【書評】『「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣』(坂本幸蔵)

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 お薦めの本の紹介です。
 坂本幸蔵さんの『「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣』です。

 坂本幸蔵(さかもと・こうぞう)さんは、ベンチャー起業家です。
 2006年にサイバーエージェントに入社し、ネット広告販売で売上月間1億円を突破するなどの実績を残し、入社2年目には史上最年少の若さで子会社の役員に抜擢されます。
 現在は、独立して「リッチメディア」を起業、ネットサービス「スキンケア大学」「KamiMado」などを手がけ、急成長中のベンチャーとして注目を集めています。

「行動できない人」なんかいない


「これがしたい」
 そう思っても、つい先延ばしにし、結局、やらないまま終わってしまう。
 よくあるパターンですね。

 坂本さんは、やろうと思ったことを行動に移せない理由について、以下のように述べています。

 行動できない理由はいくつかあると思います。
 大きさはともかくとして、成功体験がないことです。どんなに小さなことでも、自分が行動することによって「できた」という感覚を持っていれば、とにかくやってみようという気持ちになるものです。成功体験がない、あるいは少ない人にはその感覚がわからないので、行動することに二の足を踏んでしまうのです。
 もう1つは、失敗したりできなかったりしたときに「恥ずかしい」という思考が先に立ってしまうことです。つまり、周囲の目を気にするあまり、行動に踏み切ることができなくなってしまうのです。
 よく考えてみてください。周囲の目が、あなた自身の明るい未来をつくってくれるでしょうか。
 他人から「すごいね」と言われれば、承認欲求は満たされるでしょう。でも、承認欲求が満たされたからといって、あなたの未来が保証されるでしょうか。

 『「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣』 はじめに より 坂本幸蔵:著 日本実業出版社:刊

 どんな立派な計画やアイデアでも、行動が伴わなければ何の意味もありません。
 まさに、「絵に描いた餅」ですね。

 行動することで、課題が見つかります。
 そして、それを解決することで、さらに前に進むことができます。

 最も大切なのは、動き出すための“最初の一歩”を踏み出す勇気を手に入れること。

 本書は、「まずは行動する」習慣を身につけるためのノウハウを、具体的にまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「行動しないリスク」に早く気づく


「人生は3万日しかない」

 坂本さんは、あるとき偶然、この言葉を目にします。

 日本人男性の平均寿命を80歳とすると、人が生きるのはおよそ3万日。
 当時、20代後半だった坂本さんは、3万本のろうそくのうち、1万本がすでに消え、火がついているのはおよそ2万本しかないことに衝撃を覚えます。

 人生は3万日しかないことを考えたことのある人がどれほどいるでしょうか。
 若い人は、時間は無限にあると思っているかもしれません。何年か前までの僕もそうでした。しかし、人生の残り時間は、思っているよりもはるかに少ないのです。それは20代も例外ではありません。
 人生は、先が読めません。明日、思いがけない事故に巻き込まれて、あっけなく死んでしまうかもしれません。
 ろうそくは突然消えるかもしれない。そう考えると、今、生きている1分1秒のすべてが自分の糧になると思えるはずです。それが理解できれば、行動することで生じるリスクより、行動しないことのほうがリスクになることもわかりはずです。

 できるだけ早い段階で、このことに気づいたほうがいい。そう断言できます。気づくことによって変わった行動が、その後の成長を決める要因になるからです。
 他人から承認されるため、他人から否定されないため、周囲の目を気にしながら生きている人が多い現代社会。人生が有限であることを理解し、そんなことはどうでもいいことだと気づいていただきたいのです。
「日々生活しているなかで、今日の自分が過去最大のパフォーマンスを発揮するためには、どのような行動をすればいいのだろうか」
 こう考えることが、行動の原動力となります。失敗を恐れず、折れない心をつくる源にもなっていくのです。

 『「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣』 第1章 より 坂本幸蔵:著 日本実業出版社:刊

 自分が、あとどれくらい生きることができるのか。

 それを想像するのは、勇気のいることです。
 しかし、その勇気を持つことで、生きていることのありがたさ、時間の大切さに気づくことができます。
 人生の残り時間は、私たちが思っているほど、多くはありません。

「行動しないリスク」の大きさに早く気づくこと。
 それが、充実した人生を送るための最初の一歩になりますね。

最初の商談で相手の心をつかむ


 サイバーエージェント時代に、トップ営業マンとして活躍した坂本さん。
 つねに、お客さまに会った瞬間に気に入ってもらえるか、もう1回会いたいと思ってもらえるかを強く意識しているとのこと。

 つまり、最初の商談で相手の心をつかめるかどうかですべてが決まるということです。

 最初の商談で相手の心をつかむためのポイントは2つあります。
 1つは、面会する前の「ヒアリング」です。
 若い人がはじめてお客さまに面会するための電話をかけるとき、ようやく面会の機会を取り付けた嬉しさや緊張から、アポイントを取ることに夢中になってしまいがちです。しかし、それが非効率であることを理解していただきたいのです。
「お会いする時にお客さまにとって有益な情報を持っていきたいので、今抱えておられる課題や、求められている情報を教えてください」
 僕はそんなふうに聞いていました。こう聞くことで、現在相手が見ているポイントがわかります。それをわかったうえで、市場環境や競合先の動向、自社の置かれた状況を踏まえれば、答えは見えてきます。最初の商談でポイントのずれた提案をしないので、1回目で信頼してもらえるのです。最初の機会で信頼を得ることができれば、早い段階で契約という形になることが多いものです。

 さらに、1回目で得た信頼は、2回目からは期待値に変わります。
 事前に電話でヒアリングして提案を持っていきますが、そのときにはメニューが確定していないので、発注書はもっていけません。しかし、1回目の商談で信頼を得ているので、商談のときに即座でつくった手書きの発注書をもらうこともありました。もちろん、あとで正式な発注書に差し替えますが、お客さまのオーダーを受けたことに変わりはありません。
 2回目の商談からは「これどうなの、あれどうなの」という疑問や質問が出ることがなくなり、お客さまは僕の提案を「やってみるよ」とすんなり受け入れてくださるようになりました。これが、信頼が期待値に変わった証です。
 仮に、そのときに多少しくじったとしても1回目で得た信頼があるので、その失敗によって即「取り引き停止」という事態にはなりません。他社より高い下駄をはかせてもらうためにも、はじめからセカンドチャンスがあるという思い込みを捨て去るべきです。つまり、常に全力で実行することが重要だということです。

 『「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣』 第2章 より 坂本幸蔵:著 日本実業出版社:刊

 最初が肝心。
 それは営業に限ったことではありません。
 すべてに言えることです。

 毎回が真剣勝負。
 練習もリハーサルもありません。

 その覚悟が相手に伝わるかどうかがポイントになりますね。

「なぜ」と「どうすれば」を徹底に掘り下げる


「これをやりたい」と訴えても、上司が首を縦に振らないことはよくあるケースです。
 そのようなとき、坂本さんは、「それはなぜか理由を聞くべきだ」と指摘します。

「なぜ」を3回繰り返していくと、自分がどういう点で及んでいないのかがわかるとのこと。

 そもそも、上司が「やめておいたほうがいい」という理由は、自分が未熟であるがゆえに理解できないだけかもしれません。上司に責任転嫁する人が目につきますが、まずは自分が及んでいない可能性を疑うことがスタート地点です。
 リーダーは「なりたい像」や「やりたいこと」などの目的地に向かって、先陣を切って走っています。それを実現する手段や課題を明確に持っています。自分がその視点を持てていないために、違和感を覚えているだけかもしれません。
「それは私も考えています。上司や先輩の言っていることは見えています」
 メンバーからそう言われることがあります。
 しかし、それは違うと思います。上司や先輩は、最終目的地からの逆算でものを見た上で、それを実現するための手段を話しているのに対し、メンバーは、目の前のことを実現する手段を考えることのほうが多いからです。これは、ゴールピープルとリバーピープルの違いに他なりません。
 そうしたとき「なぜ」を3回繰り返して上司に聞くことで、逆算の発想や逆算する基点となる最終目的地にたどり着くことができるのです。
 それでも納得できないこともあるでしょう。
 3回「なぜ」を繰り返しても、やはり自分のほうが正しい、やったほうがいいという結論に至ることもあるはずです。上司の意思決定が常に正しいとは限りません。部下のやりたいことを理解しきれていないケースもないわけではありません。
 そんなときは、こう言います。
「どうすればやらせてもらえますか?」
 もしくは、上司の意思決定や反対意見に自分の意見をのせ、提案に変えて伝えるようにします。
 僕は「なぜできないのか」と「どうすればできるのか」はセットで考える必要があると考えています。それを聞くことで実現の可能性が広がるだけでなく、自分が及ばなかった点が明らかになるからです。
 多くの人は「なぜ」を繰り返して理由を追究していません。「どうすれば」という視点を手に入れようともしていません。他人のせいにするのではなく、なぜダメなのか、どうすればもっとよくなるのかを突き詰めたほうが成長できます。
 それでもやらせてもらえなかった場合、気分的にはやりたい思いが抜け切らないでしょうが、上司を説得できるほどのファクトとロジックが自分には足りなかった、納得してもらえる提案ができなかったと考えるべきです。

 『「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣』 第3章 より 坂本幸蔵:著 日本実業出版社:刊

 ゴールピープルは、最終ゴールを明確に持ち、そこから逆算して現在の行動を決める人。
 リバーピープルは、先にあるゴールよりも目の前の課題に懸命に取り組む人。

 それぞれに一長一短があり、どちらがいいというものではありません。
 ただ、自分と上司では、ものを見る視点が違うということを認識しておくことは重要ですね。

部下や後輩から学ぶ


 上司や同期から学ぶことはできても、部下や後輩には聞きにくいと考える人は多いです。
 しかし坂本さんは、成果にフォーカスすれば、立場や恥ずかしさは問題にならないはずだと指摘します。

 多くの人は、相手の年齢や立場によって視点を変えすぎです。たとえ後輩であっても、学ばせてもらうのですから姿勢は変わらないはずです。僕は後輩の経営者でも有能であれば話を聞きに行きますし、恥も外聞もなく「教えて」と言います。そう言えるのは、成果や目標だけに目が向いているからです。
 人を見るときに、年齢は邪魔にしかなりません。上司と後輩で態度を変えると、絶対に見透かされます。信頼関係が崩れ、仕事に支障を来すようになります。人を見るときは、経験や実績に基づくその人の「厚み」を見たほうがいいと思います。

 僕が尊敬する人たちは、年配でも非常に腰が低い。小笹さんもそうです。
「インターネット事業のことはよくわからないけど・・・・」
 本当は熟知しているのに、そんな枕言葉をつけて気を使ってくださいます。先ほどお話したメンターとしてのアドバイスをいただく場面でも「組織は、箱でなく人を見て判断しろ」ではなく「組織は、箱ではなく人を見て判断したほうがいいんじゃないかな」という言い方をされます。
 コミュニケーションは、言い方一つで印象が変わります。僕より経験も豊富で実績もある経営者なのですから「こうやれ」と言える立場の人が、はるか足元にも及ばない若造に対しても、それほどまで言い方に気をつかっているのです。
 それを見習い、僕も面接のときには気をつけています。学生はわかっていないから教えてやろう。そんな姿勢になった瞬間に一貫性がなくなります。支援者もいなくなり、成長の機会は減ってしまうのです。

 『「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣』 第4章 より 坂本幸蔵:著 日本実業出版社:刊

 部下や後輩から学べないことは、年を追うごとに学べる人が少なくなることを意味します。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
 年齢を重ねるごとにより謙虚に、学ぶ姿勢を忘れないようにしたいですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 坂本さんの持論は、「才能の差は5倍、意識の差は100倍」です。

「行動しないリスク」を意識しているか、していないかが、それだけ大きな差となるということ。
 行動するということは、失敗するリスクを負うということです。

 失敗した直後は、つらい思いをしたり、へこんだりすることもあるかもしれません。
 しかし時間が経てば、それらは「貴重な経験」に変わります。

 一つひとつの行動での成功、失敗の違いは、人生という長いスパンからみれば些細なことです。
 行動して得られたものの積み重ねのみが、「ズバ抜けた結果」をもたらします。

 これからも大きな挑戦をして、社会に大きな影響をもたらしたいとおっしゃる坂本さんの、これからのご活躍に期待したいです。

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