすときに使われる伸筋です。

 基本的に筋肉の働きは収縮作用です。
 伸筋だからといって筋肉が独自にビローンと伸びるわけではありません。
 関節が曲がるときに働く筋肉が屈筋、曲がった関節が伸びるときに働く筋肉が伸筋と思えばよいでしょう。

 この屈筋と伸筋はいつも強調して動作を行なっています。
 例えば、お箸を使って食事をするときのことを思い出してみてください。
 食事のときは、屈筋である上腕二頭筋が腕を曲げて、お箸がだんだんと口に近づいていきます。
 では、このとき、上腕二頭筋が腕を一気にギュンと曲げようとしたらどうなるでしょうか?
 お箸が目に刺さるかもしれません。鼻の穴に入るかもしれません。でもそんな人、見たことないですよね。

 なぜなら、上腕二頭筋と反対にある伸筋の上腕三頭筋が、腕が曲がる力を微調整するように働いているからです。
 腕を曲げようと収縮している上腕二頭筋に対して、上腕三頭筋が抵抗するように収縮することで、関節がゆっくり曲がっていくようにコントロールしているわけです。
 関節が曲がったり伸びたりするときには、このように屈筋と伸筋が協調して働いているのです。
 私たちは、決まった筋肉だけを使いすぎると疲労を感じますよね。
 急に懸垂(けんすい)を100回以上して同じ筋肉だけを酷使すれば、腕が痛くなるでしょう。ふだん歩いていない人がトレッキングで10km歩いたら、ヒザから下の筋肉が疲労してヘトヘトになるはずです。
 このように、派手な動きならよく理解できますよね。
 でも、小さな収縮活動でも長時間続くと、筋肉は同じように疲労します。
 その例が、長時間デスクワークをしたり、コタツでテレビを見ていたりするだけで背中や腰が痛くなり、疲れを感じてしまうケースです。細かい文字やテレビの画面を見ていると目も酷使するため、さらに疲労感がアップします。
 これが、じっとしているのに疲れを感じるしくみなのです。

 『3分間「内臓ストレッチ」で疲れないカラダをつくる』 Chapter 1 より  片平悦子:著  KADOKAWA:刊

屈筋と伸筋 Chapter1P35
 図1.「伸筋」と「屈筋」の働き
 (『3分間「内臓ストレッチ」で疲れないカラダをつくる』 P35 より抜粋)


 筋肉は、つねに「伸筋」と「屈筋」がワンセット。
 どちらかを使いすぎると疲れを感じ、その状態が長く続くと、慢性的な疲労や痛みになります。

 多くの人がつらい症状に悩む、腰痛や肩こり、疲れ目など。
 これらは、すべて「筋肉が緊張する」ことが原因で起こっています。

3つのストレッチが内臓の働きを活発にする


 背骨や骨盤のゆがみは、内臓にあるさまざまな器官を圧迫します。

 猫背になると、甲状腺や胸腺が圧迫されます。
 また、腰を丸めていると、脾臓(ひぞう)や副腎、卵巣などが圧迫されます。

 では、内臓が圧迫されてさまざまな不調が出てきたら、どうすればいいのでしょう?
 そんなときに効果的なのが内臓ストレッチです。
 内臓ストレッチは、内臓そのものを揉んだり伸ばしたりするわけではありません。「横隔膜」「股関節」「肩甲骨」の3ヶ所の筋肉をストレッチして骨格を整えることで、圧迫されていた内臓を元の位置に戻すのです。

 それぞれの内蔵が正しい位置に戻れば、内臓本来の働きを復活させることができるでしょう。そして、内臓に血液がたくさん送られて、新陳代謝も活発になり、内臓が元気になります。
 内臓が元気になると免疫力がアップして抵抗力もつくので、疲れにくいカラダをつくることができます。
 また、ストレッチで筋肉のバランスが整えば、あちこちのコリや痛みも消えるはずです。
 さらに、筋力がつけば、体型の変化を防ぐことも可能です。いくつになっても、すらりと伸びた背筋で颯爽(さっそう)と歩くことができるでしょう。
 内臓ストレッチを続ければ、いつまでも元気で、若々しく、疲れないカラダでいられるのです。

 『3分間「内臓ストレッチ」で疲れないカラダをつくる』 Chapter 2 より  片平悦子:著  KADOKAWA:刊

 内臓ストレッチするときのポイントは、以下の三点です。

  1. ゆっくり行う
  2. 目的の筋肉を意識して行う
  3. 筋肉の正しい位置をカラダに記憶させる

「横隔膜」を伸ばして、肺を広げる


「横隔膜」は、内臓を上下に仕切っているドーム状の形をした筋肉です(下図2参照)。

横隔膜の形 Chapter3P95
  図2.横隔膜の形
  (『3分間「内臓ストレッチ」で疲れないカラダをつくる』 P95 より抜粋)


 横隔膜の上には、「心臓」と「肺」があります。
 横隔膜の下には、「肝臓」「胃」「腸」などのさまざまな臓器が配置されています。

 そのため、横隔膜の動きが悪くなると、カラダにさまざまな影響が現れます。

 まず、息を吸うときは、横隔膜が収縮して下にいくため、肺がふくらんで空気が入ります。反対に、息を吐くときは、横隔膜が弛緩(しかん)して上に戻り、肺から空気を押し出します。
 これが、一般的に「腹式呼吸」といわれるものです。

「健康のために深呼吸をするとよい」と聞いたことはありませんか?
 これは、深呼吸をすると息をたくさん吸えるため、酸素を多く取り込むことができるからです。
 酸素を多く取り込むと、体内に酸素が供給されて細胞が活性化します。細胞が活性化すると、カラダは元気になります。その結果、疲れが残らないカラダを手に入れることができるのです。
 たとえハードな運動をしたときでも、すぐに疲れが回復するので、カラダを動かすことが面倒ではなくなります。カラダをたくさん動かすようになれば、体力がどんどんついていくでしょう。精神的にもプラスですよね。
 このように、横隔膜は、カラダをつくるために大切な役割を果たしているのです。

 ところが、背中を丸めた姿勢を長時間続けると、横隔膜はどうなってしまうのでしょうか?
 横隔膜は圧迫されて縮んだ状態になります。
 それが常態化すると、横隔膜本来の動きができなくなり、肺が空気を十分に取り込めなくなります。
 肺が空気を取り込めないとどうなるでしょうか。
 酸素が体内に十分行きわたらず、少し動いただけでも疲れやすいカラダになってしまいます。
 そうなると、カラダを動かすことが億劫(おっくう)になり、筋力も衰えていきます。場合によっては、外出するのも面倒になるでしょう。
 どうしてすぐに疲れてしまうのか原因がわからず、精神的に落ち込んでしまうかもしれません。悪循環です。

 例えば、貧血になると、階段をのぼるときに息が切れることがありますよね。
 貧血でもなく、健康診断で何もひっかからないのに、少し早歩きするだけで息切れしてしまうのは、横隔膜が動けなくなって肺がたくさん酸素を取り込めていない可能性があります

 『3分間「内臓ストレッチ」で疲れないカラダをつくる』 Chapter 3 より  片平悦子:著  KADOKAWA:刊

 横隔膜の動きは、他にも「不整脈」「息切れ」「便秘」「腰痛・ぎっくり腰」「下痢」などの症状に関係します。

「横隔膜の内臓ストレッチ」のやり方は、以下の通りです(下図3参照)。

横隔膜の内臓ストレッチ① Chapter3P107横隔膜のストレッチ② Chapter3P106

  図3.横隔膜の内臓ストレッチ①
  (『3分間「内臓ストレッチ」で疲れないカラダをつくる』 P106〜107 より抜粋)

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 私たちは、同じ姿勢を続けることで、筋肉に過剰な緊張を強います。
 そして、それが内臓を圧迫しています。
 圧迫された内臓の働きが弱まると、カラダの不調があちこちに発症して、疲れやすくなります。

 一日中パソコンの前に座りっぱなし。帰りも遅く疲れ切って、運動をする時間も気力もない。
 本書で紹介されている健康法は、そんな人にうってつけです。

 誰でも簡単に、座ったままできて、しかも短い時間で効果効果を感じられる「内臓ストレッチ」。
 皆さんもぜひ、試してみてください。

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